【残暑にピッタリ】絶対にマスターしておきたい「タイカレー」の作り方【東京カリ~番長】

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「タイ風グリーンカレー」の作り方【でらいつカレーvol.20】

タイカレーと言えば、やっぱり「グリーンカレー」ですよね? レッドカレーとか、イエローカレーとか、以前この連載でも紹介したマッサマンカレーとか、タイカレーにもいろいろありますが……。

www.hotpepper.jp

 

なんやかんや言って、結局、このグリーンカレーが一番なんじゃないですか?

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ちょっと大きめのスーパーや輸入食品を扱ってるお店に行けば、このようなグリーンカレーを簡単に作るための商品が売られています。

これらを使えばいとも簡単においしいグリーンカレーが作れちゃうわけですが、この手の市販品って、けっこう辛い!

ですよね?

 

そもそも、グリーンカレーってのは「青唐辛子」ガッツリ入っているので、辛くてあたりまえなんですが、辛くないグリーンカレーだって、作ろうと思えば作れちゃうんです。

そう。 自分でペーストから作れば、辛さだって調節出来ちゃうんです。

 

というわけで、今回の「でらいつカレー」は辛くない、タイ風グリーンカレー!

東京カリ~番長リーダーによる、でらいつカレー流「タイ風グリーンカレー」はじまりはじまり~。

 

材料はこちら

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【材料】(2人分)

<具になる材料>

  • 鶏肉:100g  
  • パプリカ:1/2個  
  • たけのこ(水煮):1/2個   
  • オクラ:2本

<ソースになる材料>

  • しし唐:10本  
  • 青唐辛子:1本  
  • パクチー(香菜):1株   
  • 玉ねぎ:小1/2個  
  • バジル:6枚  
  • すだち:1/2個  
  • 塩辛:小さじ1  
  • 塩:小さじ1/4  
  • にんにく:4片  
  • しょうが:1片
  • クミンパウダー:小さじ1  
  • コリアンダーパウダー:小さじ1
  • ココナッツミルク:250ml  
  • ナンプラー:大さじ1  
  • 三温糖:大さじ1/2
  • 調理油:大さじ2

※写真に写っていない材料もあります。

 

材料を代用してみる

ちょいちょい説明してますが、「でらいつカレー」のレシピはなるべく簡単に手に入る材料で作る、というのが基本のコンセプトなので、今回もその辺を意識したレシピにしています。

例えば……。

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本当なら「カピ」(シュリンプペースト)という、エビ(オキアミ)の発酵調味料を使いたいのですが、簡単に手に入る代物(シロモノ)ではないので(まー、今はネット通販で簡単に買えますけど、買っても使いきれないですよね……)、コンビニでも買える、「イカの塩辛」で代用しています。

 

エビの発酵食品をイカの加工食品で代用するなんて、ちょっと無理あるな~と思われるかもしれませんが……コレ、意外と使えるんです!

ちなみに、今回は材料に加えませんでしたが、塩辛に「干し海老」を追加してもいいですよ(以前紹介したマッサマンカレーの時はそうしました)。

ちなみに、熊本福岡佐賀の有明海沿岸方面の方ならよくご存じの「漬けあみ(あみ漬け)」で代用してもOKです。

 

続いての代用食材は……

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ナンプラー!

魚で作られた発酵調味料、タイの魚醤です。これはもう、だいたいどこのスーパーにも売ってますかね? ナンプラーはウチにないけど、「しょっつる」ならある! 

とか、

「いしる」ならある! 

とか、

「いかなご醤油」ならある!(どれも、日本の代表的な魚醤ですね)

と言う方は、それを使っていただいてかまいません。

グリーンカレーはこの魚醤が味付け(塩味つけ)の中心となるので、好みの魚醤があればそれを使ってください。

 

次は、ぜひ入れてもらいたいものと、あれば入れてもらいたいけど、省略しても可、の食材です。

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バジル(スイートバジル)!

スーパーのハーブコーナーに行けば、大体あるはずです。これは、なんとしても手に入れていただきたい。

 

こぶみかんの葉(バイマックルー)!

これは、スーパーじゃ売ってないですかね~? 乾燥モノなら、もしかしたら売ってるかもしれませんが、なければなくてもOKです。

 

そして、次の代用食材の説明は今回の「でらいつカレー」の最重要点! 

Most Important Point! モイポ!です!

そう、辛くない、タイ風グリーンカレー! を作るために……。

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そーゆーことです! 一般的なグリーンカレーの辛さはほぼ青唐辛子に由来するので、辛くないグリーンカレーを作るには青唐辛子を使わずにしし唐を使えばいいんです!

とは言え、全く使わないのもなんですから、今回は1本だけ使いますね。

 

下ごしらえ開始

食材の代用の説明が終わりましたので、ここからは、作り方の説明です。まずはいつものように、下ごしらえから。

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▲鶏肉を食べやすい大きさにカットする

 

肉はもも肉でもむね肉でも、皮ははいでもはがなくても、どちらでもOKです。お好みで。

※この撮影では、唐揚げ用として売っていた鶏もも肉を半分の大きさに切っています。

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▲具材となる野菜類を食べやすい大きさにカットする

 

  • オクラは縦半分にカット。
  • パプリカは1㎝程度の細切り。
  • たけのこの水煮は、1㎝程度の厚さでイチョウ切り。

別にこうやって切らなきゃいけないわけではありません。あくまで、一例、ということで。

次は、カレーソースの素になる、グリーンソースです。

 

グリーンソースをつくる

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▲グリーンソースの素になる材料をすべてミキサーにかけ、滑らかなソース状にする

 

以下の材料をミキサー、あるいはフードプロセッサーにかけます。

  • 玉ねぎ(粗みじん切り)  
  • しし唐と青唐辛子(小口切り)  
  • パクチーとバジル(ざく切り)、
  • すだち(種を取って皮ごとみじん切り)  
  • にんにくとしょうが(つぶして粗みじん切り)  
  • 塩辛(そのままでOK)  
  • 塩  
  • クミンパウダー  
  • コリアンダーパウダー 

※ミキサーで回しやすいように少量の水(分量外)を加えます。(50~100ml程度)
※ココナッツミルク、ナンプラー、三温糖は入れません。

 

調理スタート

さー、これらの準備が整ったら、本編の調理開始です。

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▲フライパンに油をひき、グリーンソースを加え、ペーストになるまで炒める

 

グリーンソースを加えた後に火をつけます。最初は中火くらいで炒め、徐々に弱めていきます。焦げつかないよう、よく混ぜながら炒めましょう。

ピント、合ってなくてスミマセン……。

 

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最初はキレイなグリーンですが、火にかけると徐々に色が変化していきます。

 

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黄色味がかってきます。

 

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全体が変化してきました。

この辺からは火を弱火にして、小さく沸々する状態をキープしながら炒めていきましょう。

 

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グリーンソースを炒めるときは、シリコンゴム製のへらがあると便利です。それは、フライパンの鍋肌についたソースを落としながら炒めるのに、とても使いやすいからです。

※注意:シリコンゴムへらは、耐熱温度の高いもの(230度以上のもの)を使用しましょう。耐熱温度が200度以下だと、溶けてしまう可能性があります。製菓用のゴムへら(合成ゴム製、ポリプロピレン製、飽和ポリエステル樹脂製、エラストマー樹脂製)は、耐熱温度が100~120度程度しかないので絶対に使わないでください!

 

ちなみに、写真のこの赤いシリコンへらは、耐熱温度270度です!

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ほら、シリコンへらだと鍋肌についたソースをきれいに落とせてるでしょ?

 

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「ペーストになるまで炒める」と書きましたが、目安は、ご存じ、カレーロードです! シリコンへらを使って真ん中から分けた時、両脇に分かれたソースが中央に戻らずきれいにカレーロードが出来る状態が目安です。

上の写真は、もう一息ってとこですかね。

 

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これぞ、カレーロード! 

目指すはこの状態です。

 

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▲鶏肉を加え、カレーペーストを絡めながら弱火で炒める

 

写真では皮をはがずに炒めていますが、あのクニュクニュが苦手な場合ははいでおきましょう。

 

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弱火で混ぜ合わせながら、鶏肉が全体的に白っぽくなるまで炒めます。鶏肉は中まで火を通す必要はありません。

 

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▲ココナッツミルク、ナンプラー、三温糖を加え、しっかり混ぜ合わせる

 

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ナンプラーを加えると香りとうま味が加わるのはもちろんですが、塩味(塩分)も加わるのでしょっぱくなり過ぎないよう注意しましょう! 最初はレシピの分量より少な目に使い、完成間際に調整しながら加えるのがベターです。

あ、もし「こぶみかんの葉」が手に入ったら、ここで加えて煮込みます。

 

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しっかり混ぜ合わせるときは、もちろんシリコンへらを使います。

 

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▲一度沸騰させたら弱火にし、油が浮いてくるまで(油の分離が見えるまで)煮込む

 

煮込む前に一度きっちり沸騰させます。煮込むときは、表面が小さく沸々する程度の弱火で煮込みます。煮込んでる途中はガチャガチャかき混ぜず、じっと待ちます。煮込み時間の目安は今回の肉の量なら10分程度ですが、お使いの鍋(フライパン)の素材や厚さ、火力でも変わってきます。

肉に火が通り、油の分離が確認できるまで、しっかり煮込みましょう。

 

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▲たけのこを加えよく混ぜ合わせたら、たけのこが温まるまで煮込む

 

ここで加えるのは、たけのこだけです。オクラとパプリカは、最後に加えます。

 

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たけのこを加えたあとも、弱火で煮込みます。今回の量なら、2分程煮込めばOKです。鶏肉を煮込んだときと同様に、油の分離が再度見えてきます。

 

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▲オクラとパプリカと加えざっと混ぜ合わせたら、味を調えて完成

 

オクラとパプリカは生でも食べられるので、食感をいかしたければ余熱で火を通す程度でOKです。味を調えるときは、塩味が足りなければナンプラー、甘味が足りなければ三温糖を加えて調整してください。

 

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ざっと混ぜ合わせるときも、もちろんシリコンへら! 大活躍です。

 

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これで、辛くない「タイ風グリーンカレー」の出来上がりです!

さっそく盛りつけましょう。

 

完成

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でらいつカレー流、辛くない「タイ風グリーンカレー」。

どうですか! 見た目、もう、タイ料理店のカレーじゃないですか!!

ってのは言い過ぎかもしれませんが、自分でペーストから作ったとは思えない見た目ですよね? さっそく食べてみましょう!

 

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わ~、グリーンカレーなのに、全然カラくな~い!

これなら、いくらでも食べられる~!

 

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肉は柔らかいし、パプリカとオクラはシャキッとしてるし、は~、しみじみ、うまいな~。

 

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あっという間の完食。ごちそうさまでした! ホント全然辛くないから、パクパク食べれちゃう~!

 

ということで、ミキサーが必要なのはちょっと手間だけど、スーパーで売ってる食材だけで、こんな本格的なタイカレーが作れるなら「ミキサー面倒くさい」とか、言ってらんないですよ! マジで!

 

おさらい

【材料】 (2人分)

<具になる材料>

  • 鶏肉:100g  
  • パプリカ:1/2個(100g程度)  
  • たけのこ(水煮):1/2個(100g程度)  
  • オクラ:2本

※お好みでナスやマッシュルームを加えてもOKです。その時は上記材料の量を少し減らすとバランスが取れます。

 

<ソースになる材料>

  • しし唐:10本   
  • 青唐辛子:1本  ※しし唐と青唐辛子の割合で辛さの調整が可能です。
  • パクチー(香菜):1株   
  • 玉ねぎ:小1/2個  
  • バジル:6枚  
  • すだち:1/2個  ※ライム1/4個で代用可  
  • 塩辛:小さじ1  
  • 塩:小さじ1/4
  • にんにく:4片(20g程度) 
  • しょうが:1片(10g程度)
  • クミンパウダー:小さじ1  
  • コリアンダーパウダー:小さじ1
  • ココナッツミルク:250ml  
  • ナンプラー:大さじ1
  • 三温糖:大さじ1/2
  • 調理油:大さじ2

下準備

  • 鶏肉を食べやすい大きさにカットする(鶏肉は、もも肉/むね肉、皮のアリ/ナシ、お好みで)。
  • 具材となる野菜類を食べやすい大きさにカットする。
  1. オクラは縦半分にカット。
  2. パプリカは1㎝程度の細切り。
  3. タケノコの水煮は、1㎝程度の厚さでイチョウ切り。
  • グリーンソースを作る。

以下の材料をすべてミキサーあるいはフードプロセッサーにかけ、滑らかなソース状にする。

  1. 玉ねぎ(粗みじん切り)  
  2. しし唐、青唐辛子(小口切り)  
  3. パクチー、バジル(ざく切り)
  4. すだち(種を取って皮ごとみじん切り) ※ライムでも可
  5. にんにく、しょうが(つぶして粗みじん切り)
  6. 塩辛
  7. 塩 
  8. クミンパウダー  
  9. コリアンダーパウダー 

※ミキサーを回しやすいように少量の水(分量外)を加える。(50~100ml程度)
※ココナッツミルク、ナンプラー、三温糖は入れない。

作り方

  • フライパンに油をひき、グリーンソースを加えペーストになるまで炒める。
  • 鶏肉を加え、ペーストを絡めながら弱火で炒める。
  • ココナッツミルク、ナンプラー、三温糖を加え、しっかり混ぜ合わせる。
  • 一度沸騰させたら弱火にし、鶏肉に火が通り、油が浮いてくるまで煮込む。
  • たけのこを加えよく混ぜ合わせ、たけのこが温まるまで煮込む。
  • オクラとパプリカと加えざっと混ぜ合わせ、味を調えて完成。

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最後にワンポイント!

グリーンカレーの辛さは、青唐辛子の本数で決まる。
しし唐と青唐辛子の割合を調整して、自分好みの辛さにしよう!

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いかがでしたか? 辛くないタイ風グリーンカレー。市販のグリーンカレーペーストはもちろん、タイの本格的な調味料を使わなくても、グリーンカレーって作れるんです!

タイカレー好きなら一度は作ってみて下さい。是非に! 

 

書いた人:伊東盛

伊東盛

料理ユニット「東京カリ~番長」のリーダー。得意技は全国各地へカレーを作りに行く「出張カリ~」。雑誌・書籍・WEB等でのレシピ紹介やカレー関連商品の監修、飲食店のメニュー開発などを手掛ける。週に一度“間借り”でカレー屋を営業中。

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