【ポテトサラダが好き】ロシア発祥説から絶対行くべき厳選14店まで、約5000皿を食べ歩いたポテサラ男爵に聞いてみた

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ポテトサラダ、略して“ポテサラ”。

しっかり潰したジャガイモに、キュウリとニンジン、玉ネギ、ハムを加え、たっぷりのマヨネーズで和え、そして中濃ソースをかけていただく。これが子どもの頃、母が作ってくれたポテサラだった。

しかし大人になった今、居酒屋さんなどでポテサラを注文すると、ジャガイモの潰し具合、入っている具材、マヨネーズの量など、店によってまったく異なることに気が付いた。もしかしてポテサラって、奥が深いのでは……?

そんな疑問から生まれたのが今回の企画。ポテサラを研究しはじめて30年、食べたポテサラは5,000食以上。そんなポテサラの専門家(!)である“ポテサラ男爵”こと石橋清一さんに、ポテサラの世界について教えてもらった。 

話す人:ポテサラ男爵さん

ポテサラ男爵さん

本名:石橋清一さん。福島県生まれ。中学時代は調理クラブに加入。粉吹き芋を作った時に、たまたま顧問の先生が持ってきていたマヨネーズで和えたところ、なにか目覚めるものがあった。大学時代は居酒屋でアルバイトをし、ポテサラを仕込む担当に。以来、数々の飲食店で約5000皿のポテサラを食べ歩き、現在に至る。ちなみに実家のポテサラは、完全マッシュしたジャガイモに、具材はニンジン、玉ネギ、キュウリ、魚肉ソーセージという組み合わせ。

ブログ「ポテサラ、あるいはKOREA DAYS」

 

東は男爵×あらつぶし、西はメークイン×しっとり

──今日はよろしくお願いします。まさかポテサラ専門家の方が存在するとは思いませんでした……!

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plainポテサラ男爵さん(以下、男爵)子どもの頃からポテサラは好きでしたが、社会人になり飲む機会が増えてから、ポテサラの食べ歩きをするようになりました。とはいえ約30年前のことですから、今のようにインターネットが発達していません。だから口コミやタウン誌を読み漁るなどして、常に美味しいお店を探していました。今は、主にInstagramなどのSNSで情報収集していますよ。

 

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──ポテサラは好物ではありますが、食べ歩くという発想がなかったです。食べ歩きをすると、ポテサラの地域性などわかるものなのでしょうか?

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:そうですね。自分が食べ歩いた感覚では、東日本や九州は男爵いもを使い、若干ジャガイモ感を残す「あらつぶし派」なのに対し、関西はメークインを使い、マッシュした「しっとり派」が多いですね。ただ入っている具材や味付けは、お店の業態やメインの料理に左右されます。

 

──なるほど、ポテサラにも地域性があるんですね。もしかしてトレンドなどもあったり?

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:ありますよ。最近は「進化系ポテサラ」と呼ばれるポテサラが出てきました(下記リンク参照)。ジャガイモではなく、さつまいもや里芋だったり。また具材は、燻製したベーコンやサバ、サーモン、チーズ、いぶりがっこなど香りや食感のアクセントになるものが流行っています。ゆで卵やフライドオニオンのトッピングも定番化してきましたが、ポテサラに入れ出したのも、ここ数年の話です。

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──あ! いぶりがっこのポテサラ、ついこのあいだ居酒屋で食べました。まさか流行だったとは。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:あとは、2種類のポテサラを合い盛りしたり、タワーやケーキ型のように成型したり(下記リンク参照)。そういった盛り付け方も流行っていますね。こうやってポテサラに脚光が当たり始めたのは、2011年に月刊誌「dancyu」が丸ごと一冊ポテサラ特集を組んだところからです。当時は2冊買って1冊は保存用、1冊はガイド兼勉強用として毎日カバンに入れて持ち歩いていました(笑)。

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──さ、さすがです。

 

ロシア発祥説が有力!? 

──そもそもポテサラって、どこの国の料理なのでしょうか。まさか日本が発祥?

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:ジャガイモ料理が多いドイツ発祥の説もありますが、有力なのはロシアですね。ロシアに「オリヴィエサラダ」というサラダがあり、マッシュしたジャガイモに鶏肉や卵、ピクルスなどが入っています。またロシアのスーパーには、ポテサラのようなサラダが充実していて、味的にもかなり近いことが分かっています。

tabi-labo.com

 

──意外な国名が出てきて驚きました。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:日本には明治時代の文献に、ビーツを使ったポテサラの記述が残っています。ただ根付いたのは戦後。キユーピーマヨネーズが家庭の調味料として定番化したあたりからです。

 

──マヨネーズが家庭で普及したことにより、ポテサラもよく食べられるようになったと。マヨネーズといえば、マカロニサラダもポテサラと似ていると思うのですが、マカロニサラダについてはどう思いますか?

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:正直、マカロニサラダはサラダなのかな? と思ってしまいますね。マカロニはパスタの一種ですから。その意味では、ポテサラはジャガイモという野菜がメインですから、サラダであることはゆるぎないですよ。それに添え物としてだけでなく、主役にもなれるので、言ってみれば主役にも脇役にもなれるユーティリティープレイヤーなんじゃないかと。

 

──な、なるほど……。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:ただ最近はポテトサラダと合わせて「ポテマカ」を出すお店もかなり増えました。両方食べたいというニーズの反映でしょうね。

 

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東京・代々木八幡「ウエトミ」で提供されているポテマカ(380円)

 

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男爵厳選! これが今食べるべき14店のポテサラだ

──ポテサラ男爵のポテサラ愛に驚きながらも、お話を伺っていたら、無性にポテサラが食べたくなってきました。男爵のオススメ店を教えてください。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:はい。お店情報を聞かれるかと思いリストアップしてきました。今回は東京都内にしぼってご紹介できたらと思います。

 

池袋「やきとん木々家(はやしや)」

自家製ポテトサラダはマヨネーズをふんだんに使ったクリーミーなテクスチャーながら、黒コショウを効かせたスパイシーな味わい。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:まさに酒呑みのために作っているポテサラですね。ビールだけでなく、日本酒とも相性◎です。

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池袋ほか「大衆酒場ちばチャン」

ポテトサラダがなんと激安の一皿100円。安いのに美味しくてコスパ最高!

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:1人1個注文して「マイポテサラ」を心ゆくまでつまみましょう。

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※上記リンクは吉祥店のものです

 

渋谷「ヘイメル ミヤマス」

炙りポテトサラダはしっとりしたジャガイモに、刻んだ玉ネギとチーズを混ぜあわせ、表面をバーナーで炙った複雑な味わい。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:まさに、大人のポテサラですね。ワインとの相性が素晴らしい。

www.hemel-miyamasu.jp

 

④参宮橋「Bar Shanks(バーシャンクス)」

燻製したポテトチップスが入ったポテサラで、丸型に成形されている。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:スモーキーなポテトサラダはもちろん、こちらはハンバーガーもおすすめです。

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⑤荒木町「酒場のんき」

ポテサラは、ジャガイモをマッシュさせたしっとり系。マスカルポーネとスモークサーモンが入っており、呑兵衛にとってマストアイテムのひとつ。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:非の打ち所がないオツマミが揃っていて、必ずお腹をペコペコにして行く酒場のひとつ。ポテサラはチーズの香りが素晴らしく、ホッピーと合わせて食べるのが最高です。

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⑥新橋「駿(しゅん)」

こちらのハムカツポテトサラダサンドは、ハムカツの中身がポテトサラダという個性派メニュー。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:オーダーを受けてからポテサラを成形して揚げるので、サクっとしていて、ポテトもきれいに噛み切れるほど歯ごたえがあります。

potesalamylife.blog.fc2.com

 

新宿三丁目「鼎(かなえ)」

新宿の名店のひとつに数えられる、老舗居酒屋店のポテトサラダ。アイス型に成形されており、魚肉ソーセージが入っている。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:品切れすることも多いので、ポテサラを食べたければ18時までに入店することを推奨します!

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⑧新橋「もつ焼きカミヤ」

ポテサラ(カレー味)。カレーの味がしっかり染みついたポテトサラダで、中濃ソースをかけていただく。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:お店に箸がないので、注文して食べた串焼きの串を使って食べるんですが、それがなんともユニーク。もつ焼き屋さんらしい、パンチの効いた味わいですね。

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⑨自由が丘「Potato Cream (ポテトクリーム)」

ポテトサラダ専門店で、常時5種類のポテトサラダを用意。ミートソースやジェノベーゼを使うなど個性派揃いで、見た目はまるでスイーツのよう。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:全国でも珍しいポテサラ専門店です。イートインコーナーもあり、セットメニューだとバケットも付いてくるので、しっかり食事もできますよ。

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⑩中目黒「なかめのてっぺん本店」

海鮮炉端焼きをメインとする居酒屋店のポテサラは、鯖燻製と半熟玉子入り。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:燻製した魚の具が入ったポテサラはトレンドのひとつですが、ここのはとにかく日本酒や焼酎好きにおすすめしたい一品ですね。

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⑪板橋区大山「やきとんひなた」

大山の名物商店街ハッピーロードの入口近くにある、常に満席状態のやきとん店。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:オーソドックスなポテサラですが、私の場合は同時に「鶏レバーペースト バケット付き」を注文し、その鶏レバーパテとマーマレードジャムをのせて食べるんですが、これがまた絶品なんですよ。

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⑫銀座「ジャポネ」

東京・銀座にあるスパゲッティ専門店・こちらのサイドメニューとして、ポテサラが提供されている。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:甘みがあっておいしく、100円で気軽に頼めるので必ず注文したいメニューですね。

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⑬錦糸町「醸造科 oryzae(オリゼー)」

発酵食材をふんだんに使ったメニューが個性的。こちらの「酒盗のポテトサラダ 酒盗餡掛け」は、東京農業大学出身の店主が作る酒盗が入ったポテサラ。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:ほぼ酒盗ですね、こちらのポテサラは。木べらで崩しながら、ぬる燗でチビチビつまむのがたまりません。

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⑭亀戸「エチゴヤ」

なんとも珍しいポテトサラダ入りとんかつに出会える洋食店。

 

f:id:Meshi2_IB:20190528084404p:plain男爵:とんかつの中身はしっかり味がついたポテトサラダなんです。むろん、ご飯と一緒に食べても美味しいですよ。

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以上、圧巻のセレクションをお届けした。ポテサラのバリエーションの多さを知り、ポテサラ男爵のいう「ユーティリティープレイヤー」にも、妙に納得だ。

そしてポテサラ男爵にお会いしてから、居酒屋に行くたびにポテサラを注文するようになってしまった。たしかに燻製のベーコンやチーズ入りのポテサラ、タワー型に成形されたポテサラをよく見かける。そして食べてみると、どれもなかなかウマい。

 

……新しい世界の扉、開けちゃったかも。

 

書いた人:名久井梨香

名久井梨香

フリーライター。東京都出身。新卒で大手広告会社に就職するも、会社員は向いていないと挫折。1年で退職し、その後フリーライターの道へ。趣味は、Jリーグとカレー。週1回、新宿ゴールデン街でバーテンダーもやっています。

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