ビールに一番合う料理は何なのか?
酒飲みの間では、常に激論が交わされる大きなテーマであります。僕はよく「それは餃子ではないだろうか?」と提案し、それはかなりの率で同意を持って受け入れられます。1位とまでは言わなくても、餃子とビールの組み合わせが素晴らしいことに異論を唱える人はいないでしょう。
僕は自宅で食べる餃子も好きなんですが、子どもの頃から自宅では餃子の時は他のおかず無しで、ひたすら餃子をたくさん食べるというスタイルなんです。餃子は炭水化物、タンパク質、ビタミンをいっぺんに取れる完全食と言われていますしね。栄養的にも餃子だけでオッケーなわけです。
なんて素晴らしいんだろう、餃子。
▲我が家の餃子。だいたい4人でこれを2皿
というわけで、餃子だけをひたすら食べるだけの飲み会というのをやってみたいと考えていました。
他の料理一切なし。でも絶対満足できるはず。友人たちに声をかけたら、みんな即答でしたよ。みんな餃子大好き。さぁ、餃子オンリーイベントの開催ですよ。
ではどこのお店で餃子を食べるべきか。それはもう「ぎょうざの満洲」に決まっているじゃないですか。餃子と言えば満洲。反射的に「3割うまい!!」のキャッチフレーズが出て来るでしょう。
▲マスコットの「3割ちゃん(※)」(勝手に命名)
(※編集部注:「ぎょうざの満洲」のキャラクターはラーメンとチャーハンから取った「ランちゃん」という名前です)
と、思ったら「ぎょうざの満洲」って、お店があるのが都内でも偏っているんですね。
本店は埼玉県の所沢だし、西武新宿線、西武池袋線、東武東上線、中央線、京浜東北線あたりがメインで埼玉県と東京の西の方に偏ってるので(あと最近は関西にも増えてきてます)、都内在住でも知らない人はけっこう多いみたい。
僕の行動範囲だと「あちこちにあるお店! メジャー!」と思っていたんですが。
いや、でも一度行けば絶対好きになりますよ、「ぎょうざの満洲」!
さて、平日の夕方6時に「ぎょうざの満洲」高円寺北口店に集合しましたよ、餃子戦士たち。写真左から、友人の編集者の大木テングー君、僕、カメラマンのねじ君、そしてお酒大好き介護士のマスミちゃん。あと写ってないけど、『メシ通』スタッフのM君の全5人。
▲高円寺北口店の店内。席間がゆったりしているのがうれしい
「餃子オンリー飲み会」スタート!
戦闘開始です。乾杯。まずは全員生ビール中ジョッキ(432円)。
そしてもちろん餃子!
1人前で6個(226円)を10人前!
以上!
「漬物とかも駄目ですか?」
「駄目! 餃子のみ!」
「満洲」は餃子以外のメニューも充実しているのですが、今日は無視します。
チャーハンとか美味しいんですが、今日は我慢します。本当は餃子定食(焼き餃子とライス)が餃子6個にライス、スープ、漬物のセットで388円と常識外れの安さで超お得なんですが、今日は駄目なのです。
では餃子に立ち向かいますよ。目の前にずらりとお皿に並んだ餃子のひとつを口に放り込み、そして間髪を入れずにビールをあおります。
「く〜っ!」
思わず魂の底から歓喜の声が湧き上がります。
満洲の餃子は1個あたりが適度な大きさなので、パクリと口の中に収まります。僕は個人的にはジャンボ餃子よりもこれくらいのサイズの方が好きです。口の中で肉汁をあますところなく楽しめるから。
肉汁で熱々になった口の中を鎮めるように冷たい生ビール。熱さと冷たさの刺激を交互に楽しんでいると、いつまでも食べ続け、飲み続けられるような気がします。1人あたり2人前の12個なんて、あっという間にペロリです。
すぐにおかわりです。今度は1人1皿づつ。
とは言っても、やはり餃子だけを食べていると、飽きてくるのも事実です。
そこで重要となるのがタレです。餃子のタレというと、醤油・酢・ラー油というのが定番ですが、その3つの割合も人によっていろいろと違います。
▲この調味料をいかに使うかが勝負です
▲タレ用の皿にも3割ちゃんが!
▲タレはたっぷり付ける派です
餃子のタレにはなにがベストなのか?
▲酢&コショウ。試したことのない人は一度ぜひ
僕は醤油と酢が同量にラー油少々。マスミちゃんは醤油と酢のみ。
そして、ねじ君は酢にコショウ。最近、流行の兆しを見せておりますが、この酢&コショウはさっぱりしていて、餃子がどんどん食べられるんですよね。
僕も途中で、酢&コショウに味変。ねじ君は逆に酢&コショウにラー油、醤油と足していく派です。マスミちゃんは途中で酢のみになります。
▲山盛り洋ガラシ。それほど辛くないです
すると、大木君が店員さんに洋ガラシを注文。カラシ醤油を作って食べ始めました。なるほどカラシ醤油という手があったかー。シュウマイ感覚で食べられるわけね。
これが意外に美味いと評判がよく、みんな辛子で食べはじめました。カラシは小皿に山のように盛られて来たんですが、あっという間になくなってしまいました。カラシいいぞ、大木君GJ!
▲カラシは醤油に溶くよりも直乗せがよかった
▲醤油・酢・ラー油のノーマルと、カラシ醤油の二枚使いをする大木くん
料理は餃子のみというルールですが、お酒の方はビール以外もOKということにしています。「ぎょうざの満洲」って、お酒メニューも豊富なんですよ。しかも安い。
生ビールは中ジョッキが432円、グラスが324円。中瓶ビールが464円。ジョッキはプレミアム・モルツですが、瓶はスーパードライ。なので、大木君は途中で瓶にチェンジ。あー、確かに餃子にはスーパードライのキレの方が合うかもなー。
▲真剣な表情でレモンを絞る筆者
生搾りレモンサワーが378円にスーパーチューハイが324円。徳利の日本酒が345円。さらに紹興酒もありますよ。グラスが280円、ボトルが993円。
ん、生搾りレモンサワーというのは、レモンが付いて来るわけだよな。というと、レモン汁をタレにすることだって出来るじゃないですか!
レモン汁の半分はチューハイに、半分はタレ用に。
同じ酸っぱいのでも、酢とはまた違ったフレッシュな味がいいですね。これまた味が変わって飽きずに食べられるじゃないですか。
マスミちゃんも食べます。ひたすら餃子を食べます。
ねじ君も食べます。ぐいぐい餃子を食べます。
とは言え、1人で18個も焼き餃子を食べていると、さすがにちょっと違うものが食べたくなってくるのが人間というものです。
「今日は餃子だけなんですか?」
「今日は餃子だけです」
「……」
そろそろ焼き餃子以外のものが食べたくなってきた大木君が、店内に貼ってある貼り紙を発見しました。
「あ、水餃子があるじゃないですか。水餃子も餃子ですよね!」
「お、おう……」
まぁ、餃子ではあるから、よしとしましょう。6個291円の水餃子を二皿注文。ちょっと辛めのつけダレが付いてきます。
ふむふむ、やっぱり水餃子はモチモチつるんとした触感がいいですね。
あー、こりゃレモンサワーに合うわー。
▲テーブルの上、かなりカオス
▲水餃子にラー油直がけも美味い
「いやいや、これは紹興酒じゃないですか?」
「なるほど紹興酒」
「しかもお燗して」
「お燗」
紹興酒をお燗で頼むと、グラスではなく徳利でやってきました。ちゃんと氷砂糖も付いてきます。これで280円。めちゃくちゃコストパフォーマンスよいじゃないですか。
あー、紹興酒しみる。水餃子と紹興酒、合う。
こうなると、他にも何かないかとメニューをチェック。
「このおつまみ各種162円ってのがいいんだけどなー。ザーサイ、メンマ、キムチ、お新香、冷奴……。冷奴行きたいなー」
「だめ、今日は餃子だけ」
「あっ、定食のスープだけって注文できないのかな」
「スープ、21円ですよ」と店員さん。
「え、頼めるの? しかも21円?!」
「いや、今日は餃子だけ……」
「飲み物はいいんでしょ? スープは飲み物」
「スープは飲み物」
▲ゴマとワカメ入り
というわけでスープを注文。ラーメン店の定食によくある、醤油ラーメンのスープを流用したようなさっぱり味のスープですね。
「これをこうすると……」
大木君、スープの中に餃子を投入し、皮を破って崩しました。
「スープワンタン風になるわけですよ!」
「おお! さて、お味は?」
「……まぁ、こういうのもあるのかと」
「なるほど」
▲水餃子をスープで食べるという技もあります
さらにメニュー探検は続きます。レバニラ炒めや野菜炒めのところに、こんなものを発見しました。旨辛みそ(21円)。「麺類や一品料理がピリ辛味に! 冷奴などにもおすすめ」とあります。となれば餃子に合わないわけもありません。
これは調味料ということでセーフ。
注文します。
うん、まぁ、これはこれですね。確かに炒め物や冷奴の方が合うかもなー。
そんな感じで食いました飲みました。5人で焼き餃子15皿、水餃子2皿。合計102個。ひとりあたり約20個食べた計算です。そしてお酒もガッツリと飲みました。
▲お腹いっぱいです。もう入りません
これでお会計が10,196円。え、ひとりあたり2,000円?
こんなにお腹が苦しくて、しっかり酔っ払って2,000円?
上手くやれば、せんべろも十分いけますね。
いやぁ、満洲飲み、楽しいな。
近所に「ぎょうざの満洲」があるエリアに住んでいて、本当に幸せだな。
あなたの街には、「ぎょうざの満洲」ありますか?
お店情報
ぎょうざの満洲 高円寺北口店
住所:東京都杉並区高円寺北2-21-8
電話番号:03-5327-3220
営業時間:11:00~21:50(LO 21:30)日曜の
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.mansyu.co.jp/
※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。