飲酒をテーマに夫婦で世界一周したライターが缶詰でアジア料理を再現してみた

1年半かけて夫婦で世界一周をしたライターが、現地で食べた味を思い出しながら、「グリーンカレー鍋」「チヂミ」「サテ」と、酒のつまみにぴったりな本格アジア料理3種を缶詰を使って再現!

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こんにちは、世界一周をしたライターの松本祐貴です。

「長い人生で一度だけの贅沢な夏休み」と考えて、僕が妻と一緒に世界を巡り、いろんなお酒を飲みまくっていたのは2013年から1年半ほどでした。

アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパ、南米などで、ときに酔っ払いにからみ、からまれ、ときに踊ったり笑ったりした話は、『泥酔夫婦世界一周』というタイトルで一冊の本にまとめました。

 

泥酔夫婦世界一周

泥酔夫婦世界一周

 

その後も、ブータンに雪男を探しに行くなど、海外旅行は大好きです。しかしコロナウイルスの影響で、次にいつ海外旅行に行けるか分かりません。

そこで自粛期間は海外で食べた料理を思い返しながら、自宅で3食ご飯を作り、週に何本かの酒瓶を空けています。

ただ、僕はずぼらな性格で、手間がかかる料理はほとんどしません。ハンバーグを作るのも面倒だし、じゃがいもや人参は、皮もむかずにシチューに入れているほどです。

「煩わしくなくて、手軽にアジア料理の味に近づけるには」と考えた結果、コンビニやスーパーで売っている安価な缶詰を利用しようと思いつきました。

これからの蒸し暑い季節には、タイ、インドネシアなどのアジアンエスニックが最適です。そこで世界一周のエピソードと共に、現地で食べたアジア料理を再現した缶詰レシピを紹介します。

 

ビールとの相性が抜群な「グリーンカレー鍋」

まずは、タイで愛されているグリーンカレー。現地では「ゲンキョウワン」と呼ばれ、ナスなどの野菜や肉をココナッツミルクで煮込み、スープ兼おかずとして食べられています。

タイには、店舗を構えるレストランもありますが、それ以上に屋台が充実しています。屋台の集まる路地には、麺、粥、焼き飯、焼きそば、カオマンガイ(鶏蒸しご飯)、クレープやジュースなどのお店が軒を連ねています。

 

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タイの人はフレンドリーなので、同じお店に何日か通えば、言葉がそれほど通じなくても、お店の人からあいさつをしてくれます。「サワディーカー(こんにちは)」「コープンカー(ありがとう)」ぐらいしか話せない僕にも、飯屋のおばちゃんはニコっと笑い、料理を差し出してくれるのです。

屋台料理の中でもお気に入りだったゲンキョウワンは、ココナッツミルクの甘さの中に、タイ特有のパンチの効いた唐辛子の辛味と旨みがありました。タイ米にも合いますが、なによりもビールが一番の友と言えるでしょう。

現地ほどの新鮮な辛みはないですが、タイグリーンカレーの缶詰で近い味が再現できます。ただのカレーではなく、和風のだしもたっぷりきかせて、カレー鍋にしてしまえばお酒も進みます。

 

材料(1人前)

  • グリーンカレーの缶詰 1缶
  • 鶏もも肉(鶏むね肉、鶏挽肉でも可) 200g
  • お好みの野菜(キャベツ、白菜、人参、長ネギ、チンゲンサイ、ニラなど) 適量
  • しめじ 適量
  • パクチー 適量
  • ナンプラー 大さじ1
  • 水 150ml
  • 料理酒 25ml
  • 昆布(だしの素でも可) 少々

 

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作り方

1.鶏肉は一口サイズ、野菜は適当な大きさに切っておく。しめじは石づきを外しておく。僕は野菜を切るのも億劫なので、スーパーで市販されているカット野菜をそのまま使いました。

2.水、料理酒、昆布を入れた鍋に、肉、野菜、しめじを入れて煮込む。

3.最後にグリーンカレーの缶詰とナンプラーを入れる。仕上げにパクチーを散らすと本格的な味に。

 

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食べてみると意外なほどのスパイシーさに驚くと思います。これからの暑い季節にわざわざ熱くて辛いものを食べるのもオツなものです。

タイのビールといえば、ビア・シン(シンハービール)が長年の代名詞ですが、近頃は象のマークのビア・チャーンの知名度も上がっています。冷蔵庫が普及した今でも、タイ人はビールに氷を入れることがあります。なんとなく水っぽくはなりますが、氷入りビールをグリーンカレー鍋と合わせると南国気分がより高まりますよ。

 

マッコリのお供に「ツナとニラのチヂミ」

お次は、お隣韓国のチヂミです。居酒屋の定番料理で、現地ではマッコリ(にごり酒)、ソジュ(韓国焼酎)と合わせて食べる人が多いです。

 

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写真は仁寺洞(インサドン)のピマッコルという裏路地。観光地でもありますが、近くにオフィス街もあります。僕の入ったお店の別のテーブルでは、韓国人サラリーマンが仕事の愚痴を言いながら、大いに笑い、飲んでいました。

この店はテーブルに着くと、自動的にホッケの塩焼きと、たらいに入ったマッコリが出てきました。さらにチヂミをオーダー。

店内はかなり年季が入っており、壁中に過去の来店者の落書きがありました。落書きの中には日本語も混じっていて、興味深いので眺めていると、例のサラリーマン集団に捕まってしまいました。

彼らは最初、僕を日本人だと思わなかったようで、韓国語でガンガン話しかけてきました。韓国語が通じないと分かると、途中から英語になり、日本語を少し話せるサラリーマンも加わりました。異国の酒場で話しかけてもらえると、自分の心が開いていくのが分かります。

「韓国のお酒はどうだ?」

「大好きですよ。マッコリもソジュも美味しいです」

「そうだ、知ってるか? マッコリをビールで割るとうまいんだよ」

「えっ、初めて聞きました。なんて言うんですか?」

「モッコリ」

僕も、日本語を知っている韓国人サラリーマンも爆笑。酔っ払いの会話なんて他愛ないものです。キムチ入りのスパイシーなチヂミを食べながら、どんどんと酔いが深まってしまい、彼らにソジュを何本もおごってもらいました。

現地のチヂミほど本格的な味ではないですが、手軽に作れるチヂミをご紹介します。

 

材料(1人前)

  • ツナの缶詰 1缶
  • ニラ 1/3束
  • 卵 1個
  • 水 100ml
  • 片栗粉 20g
  • 小麦粉 50g
  • サラダ油 大さじ1

 

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つけダレ

  • しょうゆ 大さじ1
  • 酢 大さじ1
  • ごま油 大さじ1
  • ごま 適量

 

作り方

1.ニラは3〜4センチほどに切る。水、卵、片栗粉、小麦粉、ツナ、ニラを混ぜ合わせる。

 

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2.フライパンにサラダ油を入れて熱し、1の生地を流し込む。中火で数分、固まってきたらひっくり返す。

 

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3.しょうゆ、酢、ごま油を混ぜて、ごまを散らし、タレを作ります。

小麦粉、片栗粉の分量は好みで変えても大丈夫。片栗粉の割合を増やすと、ふっくらします。エビ、イカなどのシーフード、キムチやコチュジャンを入れても美味しくできます。

マッコリはビールで割ってみるのもあり。やっぱりチヂミには韓国のお酒が合いますね。

 

混ぜて塗るだけの「ケチャップマニス風サテ」

インドネシアのサテといえば、串に食材を刺して、焼いて食べる料理。日本で言う焼き鳥を想像してもらうとわかりやすいです。

 

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僕が世界一周のときに訪れたのはインドネシアのバリ島。インドネシアは、ムスリム人口が8割以上を占め、飲酒に厳しいですが、バリ島だけは、バリ・ヒンドゥー教徒がほとんどで、お酒も手に入れやすいです。ビールの種類が豊富で、飲み比べも楽しめます。

僕が長く滞在したのはバリの伝統芸能に触れられるウブドという町。ここでは夕方になるとレゴンダンスやケチャダンスなどの公演が行われています。鳴り響くガムランの音、美しく着飾った女性の舞い踊る姿、「ケチャ、ケチャ」と奇妙な掛け声で行われる舞踏。芸術を堪能した後は、いよいよバリ料理です。

バリ島では高級レストランから街の食堂、カフェまでいろんなお店が選び放題です。カフェなどでは定番のナシチャンプル(ナシ=ごはん チャンプル=混ぜる)は、ワンプレートにおかずを乗せていくスタイルで、この中にもサテが入っていることがあります。

どうしてもサテだけを食べたいなら、サテ専門の屋台もあります。僕がお酒を飲むときは、サテやアヒルの唐揚げをつまみにしていました。バリ島では鶏肉が新鮮なのか、噛むと旨みがあふれ、甘みのあるソースとからむのがたまりません。お店によってはサテのソースに、ピーナッツソースやパクチーが使われていることもありました。

それでは、缶詰を使ったサテの作り方を紹介しましょう。

サテに合わせるのはインドネシアの調味料・ケチャップマニス。ケチャップマニスは輸入食材店などで売っていますが、入手困難の場合、似た味を自作できます。ここでは「ケチャップマニス風タレ」の作り方もご紹介します。ただし、しょうゆベースなので、「焼き肉のタレ?」と思う方もいるかもしれません。

 

材料(1人前)

  • 焼き鳥の缶詰(塩味) 1缶
  • しょうゆ 50ml
  • 砂糖(パームシュガーだと本格的に) 50g
  • チューブにんにく 10g
  • チューブしょうが 10g
  • 和風だしの素 2g
  • 塩 少々
  • きゅうり 適量

 

作り方

1.しょうゆ、砂糖、チューブにんにく、チューブしょうが、和風だしの素、塩を混ぜ合わせて、ケチャップマニス風タレを作る。

2.缶詰の焼き鳥を串に刺し、ケチャップマニス風タレを塗る。

3.カットしたきゅうりを添える。

 

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そう、調味料を混ぜて、焼き鳥に塗るだけなんです。

もっと現地の味に近いアジアンテイストを求めるなら、ピーナッツやパクチーなどを用意して一緒に食べると、口福を味わえること間違いなしです。

缶詰の焼き鳥は崩れやすいので、串に刺さないで、ケチャップマニス風タレとからめて炒めるのもオススメです。

 

海外で現地の味を楽しむのは、しばらくは難しそうです。

自由に動き回って、お酒を飲んで、最高の料理を食べられる。そんな時代が戻ってくるまで、今回のレシピを試してみるのはどうでしょう。

梅雨が明けて、蒸し暑い夏がきたら、ベランダや庭に出てみてください。

小さな音で民族音楽を流しながら食べる、ずぼらな缶詰アジア料理は、少しだけ旅気分を盛り上げてくれるはずです。

書いた人:松本祐貴

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1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)。

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