こんにちは。メシ通レポーターの鷺ノ宮やよいです。
少し前、ネット上で衝撃の情報が飛び交いました。
7月下旬、池袋に「とんかつは飲み物。」なるお店がオープンするというのです。
とんかつは……飲み物……?
「カレーは飲み物。」なるお店は存在しますが、カレーが液体状であることを考えれば、これはまぁ理解できます。
でも、ねぇ……とんかつですよ? ないわー。
何度考えても
「とんかつは飲み物じゃねーよ!」
というベタなツッコミしか出てこない。
……それとも、飲めるとんかつというのがこの世には存在するのでしょうか。
気になったので、ひと足早くオープン前の7月中旬、お店に取材に行ってきました! 果たして「とんかつは飲み物。」なのかどうか、真相やいかに……?
看板に自信満々に書かれた「とんかつは飲み物。」
お店があるのは池袋西口を出てロサ会館方面へ歩き、もう少し進んだあたり。
「とんかつは飲み物。」と書かれた看板がかかっているので、すぐにわかるかと思います。
看板の書体からして自信満々で、有無を言わせない迫力に「とんかつは飲み物……?」と信じそうになりますが、違う、違う、そうじゃない。
何度も言うけど、とんかつは飲み物じゃないよ!
店名に込められた思いとは?
お店に入ると、取材担当の宇佐波さんが出迎えてくれました。
── う、宇佐波さん、店名からうすうす感じてはいたんですが、やはりこちらのお店は「カレーは飲み物。」と同じ会社が運営しているのでしょうか。
宇佐波:そうなんですよ。察しがよかですね〜。
── わかりますよ!
宇佐波:ですよね〜。
── でも、とんかつは飲み物じゃないですよね?
宇佐波:フゥ〜、あらら、まだそんな表面的な捉え方をしている方がいらっしゃるとは……。もう何回も伝え続けていますが、これは「概念」です。みなさんがお好きなとんかつやカレーは昔から現在まで絶対的な普
そのような普遍性のある大衆的な食べ物の提供をとおして、「お得にお腹いっぱい」すべての人々の意識の中にある圧倒的な大衆的思想に対するひとつの答えがこの飲み物。のなかにあるのです。わかりますよね?
なるほど。
飲み物状のとんかつがウリだというわけではなく、系列店の「カレーは飲み物。」と通じる思いやコンセプトがあることからこのような店名にしたというわけですね! こ、これは……ブルース・リーの「考えるな、感じるんだ」に近い精神を感じる!
淡麗、濃厚、牛……かつメニューが10種類以上!
それにしても、「お腹いっぱい食べてもらいたい」というからには、それだけのボリュームが期待できるということでしょうか。
ここでとんかつをオーダーしてみるべく、お店のメニューを見せてもらうと……。
かつメニューだけでも10種類以上あるーーー!!!
「味噌」「おろし」「牛」「メンチ」などはわかりますが、「淡麗」って何!? ビールじゃないんだから!
宇佐波:とんかつを「淡麗」と「濃厚」の2種類用意しているんです。「淡麗」はロースの部分で脂少なめ、さっぱりと食べられます。「濃厚」は肩ロースを使っていて脂多めでこってり。お好みで選んでもらえればと思います。
今回は違いをたしかめるべく、「淡麗」と「濃厚」の2種類を出していただくことに。
揚げる前の肉を見せてもらいましたが、肉の見た目からして違いが歴然!
皆さん、どちらが「淡麗」でどちらが「濃厚」かわかりますよね?
こちらが脂身の少ない「淡麗」で……。
こちらが脂身が多めの「濃厚」。脂の量や入り方がぜんぜん違いますよね。
作り方はいたってシンプル王道系。
肉に塩コショウをしたら、パン粉に溶き卵、小麦粉で衣をつけ油で揚げます。
ジュウゥゥゥーーーーーッ
……至福の音ですね。
とんかつに選べるお総菜3品付き
それにしても気になるのが、かつメニューの隣に載っている10種類のお総菜。
これは……?
宇佐波:10種類の手作りお総菜から3種類までお選びいただけます。モチのロン無料です。これは、揚げたてのとんかつという固い下地に家庭的なお総菜という温かい心を重ねてこそ本当の大衆とんかつ食堂ではないか! という思い。
大衆店とは電車で例えるなら「各駅停車」。日常に根ざしてないとダメなんですよ。特急や新幹線じゃないんだから。わかりますよね?
えっ、3種類もつくの!?
「しっとり卯の花」に「サッパリわかめ酢の物」「ポテトサラダ」「シビれる麻婆春雨」などどれを選ぼうか迷っちゃう!
野菜を補えるものが多くて、ヘルシー&栄養バランスがぐっとよくなりますね。あ、でも「生卵」を選んでTKG(卵かけご飯)にするのも捨てがたい……!
そうこうしているうちに、できあがりました!
今日つけていただいたお総菜は、
「切り干し大根の煮込み」
「ひじきの煮物」
「きゅうりの浅漬け」
の3品。
お総菜10種類はどれも毎日お店で仕込んでいて、ほぼすべて手作りだそうです。
驚きのコスパ! お腹いっぱい食べて1,000円でお釣りが来る
まず最初に出していただいたのは「濃厚」のとんかつ定食。
さっそくいただいてみましたが、当たり前ですが揚げ物は揚げたてがおいしい!
黄金色のサクッとした衣に包まれた肉をかむと、中からジュワッとジューシーな肉汁があふれ出ます。
脂が濃厚なので、添えてあるキャベツやお総菜が箸休めにピッタリです。
驚くべきは、この「濃厚」とんかつ定食、選べるお総菜が3品ついてお値段890円!
「淡麗」のほうであれば790円!
しかも「カレーは飲み物。」同様、ご飯の量も選べるんです。小(120g)、中(200g)、大(300g)、そして山(400g)、どれを選んでもお値段変わらず。
ちなみに写真のもので「大」です。
続いてこちらが、淡麗のお肉を使った「味噌」(890円)。
甘辛い味噌が上にかかっていて、味噌カツっぽい食べ方が楽しめます。
「淡麗」のお肉は断面を見ても、やはり「濃厚」よりも脂身少な目。
カロリーを気にする方やこってりが苦手な方はこちらを選ぶとよいかも。
日本人でヨカッター! 定食を食べるしあわせ
とんかつにキャベツ、白飯に赤味噌のお味噌汁。そして副菜。
なんといってもこうした定食は私たち日本人には落ち着きますね。
宇佐波さんいわく、
宇佐波:高級なとんかつや牛かつがもてはやされる中、「カレーは飲み物。」同様、1,000円でお腹いっぱい食べられてお釣りが来るお店を目指したいと思ったんです。有名とんかつ店と競おうとはさらさら思いません。とんかつ通の方ではなく、普通のとんかつ好きの方にたくさん来ていただきたいです。昔、食堂のおばちゃんに「これオマケねっ!」とお総菜をつけてもらって胃も心も満たされた。そんな大衆的な“街のとんかつ屋さん”を目指したいですね。
はい、とんかつは飲み物ではないけれど、「とんかつは飲み物。」という店名に込められた思い、しかとうかがいました!
お店はカウンターが10席、テーブルが1卓(4席)の全部で14席。
そこまで広くはないため、混雑時は並んだり待ったりすることがあるかもしれません。近隣のオフィスや住まいの方などはテイクアウト(※)を利用するのもおすすめです。
結論:「とんかつは飲み物。」はとんかつを飲み物として出すお店ではなかったけれど、その店名にはお客さん思いのアツい気持ちが込められていた。
(※)現在、状況が落ち着くまでお弁当の提供はストップしています。
お店情報
とんかつは飲み物。 ※池袋東口店として移転
住所:東京都豊島区東池袋1-23-8
電話番号:なし
営業時間:11:00~16:00、17:30~21:30
定休日:不定休
Twitter:https://twitter.com/nomimono_co_jp
※この記事は2017年8月の情報です。
※金額はすべて消費税込みです。