タイム・イズ・マネー。
意識の高いビジネスパーソンは常に時間と競い合い、より効率的なモノを求めている。「24時間戦えますか?」の精神は、21世紀でも健在だ。中でも、食事をいかに手軽に、かつスピーディーに行えるかがポイントとなる。
そこでオススメしたいのが、他人にバレることなくビジネスシーンに食事を取り入れる「カモフラ飯」だ。
本企画では、自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデルの大川竜弥氏が、意識の高いビジネスパーソンであれば誰しも取り入れたくなる「カモフラ飯」を紹介する。
辞表で「カモフラ飯」
今回紹介する「カモフラ飯」は、辞表を利用した“たんぱく質”補給だ。
意識の高いビジネスパーソンに最も欠かせない栄養素、それはたんぱく質。たんぱく質が不足すると脳内で神経伝達物質が作られず、集中力や思考力の低下につながってしまう。オフィスにプロテインを常備するという方法もあるが……、もっとスマートな方法がある。
まずは、こちらの写真をご覧いただきたい。
一見、オフィスで封筒に書類を入れるビジネスパーソンだが……。
封筒の質感に注目してほしい。
油揚げだ! 封筒の形をした油揚げの中に、紙が入っている!!
ちなみに、封筒油揚げの中に入っているのは、ただの紙ではない。クッキングペーパーである。食べ物で遊んではいけない。
封筒油揚げのメリットは、オフィスでいつでもたんぱく質の補給ができるだけではなく、さまざまな形に対応できること。今回はA4サイズのクッキングペーパーを折りたたんで入れたが、油揚げをつなぎ合わせれば、A3サイズの封筒油揚げを作ることもできる。
封筒油揚げを作る
からくりを紹介しよう。
<材料>
- 油揚げ
- ハンダゴテ
- ラップフィルム
- クッキングペーパー
- オブラート
- 筆
- 食紅
- 型紙
まずは、油揚げの端をカット。
封筒の形にするため、油揚げの中を指で広げ袋状にする。余分な力を入れると、油揚げが裂けてしまう。女性の髪をなでるような、フェザータッチがポイント。
次に、油揚げの端を封入口の形にカット。これだけで、油揚げが封筒に変わる。
油揚げ封筒にクッキングペーパーを入れ……。
水分を飛ばすため、フライパンで加熱する。クッキングペーパーを入れないと、油揚げ封筒の中がくっついてしまうのだ。
型紙の上にオブラートをのせ、文字をなぞる。「請求書」「領収書」など文字はなんでも構わないが、今回はとある事情により「辞表」をチョイス。理由は後述する。
文字をなぞったらアルコールスプレーでハンダゴテを消毒し……。
油揚げ封筒にオブラートをのせ、ハンダゴテで焼き目をつければ……。
“油揚げ封筒 辞表バージョン”の完成である。
ちぎるときは豪快に、食べるときはこっそりと
意識の高いビジネスパーソンといえども、完璧ではない。上司に業務の不備を指摘されることがある。
上司「大川! またミスしやがったな!!」
大川「……」
このようなシチュエーション、社会人であれば誰しも一度は経験したことがあるだろう。実は、瞬時に上司の怒りを収める方法がある。
“油揚げ封筒 辞表バージョン”をジャケット内側のポケットから取りだし、上司に見せればいい。
大川「責任を取って辞めます」
上司「えっ!?」
上司「ちょ、ちょっと待て! 落ち着けって!!」
大川「はい……。勢いで辞めるなどと言ってしまい、申し訳ありませんでした。しかし、これだけはわかってください。私は覚悟を持って仕事をしているため、常に辞表を持ち歩いているのです」
上司「そ、そうか……。これからもよろしく頼むよ!」
無事、上司の怒りが収まった。「常に辞表を持ち歩いているのです」と言ったが、毎日同じ封筒油揚げを持ち歩いていると、数日で傷んでしまう。不要になったら、たんぱく質補給に使用すればいい。
封筒油揚げを食べるときは、ビリビリと豪快にちぎるように。隣の席にいる上司が「あいつ、思いとどまってくれたな……」と安心すること間違いなしである。
ただし、封筒油揚げを食べるときは注意するように。こっそり食べないと隣の席にいる上司にバレてしまい、「あいつ、さっきの辞表油揚げだったのか……。クビだ!」と職を失う可能性が極めて高い。カモフラ飯とクビは紙一重だ。
最後に、ひとつだけ伝えたいことがある。今回紹介した「カモフラ飯」は準備に小一時間かかるだけではなく、ジャケット内側のポケットに入れると油でベタベタになってしまう。そして、油揚げに含まれる栄養素はたんぱく質より脂質のほうが高い。調子にのって食べすぎると、肥満につながるだろう。
最後に、もうひとつだけ伝えたいことがある。「カモフラ飯」の連載は、これにて終了。長い間支えてくれた読者のみなさまへ辞表を提出し、終わりにしたいと思う。ありがとう、そして、さようなら。
※撮影に使用した油揚げは、スタッフがみそ汁に入れておいしくいただきました。