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子育て中のママの悩みといえば、夫がどれだけ家事育児を担ってくれるかということ。
そこで専業・フルタイム・在宅&ナイトワークという、それぞれ立場の違った三人の主婦をお招きして覆面座談会を開きました。前編はこちらから。
【座談会参加メンバー】
- ミネコさん(40歳)……専業主婦。同じ年の夫と小2、年中のふたりの子持ち
- 真央さん(37歳)……昼は在宅ワークで、夜はバーで働いている。長男がもうすぐ1歳になる
- ひろみさん(37歳)……フルタイム勤務。5歳年上の夫との元にふたりの子(5歳、0歳)がいる
── 皆さんの旦那さんは、どんな家事をしてくれていますか。
私がいないときにやるっていうのと、あとは掃除なんかは、夫は気が向いた時にやってます。必ずこれっていうのは特にないんですけど、ただ、わたしが出来ないところ、例えば、ペットボトルを毎度洗ってって、できればいいんですけど、急いでたりすると、そのままにしちゃったりするじゃないですか。そういうのを自発的にまとめてくれたりしますが、基本的に日常の家事を回しているのはわたしです。完全に分担しているのは、風呂と寝かしつけですね。
── 育児は分担で、家事のほうは自発に任せるスタイルなんですね。
そうです。というのも、うちの夫は、なにか家事を頼むと「チッ」とか舌打ちするんですよね。
── それはちょっとひどですね。そんなことされると、雰囲気が悪くなるし、家事を頼むのにもちゅうちょしちゃいますよね。
無意識だと思うんですけどね。「家事をするのも、自分のタイミングでしたい」ってことっぽいんです。いまゲームしてるから、そのタイミングじゃないとか。で、かえって言ったことによってわたしのほうにもストレスがたまるんで、言いたくないんですよね。
── ストレスを感じるくらいなら最初から頼まない、と……。ひろみさんのところは分担制だそうですが、それぞれ何の家事をするか、どうやって決めたんですか?
「なになら完遂出来る?」って聞いたんです。わたしはマネージメントしたくないから、完全に遂行できるやつをお願いと。そうしたら、ゴミ出しと皿洗いになったんです。相手の分担と決めたものは、絶対に触らないです。とにかく「指揮命令は、全部わたしですか?」っていうのが耐えられなくて。
── 「指示」するには「把握」しないといけないですからね。結局、家事を完全に手放したことにはならない。こっちが指示をする限り「お手伝い」って感覚が改まらないと言いますか……。
そう。あと例えば、家の更新とか、保険の見直しとか、区役所に行くとかは、絶対にやってくれないですよね。
うちはそこはやってくれます。フットワークは軽い。まぁ気紛れだけど。
指揮系統の話でいうと、そういうのも、こと細かに言わないといけないじゃないですか。「これこれをここにもっていく」とか。「入口はどこどこにあるよ」とか。言うのが悲しくなるんですよね。
── そういえば、夫に保育園の送迎を初めて任せた時「会った人全員に、おはようって挨拶してね。あと、絶対に靴下は履いていってね」って、こと細かに指示したんですよ。そしたら「おはようっていうのは当たり前じゃん」って笑ってましたが、靴下はいまだに履いていってくれない。自分の家以外のフローリングにあがる時に、靴下を履くのはわたしのなかで当たり前だったんですよ。でもググったら意外と素足で保育園に上がる人がいるらしく、「そうか、別にいいのか」って。わたしの常識を押し付けていたってことに初めて気が付きました。
夫に気づかされること、ありますよね。実は昨日、年に2〜3回の、夫が保育園送りの日だったんですよ。で、連絡帳なんて、夫に書けるのかなって渡してみたんですよ。そしたら「良く食べてよく寝ました」って書いてて。わたしのなかでその発想はなかったんですよ。「これでいいんだ!」って思って。目からうろこをぼろぼろと。いつも無理くり、書いてたのがバカみたいだなって思って。
── 連絡帳、つい几帳面に書いちゃうんですよね。わたしの友達は「変わりなし」「今日も変わりなし」「今日も変わりなし」って書いて、保育士さんにもう少し家庭の状況を教えてくださいって注意されたらしいですけど。
変わりなし(笑)。なんなら、わたしは何を食べたかって欄にも全部ぶっかけて食べさせたくせに、ご飯、味噌汁、おかず、って分解して書いたりします。でも彼は、レトルトのミートソースを渡して外に出掛けると、「ミートソースご飯」って書くんですよ。見栄がない。たまに渡して「これでいいんだ、こういう人もいるんだ」って知るのって大事だなって思いました。
「子どもがいると外食が大変」問題
── 育児についておうかがいしたいんですが、うちの夫は飲食店を経営しているので帰りが遅いんです。夜中の2時〜3時。で、さすがに朝の幼稚園への見送りは気の毒だなって、わたしが担当してるんですけど、このあいだ「明日は雨かぁ」ってつぶやいたら、「君って天気予報を見るの好きだねって」って。
ああ(笑)、それはひどいですね。
── 好きで見てるわけじゃない(苦笑)。なぜ天気を気にしてるのか、わかってるのかって。
うちは「毎日毎日、子どもと遊んでいいなー」って言われるんだけど、「わたしが働きに出るから、お前が代わりにみててくれよ!」って思うよね。
── 真冬の極寒の公園とか、真夏の灼熱の公園とか、そんなところに行って大人が楽しいわけがないですよね。
第2子の妊娠中、貧血でふらふらして、公園で2回倒れたからね。
昼間のうちに公園で思いっきり遊ばせておかないと、夜になってから大変なんですよね。子どもって体力余らせちゃうと、なかなか寝ついてくれないから。
── でも、公園に限らず、それこそ家事してる時なんかに「見てて」っていうと、スマホいじりながら、子どもが泣いていてもしれっとしてるの、あれはなんなんですかね。
「見る」が「WATCH」であって「CARE」じゃないんですよ。
うち、下の子が2歳くらいの時に一緒に海水浴にいって、で、「俺、子どものこと見てるから、海の家で酒でも飲んでれば?」っていうから安心してたんだけど、気がついたら夫は沖であおむけでプカーッって優雅に泳いでいて、で、子どもは波うち際で波をかぶって泣いているんだよね。
怖い怖い怖い!
でさ、気持ちよさそーに、遠くからギャン泣きしてる子ども見てるんだよね。
見ている意味がないですね(苦笑)。
── あと、子どもがいると外食が大変ですよね。
そう、子どもの食べる量とか何を頼むかとか考えるのはこっちじゃないですか。旦那は真っ先に辛いものを頼んだりして。うちの子は、もうそれぞれ1人前食べられるようなっているけど、シチュエーションによっては半分で良かったりとか。そこを何も考えないで頼むから、夫に「家族で外食に行こう」って誘われても「わたしはいいよ」ってなっちゃうんだよね。
なんならもう、(カウンターしかない)「一蘭」に順番に入るとかのほうが外食ストレスはないですよね。
もうちょっとお父さんが面倒を見てくれたら、外食もストレスなく出来るのになって思いますよね。
── 「食事を中断してミルクをあげる係」も全部ママ任せっていうんだと、外食に行く気も失せちゃいます。
その話でいうと、うちは授乳だけはやってくれるんです。だから家事については許せるところがある。「これくらいやってくれたら」とか「これをやってくれるんだったら」とか、やっぱりそれぞれ、落としどころが大事ですよね。
家事をリストアップ/可視化したら
── 夫の家事育児改善方法ってありますか。ひとつは、家事には具体的にどんな作業があるのかをリストアップして、可視化するっていうのがあると思うんですが。
わたしは、例えば食卓について、マヨネーズなんかの調味料が欲しいって言われても、絶対に動かない。それで、向こうが取ってきてくれると感謝する。いう前に諦めるっていう癖があって。あんまり人に期待していないんですけど、出来ればねぎらいの心といいますか、感謝し合っていけたらいいなって思ってます。
キモは、「物理的不在」と「アウトソーシングする」こと。ようするに、
── 中途半端に家事に参加されても……という。
例えば、向こうが「ゴミ捨てし
── 夫が分担された家事を、0から100までひとりでこなせるようになるように、
そう、このあいだわたしが嬉しかったのは、旦那がゴミを出し忘れていたんですよ。それで、家を出る時に気がついてたけど、あえてわたしも出さなかったんです。そしたら、出勤途中に、旦那から「ゴミを出すのを忘れちゃってごめん」ってLINEが来たんです。めちゃくちゃうれしくて。だってそれって、ようやく家事の当事者になったってことじゃないですか。だからわたしも「じゃあやっとくね」って、出勤途中だったんだけど戻ってゴミを出しました。担当者から指示が来たんで、やりましたっていうことですよね。
── なるほど、それは旦那さんの成長ですね。
うちみたいな専業の家は、家事についてはお手伝いでもいいと思うし、足さえ引っ張らず、具体的に形になってるねぎらいの気持ちがあればいい。それといざとなれば任せて家を空けられるっていう。
── ちなみに具体的なねぎらいの形とは?
発泡酒6本パックをテーブルの上に置いておいてくれれば、一日ご機嫌に過ごせるよね。
── なるほど(笑)。でも、家を留守に出来るっていうのは大きいですよね。「俺は家事をやっている」とイクメンを自称するなら「あなたの妻は旅行に出かけられるか」とか、「あなたの妻は、明日からいきなり入院出来るか」と自分に問うて欲しいですね。
いかがだったでしょうか。座談会を通して改めて感じたのは、
「
※この記事は2017年11月の情報です。
書いた人:天川めお
東京生まれ。webや雑誌などを中心に執筆するフリーライター。夫と息子と犬と一緒に都内に住んでます。辛いものも甘いものも家メシも外食も大好き。趣味は塊肉を捌くこと。食に求めるのはトキメキです。