ザ・ローリング・ストーンズが来店! 伝説のロックバー「レッドシューズ」【南青山】

日本のみならず、世界のスーパーロックスターも訪れた、という伝説のロックバーがある。東京・表参道「レッドシューズ」。世界中から多くのミュージシャンが集ったこの場所に、どんな歴史とドラマがあったかを紐解いていくが、中華料理が本格的に美味しいことにも触れずにはいられないのだ。

エリア表参道(東京)

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"ロックの迎賓館"

シーナ&ロケッツの鮎川誠氏にそう言わしめた真紅のロックバー「レッドシューズ」。世界中のロックセレブに愛され、知る人ぞ知る隠れ家的な大人の社交場として多くのミュージシャンが訪れています。そこにはいったいどんな歴史とドラマが詰まっているのでしょうか?

 

南青山の一角に佇む伝説の店

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渋谷駅から歩くこと約15分、六本木通り沿いの南青山に噂の「レッドシューズ」があります。その名の通り、暗闇に煌々(こうこう)と赤く光る看板がお店の目印です。オフィスビルと住宅に囲まれた立地で、一見してここに伝説のロックバーがあるとは誰にも想像がつかないことでしょう。

 

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出迎えてくれたのは、二代目オーナーの門野久志さん(以下、門野さん)。日本のカフェバーブームを支える第一人者のひとりです。

「いらっしゃい」と一言、俺について来いと言わんばかりのロックなオーラを感じさせながら店内へ案内してくれました。「レッドシューズ」の入り口は、初めてライブハウスへ入るときのような興奮と高揚感にあふれ、重くて真っ赤な鉄の扉がロックの心をさらに高めます。

 

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風神雷神が印象的な真紅に染まった店内には、ギターアンプがズラリと並んでいます。世界的ミュージシャンがここで夜な夜なセッションを繰り広げている様子を想像するだけで、ロック好きにはたまらない空間と時間を過ごせるのではないでしょうか。

かつてどんなミュージシャンが訪れていたのだろうか、そんな思いを胸にオーナーへお店の歴史やドラマをうかがってみました。

 

「RED SHOES」、その歴史とドラマ

「元々『レッドシューズ』は西麻布にあったんです」と話し出す門野さん。伝説のロックバー「RED SHOES」は、六本木でバーを経営していた先代オーナーの松山勲氏によって、1981年12月5日西麻布にオープンしました。

1980年代の風営法改正によってディスコが取り締まり対象となった当時、「RED SHOES」のような朝まで楽しめるお店にお客さんが流れ込み、西麻布ブームを牽引する存在になっていったそうです。

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当初からミュージシャンの間で話題のお店として、シーナ&ロケッツやザ・モッズ、アナーキーなど、当時の日本のロックシーンを支えるバンドが来店していたといいます。

 

その当時の門野さんはというと……「実はまだ高校生だったんです」と少し照れくさそうに話します。

「最初は一生田舎にいるつもりだった」と語る門野さん。高校卒業後は地元福井で一般企業へ就職するも、ウォーターフロントブーム真っ只中の1989年、"自分のお店を持ちたい"という夢を持って25才で上京。求人誌で先代オーナーが経営する「インクスティック芝浦ファクトリー」の面接を受けたところ、閉店予定であったことから系列店の「RED SHOES」を紹介されたのが全ての始まりなんだとか。

 

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大のザ・ローリング・ストーンズ好きの門野さん。

「当時ザ・ローリング・ストーンズのメンバーが遊びに来てね、あのときはたまらなかったね」とうれしそうに語ります。

しかし、店長就任後の1995年に「RED SHOES」は閉店。これを機に門野さんは、かねてから自分の夢だったロックバー「Rally」を西麻布にオープンさせます。X JAPANやLUNA SEA、BUCK-TICKなどが足繁く通っていたといいます。

 

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その後門野さんは2店舗目を展開し、3店舗目を考え出したとき、当時の「RED SHOES」のように六本木の雑踏を離れて、わざわざでも来たくなる隠れ家的なお店をやりたいと周囲に話していたそうです。「RED SHOES」で打上げをやることがバンドマンのステータスとなっていたこともあり、当時の仲間からはもう一度「RED SHOES」をやってほしいという声が多かったといいます。

「『RED SHOES』の看板が大きすぎて、最初はかなりためらいましたよ…」と語る門野さん。先代「RED SHOES」と日を同じく、2002年12月5日に現在の「レッドシューズ」が誕生しました。

 

世界のロックセレブが来店!

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シーナ&ロケッツ、クレイジーケンバンドがレセプションパーティーのライブを務めた現在の「レッドシューズ」は、鮎川誠氏によって"ロックの迎賓館"と呼ばれています。世界中のミュージシャンに愛されている「レッドシューズ」には、ザ・ローリング・ストーンズをはじめ、デヴィット・ボウイ、ピンク・フロイドなど、世界のロックセレブたちが口コミで来店しているというから驚きです。

最近ではプライマル・スクリームが2006年にここでシークレットライブを行ったのは有名な話ですが、先日も来日公演に合わせて訪れたんだそうです。もしかしたら、世界的ミュージシャンのセッションに出くわすこともあるかもしれませんね。

今やトップバンドの仲間入りをした日本のTHE BAWDIESも、デビュー前はよく「レッドシューズ」でライブしていたのだとか。この日も最近注目されているVirgin Crab Bandが、耳の肥えたお客さんを相手に熱いライブを繰り広げていました。

 

忘れるべからず! 絶品中華

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もうひとつ、「レッドシューズ」には見逃せないポイントがあります。

それは"朝まで美味しい中華を食べられる"ということ。老舗中華料理店「新橋亭」で料理長を務めた、この道40年のシェフが作る本格中華は絶品のひとこと。

 

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▲餃子(700円)

 

「レッドシューズ」の数あるメニューで最もオススメは、こちらの「餃子」です。

"本気の餃子"をテーマに、「一時は餃子を見るのも嫌になった」と話すほどオーナー自らが各地の有名餃子を食べ歩き、研究に研究を重ねて作り上げた逸品。鳥挽肉をベースに、野菜をたっぷりと使用したヘルシー餃子を、刻んだピクルスと八角、レモングラスを合わせた専用のタレにつけて食べます。皮から手作りなので、食べ応えも抜群。一口食べれば肉汁とこだわりの香りが口いっぱいに広がりますよ。

 

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復活! 伝説のスパイシー焼きそば(1,250円)

ホフディラン(ワタナベイビー、小宮山雄飛)が学生の頃に「RED SHOES」でよく焼きそばを食べたと紹介したことがきっかけで、先代「RED SHOES」の看板メニューが復活。オイスターソースをベースに絡めた麺がコクのある後味を引きずります。お好みで豆板醤をつけて食べるのも、当時と変わらないポイントです。

 

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豊富の種類のお酒もロックバーならでは。ビールやカクテルもさることながら、かちわり氷で飲むウイスキーは格別です。

世界中から訪れるロックセレブたちのように、お酒を片手に、ここ「レッドシューズ」で本物のロックを楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

二代目オーナー門野久志氏から若者たちへメッセージ

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最後に門野さんがこんな話をしてくれました。

 

今の若者はお酒を飲まない人が増えた。他にお金を使うこともあるだろうし、情報もネットで簡単に手に入る時代になって、若者が街に出なくなったように思う。街のバーでの酒飲みは、昔からマナーを身につけたり、いろんな人に出会って人間を形成する場所だった。若者にこそ街に出て、いろんな人に出会ってほしい。「レッドシューズ」は、音楽好き、ロック好きの若者には最高の場所ですよ。

 

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世界中のロックセレブに愛される、日本のロックの迎賓館「レッドシューズ」。そこには語りつくせないほどの歴史とドラマがありました。

「レッドシューズ」は、いつまでも変わらないロックで私たちを迎えてくれます。

 

お店情報

レッドシューズ

住所:東京都港区南青山6-7-14 チガー南青山B1
電話番号:03-3486-1169
営業時間:19:00~翌4:00、日曜日 ~24:00
定休日:月曜日
ウェブサイト:http://redshoes.jp/

※金額はすべて消費税込みです。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。 

 

書いた人:矢口優太

矢口優太

ARROW ENTERTAINMENT 代表|大手旅行会社勤務後、音楽業界を経て独立。海外フェス・コンサート・ツアーの制作、舞台監督、ツアマネとして活動中。昭和60年・山形県最上町産。歴史と温泉とロックンロールを愛する体育会系スイーツ男子。趣味はボクシング|(有)赤倉観光タクシー 代表取締役|海外旅行・グルメライター。

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