餃子、ハンバーグ、メンチカツ、ロールキャベツ、ピーマンの肉詰め、キーマカレー、担々麺、麻婆豆腐……。
世の中にひき肉を使った料理はたくさんありますが、もう百発百中でうまいですよね!
中でも僕・パリッコの大好物で、簡単なので晩酌メニューに登場する頻度の高い「ワンタン」を作っていた時、ふと、こんな風に思いました。
これ、ミンチにしなくてもいいんじゃね?
我が家の冷蔵庫にたいてい常備されている肉類は「鳥ムネ肉」と「豚のコマ切れ」の2種類。
応用範囲が広く、値段も手頃なので、大量に買って小分けで冷凍しておくことが多いです。
家でワンタンを作る時は、まず豚肉を解凍し、包丁で好みの荒さに細かく切っていくところから始めていたんですが、ちょっと面倒なこの作業の途中、どうせ皮に包んじゃうんだし、切らないでそのまま包んでしまってもいいんじゃないか? と思いついたわけです。
さっそく実行してみたらこれが大成功!
めっちゃくちゃ簡単なのに、究極に肉々しい、むしろ「こっちの方が好き!」っていうワンタンが完成してしまいました。
以来、我が家のワンタンの定番はこの作り方となってしまったんですが、今回は調子に乗って、その他のひき肉料理もミンチにしないで作れるかどうかの実験をしてみたいと思います!
よろしくお付き合いください。
ミンチにしない【ワンタン】
実験の前に、まずは「ワンタン」の作り方から。
本当に簡単なので、一瞬で終わっちゃいますが!(それぞれ分量に決まりはありません。お好きな量で試してくださって結構ですよ)
①豚肉(細切れなど)に、醤油と酒を目分量で適量もみ込みます
②市販のワンタンの皮に、豚肉を一切れずつ乗せていきます
③包みます
皮の片側を水で湿らせ、形になんてこだわらず、ぎゅっと包んでしまえば大丈夫。
この作り方唯一の欠点として、「肉の量の微調整ができないので、皮を余らせてしまいがち」というのがあるんですが、余った皮は、
このように
ぬれた手でくしゃっと荒く握り込み、そのままスープに入れてしまいましょう。
これもこれで全然おいしいので。
④中華スープでゆでます
鶏ガラスープの元とか、創味シャンタンDXとか、単体で売ってる市販のラーメンのスープとか、何でも好きなスープを作って沸騰させ、そこにポチャポチャと入れてっちゃってください。
お好みでネギやしょうが、ニラを刻んだり。
⑤完成!
これだけです。
どんなに料理が苦手な人でも失敗しようがないほどに簡単。
なのに、肉々しさ満点でおいしい〜!
具に野菜などは一切加えませんでしたが、その潔さがむしろ正解な気がしています。
ミンチにしない【シューマイ】
次は、ちょっと難易度の上がりそうな「シューマイ」に挑戦してみましょう。
僕はシューマイに関しても、最も重視するポイントは「肉々しさ」なので、野菜などの具は加えない方向でいってみたいと思います。
①豚肉(細切れなど)に、醤油と酒を目分量で適もみ込みます
基本はワンタンと同じ。
ただし、スープに入れるわけではないので、仕上がりのジューシーさを考慮し、少し酒を多めにしてみました。
②市販の「ワンタンの皮」で包みます
「シューマイの皮じゃないの?」と思われた方もいるかもしれませんが、シューマイの皮って小さめのものが多く、肉の一切れが包めなそうだったので、一回り大きいワンタンの皮で代用しました。
ここの包み方にもポイントといったポイントはなく、とにかく皮の中心に肉を乗せたら、ギュッギュッとそれらしい形になるよう押さえれば大丈夫。
③ワンタンの皮をもう1枚かぶせて2重に
肉に対して皮が薄すぎてちょっと心もとなかったので、皮は2重にしてみました。
④葉物野菜を敷き詰めた皿にシューマイを並べ、全体に適量の水(びちゃびちゃにならないくらい)をふりかけ、ふわっとラップをかけてレンジでチン(目安:500W 5分)
⑤完成!
またしてもこんなに簡単にできてしまいましたー!
ちょっと肉と皮が剥がれてしまっているところがありますが、気になる方はタネに片栗粉とか小麦粉とか、つなぎになるようなものを加えてもいいかもしれません。
下の葉物野菜はキャベツでもレタスでも何でもよく、お皿にシューマイがくっついてしまうのを防ぐために敷いています。
側面が触れ合っていると、蒸しあがった時にシューマイ同士がくっついてしまうので、気をつけてくださいね。
これまた肉々しい!
シューマイってちょっと育ちが良さそうというか、どこかのんびりとした印象のある食べ物ですが、この方法で作ると「こんなに男らしいシューマイはそうそうないぞ!」っていうガツンとしたうまさ。
酒のつまみにもいいですが、白飯にも最高に合います! お弁当で手抜きしたいときなんかにもどうぞ!
ミンチにしない【ハンバーグ】
いよいよラストは、上記2品のように外にまとうものが一切ない、ただただひき肉を固めて焼くというキング・オブ・ひき肉料理、「ハンバーグ」!
これがうまくいってしまったら、ひき肉料理業界に波紋が起こるぞ〜。
ではさっそく試してみましょう。
①豚肉(細切れなど)に、みじん切り玉ネギ、マヨネーズ、胡椒を加えてよく練ります
これまでのように酒と醤油ではなく、ハンバーグらしさを考慮した組み合わせにしてみました。
②さらに卵を加えてよく練りこみます
肉の量がかなり多めじゃないと水っぽくなってしまうので、この工程は、よく溶いた卵を様子を見ながら少しずつ加えていく方が良さそうなのでご注意を。
③成形して
④あらかじめ油をひいたフライパンで焼いていきます
片面を中火で3分くらい焼き、焦げ目が付いたらひっくり返しましょう。
ジュワー!
すみません、2個のうちひとつはひっくり返す時に少々形が崩れてしまったので、以降あまり写真に写り込まない形となっております。
「あっちもうまくいっている」と思い込んだ上で、読み続けてくだされば幸いです。
両面よく焼けたら、水を注いで蒸し焼きに。
焼き上がり!
今日は市販のドミグラスソースを使ってみます。
ハンバーグを焼いている時にこぼれ落ちた玉ネギがフライパンに少し残っていたので、ドミグラスソースをそのまま投入して煮詰めてみました。
あとはお好きな付け合わせを用意し、お皿に盛れば……
⑤完成!
で、できてしまった……。
かつてこんなに簡単に、自宅でハンバーグが作れたことがあっただろうか……。
見た目は全然うまそうですが、さて肝心のお味の方は?
スパッ
ごく一般的な洋食用のナイフとフォークを使いましたが、切りにくいってことも全然なく普通に食べられます。
そして、もううんざりしてきた方もいらっしゃると思いますが、これまた最高に肉々しい!
そのワイルドな食感と味わいは「ハンバーグステーキ」というイメージにぴったり。
黄身なんか絡めちゃった日にはねぇ……。
あ、ちなみに、ちょっと形が崩れてしまったもう一つのハンバーグは、ごまかしがきくようにとハンバーガーにしてみたんですが、ケチャップやチーズが絡んだ肉と、トマトのジューシーさ、レタスのシャキシャキがあいまって、もううまいのなんのって!
アメリカ人は偉大!
今回の「ミンチにしないひき肉料理」大実験、なんとすべてがうまくいってしまうという大変おめでたい結果となりました。
引き続き、研究を続けていけたらと思います!
※この記事は2017年4月の情報です。