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食品ロス削減などの環境配慮を徹底! “サステイナブル・レストラン”続々オープン

2020.01.31

消費者意識が環境配慮レストランを後押し

全世界的に環境への関心が高まる中、食に関しても、環境への配慮が話題になることが増えています。そんな中で食品ロス削減はもちろん、店舗の内装や調理器具にまで環境への配慮を徹底させ、環境配慮自体を店のコンセプトとして掲げることで他店と一線を画す飲食店が増えています。こうした動きの背景には、消費者の意識があります。「ホットペッパーグルメ外食総研」のアンケートによると「通常廃棄されてしまうはずの部分も生かす方法で調理した料理を出している」に共感する人が60.1%、さらに「途上国の子どもたちや環境保全団体などに売上の一部を寄付している」に共感する人が56.6%と飲食店の環境への取り組みに賛同する人が半数以上に上ることが分かりました。こうした世の中の“空気”が“サステイナブル・レストラン”を後押ししていることは間違いないでしょう。

 

 

 

ホットペッパーグルメ外食総研」有木 真理が予測!"サステイナブル・レストラン"増加理由

従来、環境への配慮がなされた飲食店は、一部のこだわりのある人向けに運営されており、必ずしも一般的な存在ではなかったと言えます。ところが、昨今は環境配慮をスタイリッシュに表現する飲食店が増えています。こうした動きは、ミレニアル世代と呼ばれる20代~30代や、その下のZ世代からすると“自分の価値観に合った飲食店”と捉える傾向があります。一方、飲食店にとっても環境配慮は他店との大きな差別化ポイントであり、リピーター獲得の有効な手段です。こうした動きは今後ますます拡大していくと見ています。

 

アンケート概要

■調査方法 :インターネットによる調査  

■調査時期 :2019年12月18日(水)~12月19日(木)

■調査対象 :全国に住む20歳~59歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)  

■有効回答数:1,032件

 

先進的な"サステイナブル・レストラン"

ナチュラル&オーガニックのカフェレストラン

コスメキッチン アダプテーション東京都・渋谷区

食材は有機、特別栽培、自然栽培など自然に近い素材を中心に、独自の基準で厳選。動物性食品を一切使わないビーガンメニューや、種類豊富で見た目も楽しく美しいサラダバーなど、ベジタリアンメニューも豊富。また、西日本の豪雨被害を受けた柑橘農家を応援する企画や、ニュージーランドで活躍する料理家ミーガン・メイ氏の監修によるコラボレーション企画の実績もあり、さまざまなコラボレーションによって地球にも人にも優しいグルメを追求している。


 

“ゼロウェイスト”の取り組みを徹底実践

ライズアンドウィン ブルーイングカンパニー東京都・港区

先進的な“ゼロウェイスト”(廃棄物ゼロ)の町、徳島県上勝町の取り組みを理解してもらうために誕生したレストラン。量り売りのオリジナルビールや本格BBQ料理を堪能できる。ビールは、搾汁後の柚香の皮、規格外品の鳴門金時芋、パンの耳などを再利用して食品ロス課題にチャレンジしている。廃棄対象のビールを活用した「牛肉のビール煮込み」などを期間限定で提供。店舗では、廃材をリメイクした棚、空き瓶からできたシャンデリア、廃屋の窓から作ったインテリア、古着をリメイクしたエプロンなどを採用し、徹底してサステイナブル。


 

これぞ「サステイナブル・グルメ」レストラン

サスティナブルキッチンROSY【東京都・渋谷区

築70年の古民家をリノベーションし、木の温もりを感じる店内。農薬・化学肥料不使用の野菜、40年以上自家採種して作っているお米など、ここでしか食べることができないメニューを提供。調理器材には、有害物質を出さないベルギー発の「グリーンパン」を使用、スタッフのエプロンは野菜から染めた「フードテキスタイル」の物を取り入れている。ゴミの削減・フードロス対策も実行する、日本を代表するサステイナブルレストラン。


有木真理

有木 真理ホットペッパーグルメ外食総研 所長