こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は日常メシ。
蒸し暑くなってくると食べたくなる「冷や汁」。
ちゃんとした作り方をしようとするとなかなか手間がかかりますが、今回は、手軽な材料と工程で丼ものと汁ものの定食を作り、汁を丼にかけたら冷や汁ご飯ができる、という仕掛けをご紹介します。
ツジメシの「かけたら冷や汁ごはん風定食」
材料(1人分)
- 木綿豆腐 100-120g
- きゅうり 1/3本
- 塩 ひとつまみ
- 冷水 150ml
- いりこだしの素(顆粒) 水150ml分の量
- 味噌 大さじ1
- ごはん(麦飯がおすすめ) 1膳分
- すりごま 小さじ1-2
- 大葉 3-4枚
- しらす干し 20-30g(大さじ4程度)
作り方
木綿豆腐はキッチンペーパーで巻いて10分以上置き、水を切ります。豆腐の水分があると味が薄まるので、しっかり水切りしたほうが美味しいです。
きゅうりは厚さ2-3mmにスライスし、塩をふって軽く混ぜます。
豆腐と一緒に冷蔵庫にしまっておきましょう。
器にいりこだしの素、味噌を入れ、
冷水を注いで混ぜてよく溶かし、
水切りした豆腐を手で2-3cm角程度にちぎって入れ、ラップをしたら再度冷蔵庫で10-30分置きます。
この過程で豆腐に味がしみ、またしっかり冷えていたほうが美味しいので、できたら長めのほうがよいです。写真ではボウルですが、1人分ならお椀で作ると洗い物が少なくて済みますね。
(味噌によって塩分は異なりますし、冷やすと塩味の感じ方も変わるので、よく冷えたら味見して味噌か醤油で加減してください)
熱々ご飯を茶碗に盛り、すりごまをかけます。おすすめは麦飯。写真は我が家の定番、もち麦を多め(4割)に入れたもち麦ご飯です。
その上に軸を切り落とし縦半分にしてから横に5mm幅に切った大葉を散らし、しらす干しを乗せます。
冷蔵庫から塩揉みきゅうり(出た水気は切ります)、冷やした味噌汁を取り出したら、一汁一菜というか一汁一丼定食のできあがりです。
たっぷりのしらす、大葉、すりごまの組み合わせは麦飯とよく合い、味付けしなくてもこのままで美味しく食べられますが、醤油を数滴垂らすのもアリ。味噌味のしみた冷たい豆腐の汁も味わい深く、きゅうりのパリパリ食感がいい箸休めです。
定食としてひとしきり楽しんだら、
おもむろにきゅうりを汁に投入しましょう。
冷たい豆腐の味噌汁に塩揉みきゅうり、間違いないです。水切りした木綿豆腐のしっかりした食感だからこそのマッチング。
そして、さらにその汁をご飯にかけると、なんということでしょう。
「冷や汁をごはんにかけたやつ」的なものが出現します。
本来冷や汁では炙った鯵の干物や煮干し(鰯)などの青魚が担う役目を、しらす(鰯の稚魚)が代行するわけです。
それぞれでも美味しいし、一緒にしてもまた美味しい。
しらすの優しいうま味と塩味、大葉のさわやかさ、ごまの香ばしさに味噌の香り。どれが欠けても成立しない味わいです。
あればミョウガなどの薬味を加えてもよいのですが、今回は最小限かつこれでじゅうぶん、という構成要素にしています。
また冷や汁かけご飯には冷たいご飯を使うのもさっぱりしていいものですが、今回は丼の美味しさを活かすため温かいご飯を使うのをお勧めします。熱々ご飯と冷たい汁の組み合わせもいいものです。
さてそれでは今回はこのへんで、え、なになに「冷や汁」というからには味噌や魚を焼いた香ばしさが欲しい? なるほどごもっとも。それは正しいご意見です。
そんなあなたには、ひと手間かけてこういうのはいかがでしょうか。
冷や汁度アップ(当社比)のひと手間
アルミホイルを折り畳んだ上に、味噌を5mmほどの厚さにのばして塗りつけて焼きます。焼くとホイルに多少持っていかれるので、味噌は上のレシピの分量(大さじ1)より少し多めに。
煮干し3-4匹も横で一緒に炙ります。
写真はガスコンロのグリルですが、オーブントースターでも大丈夫です。
数分焼いて、このくらい味噌と煮干しに香ばしく焼き色がついたらOKです。
あとは上のレシピ同様に、味噌を水に溶かし、水切り豆腐をちぎり入れ、炙った煮干しも放り込んで、しっかり冷えるまで冷蔵庫に入れておきます。これで味噌と魚を焼いた香ばしさ、煮干しからのだしもプラスされます。この場合顆粒だしは必要ありません。よく冷えたら煮干しは取り除きましょう(もちろん食べてもOK)。
これからの季節、こんな定食→ぶっかけご飯はいかがでしょうか。
よろしかったらお試しください。
作った人:ツジメシ
本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。
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