新大久保「ソルマリ」で味わう現地まんまのネパール郷土料理。インド料理とはこうも違うか

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みなさん、日常から離れて、どこか遠い世界に行きたいな……って思うときありません?

僕、毎日思ってます。特技は現実逃避、どーも、メシ通レポーターのすずきたろう、32歳です。

いやね、今、ユーザーエクスペリエンスがなんだとか非日常がどうとか、言われてるじゃないですか。「メシ通」の読者の方々にも、特別な体験をさせてくれるサービスを作ろうと日々の仕事に汗水流してる人は多いと思います。それは、泥水飲みながら生きてるライターの僕としてもね、一応そういう思いを持っているんですよ。だから、今回はすずきたろう、とっておきの非日常を味わうことができるお店を紹介したいと思います。(本当は内緒にしときたかったけど!)

 

もはや新大久保=コリアンタウンだけの時代じゃない!?

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今回、我々が降り立ったのは東京新宿区、JR山手線の新大久保駅。「なんぢゃい! 今さら、コリアンタウンで非日常とか言われても……」と思ったあなた! まだまだですね。

街は時間とともに変わるんです。あまり知られてないのですが、新大久保を含む新宿区に暮らす外国人で、急激に勢力を伸ばしているのが、ネパール人なのです。統計では現在、約3,000人のネパール人が新宿区で暮らしてるんですよ。

そもそもネパールってどこ?っていう方、まず地図をチェック。

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世界最高峰エベレストがある国といえば少しイメージがわくでしょうか。日本のお隣に中国があり、そのまたお隣なので、実は意外とご近所なんですよ。ってそうでもないか。そして南側にはこれまた大国のインドがあります。食べ物的は、なんとなく「インド料理っぽい」と思われている方も多いのではないでしょうか。

というわけで、今回は、ネパール料理店です!できればインド料理との違いも見極めたい、この際。

ただ、知識ゼロ、語学力ゼロの素人だけで乗り込むよりも、ガイド兼通訳がいたらいいな、ということで、こちらの方と一緒にお店を訪ねました。

 

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ネパールから留学生として来日している、シュレスタ・マヘンドラさん。

もちろん日本語はペラペラ、英語とヒンディー語(インド語)も話せるので、ネパール語も含めてマルチリンガル!!

すごい。すずきたろう、勝てる要素がいっこもない……。(ほっとけや)

 

牛は御法度だけど、水牛なら食べることも

JR新大久保駅から3分ほど歩いて、目抜き通りから路地に入るとすぐに、今回の目的となるお店が見えてきます。

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目印はネパール国旗。国旗が四角じゃない国って、ネパールだけかな? お店は建物の2階にあるので階段を上がっていくと、

 

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ネパール料理店「ソルマリ」に到着。この鮮烈な色使い。日本だと神社の鳥居を思い出しちゃうけど、アジアのレストランってこういうヴィヴィッドな感じ、多いですよね。ちなみに「ソルマリ」はネパール語で居酒屋という意味らしいです。

 

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店内に入ると、

 

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明るい雰囲気で、清潔感もあって、すごくいい!!

 

まわりに目をやると、

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民族衣装を身にまとったかわいい女の子の写真があったり、

 

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ネパールの地図を模したインテリアが飾ってあったり、

 

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ゾウのイラストが描かれた照明があったり、日本の要素はゼロ。非日常感あるでしょ?

 

さてお腹もへってきたし、マヘンドラさんに、「これぞネパール!!って料理が食べたいっす」と相談したところ、

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メニューを見ながら、いくつか料理を選んでくれました。

 

どんな料理なんだろうかとドキドキしながら待っている間、マヘンドラさんにお話を聞いてみます。

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──ネパールってどんな国なんですか?

 

f:id:Meshi2_Writer:20160124155301j:plain 経済的にはまだまだ豊かな国とは言えないけど、自然が多く、景色が綺麗で素敵な国ですよ。

 

──いつか、ヒマラヤの山々を見てみたいなぁ。マヘンドラさんは、なんで日本に来たんですか?

 

f:id:Meshi2_Writer:20160124155301j:plain やっぱり勉強しようと思って日本に来ました。将来はネパールか日本でビジネスがやりたいですね。

 

──ネパールの人は、牛肉を食べないって本当?

 

f:id:Meshi2_Writer:20160124155301j:plain そうですね。ネパールもインドと同じく、ヒンズー教の人が多いので、牛を食べません。でも、水牛は食べることはありますね。

 

──へぇ、それは知らなかった! 日本の食事はどうですか?

 

f:id:Meshi2_Writer:20160124155301j:plain とても美味しいものばかりですね。日本食だとスシが好きです。日本の美味しい食べ物を、いろいろ食べてみたいです。

 

インド料理とは一線を画すネパールのソウルフード

話をしてるうちに、料理がテーブルに運ばれてきましたっ!!

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じゃーん!

 

ひとまず、ネパールのビール、リアルゴールド(550円)で乾杯。

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ビールを飲むと胃が活動し始めるのがわかります。料理の写真を撮っている間も、お腹がグーグー鳴りっぱなし。早く食べたいよ……。

 

まずはこちらの料理。

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ソルマリ カジャセット(1,000円)。

「カジャ」はおやつとかファストフードみたいな意味なんだそう。まず手前の白いものは「チウラ」という干し飯。

そして奥の左側のおかずは「バトマス」といって、大豆をスパイスで和えたもの。真ん中の「チョエラ」はマトンを炒めたあとマリネしたもの。右側がアル・ムラ・アチャル。アルはじゃがいも、ムラは大根、アチャルは酸味と辛味がある漬物っぽい料理のことでスパイシーな野菜料理といったところでしょうか。

 

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食べ方は、チウラとおかずを一緒に食べます。

 

んん、美味しい!

チウラのパリッとした食感の軽さと、しっかりとした味付けのおかずとの相性もバッチリ。どれもいわゆるインド料理店では見かけないような、いかにも現地のソウルフードといったところです。

 

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こちらは、カジャセットについてくるアル・タマ。じゃがいもとたけのこのスープで、結構辛そうな見た目ですが、実際はそこまで辛くないです。少し酸味があって、ひとくち食べると、食欲がどんどんわいてきますよ。

 

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これは、フライドモモ(700円)。モモはチベット風餃子のこと。インド料理で餃子はあまり見かけませんよね。

 

外はカリっとして、中は羊のひき肉が入っているのでとってもジューシー。ボリューム感たっぷりで満足度は高いと思います。

 

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少しピリッとするソースにつけて食べます。このソースもまた絶品。

店員さんが調理する前のモモを見せてくれました。

 

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こう見ると餃子というより焼売に似てますね。

 

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続いて、ロティ(300円)。

一見するとナンのような食べ物だけど、ナンと違うところは無発酵で、釜を使わずに焼くこと。「一般家庭では、ナンよりお手軽なロティがよく食べられているんですよ」とマヘンドラさん。左に載っているのは付け合わせです。

 

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付け合わせと一緒に食べたり、カレーにつけて食べたりします。やっぱり、主食は、他のおかずに合うようになってるんですね。和食のおかずに合うのは白ご飯! ってのと同じなんだろうな。

 

複雑な味わいの伝統料理「グンドゥルック」

では次。

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マトンセクワ(1本150円)。

見た目は焼き鳥のつくねみたいですが、もっとスパイシーな味わいです。

 

そして今回もっともディープな一品だったのが、

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グンドゥルックカレー(600円)。

 

主な具になっているグンドゥルックというのは発酵乾燥させた野菜のことで、

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日本食にはないような、うま味、酸味、苦味が複雑に調和した味わい。たとえるなら、「アジア風味の高菜」。もちろん、インド料理にはないメニューです。

 

f:id:Meshi2_Writer:20160124155301j:plain グンドゥルックは伝統料理なんですよ。ネパールでも、最近の若い人はあまり食べなくなってると思います。

 

グローバルな世界になると食事も国際化が進むわけですが、だからこそときどき無性に郷土の味や昔から食べてた料理が欲しくなったりするんだろうなぁ。

 

なんて感慨にふけりながら、ふと店内の客席を見渡すと……

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むむむ!?

 

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ガチでネパール人しかいない!!!

なんと僕とメシ通編集部M氏以外、店内にいるお客さんは全員ネパール人でした。よって日本語が聞こえるのは、このテーブルのみ。

ここが日本だとはマジで思えない! どこまでディープなんだ、新大久保!

そこまで言うと、お店に行くのが少し不安……と感じる方がいるかもしれませんが、心配はいりません。

 

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メニューは、日本語も併記されていますし、店長の方は日本語を話せますので、言葉が通じなくて困るということはありませんのでご心配なく。

 

さてみなさん、ふらっと非日常を味わえるネパール料理店「ソルマリ」いかがでしたでしょうか?

コリアンタウンのイメージが強い新大久保ですが、ソルマリ以外にも、ネパール料理のお店が点在しています。しばらく新大久保行ってないな、という方はぜひ一度訪れてみてください。

 

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今度は水タバコ試してみよっと!

 

お店情報

ソルマリ

住所:東京新宿区百人町2-20-23 2F
電話番号:03-5937-2792
営業時間:11:00〜23:00
定休日:年中無休

ウェブページ:https://www.solmarijapan.com/

 

書いた人:すずきたろう

すずきたろう

1983年生まれ。ライター。26歳のとき、某政府系金融機関を退職して、売れっ子芸人を志すも、存在していたのかどうかもわからないほどに売れず挫折。縁あってライターに。口癖は『会社では一番面白かってん!』。

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