魚屋さんが伝授する、旬のサンマ「ウマい焼き方のコツ」【永久保存版】

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サンマ! サンマ! サンマがおいしい季節ですよね! だがしかし、昨年に引き続きサンマが不漁でべらぼうに高い……。庶民の味方、安くておいしいさんまが高級魚に大変身。買うお客さんも大変だけど、売り手の私も頭を抱えています。「旬で脂のりのりサンマが安くてお得だよ!」なんて言えない(涙) 。

でもね、どうしても食べたい。今回は、サンマ好きな皆さんに魚屋の私から「おいしいサンマの選び方と焼き方」をちょこっとお教えいたします。

 

魚屋が教える「サンマの基本のき」

【サンマの選び方】魚屋の目利きワザ、教えます!

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見た目でのチェックポイントは、

  • 目が黒々と澄み、胴体に幅があり太っているもの
  • クチバシの先端、突き出した下顎が黄色いもの
  • 魚体の背が黒く、腹は銀色に輝き艶やかなもの
  • 首の付け根がこんもりと盛り上っているもの

というところでしょうか。エラが赤々と鮮やかなものや、サンマの尾の方を持ってサンマがピシッと立つものは鮮度が良いのですが、普通だと触れないですものね。

 

あとはですね、ぶっちゃけ値段。サンマはサイズによって値が結構違うのです。ちょいと小さいけど安いからいいかな……。わかります、安いのはうれしいです。でも焼いてみたらパサパサだった、なんてことが結構あったりするんですよ。

たとえば、小さめのサンマが100円、それよりもサイズが大きいサンマが150円で売られていたとします。50円の差ですが、食べるとその差は歴然! 少し高くても大きい方を選ぶべし!!(金額はあくまでも例えです)

 

ここだけの話ですが……、箱の数字もチェック!

これは言っていいか…… まぁいっか。サンマを仕入れる時に箱の大きさがあります。

多いのは2kgサイズの箱と4kgサイズの箱、そしてこの箱には数字が書いてあるのですよ。(ほとんどだと思う) この数字は箱に入っているサンマの本数を表していて、4kgの箱には「22」とか「25」とか書いてある。はい、数字が小さいほどサンマが入っている本数が少ない=つまり1本(尾)が大きい、ということになります。

4kgの箱に「30」なんてこともありますが、そうなると小さめですよね。スーパーさんの安売りで発泡スチール箱ごと出されている時など、箱に書いてある数字を確認できますよ。(2kgの箱だと8や9、10~15と書いてあることが多いかなあ……)

 

【サンマの焼き方:準備編】切って焼くのはありなの?

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次に、サンマを切って焼くか、切らずに焼くか。

まず、魚焼きグリルに入るならば、見た目もいいし切らずに焼きたい!

ただし、片面焼きのグリルの場合、長いと返すのが大変だったり、身崩れしたりしそうだと思ったら切っても良いと思う。とくにフライパンだとはみ出したり、ひっくり返した時に身崩れや焼きムラができることが多いので、やはり切って焼くことをおすすめします。

 

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切り方は、真ん中あたりを斜めに切るのが一般的かな。あとは、焼いている際にワタ(内臓)が流れ出さないよう肛門あたりから背に向かって大きく斜めに切る方法もあります。

 

【サンマの焼き方:準備編】塩を振ってから焼くとウマい!

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ここからは、私が実際にやっている焼き方をご紹介しますね。まず最初にうろこなどないか確認し、洗ったサンマの両面に3つまみずつくらい塩を振り、手でなじませて15分くらい置いておきます。(サンマの大きさにより15~20分ちょい時間を変えます)

 

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皮目に水分(青魚のクセや臭み)が浮いてくるのでキッチンペーパーなどで軽くおさえて取り除きます。(ペーパーでおさえ、水分を吸い取っても塩気は残るので大丈夫です)

 

【サンマの焼き方:焼き編】魚焼きグリルとフライパンでどう違う?

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では焼いてみましょう! 魚焼きグリルで「両面焼き」の場合は、中火~中強火で様子を見ながら8分くらい。「片面焼き」の場合は最初の面は6~7分、ひっくり返して5~6分を目安に焼き上げます。

 

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フライパンの場合は片面ずつ6分前後、中火~中弱火で焼き色を見ながら焼いていきます。この時に何度もひっくり返すのではなく出来れば1回、もしくは2~3回くらいで焼きあげましょう。

 

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それと、フライパンの場合はこんな専用のフライパンシートを使うとくっつかずに焼けておすすめです。

 

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あっ! 大事なことを書き忘れてた。魚焼きグリルで焼く場合は予熱をすると良いですよ。塩を振っておいてあるのですが、もっと網にくっつきにくくなります。心配でしたら網にサラダ油などを塗っておくのも手です。そして、サンマを置く位置は効率よく火が当たる網の両端あたり、2本以上焼く場合は場所を入れ替えながら焼き時間も調節して下さいね。

 

【サンマの食べ方】やっぱりワタは食べるべき?

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最後に、苦くておいしいワタのお話。「頭も内臓も嫌! いらない!」と言われる方、特にお子さんに多いと思います(当たり前ですよね)。良いんです、好きなように食べるのがベストです! 「サンマはワタを食べてなんぼ、食べるべき」確かに好きな方にはたまらない味です。だけどもそれが苦手になってサンマが嫌いになっちゃたら元も子もない。

うちのお店の場合、先にお客さんに聞いちゃいます。「サンマ、どうしましょう?」「そのままですか?」「内臓抜いちゃいます?」「頭取っちゃいます?」「二つに切っておきます?」という感じに。

お客さんによっては「お父さん用に1本はそのまま、私と子ども用は内臓を取ってください」などリクエストはさまざま。でも、食べる人が一番おいしい、と思う食べ方がベスト。それを踏まえて「ワタもうまいっすよね~」なんて話をします。

 

【サンマの小話】秋のサンマは、ワタにウロコが入ってる?

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ワタを食べていると、たまにウロコが入っていて気になることがあります。これは漁の方法によるもの。7月中頃から8月頭まで行われるのが「刺し網漁」、その後に始まるのが「棒受け網漁」です。

前者は網にかかったサンマを水揚げ、漁獲量は棒受け網漁に比べて少ないが、サンマがウロコを飲むことが少ない。しかし、棒受け網漁は一気に大量のサンマを水揚げするので、その段階でサンマ同士がこすれ、ウロコがはがれてそれをサンマが飲んでしまうことが多い。すると、ワタにウロコが入ってしまう、というわけなんです。

秋に出まわる棒受け網漁のサンマは、ワタを食べる時は箸でウロコが残っているか確認するのがオススメです!

 

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今年のサンマ、本当に値が高いです。魚屋の私からも、安くておいしいサンマ、戻ってきてほしい!!!

 

作った人:魚屋三代目

魚屋三代目

本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で50年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。

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※この記事は2017年9 月の情報です。

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