「鈴廣かまぼこの里」で“かまぼこに合わせた地ビール”と“新型かまぼこ”を食べ歩く

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かまぼこ、好きですか? 正直なところ、私は好きか嫌いかという判断のステージにかまぼこはのぼってきません。そんな私が今回うかがうのは、老舗かまぼこメーカーが運営する「鈴廣かまぼこの里」。じつはここ、敷地内にビール工場を持っており、地ビールを飲むことができるんです。

 

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小田原から箱根登山鉄道に乗って2駅、風祭(かざまつり)という駅にやってきました。箱根湯本駅からは同じく箱根登山鉄道で2駅とアクセス良好、宿に入る前、帰り道に寄るにもいい立地です。

 

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駅を出て目の前の施設が「鈴廣かまぼこの里」。鈴廣といえば大手かまぼこメーカーとして有名ですね。ここにはかまぼこのすべてと言っても過言ではない情報量、そしてつくりたてのおいしさが詰め込まれています。

 

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施設内を探索してみましょう。
まずはたくさんの試食ができるお土産販売所。平日の昼間にもかかわらず、お客さんであふれてる!

 

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かまぼこ、ちくわ、揚げかまを自分でつくって食べられる体験教室もあります(要予約)。テーブルにほとんど空きがありません。

 

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併設しているレストラン「えれんなごっそ」でも、たくさんの種類のかまぼこや、オシャレなアレンジかまぼこを食べることができます。
写真は「かまぼこと芽キャベツのピンチョス」です(メニューは月替わり)。

ざっと紹介しただけでだいぶかまぼこ一色、そして評判だと伝わるかと思います。
そんな「鈴廣かまぼこの里」で食べ歩き&ハシゴ酒、楽しみ方としてどうなんでしょうか。疑問を抱きつつ1軒目をのぞいてみましょう。

 

魚肉ソーセージ、レボリューション

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敷地内でつくっているビールは「箱根ビール」という名前です。
まずこちらの箱根ビールshopで一杯いただきましょう。

 

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注文したのは冬季限定の黒ビール「風祭スタウト」。お供にはかまぼこ盛り合わせとソーセージを注文しました。
注目してほしいのはこのソーセージですよ。かまぼこやさんで魚以外の肉を扱う……どうなんですかね、鈴廣さん。

 

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実はこれ、ソーセージではありません。魚を使ったフランクフルト、商品名は「シーフランク(1本 200円)」といいます。
左からエビ味、イカスミ味、ホタテ味。いやぁこの照り、張り感と、見た目は完全にフランクだ!
とはいえ中身は魚肉。フニャッとした食感、ほんのり薄味で、酒の肴にはなりえないのでは。

 

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パキッと濃い味!!! これ魚肉!?
うま味がきちんとあり、肉のコクの代わりに魚の風味がよく出ている! そしてスパイスが効いてビールに合う! 仕上がってるなぁ! パンチある苦みのスタウトには最高の相性ですね。幸先の良い1軒目だ!

 

ポテとっととおっととライス

シーフランクはいきなりの絶品。うれしいけれど、2軒目は高くなったハードルを超えられるのか? 

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ほろ酔いでやってきたのは、お土産販売所と同じ建物内にある「あげかま屋 すず天」。
地産の野菜を中心に使った揚げかまを販売しています。

 

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左のたこ焼きのような揚げかまは「ポテとっと(一舟 500円)」、串に刺さっているのは「おっととライス(一本 250円)」。
そして2軒目のビールは優しい苦みのファーストタッチ、爽やかな後味の「小田原エール」です。

 

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小粒のじゃがいもをまるまる一つ、魚のすり身に包んで揚げたポテとっと。ふんわりしたじゃがいも、ぷりっとしたかまぼこ、食感こそ違えど、甘みの出方が似ているんですよね。
マヨネーズをかけてもよし、おでんダネとしてもいけそう。変幻自在の逸品ですね。

 

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そしておっととライス……おっとと?? これは魚のすり身にもち米を混ぜ込んだ揚げかま。味はプレーンとチーズがあります。
これがまた上手にできていて、もち米のうま味をすり身がよく引き立てている……! そしてほんのりチーズ風味が、酒のお供には最高じゃないか!

 

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「小田原エール」の爽やかさが油っぽさをうまくリセットしてくれる……! かまぼこと食材、さらにはビール、うまいこと調和してますね。
普通もち米を混ぜ込もうなんて思わないですよ。蓄積してきた老舗の知識と発想力のたまものですね。
分量、味の濃さともに、2軒目にはちょうどいいチョイスでした!

 

しっとりと締める……かまぼこバーで!

最後はあっさりと楽しめるところをチョイスしたいと思います。

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やってきたのはお土産販売所の一角。
めちゃくちゃお客さんの目に触れるこの場所、いったい何なのでしょうか。

 

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ここは「かまぼこバー」。かまぼこの食べ比べができます。悩んだときはここで、舌で判断できるわけですね。
カウンターにいるのは鈴廣の社内資格、「かまぼこソムリエ」を取得した従業員です。

 

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いただくのは食べ比べセット(ドリンク付き 500円)。3種類のかまぼこをいただきます。
左のかまぼこはオキギス、シログチを原材料とし、職人手作りの「超特選 古今(一本の販売価格 3,888円)」。中央は原料こそ同じなものの、機械で作った「特上蒲鉾(一本の販売価格 1,728円)」。右はグチをメインにタラ等が原料の「謹上蒲鉾(一本の販売価格 1,188円)」です。
食べ比べてみると、味の濃さや歯応えが違う……! この違いがわかる喜び、舌が肥えるって、こういうことか……!

 

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3軒目の「箱根ピルス」は超軽い飲み口で、酒の弱い私でもグビグビ飲めます 。繊細な味わいのかまぼこと相性がいいです。
ちなみに担当してくれたバーテンダーはEXILE、MATSUさん似のナイスガイ、八木さん(27)。いろいろと聞いてみました。

 

同じかまぼこでも、なぜ違いが出てくるんですか?

かまぼこはすり身の原料によってはもちろん、塩の量や、火をいれる時間、すり身の水分量によって弾力や味が変わってきます。また、手作業か、機械でつくるのかによっても変わりますね。

かまぼこ職人として許せない食べ方はありますか?

醤油にどっぷりつけて食べることですね。風味が消えて、かまぼこ本来の味を楽しめなくなってしまいます。
私のオススメは10℃くらいに冷やして、かまぼこのおいしい厚さ、12mmにカットし、オリーブオイルを少量垂らすとおいしいですよ。サラダに混ぜてドレッシングをかけるのもいいですね。

休みの日は何をしていますか?

そうですね……学生時代バスケットボールをしていたので、スポーツ観戦、ですかね。

 

バーテンダー・八木さんと語りながらかまぼこをたしなむこの時間、完全にバーです。
お土産販売所のにぎやかさが、いつの間にか消えていました(だいぶ酔っぱらっている)。

 

かまぼこ、ビール、両方とも水が命

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かまぼこ製造の過程で水はとても大事です。小田原の地下水は硬度がやや高く、魚を洗うと余分な脂肪、酵素、血液などをきれいに流すことができ、白く、弾力のあるかまぼこができるのだそう。箱根ビールもこの水でつくられています。小田原の恵みをたっぷり使ったかまぼことビール、そりゃあ相性がいいに決まってる!

ハシゴ酒目当てできたものの、やっぱり酒にとって肴の存在は大きかった……! これ以上ない組み合わせ、ぜひ堪能してみては?

 

お店情報

鈴廣かまぼこの里

住所:神奈川県小田原市風祭245

www.kamaboko.com

 

箱根ビールshop

電話番号:0465-23-7373(レストラン「えれんなごっそ」)
営業時間:10:00~17:00

 

あげかま屋 すず天

電話番号:0465-22-3191(鈴なり市場)
営業時間:9:00~18:00(土曜日・日曜日・祝日は~19:00)、1月のみ曜日関係なく9:00~18:00

 

かまぼこバー

電話番号:0465-22-3191(鈴なり市場)
営業時間:9:00~16:00(土曜日・日曜日・祝日は~17:00)

 

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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