ひき肉のメイラード反応と旬の甘いれんこんで「ボロネーゼ」が超美味しくできる【元イタリアン料理人のレシピ】

こんにちは! 元イタリアン料理人、現役専業主夫料理人パパイズムです。

長年イタリア料理に携わってきた経験を活かして、今年も身近な材料で、家で作れる美味しいパスタレシピをご紹介してきたいと思います!

さて、2023年、最初におすすめのパスタは「れんこんのボロネーゼ」です。

ボロネーゼはイタリア北部、美食の街といわれるボローニャ生まれのパスタ。玉ねぎやにんじんなどの香味野菜とひき肉を炒め、トマトなどで味付けして作るという点ではミートソースと同じですが、トマトケチャップや砂糖を使って甘く味付けするミートソースに対して、ボロネーゼは赤ワインなどで少しリッチに仕上げるのが特徴です。

今回はそのボロネーゼに旬の甘~いれんこんをたっぷり混ぜ込み、れんこんのホックリ食感も楽しめるパスタを作ります。レシピのポイントは、れんこんの切り方と、ひき肉を炒める際のメイラード反応。シンプルなボロネーゼをより奥深い味わいに仕上げます。

 

パパイズムの「れんこんのボロネーゼ」

【材料】(1人分)

  • スパゲッティ(1.6~1.7mmがおすすめ) 100g
  • 水 1.5L
  • 塩 15g(パスタ茹で用)+ソース味付け用(適量)
  • れんこん  50g
  • 合いびき肉 100g
  • にんにく 1片
  • 玉ねぎ 20g
  • にんじん 20g
  • オリーブオイル 大さじ1
  • トマト缶(カット) 大さじ3
  • ウスターソース 大さじ1
  • 赤ワイン 大さじ3
  • コンソメスープの素(顆粒) 5g
  • 粉チーズ、黒こしょう、ドライパセリ(あれば) 適量

 

作り方

1.れんこんは洗って皮をむき、繊維に沿って(穴と同じ向きに切ればOK)1cm幅に切り、

 

ひと口サイズにカットします。

れんこんはカットの方法によって仕上がりの食感が変わります。今回のように繊維に沿ってカットして調理するとホクホクねっとりに(煮物などもこの切り方ですね)、繊維を断ち切るように輪切りにするとシャキシャキ食感に(きんぴらなど)なります。料理に合わせて切り方を変えてみてください。ボロネーゼの主役はカリカリ食感の肉。そこにシャキシャキのれんこんが混ざると咀嚼で食べるのが疲れるパスタになってしまうため、ここでは食感を抑えバランスがとれるように切りました。

 

2.にんにくはかたい根元を落として皮をむき、玉ねぎとにんじんは皮をむき、すべてみじん切りにします。

今回はみじん切り器を使いまとめて切りました。フードプロセッサーでもOKです。

 

3.フライパンを強火にかけ、合いびき肉を入れてヘラで広げたら、塩(分量外、ひとつまみ)を振って、カリッとして焦げ目が付くまで動かさずに焼きます。

合いびき肉は、スーパーで買った牛と豚の合いびきを使いました。

 

肉から出る余分な油はキッチンペーパーなどでふき取ってください。

 

焦げ目が付いたら裏面も同様に焼き、写真のように肉の塊が残る程度にほぐします。

この工程で「メイラード反応」を起こします。メイラード反応とは、簡単にいうと「ほどよい焦げを付けて、料理をさらに美味しくする」こと。食材に含まれる糖とアミノ化合物(アミノ酸やタンパク質など)を一緒に加熱することで反応がすすみ、メラノイジンという褐色物質が生じます。料理のうま味や香ばしい風味、食欲をそそる色合いが増しますよ。

 

4.合いびき肉の両面に焦げ目が付いたら、れんこんを入れて中火で1分程度炒めます。

 

5. 2、塩(ひとつまみ、分量外)も加え、水分を飛ばしながら3分程度炒めます。

 

6.赤ワインを入れて強火にして、10秒ほど煮込みアルコールを飛ばしたら、

 

トマト缶、コンソメ、ウスターソースを入れて、焦げないように時々かき混ぜながら2~3分煮込みます。

 

ソースの水分が飛んで、写真のような状態になったら、味見をして必要なら塩適量で味を調え、火を止めます。

 

7. スパゲッティを茹でます。鍋や大きめのフライパン(今回は26cmのフライパン使用)に水と塩15gを入れて沸かします。沸騰したらスパゲッティを入れ、パッケージに書いてある時間のマイナス1分茹でて、コシのあるアルデンテ食感に仕上げます。

今回はソース作りに時間がかかるので、ソースが完成してからスパゲッティを茹で始めました。慣れてくれば、野菜を切る→スパゲッティを茹で始める→同時作業でソースを作る、の順で進めるとより早く食べられますよ。

 

8.スパゲッティが茹で上がる直前に、6のソースを中火で温め直し、フツフツとしてきたら火を止めます。スパゲッティが茹で上がったら、トングなどでつかんでソースの入ったフライパンに移し、

 

手早く和えます。

ロングパスタもショートパスタも、ザルにあげてザ~ッと湯切りしてからおおよそ5秒以上放置すると、パスタの中の水分まで過剰に抜けてパサパサになってしまいます。そこで、茹で上がったパスタは滴る茹で汁だけを軽く切ってソースと絡めるか、ザルにあげてすぐソースと絡めるのがおすすめです。

 

9. 器に盛りつけ、粉チーズ、黒こしょうを振って完成。あればパセリも振ります。

 

肉々しくワイルド、じっくり火を通したれんこんの自然な甘さも

ソースを絡めたパスタを口に入れると、赤ワインの風味がたまりません! こうして作って食べてみると、ボロネーゼとミートソースの違いをあらためて感じます。

噛めば音がするくらいカリカリに焼いたひき肉は香ばしさが最高。繊維に沿って切ったれんこんも狙い通りちょうどよいホクホク具合で、ゴロゴロ食感のボロネーゼによくなじんでくれました。旬のれんこんはじっくり火を通すことで自然な甘さが感じられます。野菜たっぷりで食べ応えも抜群です。

このボロネーゼは当然ながら赤ワインにもぴったり。赤ワインとボロネーゼで至福の時間を楽しめるので、ぜひ一度作ってみてくださいね。麺をタリアテッレなどの太麺やもちもち食感の生パスタに変えて作るのもおすすめですよ。

 

作った人:パパイズム

パパイズム

3児の父として、日々家事育児に奮闘する主夫兼料理研究家。イタリアナポリピッツァの職人として10年間働いたのち、現在はプロの料理人としての経験を活かし、企業・飲食向けの商品開発や、「節約しながら家で簡単に作れるプロの味」をブログやInstagramで発表中。好きな食べものはいぶりがっこ。

過去記事も読む

企画協力:フーディストノート

フーディストノート

“暮らしを彩るレシピとアイデア”をコンセプトに、 フーディスト®と共創するメディア&コミュニティ。毎日の食卓に大活躍の料理レシピ、食を楽しむアイデアやトレンド、キッチン収納や調理グッズのコラムなど料理・食と暮らしにまつわる情報が満載。
※2025年4月より「レシピブログ」から「フーディストノート」へリニューアルしました

トップに戻る