一般人に解禁!舞妓さんも味わった天むすは京都みやげの新定番になり得るか!?「喜多」【京都】

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みなさまこんにちは。メシ通レポーターのナガオヨウコです。

 

今回ご紹介するのは、天むすです。京都の。

 

京都では天むすを日常的に食べる文化はありません。わたくし、これまで生きてきて、天むすを食べた記憶があるかどうか、あったとしても京都だったか名古屋だったか、はたまたどこかの町だったのか……というあやふや具合。

 

 はい、知っているんですよ、天むす=名古屋っていう公式は。

 

ところが、「天むすが、京都みやげの新定番になるかも……!! 」という予感がするお店を見つけたので、レポートいたします。名古屋の天むすとは、まるで別ものなんですよ!

 

京風天むすは俵形

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こちらが2017年8月、松原商店街にオープンした「喜多」の天むすです。

 

一般的な天むすは、三角のおにぎりの中に海老の天ぷらが入っていて、おにぎりのてっぺんから海老のしっぽが飛び出していますよね。

 

そして、具材はだいたい海老の天ぷらです。

 

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こちら「喜多」の天むすは、海老のほかにもいろんな具材があるんですよ!

 

では、じっくり紹介していきましょう。

 

庶民的な商店街にある

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場所は、松原京極商店街。

ざっくり言うと、南北の堀川通と東西の松原通りを西に向かったとこ。

 

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松原京極商店街の旗には、牛若丸と弁慶が描かれています。

 

というのも、平安時代、牛若丸(源義経)と弁慶が出会ったとされる五条大橋は、現在の松原通りといわれているからなのです。

 

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2017年8月にオープンしたばかりの天むす専門店「喜多」。庶民的な商店街にすっとなじんでいるのは、スタイリッシュな中にも和の要素をちらほら散りばめているから。

 

引き戸は新しく作ったものではなく、古いものをはめ込んでいるのだそう。同じ戸が3枚なかったということで、2枚は同じなのですが、1枚は少ーしだけ違うのですよ。

 

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引き戸を開けると、テイクアウト用の天むすカウンター。シンプルでおしゃれ。

 

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イートインのカウンターは4席。カフェっぽくもありますが……。

 

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目線をキッチンに移すと、骨董のうつわが並んでいるのが見えます。

 

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出迎えてくださったのは、店主の北 聡仁さん。

 

北さんが、天むすを開発したのは祇園の有名割烹「ぎおん 阪川」での修業時代のこと。

舞妓さんや芸妓さんの踊り公演の際、いつもお店に来てもらっているお礼がてら、「お部屋見舞い」として天むすを差し入れしていたのだそうです。

 

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「慌ただしい楽屋でさっと食べられて、しっかり満足感がある天むすは、舞妓さんや芸妓さんに好評でしたね。大きな口を開けて食べるとお化粧が崩れてしまうので、ひと口サイズでお渡ししていましたが、こちらのお店ではもう少し大きめに仕上げています。しかし、作り方や味つけはまったく同じですよ」(北さん)

 

天むすは、割烹ではメニューに並んでいませんでした。

つまり、一般人はこの天むすを口にしていなかったんですね。

 

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天むすは、時間帯により、常時5〜6種類くらいラインアップ。

この日は、煮穴子/鮭/鯛/帆立/煮タコ/海老/和牛がありました。

 

一番評判がいいのは、もちろん海老。

そして二番目は煮穴子。一般的な穴子に比べて身が厚めなので、食べ応えがあるのだそう。

 

秋は松茸、冬はカニが登場。「春はタケノコもいいかなって思ってます」と、北さん。ぐへへ、冬も終わってないのに、春が楽しみになっちゃいます。

 

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「ごはんは、銅製の羽釜で炊いています。銅製ですので熱伝導率が良く、熱が均等に行き渡るんですよ。お米は、粘りの少ないタイプのものをいくつかブレンドしています」(北さん)

 

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具材は、自家製の甘辛タレにさっと漬けて味付け。

見てください、海老の大きさっぷりがわかりますでしょうか。

 

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のりは、香りが豊かで程よい厚みのある有明のり。

 

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「のりは他にもいろいろ試しましたが、この有明のりにかなうものはない。修業先の『阪川』で初めて食べた時、いたく感動して、こちらでも使用することにしたんです」(北さん)

 

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天ぷらの衣は、ぽってりではなくちょい薄衣。というわけで、海老はこんな具合におしりもかわいい。

 

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「有名割烹からの独立で、天むす専門店という形態にしたことは、ちょっと勇気がいりましたね。周囲の人たちからは『なんで、日本料理専門店にせえへんのや、もったいない』と言われたりもしました。

 

でも、京都で誰もやったことがない『天むす専門店』に、僕は可能性を感じたんです。老若男女の誰もが大好きですし、ランチにもおみやげにも向いている。

確かに、京都で天むすは一般的ではありません。しかし、極上の素材の扱い方、お米の選び方や炊き方、ご飯×具材×タレの相性……。僕はこれまでに習得した京料理の技術すべてを天むすに込めています。京料理をベースにした天むすは、きっと京都人にも広まると確信しています」。

 

5種類の天むすを実食

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▲天むす5個+だし巻き2貫セット(1,500円)

 

天むすの種類は選べます。

こちらは、左から帆立、鯛、鮭、煮穴子、海老(ワサビ入り)。

お持ち帰りのときも、竹の皮で包んでいただけます。

 

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女性が好きなナンバーワンは帆立。肉厚の帆立が口の中でぐっと主張してくるんですが、タレの味付けがやさしいので、いつの間にかすっと口になじむというか体になじんでいく感じ。むちゃうま

 

この次に食べた鯛は、それはそれは上等な味。鯛って、普通のやつと美味しいやつの差が大きいと思うのですが、これはまさに上級の味!!

鯛の香りが優しく広がり、すっと口の上で溶けるような食感でした。

 

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鮭。鮭って、塩焼きとかおにぎりの具でおなじみですが、わたくし鮭の天ぷらなんて初めて。

 

具材の中で支持率はさほど高くないそうですが(鮭も海老も煮穴子も同価格ですからね)、鮭の天ぷら、いいよ、いい。

 

おなじみのあなたが、こんなにも高級になるなんて。

 

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煮穴子は2番目に好評。厚めの穴子を煮て、爽やか系のタレをからめ、さらに天ぷらに仕上げております。

食べた感をぐっと感じられる、これまたおすすめしたい具材。

 

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海老ですよ、海老。主役。

もう一度、その大きさを拝見あれ。天むす、男性の手の1/3の大きさなんですよ。

 

海老は、もうね、さすがの主役感。天むす界の王者。

甘辛タレにさっと漬けてあるのですが、あくまで主役は海老そのもののウマさ。むっちり具合も、食感も最高です。小腹が空いたときに食べたら、いきなり力がみなぎってくると思いますし(ナガオ実感)、日本酒を飲みながらひょいと口に放り込んでも贅沢な気分になれると思います。

 

なお、海老の天むすは、わさび入りかナシかを選べます。

 

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京都人が愛してやまない、出し巻。

 

京都人は、出し巻が好きです。出し巻って、家で作って食べられるもんですが、居酒屋さんや割烹に行くと必ずオーダーするもののひとつ。その理由は、京都の料理人さんの技が段違いだから。

 

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香り高いおダシをたっぷり含んだ出し巻は、単体で販売もしていますよ。1本 600円。切り売りも可。

 

近くの旅館の方も「朝食にお出ししている」と、買いに来ているそうですよ!

 

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添えられてるお漬物は「白しば」。きゅうりのあっさり仕立てです。

 

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気の利いたお土産としてもいいですし、ビールや日本酒&天むすで、ちょっとぜいたくな気分で飲むのもOK。

 

「喜多」の天むす、京都の食シーンに新たな風を吹かせそうです。

 

お店情報

喜多

住所:京都京都市下京区西洞院松原西入る天神前町340
電話番号:075-365-3636
営業時間:平日10:00~14:00、16:00〜19:00(土曜日・日曜日は10:00〜19:00)
定休日:火曜日
 

 

書いた人:ナガオヨウコ

ナガオヨウコ

ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。

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