なめらかな舌触りと味わい深さがたまらない、シンプル食材で作るブロッコリーのくたくた煮【美窪たえ】

ブロッコリーのくたくた煮の作り方をご紹介します。シンプルな食材で複雑な味わいを生み出す美窪さんの調理方法は必見です。

こんにちは! 料理家の美窪たえです。

今回はブロッコリーのくたくた煮をご紹介します。

ブロッコリーは歯応えを重視して茹で過ぎないようにする場合が多いですが、あえて崩れるほどにやわらかく煮込んでいきます。そうすることで、なめらかな舌触りと甘さが引き出されて、ブロッコリーの新しい魅力を感じていただけますよ。

また今回のレシピでは、手軽さとおいしさを両立するために冷凍ブロッコリーを使用していきます。シンプルな具材と調理工程になっていますが、グッとおいしくなるポイントがありますので、ぜひ参考にしてみてください。

記事の後半では、アレンジメニューとして、生クリームを使わないブロッコリーのクリームマカロニパスタを作っています。それではブロッコリーのくたくた煮の作り方をご紹介していきます。

材料(2人前)

  • 冷凍ブロッコリー……400g
  • ニンニク……4かけ(約40g)
  • オリーブオイル……大さじ2
  • 塩……小さじ1と1/2
  • 水……大さじ2

ブロッコリーのくたくた煮の作り方

1.冷凍ブロッコリーは調理する30分程度前に冷凍庫から出しておく、または電子レンジ(600W)で1分ほど加熱して、半解凍状態にしておき、1/2〜1/3に切ります。

冷凍ブロッコリーはそのまま使えるようにカット済みになっていますが、一口大を目安に全体的に大きさをそろえるイメージです。

※包丁で安全に切れれば問題ないので、完全にやわらかくなるまで解凍する必要はありません。

2.冷たいフライパンにみじん切りにしたニンニクとオリーブオイルを入れてから中火にかけ、シュワシュワと音がし始めたら、ブロッコリーを加えて炒め合わせます。ニンニクをたっぷり使用しますが、躊躇せずに分量通り使ってみてください。

ここでのポイントは、決してニンニクを色付けないことです。

ニンニクとオリーブオイルを火にかけると、ペペロンチーノを作る時のようにニンニクがカリッと色付くまで加熱したくなる方がいらっしゃるかもしれません。

ですが、今回の主役はニンニクではなくブロッコリー。ニンニクの香ばしさを引き出すのではなく、ニンニクが持つうま味がいきるようにサッと短時間で加熱してみてください。

3.ブロッコリーにニンニクとオリーブオイルが行きわたり、全体が温まってきたら、塩、水を加えて混ぜ合わせ、煮立ってきたら蓋をして弱火で8〜10分ほど煮ていきます。

※生のブロッコリーを使用する場合は、同様に調理し、この蒸し煮時間を2〜3分延ばして硬さを調整してください。

このタイミングで、コンソメなどを入れたくなるという方がいらっしゃるかもしれませんが、塩以外の調味料は加えないことがポイントです。

短い時間と少ない材料でおいしくしようと考えると、味が想像できる安心感のある調味料を入れたくなるところ。ですが、ニンニクはうま味成分のグルタミン酸を含んでおり、野菜の中でもうま味が感じられる食材です。

鍋の中には素材由来のうま味がたっぷり入っていますので、塩以外の調味料を使わない方が持ち味をダイレクトに味わえますよ!

4.時間通りに煮込んだら、全体をさっと混ぜ合わせて、ブロッコリーの色が少しあせてやわらかくなっていればでき上がりです。

混ぜると少し崩れてしまうほどにやわらかくなっていますが、それが特徴なので心配ありません。またこの時点で味見すると、ややしょっぱいと感じるかもしれませんが、それも問題ありません。このレシピには、まだ続きがあるからです。

5.くたくたに煮たブロッコリーをお皿に盛り付け、そこにオリーブオイル(分量外、大さじ1〜2)を回しかけたら完成です!

炒める時に使ったオリーブオイルをまたかけるの? と思われるかもしれませんが、仕上げに非加熱のオリーブオイルを足すことで、フレッシュな香りとコクが加わり、やや強めに感じていた塩気も丸くなって味の奥行きとなり、劇的においしさがアップするのです。

追いオリーブオイルをする前と、した後で食べ比べていただければ、その差は歴然であることがお分かりいただけるはずです。

カロリーや、油っこさは気にせずに、オリーブの果汁と捉えて、思い切ってかけてみてください。おいしさがグッと増します。

ブロッコリーのくたくた煮の楽しみ方

まずはブロッコリーのくたくた煮だけでいただいてみると、やわらかくほどけていく食感と、深い味わいが感じられます。シンプルな材料と工程で作っていますが、想像以上のうま味を感じていただけると思います。

シャキシャキとした歯応えのブロッコリーはもちろんおいしいですが、このくたくたに煮えたなめらかな舌触りもたまりません……。ニンニクのパンチ力、オイリーさと塩味も感じられて、おつまみとしても優秀な一品です。

また軽く焼いたパン(分量外)にのせれば、それだけでおしゃれなイタリアン気分が楽しめますし、サラダチキン(分量外)と組み合わせてソースのように添えて一緒に食べれば、手軽にタンパク質をおいしく取ることができますよ。

ブロッコリーのくたくた煮を使ったクリームマカロニパスタ

そのまま食べてもおいしいブロッコリーのくたくた煮ですが、特に乳製品と合わせると、うま味とコクが絶妙にマッチしますので、クリームマカロニパスタの作り方を紹介していきます。

材料(1人前)

  • ブロッコリーのくたくた煮……150g
  • マカロニパスタ……80g
  • 牛乳……100cc
  • 水……200cc
  • 塩……小さじ1
  • バター……10g
  • オリーブオイル……大さじ1

1.フライパンにマカロニパスタ、牛乳、水、塩を入れて中火にかけます。沸いてきたら全体をかき混ぜてほぐし、弱火〜弱中火で、マカロニパスタの袋に記載されている時間に従って煮ていきます。

牛乳を加えたお湯でマカロニパスタを煮ることで、煮詰まった牛乳の風味とマカロニパスタのとろみによって、徐々にクリームの雰囲気が出てきます。

2.茹で時間が経ちマカロニパスタがやわらかくなってきたら、ブロッコリーのくたくた煮とバターを加えて混ぜ合わせます。最後にバターを加えることで、豊かな乳製品の香りがしっかり残り、コクのある風味が出ます。

3.お皿に盛り付けたら、追いオリーブオイルをお忘れなく。さらにお好みで粉チーズ(分量外)を振りかけると、さらにうま味が加わり一段とおいしく食べられます。

まとめ

少ない手間と材料で簡単に作れてしまうブロッコリーのくたくた煮をご紹介しました。

作り方はとても簡単なので、一度シンプルなレシピを試してみてください。そこからアンチョビやベーコンなど、お好みの材料とアイデアを加えていただき、自己流にアレンジしてみてくださいね。それでは。

書いた人:美窪たえ

料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。

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