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残業つづきのビジネスマンに朗報! 「鶏むね肉のスープ」を食すべき理由【理系メシ】

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「イミダペプチド」って?

私は疲れている。

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深く深く疲れている。

 

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ナメていた。中年になると無理がきかないとか徹夜できないとか疲れが抜けないとか、聞いてはいたが意味がわかっていなかった。

もうね、すげえ疲れるんだ。

 

朝起きて、ボーッと『メシ通』のコラムを眺めていたら、夕方になっていた。6時間以上、ほぼ何もせず、フリーズ。

 

眠いならまだわかるが、起きているのに体も頭もまったく機能しない。恐ろしい。みんなの元気をオラにくれ。

 

疲れは病院に行って治るのか? 疲れは「状態」であって、病気でも怪我でもない。疲れという物質があるわけじゃないのだ。だからビタミン剤で誤魔化すのが関の山だ……と思ったら。

 

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タカタタッタター!「イミダゾールジペプチド」という物質があるではないか! 

略してイミダペプチド!

 

人間は疲れる。じゃあ疲れない生き物はいるのか? 何日も寝ないで、ずっとハードに動き続けることができる生き物がいれば、彼らはきっと疲れに対抗する何かを持っているはずだ。

 

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そんな生き物がいた。

 

鳥だ。

 

渡り鳥は不眠不休で数千キロを飛来する(飛行中に脳を半分づつ眠らせているという説もあるが)。彼らの持続力の秘密がイミダペプチド。骨格筋に含まれるイミダゾール基を持つアミノ酸結合体の総称で、カルノシンやアンセリンなどがある。

 

疲労とは活性酸素によって細胞内のエネルギー産出プロセスが阻害され、細胞の機能が低下、パフォーマンスが下がる状態のことだ。だから活性酸素と結びつき、活性酸素を無効化する物質=抗酸化物質を摂れば、疲労しにくくなるはずだ。

 

イミダペプチドは強い抗酸化力を物質で、大阪市立大学医学部の疲労医学講座では、長年イミダペプチドの研究を行い、いつもの論文を発表している(「イミダペプチド(CBEX-Dr)配合飲料の健常者における抗疲労効果 薬理と治療」※1、「イミダゾールジペプチド配合飲料の日常的な作業の中で疲労を自覚している健常者に対する継続摂取による有用性」※2など)。

 

同大の実験では、イミダペプチドを経口摂取すると、持久力の向上が見られ(瞬発力には差が出なかった)、被験者は疲労回復を実感、疲労時に血液中で上昇する各種化学物質も減少した。

 

イミダペプチドの摂取で疲労から回復できるのだ。

 

イミダペプチドは渡り鳥だけに特別のものではない。鳥や魚の骨格筋に多く見られ、手ごろなところでは鶏の胸肉に多く含まれている。

 

イミダペプチドはサプリメントでも販売されているが、価格が高い。安く手に入れる方法は? 鶏の胸肉を使えばいい。

 

美味&疲労回復&コスパ最高の「鶏むね肉のスープ」の超かんたんレシピ

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鶏のむね肉は安い。100グラム50〜150円といったところか。火を通し過ぎると固くなる。おいしく食べるには、火をゆっくり通せばいい。そこで余熱で火を通し、胸肉をゆでることにしよう。

 

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鍋にお湯を半分ほど沸騰させ、粉末だしと塩を少々入れる。イミダペプチドは水溶性だ。だからスープが大事。スープの中に胸肉のイミダペプチドが溶けだすのだ。

 

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そこへむね肉を投入する。

 

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もう一枚入れる。

 

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肉を入れるとお湯の温度が一気に下がるので、再び沸騰するのを待つ。

 

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湯が少し沸騰し始めたら火を止め、フタをして余熱でむね肉に火を通す。だいたい1時間ぐらいだ。

 

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むね肉を取り出し、もう一度沸騰させる。

 

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アクが浮いてくる。

 

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アクを丁寧にすくう。アクをとらないと見た目も汚いし、おいしくない。

 

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完成。好みでゴマやネギを散らす。しょうゆを入れてもいい。とにかく大事なのはスープ。

 

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むね肉は何にでも使えるが、私はネギ和えにしている。たっぷりの博多ネギを小口に切り、

 

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むね肉もひと口大に切っておく。

 

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ネギにごま油を加え、

 

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塩を加え、

 

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よく和えて、

 

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完成! 

 

このやり方だと、むね肉はジューシーで軟らかい。酒の肴に大変に良い。ひと晩寝かせるとネギの甘味が出てさらにおいしい。

 

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スープを飲んで復活!

イミダペプチドのことを知り、最初はゆで汁を捨てて、ゆでたむね肉だけを食べていた。しかし、まったく元気にならない。ガセじゃないかと思っていたが、ある日、ふと思いついてゆで汁を飲んだら、これが! 効く!

 

飲んで1時間後、背中を押されるように活動的になり、部屋の掃除をするする! ゴミ集積場のようだった机周りがキレイに片付いてしまった。冗談のように効いた。

 

疲れた時には、むね肉のスープである。空腹時に飲むと効果はてきめん。安くて簡単、それでいて効果は栄養ドリンクなんて目じゃない(※3)。

 

最高にシャッキリするぞ。

 

※1:http://www.med.osaka-cu.ac.jp/fatigue/topics/pdf/cbexdr_kouka.pdf
※2:http://www.med.osaka-cu.ac.jp/fatigue/topics/pdf/cbexdr_yuuyou.pdf
※3:記事内の表現は個人の感想であり、効果には個人差があります。

 

書いた人:川口友万

川口友万

サイエンスライター。科学情報サイト『サイエンスニュース』の編集統括。企業取材からコラム、科学解説まで、科学をテーマに幅広く扱う。東京・武蔵小山で、毎週日曜日のみ、肉に電気を流して食べたり、ワインを超音波で振動させて飲むイベントバー『科学実験酒場』を主宰。

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