こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。
今回は、トマトジュースで煮たあさりをごはんにかけるだけの「ボンゴレロッソ丼」をご紹介します。
ボンゴレロッソ丼、またの名をトマト深川めし。
ボンゴレ=あさり、ロッソ=赤。ボンゴレロッソはあさりのトマトソースパスタのこと。パスタの具や味付けはだいたいご飯にも合うんじゃない? とやってみたら美味しかったのがこの丼です。トマトジュースであさりを煮て、汁ごとご飯にぶっかけるだけ。でも、これがなかなか美味しいのです。
今回のレシピメモはこんな感じ。
あさりを煮た汁をかけたご飯といえば、東京・深川名物の深川めし(深川丼)が有名です。炊き込みご飯タイプもありますが、本来は汁を白米にかけるスタイルだったようです。ということは、これは“トマト深川めし”ともいえるかも。
今回は殻付きの生のあさりを使ったので、出来上がったら「いただきます」と言うと同時に手を赤くして、殻を全部はずしてしまったほうが食べやすいです。むき身を使うのもお手軽ですが、味的には殻付きのあさりを、できれば自分で砂抜きするのがおすすめです。
トマトジュースだけだと少し重い感じになるので、フレッシュ感のある生のトマトも仕上げに加えてさっと煮ます。お好みで粉チーズを少しかけても。そのままでも美味しいので、途中でチーズを入れて味変させるのもいいと思います。
ツジメシの「ボンゴレロッソ丼」
【材料】1人分
- 殻付きあさり 150g
- オリーブオイル (炒め用)小さじ1~2、(仕上げ用)小さじ1
- ニンニク 1かけ
- 赤唐辛子 1本
- トマトジュース(無塩) 150ml
- 塩 小さじ1/3~1/2
- トマト 1/8個(ミニトマトなら3~4個)
- しょうゆ 小さじ1/2
- ごはん(麦飯) 丼1杯分
- イタリアンパセリ(刻む) 少々
- 粗挽き黒胡椒 少々
- 粉チーズ 適量(お好みで)
作り方
1. まずはあさりの砂抜きから。あさりは殻をこすりあわせるように洗い、3%の塩水(水200mlに塩6g、いずれも分量外)とバットに入れ、アルミホイルで蓋をして2~3時間おいておく。(あさりが水から半分顔を出すくらいの水深で振動がなく暗いほうがいいらしい。できたらバットに金網などを敷いてその上にあさりを置くと、吐き出した砂をまた吸うことがない)
2. ニンニクは芽があれば取ってみじん切りにし、唐辛子は種を取り除いておく。トマトは7~8mm角くらいに、イタリアンパセリは細く刻んでおく。
3. 鍋にオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子を入れて弱火にかけ、香りが出るまで1~2分炒める。
4.トマトジュース、あさり、塩を加えて強火にし、沸騰したら中火にしてあさりの口が開くまで煮る。あさりの塩分に幅があるので、塩は少なめに入れて後で調整する。
あさりの口がすべて開いたらカットしておいたトマト、しょうゆを入れ、一煮立ちしたら火を止める。味をみて足りなければ塩を加える。
5. 器にごはんをよそい、あさりを汁ごとかける。イタリアンパセリを散らし、粗挽き黒胡椒、オリーブオイルをかける。好みで粉チーズをかける。
ご飯は硬めに炊いたものか、できたら麦飯がおすすめ
あさりのうま味が詰まったトマトソース、文句なしにご飯にも合います! 汁かけ飯なので、ご飯は硬めに炊いたものか、できたら麦飯がおすすめ。僕はこのところもち麦と白米1:1くらいで炊いています。もっちり粒感のあるご飯がよく合いますよ。
仕上げには、ちょっと気取ってイタリアンパセリを散らしましたが、普通のパセリでも、大葉でも、お好みならパクチーでもOKです。(パクチーなら、しょうゆの代わりにナンプラーとレモン汁を入れたくなります)
ところで、あさり料理って、現代の生活でいちばん身近な「殺生して、いただく」なのではないかと思っています。どんな動物食材も誰かがどこかで…… なのですが、普段意識することは少ないもの。それを自らの手で再認識するのがあさり料理なのでは。
あさりに快適な環境を用意し、砂抜きして、おもむろに熱い鍋に投入する。水管を伸ばしてぴゅっと水を吹き出す様子を眺めていると、あれ? なにこれ可愛い? と感情移入しそうにもなりますが、そこは非情に調理してしまいましょう。
作った人:ツジメシ
本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
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