こんにちは! 鮮魚魚武の三代目、料理家の魚屋三代目です。
今が旬の真牡蠣。水揚げされる地域によって多少異なるものの、シーズン終わりの3月、4月がとくに身がふっくらして美味しいとされています。
今回は、その牡蠣を、サクサクのフライにしてご飯にのっけちゃいましょう! でも、フライは準備や油のにおい、後の掃除が面倒。ちゃんと熱を通して美味しく揚げられるかも心配……。なんて方も大丈夫、揚げずに作るソース牡蠣フライ丼の紹介です。生食用の牡蠣を使って手軽に仕上げますよ。揚げ油も、オーブントースターも出番なしです。
※牡蠣は、加熱用を生食すると食中毒を引き起こすこともあるなど危険です。「生食用」の表記があるものを使用してください。ちなみに、以前お店で、「生食用の牡蠣は鮮度がいいもので、加熱用は生食できなくなったもの?」とお客さまに聞かれたことがあります。そんなことはなく、生食用も加熱用も鮮度に関しては一緒。生食用は、滅菌洗浄プールなどで2~3日ほど絶食させてから出荷したものです。加熱用は浄化していないので生食は危険なんです。
魚屋三代目の「ソース牡蠣フライ丼」
【材料】2人前
- 生食用の牡蠣(むき身) 8~10個
- 温かいご飯 2膳分
- パン粉 30g
- サラダ油 大さじ1
- 日本酒 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 水 1000ml程度
- とんかつソース(中濃ソース、お好み焼きソースなどでもOK)、タルタルソース(市販品) 適量
- レモン(スライスする)、パセリ お好みで
作り方
1. フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、パン粉を入れたら、
このくらいのキツネ色になるまで炒めて、バットなどに取り出しておきます。
今回は油で揚げないので、パン粉を炒めて香ばしさを出します。
2. 牡蠣は流水でよく洗っておきます。
3. 鍋に水を入れて沸かし、日本酒と塩を入れたら牡蠣を加え、身がふっくらとするまで加熱します。
生の牡蠣にカリカリの衣を付けても、水分を吸ってしまい、味も見た目も、食感も悪くなります。そこで、牡蠣をサッと茹でることにより、身がふっくらとして、食感もさらにプリプリになります。生の風味を残しつつプリッとした食感を味わいたいなら30~40秒。しっかりと火入れをした牡蠣の身を食べたい方は、90秒くらいが目安です。
茹でるときに日本酒を入れることで、牡蠣のうま味とやわらかさがアップ。塩も入れて、ほんのりと塩味を付けます。
加熱したらザルにあげ、
キッチンペーパーなどでよく水気を取り除きます。
4. 丼にご飯をよそい、1のパン粉を適量のせます。
5. 牡蠣の片面にタルタルソースを塗り、その面を下にしてパン粉の上におきます。
とんかつソースも塗った牡蠣も、同じようにパン粉の上に並べます。1人分で牡蠣は4~5個くらいが目安です。
タルタルソースととんかつソースは、お好みでどちらか片方だけでもOKです。
6. 牡蠣の表面にもタルタルソース、とんかつソースを塗って、仕上げのパン粉を散らします。
お好みでスライスレモンとパセリを添えて完成。
これは不思議! 揚げてないのに牡蠣フライの味
牡蠣の苦みとうま味、サクッとした衣、そしてタルタル&とんかつソースも相まって、揚げてないのにほぼ牡蠣フライ。最高のご飯のおともです。
少しレアな牡蠣フライは、牡蠣の風味がしっかり感じられて斬新! 加熱する時間を変えて、しっかりと火が通った牡蠣と食べ比べるのも面白いです。
使う牡蠣は、できれば身の大きなものをお使いください。食べ応えとうま味が違いますよ。牡蠣の美味しい今の季節に、ぜひお試しください!
作った人:魚屋三代目
本名・柳田昇(やなぎたのぼる)。神奈川県厚木市で60年以上続く鮮魚店の三代目。父と魚屋を営むかたわら、旬の魚介の簡単な料理や捌き方をブログ『魚屋三代目日記』にて紹介しています。レシピ本などの書籍やテレビなど幅広く活動。62種の魚介の詳しい捌き方と、それらの魚をおいしく食べる100を超えるレシピ、捌き方やおろし方の動画が見られるQRコードも掲載の最新刊『魚屋三代目の魚のおろし方と料理』(エイ出版社)が発売中。2023年4月、新鮮な魚介類を使ったお惣菜店「noboru 魚武商店」もオープン。
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企画協力:レシピブログ
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