【キーシマ逆バージョン@京都】ラーメンスープにうどん麺を入れた麺料理が超おいしい

エリア宮津・京丹後・京都府その他

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みなさまこんにちは。京都のライター・ナガオヨウコです。

 

京都には「キーシマ」という食べ物があります。

「キー」=中華そば(黄色い中華麺)と、「シマ」=うどんダシを合わせた麺料理です。

 

「キーシマ」は、京都では昔ながらの定食店のほか、いろんなジャンルの飲食店でちらほら見かけます。

 

今回は、その「キーシマ」の逆バージョン、つまりラーメンスープにうどんの麺を入れた料理を発見したので訪問してきましたよ!

 

京都府南部・井手町にある

お店の場所は、京都府 井手町。

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▲地図作成/ナガオヨウコ

 

井手町とお店の場所は、ここです。

細かい部分は省略したざっくり地図ですので、ぬるい目で見てください……。

 

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京都市内から車で約1時間。井手町にあるうどん店に到着しました。

お店の名前は「京都のおうどん屋さん たなか家 井手町本店」というのですが、目立つ看板などはありません。

えっ、どこがお店!? って思うでしょ?

 

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電光掲示板に「営業中」と書いてあります。

 

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入り口はこんな感じ。

 

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しいて言えば、入り口脇にある地図が目印。

このマップ、井手町周辺だけが描かれています。町外の人にとってはピンと来ないかも……。

 

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入り口を進むと、のれんが見えてきました。おっ、ここだな!

 

写真をよく見ると、真ん中らへんに軍手が落ちてます。軍手って道路によく落ちてますが、うどん店でも落ちてるもんなんですね。

 

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店内へは、のれんのある引き戸から入ります。

 

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お店はセルフスタイル。こちらで注文&お会計をして、うどんを受け取ったら席に向かいます。

 

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出迎えてくださったご主人、田中則行さん。

 

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写真、左側の建物でうどんを受け取り、手前にあるドアから入ると……。

 

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温室。※客席です。

 

お父さまの趣味が園芸で、植物を育てている温室をそのまま客席として利用。

 

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その隣には、山が見えるテラス席。

 

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喫煙スペース。

 

なんというか、ものすごーく大らか!

 

f:id:Meshi2_IB:20181127191620p:plain田中さん「決して便利な立地ではないですが、自然が豊かなロケーション。田舎の民家の一角にあるところが、香川県のうどん店みたいやね、とよく言われます。うどん店は、 2003年、父が経営している建設会社の飲食部門として開店しました。僕は営業職として働いていたのですが、突然、何か飲食店を始めることになったんです」

 

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f:id:Meshi2_IB:20181127191620p:plain田中さん「飲食店なら何でも良かったのですが、うどん店にしたのは、当時、僕が讃岐うどんのおいしさに感動したから。京都ではコシのない柔らかなうどんが主流。コシの強い讃岐うどんは一般的ではありませんでした。16年前、兵庫県に出来たばかりの丸亀製麺の1号店で讃岐うどんを食べて衝撃を受け、その後に香川県で本場のうどんを食べまくったら、またしても衝撃の連続で。セルフスタイル、立ち食い、自分でダシをかける、何なら自分でネギを切る……。そこまでのセルフスタイルでなくても、讃岐うどんのようなうどんは京都でもきっとウケると思いました」

 

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▲田中さんは農学系専門学校出身、生物工学を勉強してきた

 

「うどん作りは、完全に自己流。有名うどん店で観察し、見よう見まねでひたすらうどんを打つ日々が続きました」と田中さん。

 

しかし、カンだけを頼りにして試行錯誤したのではありません。「おいしさ」の理論を重ねて、うどんを完成させたのだそう。

 

f:id:Meshi2_IB:20181127191620p:plain田中さん「うどんのおいしさって、小麦が育つ環境で決まるんですよ。小麦は、同じ品種でも生育環境で出来上がりがまったく異なります。日本国内で育てると、グルテン分解酵素とでんぷん分解酵素が作られてしまうため、うどんにするともっちり感が出にくくなるんです。オーストラリアの小麦はそれらの分解酵素が少なめ。でんぷん量が多く、うどんに向いています。しかし、中には国内で許可されていない農薬を使って栽培されているものもあります。残留農薬はないようですが、僕はちょっと気になるので、ウチでは現在、国産小麦100%にしています」

 

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もっちり感が出にくい国産小麦でも、こちらのうどんはコシがあります。その秘密は、うどんを打つときに、酸性寄りの軟水を使用しているため。

こちらでは地下水をくみ上げ、カルシウムやマグネシウムを電気分解で取り除く軟水機を2台接合して使っています。

 

ラーメンではなく、ら“う”めん

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メニューは、定番、季節ものを合わせて約17種類。

かけうどん、きつねうどん、カレーうどんのほか、魚介風味をプラスした「つけ麺」、白ご飯にうどんダシと食べるラー油、油かすをのせた「かすラーご飯」といった変わりダネもあります。

 

全部気になりますが、今日は目当ての「らうめん」をいただきますよ!

 

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京都拉饂麺(らうめん) 780円 ※冷やしバージョンも有(同価格)

 

ラーメンではありません。

うどんの麺にラーメンのスープを合わせたら“う”めんです!

 

具材は、豚バラ、ネギ、メンマ、しゃきしゃきモヤシ。そしてゆで玉子。

ラーメン店って半熟卵玉子が出てくることが多いですが、ここでは固ゆでなんですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20181127191620p:plain田中さん「あっ、しまった……! ほんまは半熟のはずやってんけどな。それ、失敗です

 

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玉子は半熟でも固ゆででも、まあどっちでもええで! ……って思えてくるのは、こんなゆるーいロケーションのおかげかも。

 

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f:id:Meshi2_IB:20181127191620p:plain田中さん「『らうめん』がメニュー入りしたのは5年前。ラーメン好きにウケる味を、と開発しました。ラーメンとうどんを比べると、ラーメンの方が地位が上という風潮があると僕は感じています。麺+スープという同じような組み合わせなのに。ラーメンは1,000円近い値段をつけてもお客さんが来るのに、うどんに1,000円はつけられない。でも、うどんの地位を上げたい。らうめんは780円で、単品としてはやや高めなのですが、お客さんのオーダー率は約2〜3割と好評。うどん好きからもラーメン好きからも人気なんですよ」

 

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うどんダシに、鶏ガラ2:とんこつ1のラーメンスープをブレンド。さらに白味噌で濃厚さをプラスしています。

 

うどんダシは、利尻昆布と煮干し、サバ節、ウルメ節、メジカ節、そして花かつお。

 

ふんわり華やかな香りは、動物性のラーメンスープのおかげ。

 

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うどんは、むち&もちでコシがある。なのに、程よくしなやか。

 

自家製の食べるラー油が、程よいアクセント。色は真っ赤なのに、辛くないんですよ。

 

むちゃウマ!!

 

うどんもスープも絶品!

世間では、「うどんの麺を楽しむならぶっかけ」「ダシを楽しむなら温かいうどん」を選びがちですが、これは麺もスープも両方おいしい。

 

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スープを一滴残らずいただいちゃえるのも、ラーメン的かもしれません。

 

おなかいっぱいになりましたが、他のうどんも紹介しましょう。

 

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▲ぶっかけうどん(炊き込みごはんセット) 700円 ※ぶっかけうどん(中)単品は470円

 

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f:id:Meshi2_IB:20181127191620p:plain田中さん「もうひとつ、うどんのおいしさの決め手は、製粉の鮮度。収穫〜製粉〜製麺の時間が短いことが望ましい。しかし、多くの製粉メーカーは古い日付の粉から順番に出荷しています。当たり前といえば当たり前なのですが、僕はそれでは納得がいかなかったんですよ……。いろいろ探した結果、製粉したての粉を卸してくれるメーカーさんを見つけました。今は、製粉の日付から逆算して、うどんの打ち方を微妙に変えています」

 

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▲西京ぶっかけ(中) 660円

 

オーダー率は4割、注文ナンバーワン! 白味噌仕立ての冷たいうどんです。

 

具材は、ナス・かぼちゃの煮浸しと、豚肉、油揚げ、大根おろし。うわ! 全部好き!!

 

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京都では、お雑煮に白味噌を使います。でも、うどんに合わせているのは珍しい。

 

甘めの白味噌に、端正なうどんが合わないはずがない!

 

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駐車場は約20台。

 

このあたりは景色が美しく走りやすい道路が多いため、自転車やバイクでのツーリング途中で立ち寄るお客さんも多いそう。

 

営業時間は14時までなので、早めに訪問するとゆっくりできるはず。なお、京都府の宇治田原にも支店があります。

 

本店にはないメニューもあり、いつもトラックドライバーや地元民でにぎわっています。私のおすすめは、うどん3種類食べ比べセットです。こちらもぜひ。

 

お店情報

京都のおうどん屋さん たなか家 井手町本店

住所:京都府綴喜郡井手町玉ノ井20-1
電話番号:0774-29-1644
営業時間:11:00〜14:00
定休日:日曜日、隔週土曜日(ウェブサイトで確認を)
ウェブサイト:http://www.kyoto-tanakaya.jp

www.hotpepper.jp

 

書いた人:ナガオヨウコ

ナガオヨウコ

ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。

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