ブームの「ジビエ」を誤解していませんか?
外食がお好きな方ならきっと「ジビエ」という言葉を一度ならず耳にされたことがあるでしょう。
そして、いま流行している「ジビエ」という言葉には少々の誤解があるようです。
「ジビエ」とは野生の鳥や獣の肉のこと。……に違いないのですが、それだけではなく「“狩猟で捕った”天然もの」と定義されています。
つまり、たとえ野山で動物のなきがらを発見しても、その肉はジビエとは呼べないのです。
厳しい大自然のなかで生きた獣たちの肉は身が引き締まり、森の恵みを食べて育ったので栄養価が高い。それゆえジビエには家畜にない深い滋味があるのですが、その肉の背景には、尊い命をいただく「ハンター」が存在することを忘れてはなりません。
ジビエの猟期は、おもに冬。
冬期は自然も人間に対して容赦なく過酷な表情を見せます。
けわしい樹林地帯に分け入り、一頭を得ることすら決して簡単ではなく、ときに命がけ。
貴重であるがゆえ、発祥のヨーロッパでは貴族におさめられる高級食材でした。
ジビエとは、自然がもたらした宝なのです。
そんなジビエのおいしさを「もっとカジュアルに知ってほしい」という思いから、なんと「たこ焼き感覚で味わえる」、とてもユニークなお店が滋賀県にありました。
大きなクモが! 怪しい外観のお店
場所は県庁所在地の大津市。
京阪石山坂本線「錦」駅を降り、琵琶湖へ向かって東へまっすぐ歩いていくと、そのお店は見えてきます。
▲琵琶湖沿岸に広がる静かな住宅街。しかし遠目になにやら派手な構えのお店が……
▲明らかに異彩を放つ一軒のお店が現れる。道に迷うことはまずない
おそらく道に迷う人はいないはず。
そこには閑静な住宅街に突如出現する、見るからに古めかしい、そしてちょっと怪しい、でもなんだか楽しげな建物が。
▲近くで見ると、さらに混沌(こんとん)としている様子
極めつけは、あ! 屋根からぶらさがっているのは、大きなクモのオブジェ。
ホラー映画のセットのように異彩を放っています。
絶大なインパクトを放つこの店構えは、誰の素通りも許しません。
店の名は「猪(ちょ)ゲルゲ/たこゲルゲ」。
猟師の主人が自ら捕った猪(イノシシ)と鹿と、地元ブランド近江豚の新鮮なモツを多数そろえた「ジビエ&ホルモン&たこ焼き」のお店です(生肉の提供はありません)。
週末は猪の骨と京赤地鶏のガラでとったスープのこだわりラーメンもふるまわれ、これがうまくて栄養があると大評判。
しかし……肉のみならず、店頭には「洋服リフォーム」と書かれた看板も立てかけられ、しばし混乱。
▲「ジビエ食堂」「たこやき」の文字の下に謎の「洋服リフォーム」の看板
ちょうちんには「カオス ジャパニーズ タコヤキ」の文字。
▲ぼろぼろのちょうちんに「カオス ジャパニーズ タコヤキ」と書かれている。マジでカオス!
まさにカオス(混沌)。
「なんか、いろいろヘン」と感じながらも、まるで屋根から伝い降りるクモの糸に捕らえられたかのように、早くもこのお店の魅力にあらがえなくなります。
ロックな雰囲気が漂う店内
店内はトタン板で造りつけたハンドメイド感あふれる内装。
壁にはライブハウスに貼られたフライヤーかのごとく、メニューの数々がいたるところに散りばめられています。
▲居心地のいいラフさ。ライブハウスやロックバーを思わせる飲食スペース
ライブの帰りにメンバーと立ち寄って一杯やりたくなる、ロックな雰囲気がたまりません。
ジビエは高級店で扱われることが多いですが、こういうオルタナティブなムードのなかでいただく野性味も、きっとおいしいだろうな。
2012年にオープンしたこの「猪(ちょ)ゲルゲ/たこゲルゲ」を営むのは、夫で猟師の西村哲太郎さん(47歳)と、料理人と洋裁の作家を兼業する妻の西村あきさん(41歳)。
▲お店を営む西村さんご夫妻。「哲ちゃん」「あきちゃん」と呼びあう仲
表の看板に「ジビエ」「ホルモン」「やきとん串」などと並んで謎の「洋服リフォーム」と掲げられていたのは、妻・あきさんのアトリエを兼ねているからなのでした。
そう、「猪ゲルゲ/たこゲルゲ」は珍しい肉がいただけて、なおかつ洋服のリフォームやリペアもお願いできる、かなりユニークなコンボが実現しているお店だったのです。
▲アトリエスペース。あきさんのラディカルなセンスがあふれるファッションがここで誕生する
西村あきさん:ジーパンのリペアが得意なんです。洋服の仕事との両立はかなり大変ですが、どちらもやりがいがあって楽しいです。あともっとお洋服をつくりたいですね。
謎といえば、もうひとつ。
屋根あたりにいる、あの大きなクモ(クモゲルゲ?)は、いったいなんなのでしょう。
西村哲太郎さん:ああ、あれは、もともとうちが「たこ焼き屋さん」からスタートしたので置いたんです。たこもクモも脚が八本でしょう。だからなんです。
たこもクモも脚が八本だから……。
わかったような、わからないような理由でしたが、そこもまたこのお店のジャパニーズ・カオスな魅力のひとつ。
店内のDJブースのようなスペースが、たこ焼きのキッチン。
▲DJブースあるいはPA卓のように思えるここが実はオープンキッチン
西村さんがおっしゃるように、「猪ゲルゲ/たこゲルゲ」は、はじめはジビエではなく移動販売のたこ焼き店からスタートしたのだとか。
西村哲太郎さん:夫婦ふたりで商売をはじめようと思い、移動販売車と用具一式を買って起業しました。それまでたこ焼きを商売として本格的に焼いた経験がなかったので夫婦で焼いて焼いて焼きまくって猛練習。大阪まで行って名店をめぐり、ふたりで焼く様子を観察したことも。そしてお祭りに参加して大量に焼いて、商売をしながら技術を習得していきました。お祭りではもう尋常じゃない数を焼いたんで、あれでだいぶん鍛えられました。
その後、大家さんが「つぶして更地にするつもりだった。好きに改装してかまわない」と言う好条件の築古物件と出合い、平日はたこ焼き屋さん「たこゲルゲ」、金曜日と土曜日の週末はジビエをラーメンや鍋料理で楽しめるお店「猪ゲルゲ」へと、両A面で発展していったのだそう。
猟師の店主は元有名パンクロッカー
たこ焼きといえば、はて、気になるのは、お店の看板にもある「PUNK Takoyaki」(パンクタコヤキ)の文字。
確かに、店内のディスプレーにパンキッシュな美学を感じてやみません。
実は店主の西村さんには、もうひとつの顔が。
それは“元パンクロッカー”。
西村さんは、かつてヨーロッパツアーを成功させ、日本のみならずイギリスからもリリースがあった有名ハードコアパンクバンド「THE DICK SPIKIE (ディック・スパイキー)」(いやな奴という意味だそう)のヴォーカリストだったのです。
▲店主の西村哲太郎さんが「鉄太郎」の名でヴォーカルをつとめたハードコアパンクバンド「THE DICK SPIKIE (ディック・スパイキー)」
西村哲太郎さん:パンクロックに出会ったのは15歳、中学生の時。影響を受けたアーティストですか? べたにセックス・ピストルズです。僕が通っていた中学校でニュー・ウエーヴがすごくはやったんです。ただ僕にはニュー・ウエーヴは知的すぎてついていけなかった。「ニュー・ウエーヴは選ばれた人たちがやる音楽や。でもパンクだったら自分にもやれそうや」って思ったんです。そんな、しょうもない理由(笑)。
▲日本のみならず海外からもリリースされた作品群
▲この赤いパンクヘアの男性が西村さん
▲THE DICK SPIKIE LAST SHOW!! 2012,9.30台風を吹き飛ばせ編!!VOL'1
▲THE DICK SPIKIE LAST SHOW!! 2012,9.30台風を吹き飛ばせ編!!VOL'2
ドイツ、フランス、スイス、イタリア、さらに韓国など諸国のライブを成功させ、アルバムを2枚をのこした「ディック・スパイキー」。
そして西村さんは国内のワンマンツアーを見にきていたあきさんと12年前に結婚。
「バンドという集団行動に疲れた」という西村さんは音楽の世界から離れ、ふたりはたこ焼き店を本格化させることとなったのです。
ちなみに店名にある「ゲルゲ」は、西村さんが「子どもの頃から大好きだった」という特撮ヒーロー『超人バロム・1』(1972年)に登場する悪のエージェント「ドルゲ魔人」が元ネタ。
『ゴルゴ13』作者のさいとうたかお氏が描いた「ウデゲルゲ」「ノウゲルゲ」など少々グロめな造形美がみなぎるドルゲ魔人たち。
さまざまな業態が入り乱れるこのカオスなお店にピッタリのネーミングだと思いました。
たこ焼き感覚で味わえるジビエ料理
そしてこちらの名物が、たこ焼きのように気軽にいただけるジビエ料理、猪肉の「シシ丸くん」と鹿肉を使った「シカ丸くん」(ともに6個 500円)。
▲たこ焼きをつくっているようにしか見えないが、実はジビエの調理中
「シシ丸くん」のほうは淡白で、やさしい味つけ。
「シカ丸くん」のほうは生姜が少なく、下味が濃い目。
使うジビエはすべて西村さんが狩りで得たもの。
今回は「女性から好評」という「シカ丸くん」を焼いていただくことに。
調理はすべて、あきさんがとりおこないます。
▲調理のほとんどは妻のあきさんが担当
具材は、たこではなく、鹿肉のしぐれ煮。
くせを消すため赤ワインで煮込んでいるのだそう。
▲たこではなく、鹿肉の赤ワインにがメインの具となる「シカ丸くん」
西村哲太郎さん:下ごしらえは猪より鹿のほうが大変です。皮をはがし、スジをていねいに取り除きます。そうしないと歯応えがよくないから。とはいえ鹿はスジがとても多くて、スジを取り払うと肉はほんのわずかしか残らないんです。
鹿肉の「肉」は下ごしらえにそうとうな手間暇がかかる希少部位。
ぽいっと食べられる「シカ丸くん」ですが、実は別格にスペシャルなメニューなのです。
さらに、珍重すべきは具材だけではありません。
西村あきさん:生地はアゴ(トビウオ)と鶏ガラでしっかりダシをとります。粉はあらゆる会社の小麦粉を試しました。小麦粉ってメーカーによって味がぜんぜん違うんです。それにソースとの相性もまるで異なります。だからはじめの1年は試行錯誤の繰り返し。いい粉に出合うまでどんどん変えていきました。
鹿肉に拮抗(きっこう)できる、粉にこだわる、うまみたっぷりなダシの生地。
ますます食べるのが楽しみ!
あれ?
て、天かす、こ、こんなにてんこ盛りに入れるんですか!?
▲目を見張る天かすの量。ここからさらに「追い天かす」が降り注ぐ
西村あきさん:よりおいしくなる秘訣(ひけつ)が「天かす」です。見た人がびっくりするほど天かすを入れるのがうちのやり方なんです。
すごい。まるで天かすがモッシュしているみたい。
西村あきさん:天かすを大量に入れることで表面に油の膜が張られ、カリッと仕上がるんです。それに風味が閉じ込められるので、中身が本当においしくなります。
そうおっしゃるあいだにも、さらに「追い天かす」が続々とダイビング!
ジビエの繊細なうま味や香りをぎゅっと閉じ込めて逃さない天かすのガードマン。
これは頼りになりそう。
▲天かすの効果でカリッとしあがる表面。鹿肉が顔をのぞかせる
いよいよ焼きあがった「シカ丸くん」。
なんとぜいたくな。
果たして鹿肉をたこ焼きのようなライト感覚でいただいていいのか……と、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)してしまうほど。
まずは、なにもつけずに。
ほお……う、う、うまい~。
惜しみなく投入された天かすのバリケード効果により、なかが蒸し焼きになっています。
▲かみ締めるほどに野趣あふれた肉汁がにじみ出る鹿肉
かむほどに肉の繊維からにじみ出る「野の風味」に感動。
くさみなどまったくなく、胸をすく爽やかな森林の香りがします。
鹿って、こんなにおいしかったのか。
God Save the Queen gibier(ジビエ)!
続いては、醤油が入った甘めな「駄菓子風ソース」&マヨネーズ(+0円)でリミックス。
「駄菓子風」と名づけられたソースは、初めてなのに懐かしいテイスト。
そしてソースやマヨネーズをもってしても、マッチこそすれ、肉のうま味や、ダシが効いた生地のおいしさが、まるで消されないのがスゴい。
やはり野生の肉は持ち味の強さが違うのですね。
西村あきさん:素材の味がしっかりしているから、香辛料をかけてもおいしさが引き立ちます。たとえばカレーパウダー(+0円)も合うんですよ。
こんなふうにいろんな調味料や香辛料を試すことで、ジビエの多様性に触れることができる。
たこ焼風にいただくというのはジビエとのファーストコンタクトに最適なのではないかと思えてきました。
狩った直後、しっかり血を抜く
この「シカ丸くん」の材料となった鹿肉と、のちほどいただく猪の肉は、店主の西村さんがハントしたもの。
猟場は主に滋賀県の膳所(ぜぜ)、栗東(りっとう)、田上(たなかみ)と近場。つまりこちらのジビエはフレッシュな地元食材なのです。
猟ができる11月15日から3月15日までのあいだに狩り、すばやく精肉して袋詰めにし、マイナス30度まで落ちる冷蔵庫3台で保存します。
そうすることで年中、新鮮な肉がいただけるのです。
西村さんのハンター歴は5年。
狩人になったのは、たこ焼き屋さんの店舗を構えてからのことでした。
西村哲太郎さん:たまたまテレビで「滋賀県の有害鳥獣駆除の取り組み」のニュースをやっていたんです。それを見て、県が推奨する狩猟を自分もやってみたいと思うようになりました。もともと牛肉でも、和牛よりアメリカンビーフのワイルドな味が好きやったし、30歳くらいのときにぼたん鍋を食べて「こんなにうまい肉あんねや」って感動したことがあり、以前からジビエには興味があったんです。
西村さんが選んだ手法は銃ではなく、罠(わな)猟。
ジビエの勉強をするうちに、食肉にするなら血が抜けにくい銃よりも生け捕りのほうがいいと判断したからだそうです。
罠専門の猟師に弟子入りし、2年目からついにおりを貸してもらえるまでに成長しました。
現場では、チキンラーメンなどを混ぜたぬかをエサにしておびき寄せ、センサーが感知したらおりを落として獲物を包囲します。
西村哲太郎さん:でもなかなか捕まらない。彼らは警戒心が強いんで。
獲物がワナにかかったら、苦しまぬよう、出刃包丁を改造したお手製のヤリで「ボクサーのように」スピーディーに動脈を突き、なきものに。
▲罠にかかった獲物の動脈をヤリで刺す
▲使うヤリは市販品ではなく出刃包丁を改造したオリジナル
西村哲太郎さん:ヤリで突いたあとは頭をハンマーでバーンと殴ってとどめをさすんです。はじめは、あまりにも頭蓋骨をぶち破る感覚が気持ち悪くて、なかなかなれなかったですね。でも一瞬でいかせてあげないと動物がかわいそうだし。
そして、昇天させた獲物の解体処理にも迅速さを必要とします。
西村哲太郎さん:一番の手間は血抜きです。どれだけ早く、しっかりと血抜きできるかが大事。血が残っている肉からはくさみが出ます。ジビエがくさいと誤解されているのは、この処理をちゃんとしていないからです。
料理店の店主自身がハンターなので、美味を前提に狩りをしているのが、こちらの最大の強みと言えるでしょう。
そして精肉は、夫婦で、食肉処理場の様子を収録したDVDを見て勉強したのだそう。
西村あきさん:命をいただいたのだから、そのお肉をできるだけ無駄なく、おいしく食べられるようにしよう。夫婦でそう話しました。
いまでは娘さんが「スーパーで売っているお肉は食べられない」と言うほどに精肉の腕をあげたのだそう。
すっきりしたスープの猪ラーメン
では最後にもうひとつ、ジビエ料理「猪チャーシューラーメン」(700円)をいただきます。
こちらも調理は妻のあきさんが担当ですが、
西村哲太郎さん:チャーシューだけは唯一、僕が仕込むんです。猪の肉は弾力があるので、しっかり炊き込まないと、なかなかやわらなくならない。圧力釜だと早くやわらなくなるんですけれど、くさみが抜けなくて。なので水にひたして3~4時間、じっくり火にかけて、炊きこんで炊きこんで。
▲じっくり水煮してくさみを抜き去った猪肉のチャーシュー
もともとラーメンが大好物で、趣味で「家ラー」もしていたという西村さんだけに、決め手となるチャーシューへの思い入れはひとしおな様子。
調味料はいたってシンプルに日本酒と醤油のみ。
ダシは西村さんが仕留めた猪の骨と、京地鶏の骨。そう、ダシもジビエなんです。
▲ダシもジビエからとる。上品さと野性味を兼ね備えた絶品スープができあがる
できあがったラーメンは、豚骨スープのものとは明らかに香りが違います。
まるで脂くさくなく、それが予想外。清流のほとりで胸いっぱいに吸いこんだことがある、あのすがしがしい森の香気を思わせるのです。
西村あきさん:意外でしょう? 猪って煮込んでも豚のラードのような、ねっとりした脂肪が出ないんですよ。だから猪肉でカレーをつくると、ルーがしゃばしゃばのまま。脂肪分が出ないから調理を終えたあとのお鍋なんて、汚れがさっと流れ落ちちゃう。なのでラーメンのスープにコクを足すために、あえて豚の背脂を浮かべています。
なんと、猪肉ってそれほどさっぱりしたものだったのですか。
スープをごくごく飲めちゃいますね。
西村哲太郎さん:手づくりしたピリ辛の薬味もぜひ試してみてください。韓国の唐辛子と日本の唐辛子とにんにくを混ぜたオリジナルです。これをスープに溶かすと、さらにダシのうま味が引きたちます。
▲韓国と日本の唐辛子をブレンドし、にんにくを和えた薬味をトッピング。スープのおいしさが一層引き立つ
了解です。
まずはチャーチューを。
うーん、衝撃的にやわらかい。
チャーシューで麺を包み込むようにして食べると、そのまま「するん」と喉元でとろけてしまいます。
▲チャーシューが柔らかいので、麺を包み込むようにして食べることができる。喉元でチャーシューがとろける快感。脂身が甘くてうまい!
唐辛子を使った自家製の薬味を効かせたスープも、味つけが日本酒と醤油だけとは思えない華やかな味わい。
いやぁ、うまいなあ、このラーメン。
すっかりたいらげたあと、しみじみと心に響くものがありました。
それは、ライブハウスを出たときに耳の奥にスピーカーの余韻が残る、あの幸福感に似た……。
たこ焼風だったり、ラーメンだったりと、高級食材を気さくに食べられる「猪ゲルゲ/たこゲルゲ」のジビエ料理。
それはテクニック至上主義に陥っていたロックシーンに反旗を翻すように生まれた、パンクのムーブメントを思い出さずにはいられませんでした。
▲たこ焼き風、ラーメン、串焼き、鍋など気さくな調理法でジビエが味わえる「猪(ちょ)ゲルゲ/たこゲルゲ」。西村さんご夫妻の息の合ったコンビネーションも楽しい
お店情報
猪(ちょ)ゲルゲ/たこゲルゲ
住所:滋賀県大津市丸の内町4-47
電話番号: 077-532-9427
営業時間:月曜日・火曜日・木曜日16:00~20:00、金曜日18:00~23:00(LO 22:00)、土曜12:00~23:00(LO 22:00)
定休日:水曜日、日曜日