こんにちは。メシ通レポーターのタベアルキストSudaです。
各担当者が自分の好きな料理を徹底的にマニアックに掘り下げ、みなさんに魅力を伝える当シリーズ。今回はまだまだ未体験の方も多いと聞く「ひとり焼肉」をご紹介したいと思います。
「食べ歩きマニア道 ハードボイルド・◯◯の世界」とは──
国内の飲食店を中心に足を運び、これまで食してきたメニューは、のべ1万食以上。“食”に真摯(しんし)に向き合うタベアルキストたちが、特に気になるメニューを挙げ、食材や調理法などに着目し、みなさんにお届けする企画です。
「ボッチ」だって肉が食べたいんだ〜!
みなさん、肉食べてますか?
衰え知らずの“肉ブーム”が続く中、ここ近年で、肉料理を提供する飲食店の業態もずいぶんとバラエティーに富んできて、用途も価格帯も幅広い中からお店選びができるようになりました。
肉割烹や立ち食いステーキなど新しい業態に加え、クラウドファンディングを利用した会員制の肉料理店など、こう食べさせたい! という飲食店の狙いに感度の高い消費者が食いついていくというような構図も見られます。
それだけ肉料理に需要があるということでしょうか。
そんなさまざまな肉料理の中から、改めて今回オススメしたいのが焼肉、しかも「ひとり焼肉」です。
男性でもあまり見かけなかった、こと女性においては「ひとりラーメン」よりもさらにハードルが高いとされていたひとりでの焼肉。テーブルにひとりでぽつんと座るのも寂しいし、人の目も気になる。行ってもせいぜい2〜3種類しか食べられないのも残念だし、ひとりでそれをやっていたらお金もかかる。
焼肉は好きだけど、ちょっと食べたいときに予定を合わせていくほどでもないし、なかなかひとりじゃ……なんて嘆いていたのも今は昔。今やひとり客のための焼肉店がどんどんと増えているのです。
その名も「ひとり焼肉 美そ乃」
今回ご紹介する「ひとり焼肉 美そ乃」は、店名にもなっているように、ひとり客に焦点をあてたという焼肉店です。
店内にはひとり客にもうれしい工夫が随所に見られます。
ひとりでもうれしいポイントその壱 ー 「入りやすさ」
店内は明るく、ショーケースに肉が陳列されたカウンターはお寿司屋さんのような店構え。
椅子が設置されているので、落ち着いて食事ができます。
ひとりでもうれしいポイントその弐 ー 「ほどよいパーソナルスペース」
席に着くと、目の前には自分専用のガスコンロが用意されていて、自分のペースで肉を焼くことができます。お隣席とのスペースもゆったりととってあり、肉やタレの小皿を並べても余裕があります。
ほどよい距離感が保たれているので、カウンターの中のスタッフと会話するもよし、隣り合わせたお客さんとおしゃべりするもよし、もちろん肉と真剣に向き合う時間を楽しむもよし。さっと食べて立ち去ることもできるので、ちょっと肉を食べたいという時にもピッタリです。
ひとりでも嬉しいポイントその参 ー 1枚から食べられるお得感
肉は好きな部位を、1人前1枚から頼むことができます。
メジャー部位から稀少部位まで、さらにホルモンなどさまざまな種類の中から、食べたい肉を食べたい分だけ注文できるので、コストも抑えられます。
いかがでしょう? ひとりで食べる焼肉がより身近な存在に感じてきませんか?
業界初! 55部位が1切れから食べられる! 一頭買いと鮮度へのこだわり
ひとりでも安心して焼肉に行けることがわかったら、改めて焼肉の主役である肉に目を向けてみましょう。
「ひとり焼肉 美そ乃」ではA5牛、それもBMS10以上という肉質*にこだわり、牛を一頭買いしています。
(* 牛肉の等級は歩留等級(A〜C)と肉質等級(1〜5)から格付けされる。肉質等級の項目のうち、赤身の肉にどれだけサシが入っているか(脂肪交雑)をB.M.S.(Beef marbling standard)として12段階で格付けされる。詳しくは<公益社団法人 日本食肉格付協会HP:牛枝肉取引規格|日本食肉格付協会(JMGA)>参照)
最近では「脱A5宣言」など、A5の肉質にこだわらないという業界の動きもありますが、牛の可食部分が増えサシが牛の体全体に入ることで、焼肉として食べられる部位も増えるという利点もあるのだそうです。
故に、取り扱い部位は圧倒的に多い全55種。
それを1枚から注文できるというのは、業界初の試みなんだとか。
店頭には肉、ホルモンあわせて毎日30種類前後が用意されるとのこと。
店内の壁には赤身肉、霜降り肉、ホルモンと分かれて札が下げられています。
訪店時も肉が15種類、ホルモンが17種類の計32種類がありました。
肉は鮮度にこだわり、新しく店頭に並べる分はその日の朝にブロックから切り出しています。
故に、日々メニューのラインアップは変わります。
どれもフレッシュな肉なので、ぜひレアで味わって欲しいとのことです。
さらに見逃してはならないのが黒板メニュー。
高級部位や稀少部位など、その日のオススメがラインアップされています。
タイミングが良ければ、一頭から8切れしかとれない稀少な「めがね」やヒレ肉の最上級部位である「シャトーブリアン」などが並ぶ日もあるそう。
ステーキで食べたらとても高い「シャトーブリアン」も、一切れなら気軽に注文できそうですね。こういうのも「ひとり焼肉」ならではの魅力です。
このほかにも1人前サイズの各種おつまみや、焼肉には“ワンバン”が必要! という方のためにライスも用意されています。
いよいよ実食!
まずは大好評の3大メニューをオーダーします。
炙りレバー(手前)、特上タン(奥右)、とろけるA5筋煮込み(奥左)の3品です。
どれもお酒に合いそうなメニューですね。
特上タンは稀少なタン元。
サクッとかみ切れる軽快な歯応えと、ジューシーな味わいが魅力です。
しっかりとエッジの立ったレバーは新鮮な証拠。
しっかりと焼いても臭みはなく、濃厚な味わいが楽しめます。
ぜひごま油でいただきましょう。
肉のオーダーは1人前ごとに好きなものを選べますが、はじめての方には盛り合わせでの注文をオススメします。
予算に応じて2,000〜4,000円くらいで10〜15種類くらいが楽しめるそうです。
今回は赤身4点盛りで赤身肉のおまかせを4部位盛り合わせていただきました。
(手前から)ハバキ、マエスネ、ランプ、カタサンカクです。
赤身肉でもBMS10ともなるとサシが入ってきて、柔らかくジューシーな味わいが楽しめます。
お好みのタレでいただきましょう。
醤油だれ、塩だれ、味噌だれ、ピンク岩塩、七味などが用意されています。
ホルモンは味噌だれか塩だれがオススメとのこと。
ガツ、豚ハツ、豚トロをいただきました。
トモサンカクは、焼肉にしたらとてもおいしい部位です。
モモ部位に位置し、赤身のうま味がありつつ、たっぷりと入ったサシの甘さも味わえます。 弾力のある食感もいいですね。
しめは極上サーロインで。
焼くと加熱されてじんわり表面に浮いてくる脂が口の中でジューシーにあふれ、とろけるような食感が最高です。
たくさん食べて too much と感じるよりは、むしろ一切れでリッチな味わいを楽しめるのですから、この「ひとり焼肉」における高級部位のコストパフォーマンスはとても高く評価できると思います。
サーロインはぜひレアで、ピンク岩塩で味わってくださいとのこと。
こうだったらうれしいを叶えた
「ひとり焼肉」の世界、いかがでしたか? 焼肉、食べたくなってきませんか?
もう胸を張ってひとりでも焼肉に行けそうですね(笑)。
ひとりにフォーカスした焼肉店ならではの楽しみ方がそこにはありました。
今回お話をおうかがいした「ひとり焼肉 美そ乃」のオーナー・伊藤紘一さんは、「自分でも通いたい焼肉店」を実現したといいます。
食べることが好きで、ひとりでの外食の機会も多かった伊藤さんだからこそ、さまざまなお店を食べ歩くなか、ひとりでも食べに行ける焼肉店の需要を感じていたそうです。
こうだったらうれしいというポイントをおさえたお店作りは、そんなひとりでも焼肉を食べたいという焼肉好きのオアシスになること間違いなしでしょう。
最後に、「ひとり焼肉 美そ乃」の会員カードには、全55部位を制覇するためのチェック表が付いています。コンプリート目指して通うのも面白いかもしれません。
稀少性故、なかなか登場しないものもありますが、どの稀少部位がでるかなどは店舗のTwitterを随時チェックしてくださいとのことです。
お店情報
ひとり焼肉 美そ乃
住所:東京都豊島区西池袋1-18-1 五光ビル 1F
電話番号:03-5927-8830
営業時間:月曜日~金曜日 15:00~翌3:30(LO 翌3:15)、土曜日・日曜日・祝日 11:30~翌3:30(LO 翌3:15)
定休日:無休
Twitter:https://twitter.com/3712misono
※金額はすべて消費税込です。
※この記事は2017年2月時点での情報です。