【費用わずか数百円】カネがないなら「うどん」を打てばいいじゃないか!【初心者のための完全解説】

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『メシ通』をご覧の皆さん、こんにちは。漫画家の田中としひさと申します。

 

私がうどんを打つようになったのは、その昔 ──

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友人は飽きっぽいのでその後まったく打たなくなったのですが、私はこれ以来すっかりうどん打ちが気に入ってしまったのでした。

そば打ちはなかなか難しくうまいそばが打てるまである程度の訓練が必要ですが、うどんは初めてでもそこそこうまく作れます。

 

大事なことなのでもう一度言います。

まったくの初心者でも、
うどんはそこそこうまく作れます。

 

さらに「ゆでたて、締めたて」で食うと腕前の七難が隠されて、なかなかうまいものができますよ!(たぶん)

もちろんうどん打ちもこだわれば果てがありませんが、とりあえず間口を広く”スパゲティをゆでてレトルトソースをかけて食うくらいのことならする人”でも出来る、できるだけ安く道具をそろえられるうどんの打ち方を紹介したいと思います。

 

【手順1】道具と材料をそろえる

手順は全部で7あります。

まずは手順1として、道具と材料から。最低限、以下の3つがあればうどんは打てます。

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①麺棒……100円ショップに30㎝長くらいのが売ってると思います。写真の麺棒はちょっとしゃれた100円ショップで見つけた45㎝のモノ。

②塩……パスタをゆでる人なら塩くらいもっているでしょう。

③小麦粉……うどんには中力粉(または中力小麦粉)という種類がよく使われます。写真の「たけ」は某驚安量販店で1kg入り1袋98円(税抜)で10人前作れます。

 

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できればそろえておきたいのが計量カップ。本当は重さをはかるデジタルスケールがあるといいんですが、最低限これでOK。

それと計量スプーン。これも100円ショップで売ってますが、ティースプーンがあればそれで代用しましょう。ありますよね?

 

【手順2】計量

今回は扱いやすい量で中力粉(小麦粉)200g、2人前を打とうと思います。

分量は、

  • 中力粉(小麦粉) 200g
  • 水 90g
  • 塩 10g

材料的にはこれだけなんです。なんですが、はかりがありません。しかたがないので計量カップを信じて量ってみようと思います。

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小麦粉200㏄(1カップ)で100gと言われているので、それを信じて2カップ量ります。写真で見るとなんか多いような……。

量ったらいったん取り出しておきます。

 

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続いて水を量ります。

水90g=90㏄。目盛りないけどだいたいあってるよね。

塩は小さじ(ほぼティースプーン)1杯=5gとのことなので、ティースプーン2杯の塩を水に投入して塩水を作ります。

 

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塩、けっこう多いので頑張って混ぜます。

「こんなしょっぱいの大丈夫か!?」と思うかもしれませんが、大部分がゆで湯の中に逃げていくので大丈夫。

 

【手順3】水回し

粉に水を混ぜるのを「水回し」といいます。

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さきほど量った200gの中力粉(小麦粉)を大きめのボウルか鍋に入れ、そこに塩水を7割くらいの量を投入します。

 

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しかるのち、手を「ガチョーン」あるいは「BURRN!」にして、あ……どっちもわからない?

 

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はい、もう分かりますね。手をこんな形にしてかき回し、粉と水を一体化させていきましょう。

 

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こんなふうに。

 

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粉に水がいきわたって全体がそぼろ状になったらいい感じ。粉っぽさが残る場所に残りの塩水を入れてガシガシ混ぜましょう。

 

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全体がポロポロしたそぼろ状になったかなと思ったら、おもむろにギュッとまとめてみましょう。

 

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なんかボソボソした小麦粉の塊が出来ました。

これでOK!

 

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乾燥しないようにビニール袋に入れて、最低でも30分〜1時間ほど休ませます。

 

【手順4】踏み

もう少しこねるんですが、生地って結構硬いんです。なので踏んでこねます。

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本当はもっと厚手のビニール袋がいいんですが、ごみ袋で踏んでみます。レジ袋でもいいです。床が汚いおうちは掃除しよう。

 

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とにかく踏んで、踏んで、踏みまくるのみ。

 

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ただしレジ袋もゴミ袋もかなり薄いので、破れないように気をつけて丁寧に踏みます。

 

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平たくなったら、袋から出して

 

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適当に折りたたんで、また踏む。これを気が済むまで繰り返しましょう。

 

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だいぶツルっとしてうどん生地らしくなってるのわかります? そうなったら、袋に入れてそこからさらに1時間以上寝かせます。一晩寝かせても大丈夫です。たくさん寝かすほどおいしくなります(限度はありますが)。

ちなみに、私なんぞはこの作業が終わると、いったんやりかけの仕事に戻ったり、仕事がなければ昼寝しちゃったりします。

はい、ぼちぼち皆様お気づきと思いますが、うどんは作り始めてから食べるまでだいぶ時間がかかるのです。

スローフードちゅうやつですね。おしゃれです。

 

【手順5】延し(のし)

しばらく寝かせた後は、麺棒を使って平たく薄くのばしていきます。

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麺棒や台に生地がくっつかないように粉をまぶします。これを打ち粉といいます。

打ち粉はコーンスターチなんかがいいんですが、今回はうどん生地と同じ小麦粉を使います。

 

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このように麺棒に巻き付けて体重をかけながら転がし、巻き付ける向きを変えて転がし、を繰り返すとかっこいいぞ。

 

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厚さ2~3mmになるまでのばします。今回の分量なら、直径20~25cmくらいになればよいでしょう。

 

【手順6】切り

生地をびょうぶ状に折りたたんで、切っていきます。

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切った断面がひっついてしまうのを防ぐため、折りたたむ時に打ち粉を多めに振っておきましょう。

 

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生麺はゆでると膨らむので、それを考えつつ細目に切るのがコツです。

厚さと同じ幅2~3mmで切っていきます。といいつつちょっと太いな! まあいいか。

何本か切ったら、折り目を伸ばして余分な打ち粉を払って、また切り始める……を繰り返します。切ったままたたまれた状態で置いておくと、切り口がひっついちゃうからね。

 

【手順7】ゆで

さて、切れたらすぐにゆでましょう!

延し始め(手順5)の時に鍋に水を張って湯を沸かしはじめておくのが理想的。だいたい300gのうどんで3リットルのお湯とかいいますが、あまり細かいことは気にせず自宅にあるなるべく大きめの鍋で沸かせばいいでしょう。

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うどんを沸騰したお湯に投入します。再沸騰するとめっちゃ吹きこぼれるので、目を離さないでね。その後沸騰状態をキープして15分前後ゆでます。

今回は生地が硬めで麺も太めなので20分ゆでることにします。この感じだと武蔵野うどん風になりそうです。

 

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時間が来たら冷水でじゃぶじゃぶ冷やして水を切ったものがこちらになります。

完成~!

見た目もなかなかうまそうで上出来!

 

あとは食べるのみ

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さっそく、ざるうどんでいただきます。

 

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薬味は定番のねぎ、かつお節、しょうが、天かす。

 

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どうでしょう。簡単で安上りでしょ?

 

かかるのは時間だけです。

 

ぜひ皆さんもうどん打ちにチャレンジしてみてください。

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書いた人:田中としひさ

田中としひさ

まんがを描いたりアナログゲームをしたり自転車に乗ったり小麦粉料理(主に麺)を片っ端から浅く広く試すひと。

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