鹿島アントラーズの本拠地カシマスタジアムがここまで“モツ煮天国”だったとは【アウェイサポが禁断のホーム側初体験】

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「鹿島アントラーズのスタジアムグルメってすごいんでしょ?」

 

ある日、メシ通担当編集者・ムナカタさんからこう聞かれた。

筆者はJリーグが大好きで、横浜F・マリノスのサポーターだ。サポーター歴は15年以上になり、これまでに全国各地のスタジアムに足を運んできた。もちろん鹿島アントラーズのホームである茨城県立カシマサッカースタジアム(以下、カシマスタジアム)にも行ったことがある。

それを知っているからこそ聞いてきたのだろう。しかし、筆者は答えることができなかった……。

 

なぜなら、いつもビジターゴール裏に座っているからだ。

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▲ビジターゴール裏は、フェンスという高い壁に囲まれており、外へ出られない構造になっている

説明しよう。

Jリーグでは基本的に「メインスタンド」「バッグスタンド」「ホームゴール裏」「ビジターゴール裏」の4つのエリアに分けられる。

そして、ホームチームとビジターチームのサポーターが交わることがないよう通行規制されている。だから、ビジターチームのサポーターは、ホームゴール裏には行けない。もちろん、その逆もしかり。

そして肝心なカシマスタジアムのスタジアムグルメ(以下、スタグル)は、ホームゴール裏またはメインスタンド、バッグスタンドのコンコースで展開されていて、ビジターゴール裏の人は入れない仕組みなのだ。

 

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▲メインスタンドやバックスタンドのチケットを持っている知り合いにお願いして、フェンスの隙間からスタグルを受け取ることをサポーター用語で“密輸”と言う

 

もちろんビジターゴール裏でもスタグルは売っているのだが、なんせ売店数が少ない。だからマリノスサポーターであり、ビジターゴール裏にいつも座っている筆者は、カシマスタジアムのスタグルのすごさを体験したことがないのだ。

 

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▲ビジターゴール裏の売店の様子。2~3店舗くらいと少ない

 

「へぇ~、そういうルールがあるんですね。じゃあ、『メシ通』の取材でフェンスの向こう側を見てみますか?」と担当編集者・ムナカタさん。

 

……!?!?!?!?

 

いざ禁断のホーム側へ

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ということで、やってきましたカシマスタジアム!!

東京駅八重洲南口から出発する高速バスで片道2時間強。やや遠いが、日帰り小旅行と思えばなんてことない。

余談だが、マリノスにとってカシマスタジアムは鬼門である。というのも、2012年以来リーグ戦ではカシマスタジアムで勝ち点を取れていないのだ。おまけに筆者は、このスタジアムでマリノスが勝った試合を一度も見たことがない(泣)。

 

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▲鹿島アントラーズといえば、なんといってもジーコである。スタジアム前の銅像がまぶしい

 

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▲マンホールも鹿島アントラーズ仕様。どこを向いても感じるアウェイ感

 

まぁそんなことはさておき、さっそくスタグルをレポートしたい。

初体験のホーム側は、なにからなにまで驚きに満ちていた。

 

【ホームの驚き①】店舗数が多い

遂にビジターゴール裏以外のエリアに足を踏み入れた筆者。その日はマリノスのゲームではなかったとはいえ、なんだか悪いことをしているような、ソワソワ感があった。

 

まず驚いたのは、売店の数の多さである。

リーグ戦の場合、土日開催だと2Fコンコースに22店舗、4Fコンコースに5店舗の計27店舗も営業している。平日開催だと22店舗ほど。

カップ戦だと、土日開催が22店舗、平日開催が15店舗~18店舗になるそうだ。

 

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▲コンコースにある売店の様子。こんな雰囲気のお店がずらーっと並んでいる

 

今回訪問したのは「フライデーナイト」と呼ばれる金曜の夜に行われるリーグ戦であったため、土日開催に比べると売店数は少ないが、それでも驚くほどの多さであった。

なにより手作り感あふれる売店の雰囲気がいい。学園祭のような、地元のお祭りのような温かみがある。……なにこれ、超楽しいんだけど(笑)。

 

【ホームの驚き②】だいたいどのお店も「モツ煮」を売っている

カシマスタジアムのスタグルといえば、モツ煮が有名だ。ビジターゴール裏でも、モツ煮がよく売られていたのは知っていた。もちろん筆者も食べたことがある。

しかし驚いたのは、どのお店でもだいたいモツ煮を売っていたことだ。

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▲「スタジアム名物 もつ煮込み」の文字!

 

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▲この売店でも「もつ煮」を売っていた

 

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▲ここでも「もつ煮込」の文字が。どこに行っても「もつ煮」だらけ

 

でもよく考えてみたら、モツ煮は茨城県の郷土料理ではないはず。なぜ、そんなにモツ煮を売っているのだろうか?

鹿島アントラーズのスタグル担当者さんによると「理由は定かではありませんが、カシマスタジアム=モツ煮の印象が強いため、各店舗販売するようになったのではないでしょうか」とのこと。

気になって、売店のスタッフさんにも話をうかがってみたところ「約20年前に、どこかのお店がモツ煮を販売したところ、すごく売れたので他のお店が一斉にまねしだした」という。

 

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どうやらモツ煮の名物化は自然発生的に起こったようだ。それにカシマスタジアムの気温は、東京にくらべるとやや寒いので、このモツ煮がサポーターの体を温めてくれるのだろう。

ということで、まずはモツ煮を食べようではないか。各店舗とも趣向を凝らしているので、来場者は、自分好みのモツ煮を購入するらしい。

今回は、バックスタンド側にある「鹿島食肉事業協同組合 タカノ・鹿島ミート」のモツ煮をいただくことにした。

「鹿島食肉事業協同組合」のモツ煮は、「Jリーグスタジアムグルメ」という賞で3年連続ベストイレブン入りし、殿堂入りしたこともある超名プレイヤーである。

 

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▲大鍋に入ったモツ煮。モツがたっぷり入っていることがわかる

 

売店のスタッフさんによると、この店舗だけで最大1000食のモツ煮を売ったことがあるという。

 

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▲ネギがたっぷりのった「モツ煮」(500円)

 

う~ん、まろやかな味噌が心地いい!

具材は、モツを始め大根、ニンジン、ネギ、こんにゃく。大根は、味噌のスープが染み込んでしっとりやわらかくなっている。

 

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野菜もたっぷり入っていてボリューミーなのに、食べても食べてもモツが入っている! これはすごい。好評であることも納得だ。

 

さて、定番のモツ煮を食べたところで、次のスタグルを探しにいこう。

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すると目に入ってきたのは「トマトモツ煮」の文字。モツ煮はモツ煮でも、変わり種もあるようだ。

気になったので、「ゆがふ」の「トマトモツ煮 小サイズ」を食べてみることに。

 

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▲「トマトモツ煮 小サイズ」(400円)

 

え、これで小サイズ!? 大きくない!?

食パン付きで、まるでイタリアンのようにおしゃれに仕上がっている。

具材は、モツのほかにキャベツ、ニンジン、しめじ、エリンギなど。野菜たっぷりで、栄養満点であること間違いなし。しかも、しっかりと温かい。食べ終わる頃には、体が温まって汗をかいていた。

 

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▲トマトスープをしっかり染み込ませて食べる食パンは美味

 

この2杯だけで、何日分のモツを食べたんだろうか。それほど、モツがたっぷり入っている。

 

ちなみに他の売店では、モツ焼きも売っていた。

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▲バックスタンド側「TAGUCHi」は目の前で、モツを焼いてくれる

 

モツを盛大に焼く光景に食欲がそそられる……!

これ絶対うまいやつじゃん!

 

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▲「モツ焼き」(500円)、「モツ焼き(小)と生ビールセット」(1,000円)もある

 

たまたま買っていた方に、写真を撮らせてもらった。(喜々としながら)「これが最近の僕のお気に入りなんですよ」とのこと。

 

ビジターゴール裏でも、モツ焼き販売して!!

絶対に買うから!!

 

【ホームの驚き③】コストパフォーマンスが良すぎる

モツ料理を堪能したところで、次のスタグルを探しに行く。

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もくもくと大量の煙がたち、行列ができていたのがバックスタンド側の「五浦ハム」。この煙の正体は、炭火によるもの。

 

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というのも、手作りのハムたちをBBQのように炭火で焼いているのだ。

こ、こんなことがスタジアムのコンコースで行われていたとは(涙)……! 

煙のいい香りに誘われ、行列に並んでしまった。

 

そして「ハム焼き」と「豚ドッグ」を購入。

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▲焼き立てほやほやの「ハム焼き」(400円)

 

う、うまい……!

こういう串焼きは、冷めて肉が硬くなっていることも多いのだが、「ハム焼き」は、ほどよい弾力がありつつ、脂身もあってジューシーである。もはや、ハムというより肉の塊と表現するのが正しいような気がする。でも胃もたれするような脂っこさはない。これで400円って安くない?

 

もっとも“コスパ最強!”と感じたのは、「豚ドッグ」だ。

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▲30㎝はあるだろう長い自家製ウィンナーが入った迫力満点の「豚ドッグ」(300円)

 

これでたったの300円である。

小学生のお小遣いでも買えるレベルだ。他のスタジアムなら倍の値段で売っていてもおかしくないほど。

 

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自家製ウィンナーは濃厚で食べ応えがある。それにウィンナーは、ケチャップとマヨネーズとの相性もよく、ほどよいジャンキー感がビールを欲する。

アルミホイルに包まれた状態で受け渡されるので、パンがしっとりになっているのも最高だ! 

何度も言うけど、これで300円って、安すぎませんか?

 

【ホームの驚き④】肉料理がとにかく充実している

食いしん坊な筆者だが、序盤にはりきって「モツ煮」「トマトモツ煮」「ハム焼き」「豚ドッグ」を食し、すでに満腹気味になってきた。完全にペース配分を間違えた。

ここからは、筆者が見つけたおいしそうなスタグルを写真のみで紹介する。

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▲バックスタンド側「居酒屋ドリーム」の「ハラミメシ」(大盛800円、並600円、ミニ400円)。今にもとろけそうなハラミにうっとり

 

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▲同じく「居酒屋ドリーム」の「タンメシ」(大盛900円、並700円、ミニ500円)。タンシチューがごはんにぶっかけてある!

 

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▲バックスタンド側「居酒屋ドリーム」の「スモークターキー」(700円)。スタグルにこんな力強い肉アイテムがあったとは……

 

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▲ホームゴール裏エリアに突如現れた行列。このお店は「和風レストラン やまびこ」。おいしそうな肉を鉄板で焼いていると思ったら……

 

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▲20食限定の「メガステーキ丼」(1,000円)

 

こんなのを売ってた! 「和風レストラン やまびこ」のメガステーキ丼は上質なロース肉と2種類のオリジナルソースの相性が抜群らしい。タレがかかったご飯も、絶対においしいに違いない。

 

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▲ホームゴール裏「鹿島流 寺田屋八兵衛」の「牛カルビチャーハン」(700円)。お酒を飲んだシメに食べたい……!

 

【ホームの驚き⑤】カレーもいろんな売店で売っている!

実は筆者は、大のカレー好き。カシマスタジアムでも何か珍しいカレーがあれば食べてみたいと思い、密かにカレーを探していた。

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▲スポンサー企業「らぽっぽ」の「アントラーズ勝つカレー 安納黒豚メンチカツ」(850円)

 

安納黒豚メンチカツは気になるが、「鹿島アントラーズ勝利祈願」と書いてあり、さすがに食べるのをためらってしまった。

今日は取材とはいえ、一応マリノスサポーターだからね。

 

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茨城県なのに「神保町カレー」(500円)

 

東京・神保町にカレー店は多いが、神保町カレーというものは存在しない。いったいどんなカレーなのだろうか? 気になるが、茨城県で神保町カレーを食べるのもなあ……。

 

そんなこんなで、ついに食べてみたいカレーを発見した。

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▲メインスタンド側「味処いがらし」の看板に「はまぐりカレー」の文字!

 

はまぐりは茨城県の名産品である。ならば、シメに食べておきたい。

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▲「はまぐりカレー」(700円)。カシマスタジアムでは割と有名なメニューらしい

 

はまぐりの出汁をほんのりと感じるカレーだ。サラっとしていて汁気があるカレーソースなので、口あたり軽く仕上がっている。

はまぐりは何個も入っているが、意外と魚介っぽさはないので、魚介が苦手な人でも食べられるのではないだろうか。

 

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▲スプーンの上には、はまぐり。“ここでしか味わえない感”が、より一層おいしくさせる!

 

ちなみにカシマスタジアムのスタグルで筆者がどうしても食べてみたかったものがある。それは「メロンまるごとクリームソーダ」だ。

 

 
 
 
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▲以前『メシ通』で紹介されていたスタグルの達人・N川さんのインスタから拝借

 

完熟メロンをくり抜いた中にソーダを流し込み、その上にバニラアイスが添えてあるクリームソーダだ。

しかしスタジアム内をくまなく探してみたが、見つけられなかった。期間限定らしく、訪問した9月にはもう販売終了してしまったのだろうか。無念である。

 

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悔しいので、最後にアントラーズオフィシャルカクテル「ほこたメロンハイボール」をいただこう。

 

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▲メインスタンド側「KRC 3番売店 大川酒店」で売っていた「ほこたメロンハイボール」(500円)

 

メロン味のかき氷シロップのような甘いお酒に仕上がっている。ハイボール感があまりなく、ジュースのようにゴクゴクと飲めてしまうので酔いには気をつけて。でもおかげで、口に残っていたカレーをスッキリと流してくれた。

 

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▲他の店舗さんでは、現役&往年の所属プレイヤーたちの名前をもじったお酒も。こういうのは眺めているだけでも楽しい

 

【まとめ】カシスタはモツ煮をはじめとした肉天国だった!

モツ煮をはじめとした肉料理を堪能し、おまけにカレーも食べて大満足の筆者。もうお腹いっぱいである。

それでも紹介したスタグルは、ほんの一部。各店舗のサイドメニューも含めると全部で200~250種類ほどのメニューがあるという。もちろん肉以外のメニューも豊富にそろえている。

そして今回はスタグルを目的に来たので、こんなにお祭り気分も味わえて、これからサッカーの試合も観戦できるなんて、超お得じゃん!! と思ってしまった。(試合や応援風景についてもレポートしたいところだが、取材申請をしそびれて撮影ができなかった)

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▲試合風景の代わりにチームマスコットのアントンの写真を載せておこう

 

当たり前だが、普段はサッカー観戦がメインの目的で、スタグルはおまけ程度であった。だが、こうしてスタグル目的で来てみても十分楽しめることがわかった。これはいい発見だった。Jリーグやサッカーを知らない人でも、スタジアムに来ればきっと楽しめると思う。

カシマスタジアムに限らず他のクラブでもスタグルはあるので、ぜひ地元クラブのスタジアムに足を運んでほしい! もちろん、クラブによってスタグルの充実度は異なるが、それも含めてJリーグの雰囲気を一度味わってもらえれば。最近はマリノスも、日産スタジアムのスタグルには力を入れていますよ。最後にちゃっかり宣伝失礼。

 

鹿島アントラーズさん、この度は取材にご協力いただきありがとうございました!

“オリジナル10”同士、いつまでもJ1の舞台で闘いましょうね(マリノス、絶対残留!)

※オリジナル10とは、1992年の日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)発足時に加盟した10チームのこと。ちなみに、オリジナル10でJ2降格を経験していないのは、鹿島アントラーズと横浜F・マリノスだけなのだ。

 

書いた人:名久井梨香

名久井梨香

フリーライター。東京都出身。新卒で大手広告会社に就職するのも、会社員は向いていないと挫折。1年で退職し、その後フリーライターの道へ。趣味は、Jリーグとカレー。週1回、新宿ゴールデン街でバーテンダーもやっています。

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