赤い衝撃! 低糖質な「大豆パン」を焼く真っ赤な甲冑姿のパン職人【大阪】

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赤い甲冑(かっちゅう)を着た謎のパン職人

こんにちは。パンに目がないメシ通レポーターの放送作家、吉村智樹です。

いつも「どこかにおいしいパンを焼くお店はないか~?」と、鼻をふがふがさせながら街をさまよっています。

 

そんな折、「真っ赤な甲冑を着たパン職人が街に出没する」という噂を耳にしました。しかもそのパンは、いま流行語にもなっている「低糖質」を極めた、とても珍しいものなのだとか。

パン職人が、赤い甲冑を? いったいなぜ。なんのために。そもそもそれは本当にパン職人なのか? 血に染まった鎧武者の幽霊じゃないのか?

さまざまな疑問が湧きあがるなか、僕はその謎の甲冑男がいるという場所へとおもむきました。

 

やってきたのは大阪の「玉造」(たまつくり)という場所。JR大阪環状線「玉造」駅前からアーケード商店街が延びる、のんびりムードの街。

ここに、赤い甲冑姿のパン職人が出没するという噂があるのです。

 

あ!

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いました!

 

けっこうあっさりいました! 噂の、真っ赤な甲冑を着た武将が!

 

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しかも兜(かぶと)に輝くのは「六文銭」。

 

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これはまさに、大河ドラマで話題の「真田家」の「三途の川の渡し賃」、すなわち決死覚悟を表す家紋ではないですか。

 

真田幸村、大阪の下町に蘇る!?

そう、赤い甲冑を身に着けたこの方は、“真田丸の戦い”の名でも知られる「大坂の陣」で活躍し、「日の本一の兵(ひのもといちのつわもの)」とまでうたわれた武将、真田幸村(真田信繁)に扮していたのです。

この方は、2013年2月にオープンした大豆パン専門店「ダイズインターナショナル」のオーナーパン職人、奥雄一さん(45歳)。

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▲真田軍の”赤”の甲冑姿で店頭に立つパン職人の奥雄一さん

 

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▲「大豆パン」専門の路面店

 

2014年から毎週土曜日の午後はこうして真田部隊のチームカラー「赤備え」の姿で往来に立ち、自らが焼いたパンを宣伝するためパフォーマンスしているのです。

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▲写真を撮ってゆく通行人も多数

 

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▲さまざまなイベントにも出没

 

しかし、いったいなぜパン職人さんが武装しているのですか? しかも真田家の赤で。

 

ここ玉造は「大坂城(大阪城)」の南に位置し、「大坂の陣」の激戦地だったんです。そして真田幸村が真田丸という出城(要塞)を築き、徳川の大軍を撃破した。20万人もの兵士が戦ったすごい場所なんです。そんな「大坂の陣」から400年経って、ご近所の方から「歴史上最強の城がここにあり、多くが徳川方に寝返るなか、豊臣秀吉を裏切らず徹底抗戦した名武将がいた。なのに後世にそれがちっとも伝わっていない。400周年を機会にここ玉造を、そして大阪をもう一度盛り上げようじゃないか」と言われたんです。僕は賛同し、ならばと、この甲冑を手作りしました。(奥雄一さん)

 

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▲秀吉を裏切らず徹底抗戦した真田幸村の生き方に敬意を払いつつも「実は僕の先祖は徳川方で、大坂冬の陣にも参加していまして……」と申し訳なさそう

 

なるほど、赤い甲冑は大坂の陣400周年をきっかけに始まったコスプレだったのですか。

確かにここ玉造は、いわば戦国時代のフィナーレを飾った日本の歴史上とても重要な街のはず。しかし正直そういった場所だとは、大河ドラマが始まるまで大阪市民でさえも忘れていたし、観光地とは言い難いですね。

奥さん自身も、真田丸がのちにドラマ化されるという話を知らず、突然脚光を浴びてとても驚いたのだそう。

 

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▲店頭には造形作家、間壁正人さんの手による真田丸の素朴なフィギュアが

 

鎧も兜もすべて手作り

それにしてもこの立派な甲冑が手作りだったとは驚きました。

 

はい。はじめは買おうかと思ったんですが「100万円する」って言われて、あきらめて自分で作りました。僕はパン職人になる前は、おもに産業機械のはんだ付けをやっていました。人工衛星、阪神高速、ソーラーパネル、いろんなものを手がけましたね。そんなふうに食品関係とはまるで違う仕事をしていたんです。そしてその頃の技術をいかし、ポリエチレン樹脂を素材にして作ってみました。六文銭も真鍮(しんちゅう)を削って自分で作ったんですよ。

 

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▲鎧は手作り

 

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▲兜は工事現場用ヘルメットを改造

 

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▲手甲の縫製も自らの手で行った

 

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▲単なるコスプレではなく編み紐を調整することで温度調節ができるというスグレモノ

 

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▲細部の針仕事も自分で

 

いやもう本当にすごいです。

よもやハンドメイドだとは思えぬほど細部まで凝っていますね。

 

そして六文銭もさることながら、兜に屹立するツノがとてもリアルです。

まさかこれ、本物の動物の骨ですか?

 

いえ、実はこれ、パンなんです

 

えー! このツノ、パ、パンでできているんですか!

 

そうなんです。私はパン職人なので、せっかくなら「甲冑のどこかにパンを使いたい」と思っていました。大豆パンって、発酵させずに焼くとカチカチになるんです。その性質を利用しました。

 

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▲兜のツノは発酵させずに焼いた大豆パン。残念ながら少し折れてしまった

 

おお、ツノの正体は大豆製のパンだったのですか。

究極のハード系、かじりつきたい! お値段六文で譲ってほしいくらい。

 

大豆でできた低糖質のパン

さて、いま話に出た「大豆パン」

そう、こちらのお店の注目すべき点は、ご主人の甲冑姿だけではありません。メインはあくまでパン。

奥さん、「大豆パン」とは、いったいどんなものなのですか?

 

文字どおり“大豆でできたパン”です。大きな特徴は、パンなのにほとんど炭水化物ではなく、たんぱく質だというところ。つまり、パンに較べて糖質が低いのです。調べてもらったのですが、100グラムあたりの糖質は、一般的な食パンと較べおよそ10分の1になります。

 

なるほど、大豆はたんぱく質だから、パンにすると糖質が低いんですね。それはうれしいですね。

 

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痩せるため独学で作った大豆パン

では、そもそも鉄工の現場にいた奥さんが、どうしてパン職人に? しかもなぜ「大豆パン」を焼く職人に?

 

健康診断で「糖尿病一歩手前」と診断されたのがきっかけですね。当時は仕事のストレスを食べることにぶつけていて、家で夕食が用意されているにもかかわらず、帰宅途中にカレーライスやラーメン、うどんなどを食べてしまう暮らしをしていました。そのため体重は90キロを超え、典型的なメタボ体型でした。痩せなきゃなあとは思っていたんですが、食べることが大好きなもので、どうしても量を減らせないんですよ。それで糖質オフだけでも心がけようと、独学で作ったのが大豆パンだったんです。

 

奥さんは大豆パンを自作して食べはじめ、半年で体重は90キロから65キロにまで落ちたといいます。しかもリバウンドなし(もちろんそれは大豆パンだけの効果ではなく生活改善に努められたからなのですが)。

 

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▲ぽっちゃり体型だった頃の奥さん。体重は90キロあった

 

そして奥さんはこれを一般販売することを考え、思い切ってパンの道へと転身を遂げたのです。

 

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▲鉄工職人から転身。2013年に大豆パンの専門店「ダイズインターナショナル」を開店

 

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▲「六文銭」をデザインしたバンダナ留めももちろん自ら金工した

 

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▲さまざまな形状、テイストの大豆パンが並ぶ店内

 

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▲鉄工職人時代の技術を活かしたオブジェも

 

醤油、漬物とマッチするパン

さてその低糖質の大豆パンですが、小麦粉の食パンのように、トーストして食べるものなのですか?

 

もちろんトーストしていただくとおいしいです。また、元が大豆なので醤油をつける食べ方もイケますよ。あと、わさびですね。僕のおすすめは、わさびマヨトースト。大豆パンとわさびの相性バツグンです。お漬物も合いますね奈良漬や野沢菜を乗せたり。和食に寄せられるのも大豆パンの特徴です。

 

醤油が合って、わさびが合って、奈良漬や野沢菜が合うパン。

なんだかホテルではなく旅館の朝ごはんにいただきたいパンですね。

 

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▲クリームチーズを塗って奈良漬けや野沢菜をトッピング。大豆だから味に違和感がない

 

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▲マヨネーズとネギ。これも合う!

 

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▲ちぎってイクラの醤油漬けなどのせて「海鮮パン」に。海鮮丼のパンバージョン

 

でも……うーん、低糖質で、ダイエット効果があって、おいしくてと、とても夢のあるいいお話なのですが、ここでひとつ疑問が。

 

そもそも大豆って、ふくらむんですか?

 

パンといえば小麦粉が基本で、最近では米粉のパンも話題ですが、ともに「ふっくら」焼きあがっているシーンが目に浮かびます。

かたや大豆って豆腐のように「固める」「納める」というイメージがあって、焼くと膨張する光景が思い浮かばないのですが。

疑うわけではないですが、本当に大豆でパンができるんですか?

 

いやあ、その通り。大豆の生地はそう簡単には膨らみません。大豆をふわふわもちもちに膨らませ、しかもパンとしておいしい商品にするのは実は大変だったんです。正直、お客さんに売るに値する味に仕上がったのは、オープンの2日前というギリギリでした。

 

なんと、販売できる味になったのは、オープンの2日前とは……。

最後の最後に真田幸村が家康本陣へ突撃した、パン界の大坂夏の陣といえる切迫した状況でした。

 

大豆パンの製法、大公開!

ではいよいよ「膨らませるのも、おいしくするのも苦労した」という大豆の食パン、その名も「大豆の山食(やましょく)」(一本 650円)を作るプロセスを見させていただくことにしましょう。

メイン素材は、岡山県産の国産大豆「トヨシロメ」を、生のまま約10ミクロンまで微粉砕した粉。

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岡山県産大豆「トヨシロメ」を生のまま挽いた粉

 

大豆パンをおいしくするためには、ここまで徹底的に細かくすることが重要。

 

大豆粉は小麦粉と違い、ほんのり黄色がかっています。そして大豆には粘りと弾力をはぐくむグルテン成分がないので、ここにグルテン(小麦タンパク)を加えます。

 

大豆粉とグルテンを30分かけて撹拌(かくはん)します。

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「30分」とは、小麦粉よりも撹拌の時間が長いです。

それに撹拌する機械をたびたび停止させ、へらを使って手動で混ぜる作業を繰り返します。

 

丁寧に丁寧に混ぜ、なんてマメな作業。だから奥さんはずっと機械につきっきり。まだ撹拌の段階なのに、もうこんなに手間がかかるとは。

 

機械が壊れるほどの粘り

そうして奥さんが粘れば、生地も粘る。

粘りがすごい。見た目に「ねちゃねちゃ度」が高い。これもまた初めて見る光景です。

 

よく「大豆のパンは膨らまない」と言われるんですが、それは大豆粉とグルテンが均等に混ざっていないからなんです。だから徹底して、とにかく混ぜます。しまいに機械が混ぜ続ける作業に耐えられなくて、壊れます

 

え! き、機械が壊れるんですか!?

 

そうなんです。大豆で作った生地は小麦に較べて粘りが強いので、混ぜるのにパワーがいるんです。そのため、生地を混ぜる撹拌羽根が金属疲労を起こして折れてしまうんですよ。僕は金属加工をする職人だったので、自分で溶接して修理します。そうやって対応できるのがうちの強みですね。

 

マシンの部位が折れると職人自らが溶接とは……。

 

大豆パンって、そんなハードな現場から生まれていたんですね。そもそも「大豆パン専用の製パン機」というものが存在しないので、奥さんは製パン機のさまざまな部分をセルフリフォームしています。

 

バターの代りに使う驚きの液体

そして、お?

生地になにか透明な液体を注いでいますね。

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▲バターではなく、別の液体を投入。その驚きの正体は……

 

小麦粉のパンなら、普通ここはバターが投入されるのですが、どうやらバターではない様子。これはなんですか?

 

ごま油です。「太白(たいはく)ごま油」といって、ごまを煎らずに生のまま搾った植物油です。さっぱりとしてしつこさのない上品な風味が特徴ですね。実は以前はうちもバターを使っていたんですが、味が大豆粉と合わないんですよ。そうしてバターのかわりにさまざまな油脂を試すうち、この「太白ごま油」に辿り着きました。

 

バターを使わず、ごま油ですか!

大豆&ごま油って、もう中華料理のメニューじゃないですか。

大豆パンは、本当に小麦粉のパンとはまるで違うものなんですね。

 

そうして撹拌を終えた生地ができました。

 

粘る! 粘る!

強い力でぐんぐん引っ張っても、ちぎれずついてくる強力な粘度です。

 

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▲これぞ大豆のちから。強く引っ張ってもちぎれることがない、とてつもない粘り

 

餅用マシンで生地を切り分ける

そして生地を小分けします。

 

とはいえ普通のパン用の機器だと刃が欠けてしまうほど生地の粘度が強いため、「餅用」のマシンで切り分けます。

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▲粘りが強いため、餅用のカットマシンでないと小分けができない

 

ここではパン作りの「当たり前」が本当に通用しないのです。そしてこの餅用のマシンすら何度も壊れ、そのたびに自力で修理しているのだそう。

 

この子は手がかかるんですよ。ほんまに。

 

まさか、大豆がふっくらと!

続いて、冷蔵庫で2時間半ほど寝かせた生地をこねて伸ばしてくるくる巻き、型に入れ、3時間ほど発酵させます。

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発酵させ、取り出してみると……おお、すごい。こんなに膨らむんですか!

 

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大豆のイメージが覆されます。さっきは疑って、ごめんなさい!

 

まだまだ膨らみますよ~。膨らみすぎて空洞ができてしまうので、山形の真ん中に空気を逃がす穴を空ける必要があります。意外ですか? ここまで膨らむようになったのは、お店を開店して半年経ってからですね。オープン当時は、これの半分くらいの大きさにしかならなかったんです。何度も失敗して、試行錯誤の連続で、正直いまでもきれいに膨らんでくれない時があるんですよ。大豆は奥が深いです。いまだに正解をさがしている。まだ道の途中です。

 

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▲谷の部分に穴をあけ、空気を逃がす。こうしないと焼きあがったパンに空洞ができる

 

山食だけに、ここまで膨らませるには、山あり谷ありだったんですね。

 

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▲食パンだけではなくチョコチップやオレンジピールを混ぜた丸いパンも待機

 

そして、いよいよ……焼きあがりました!

 

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しっかりと力強く、張りのあるしあがり。

要塞のようにしなやかで、これはもう、パンの真田丸。

皮がつやっつやしていて、皮というより「革」。表皮の濃い褐色が食欲をそそります。

 

厨房を包む豆腐屋さんの香り

そして、嗚呼なんという、おおらかな香り。

 

とってもいい香りなんだけど、あきらかにこれまでのパンとはぜんぜん違う香気が漂っています。たとえるなら、朝のお豆腐屋さんの、それ。湯気をもうもうと立てて生まれる、できたてのお豆腐の郷愁を誘う甘い香りが、この工房を包んでいるのです。

 

お豆腐職人の方が来店され、「うちの香りや」とおっしゃいます。

 

炭水化物とたんぱく質では、熱を入れたときの香りがこれほど違うんですね。

それに焼き色もずいぶん異なります。かなり黒いです。

焦げているのではなく、これも熱したたんぱく質の特徴なのだとか。

 

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ちょっと甘味が欲しい方は「スイート丸だいずパン」がおすすめ。

「オレンジピール&レーズン」「マンゴークランベリー」「チョコチップ」(どれも2個入り 280円)などなどあります。サイズもお手頃。

 

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▲酸味がさわやかな「オレンジピール&レーズン」も

 

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▲ひとり通るのがやっとな細長いキッチンに、焼き立てパンがどんどん積み上げられる

 

大豆パンは確かにツワモノだった!

そして、焼きたての山食をいただきました。

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▲表皮が黒く、耳がぶ厚いのが特徴。切断面に小麦粉のパンとの差異が表れる

 

……うぅ、もちもちだ。大豆がこんなにもっちもちに。

 

それにかみしめるたび、じんわり染みだしてくる、やさしくも力強いうま味。これは滋味深いです。

 

さきほど「お豆腐屋さんの香り」と言いましたが、味や食感も、パンと厚揚げ豆腐の中間のような。奥さんがおっしゃるように、トーストしてバターを塗り、ちょっと醤油を垂らしたりすると、もうたまんないでしょう。

 

そしてこの大豆パンは、朝食やランチだけではなく、夕ごはんにも充分対応すると思いました。焼き豆腐の感覚で大豆パンにダシの効いたアツアツの和風薄焼きたまごなどを乗せて切り分け、「ごはんのおかずにする」というのもアリかも。

 

そう、ダイエット効果、低糖質もさることながら、僕が惹かれたのは「ごはんにパン」という、新しい食文化の可能性を感じられるところ。

 

大豆でパンを焼くという”攻め”、大豆だからこそ和食に添う”忠義”。それはまさに真田幸村にあった両面の魅力。

 

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まだまだ、もっとおいしくなるはず。そう思って、これからも精進してゆきます。

 

いつか「日の本一のツワモノ」と呼ばれる日が訪れるであろう大豆パン。遠方の方には通信販売もあります。

 

お店情報

ダイズインターナショナル

住所:大阪大阪天王寺区玉造元町2-12 1F
電話番号:080-6133-0085
営業時間:水曜日~土曜日11:00~21:00、火曜日のみ15:00~21:00
定休日:日曜日、月曜日
ウェブサイト:http://www.daizuinternational.jp/

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

 

書いた人:吉村智樹

吉村智樹

よしむらともき。関西ローカル番組を構成する放送作家。京都在住。街歩きをライフワークとし、『VOWやねん!』ほか関西版VOW三部作(宝島社)、『ジワジワ来る関西』(扶桑社)、『街がいさがし』(オークラ出版)、『ビックリ仰天! 食べ歩きの旅』(鹿砦社)など路上観察系の書籍を数多く上梓している。

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