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飲食店の人材不足問題「潜在ワーカー」活用が外食を救う

2016.08.09

外食業界でいま最も喫緊の課題は人材採用であろう。
日本の労働力は絶対数が減少を続け、2020年には34歳以下の若年労働力は日本の労働人口の約1/4にまで減少し、55歳以上シニア層は労働力人口の約1/3に届く。
すでに中高齢者や短時間勤務のパート採用をされている飲食店もあると思うが、若年労働人口の減少は、もはや「若者が採れないから、代わりに主婦、中高齢者、外国人」ではなく、こうした様々な労働力の「強み」を積極的に活用するという考え方に転換することを必要としているといえる。
「職業に貴賤なし」とは言われているが、そもそも職種や就業形態に貴賤は無い。
世代や年齢、勤務形態の違いを、「強み」として積極的に生かした新しいマネジメントスタイルを確立する努力が飲食店側に必要なのだ。
株式会社リクルートジョブズでは、主婦層、中高齢者の「休眠労働力」、外国人の積極活用に注目し、下記3つのコンセプトを発表している。

「ありのママ採用」

男女雇用機会均等法施行以降に社会人となった、現在40歳以上の主婦層は、「休眠労働力」となっている人口が相当数ある。社会人経験者が多く、チームワークはもちろん、リーダーシップを発揮できる人材も少なくない。また社会人としての経験や、「ママ」としての経験が、場を読んだコミュニケーションや、悩める若者への上手なアドバイスなど、プラスの作用することが多いと数多くの事例が物語る。主婦ならではの勤務条件に対応する、出社時間や労働時間などの企業側の努力で、まだまだ活躍できるママ層は市場に多く存在する。

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資料:リクルートジョブズ

「プチ勤務」

例えば、朝の開店準備業務や、棚卸などをフルタイム勤務者から「分離」し、3時間前後の「超短時間勤務」の専任パートとして活用する、こうした超短時間労働の活用が注目されている。

主に高齢者がターゲットとなるが、高齢者であるが故、働く動機が社会接点、やりがいといった場合が多く、若年層とは異なるマネジメントが必要だが、豊富な人生経験が故の、柔和なコミュニケーションなどが、職場の雰囲気づくりに奏功している事例も多い。

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「外国人スクラムバイト」

㈱リクルートジョブズが外国人労働者ついて企業に取材した内容によると、
外国人労働者の強みとして「学ぶ意欲や責任感が強い」「自分の成長に繋げる姿勢」「はっきりと意見を言う」などが外国人スタッフの強みとしてあげられ、また、活用の効果として、チームワーク力のアップ、日本人スタッフの視野が広がるなどの声が多く聞かれた。
異質が同居することにより、相手を理解しようとする積極的な姿勢や、相手の積極性を見て改めて自身の仕事の意味を問うなど、異文化コミュニケーションの良い作用が現場に起きているようだ。

若年労働力が激減するこれからの日本になくてはならない労働力

考えてみれば、これまでの採用はなぜ「若者」だったのか?
少なくとも1990年代頃までは、若者人口が多く、若者をターゲットにした店が多く、労働力としても、学生、フリーターが豊富に市場に存在した。ということではないだろうか?
市場の構造が変わった今、現場の採用、チーム作りはこれまでの慣習や常識を捨て、労働市場に合った姿に変わるべきなのだ。
潜在的な労働人口を改めて見てみると、
 働くシニア層・・・2400万人
 未就業主婦 ・・・720万人
 在留化外国人数・・・218万人
――――――――――――――――
    計     3,338万人
これだけもの潜在労働力が日本にはまだある。

外食産業は、「バイト・パートは若い人」「フルタイム、マルチタスク」という旧来の考え方を改め、人材マネジメントでイノベーションを起こすことは必須といえよう。

竹田邦弘

竹田 邦弘ホットペッパーグルメ外食総研  エヴァンジェリスト