マグロの血合いをハーブとナンプラーで和えたらいい酒のつまみに「マグロ血合いのハーブ和え」【ツジメシの週末メシ】

こんにちは。プロダクトデザイナーときどき料理人、ツジメシこと辻村哲也です。「ツジメシの日常メシと週末メシ」シリーズ、今回は週末メシ。

みなさんは鮮魚コーナーの片隅にひっそり置いてある赤黒い塊、マグロの血合いって使ったことありますか?一般的にはしぐれ煮や竜田揚げにする人が多いようですね。

僕が月に1度間借り営業していた「くせものやツジメシ 」は癖のある食材を美味しく食べるという趣旨の料理をお出ししていたのですが、マグロの血合いは定番食材でした。
今日は、ちょっと変わった、とても美味しい血合いの食べ方をご紹介します。休日のお酒のお供にいかがでしょう。

 

調味料は2つだけ! 癖×癖=うまい!

タイ東北部やラオスに「ラープ」という料理があります。加熱した挽肉などを魚醤とライム果汁で味付けし、ミントなどのハーブ類をたっぷり合わせるサラダなのですが、これをマグロの血合いで作っても美味しいです。

今回はエスニックなハーブの代わりに、スーパーで手に入りやすい春菊やミョウガなどのいわば「和のハーブ」を使います。血合いの魚臭さと葉っぱ類の青臭さの組み合わせが抜群ですよ。

味付けはナンプラーとレモン汁だけ。血合いの個性をブーストするナンプラーの魚の旨味と塩気、さっぱり食べやすくするレモンの酸味。これだけでばっちり整います。

作り方はとってもシンプル。

 

ツジメシの「マグロ血合いのハーブ和え」

材料(作りやすい量:おかずなら2人分、おつまみなら3-4人分)

  • マグロ血合い 200g
  • サラダ油 小さじ1-2
  • ナンプラー 小さじ2
  • レモン汁 小さじ2
  • 春菊 1-2本
  • 青ネギ 2-3本
  • ミョウガ 1個
  • 大葉 5枚
  • カイワレ  適量
  • フライドオニオン 適量

 

作り方

今回の血合いは半分赤身、半分黒い血合い部分という感じ。全体に黒っぽいものでもかまいませんが、鮮やかな色のものが鮮度がよいと思われます。この時点で嫌な臭いを感じなければそのまま、もし気になるようなら水に10分ほどさらしてから使います。(それでもまだ臭ければ水を替えてさらに10分さらす)

一番間違いがないのは「ちょっといいマグロの刺身をたくさん売っている店で買う」です。マグロ自体の質がよく、回転も早い店なら新鮮な血合いに出会える確率も高いです。

今回はそんなスーパーで買って1日冷蔵庫に入れておいた血合いをそのまま使いましたが、問題なく美味しくできました。

 

キッチンペーパーで水気を拭き取ったら、骨や太いスジがあれば取り除き、1cm角程度に切ります。

 

フライパンを中火で熱して油を引き、切った血合いを炒めます。

 

ある程度火が通ったらナンプラーを加えてさらに炒め、全体に色が変わったら火を止め、レモン汁を加えてひと混ぜします。

ナンプラーの香りが苦手な方は早めに入れて加熱すると出来上がりではナンプラー臭さはほとんど飛びます。逆にお好きな方は最後に加えてナンプラーの癖も楽しみましょう。

 

ボウルに移し粗熱を取っておきます。
血合いを多めに買った場合は、ここまでやって余りは冷凍しておくと、炒飯やパスタなどに使えますよ。

 

春菊は茎は5mm幅、葉は1cm幅に、青ネギ、カイワレも1cm、
ミョウガは縦半分に切ってから5mm幅、大葉も縦半分にしてから5mm幅に切ります。

種類はお好み、あるものでいいですが、春菊、ミョウガ、青ネギは必須でお願いします。血合い200gに対して葉っぱ類合計で約70gくらいです。

 

血合いのボウルに野菜類を加えてざっくり混ぜます。

 

器に盛ったら、はい出来上がり。
フライドオニオンを散らすと食感のアクセントと香ばしさが加わってさらに美味しいのでおすすめです。(上の写真はフライドオニオン散らす前に撮ってしまいました……)

まさに癖×癖、血合いの魚臭さに生の春菊や青ネギの青臭さがたまりません。レモン汁の酸味もバランスよく、食感も賑やかで、ビールやサワー類、日本酒やワインも進むこと請け合いです。

お手頃価格なわりに華やかな見た目で、おもてなしにも向いている料理だと思います。良さそうな血合いを見かけたら、ぜひ試してみてください。

 

そしてこれ、ご飯のおかずにもなるのです。こんな葉っぱだらけのサラダみたいなもので飯が食えるか!と思いきや、これがなかなかいけます。写真のようにご飯と一緒に盛り付けたり、丼にするのもアリですよ。

 

ちなみにかの地の「ラープ」にも魚を使うものがあるそうです。紫玉ねぎ、ミント、ディル、パクチー(本来はちょっと違う種類を使うのが本式だそう) 、青ネギなどを使った現地っぽいバージョンがこちら。食感のアクセントに砕いた炒り米を混ぜ、蒸した餅米と合わせるのがお約束とか。こちらもまた独特のハーブの香りが食欲をそそります。

 

作った人:ツジメシ

ツジメシ

本名は辻村哲也、ツジムラの飯でツジメシです。本業は各種製品を手がけるプロダクトデザイナーながら、料理好きが高じて間借り飲食店でも料理中。手抜き日常食からマニアックな料理まで図解したレシピが人気。著書に『付箋レシピ デザイナーときどき料理人のスケッチごはん』(アース・スターエンターテイメント)。

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