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ホットペッパーグルメ外食総研セミナー2022開催レポート ~21年度外食市場レポートと業界課題への打ち手としてのDX~

2022.09.28

外食市場の調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、2022年9月14日(水)に業界メディア向けオンラインイベント「ホットペッパーグルメ外食総研セミナー2022」を開催いたしました。本イベントは、今年で7回目を迎えます。毎年最新の消費者動向の解説とともに、外食産業の課題を取り上げてまいりました。本年は、コロナ禍3年目を迎えた外食市場と消費者の意識についてデータを元に解説、また、人材難や物価高騰という新たな課題に対してデジタルツールを駆使し、先進的な取り組みにチャレンジする飲食店の事例もご紹介いたしました。

 

第一部:①データ解説「2020年度 外食&中食市場概況」

コロナ禍における外食市場の変化について、2021年4月~2022年3月に毎月1万人規模で実施している「外食市場調査」をもとに、上席研究員の稲垣昌宏から説明いたしました。

 コロナ禍3年目を迎えた2021年度の外食市場は、外食市場規模は前年比0.1%増の、2兆1645億円となりました。伸び幅の前年度比最大は30代女性、19年比で回復が大きいのは20代男性となりました。

 一方の中食市場は、前年度比3.5%増の1兆5225億円となりました。回数でみると、外食が約1.2%増加で、中食は約1.8%増加となっており、2020年度から2021年度にかけての伸び率に比べると変化は小さいものとなりました。

 更に、2022年4月~2022年7月までの最新データをご紹介いたしました。外食市場規模はコロナ禍前(19年同期)比で73.1%まで回復。一方で中食市場規模は前年同期比で約4.8%減となり、やや減少傾向にあります。

第一部:②データ解説「現状および今後の外食市場についての消費者動向」

次に「現状および今後の外食意向」について、2022年7月実施の調査を基に説明いたしました。「コロナ禍前(2020年3月以前)の外食頻度と比較して現在、外食に行こうと思うか」について聞いたところ、2021年6月と11月、2022年2月時点の調査と比較し、外食に対しては「当分は控える」と答えた方が過去2番目に多いという結果となりました。理由としては「感染しないか不安だから」「まだ自粛すべきだと思うから」という回答が前回までと変わらず上位を占めました。


第二部:トークセッション
「『飲食店の価値向上』と『外食産業モデルの進化』を実現するDXの本質とは」

飲食店を取り巻く環境が激変するなかDXがますます注目されています。今回はエヴァンジェリストである竹田 クニがモデレータとなり、デジタルツールを活用する飲食店経営者2名をゲストに、お店に与える影響、また活用するなかで見えてきた課題についてもお話いただきました。

【モデレーター】ホットペッパーグルメ外食総研 エヴァンジェリスト 竹田 クニ

【登壇者】株式会社 夢笛 / 株式会社 エッセンス 代表取締役 高橋 英樹

     株式会社 まんてん 代表取締役 阿部 亮

<2社のDX取り組み>

■ 株式会社夢笛のDXの取り組みについて:高橋氏より

現在はセルフオーダーや売上管理・分析ツールなどを導入。 導入の目的は生産性の向上。導入にあたっては、現場のオペレーション変更負荷などもケアしながら、丁寧に動機付けを行ったうえで利用開始しました。導入後は、現場と本部の業務分掌を大きく変え、現場がよりお客様へ提供価値を還元できる環境を整えることで、顧客満足度の向上を図りました。

■ 株式会社まんてんのDXの取り組みについて:阿部氏より

現在はモバイルレジやセルフオーダー、売上管理・分析ツールなどを導入。

導入の目的は人件費の削減。導入前は現場からのハレーションが懸念されていたものの、いざ導入してみると若手スタッフを中心に素早く適応し、既存のオペレーションの良いところは“人の接客による提供価値”として残し、それ以外の“デジタルツールでも代替できる提供価値”に目を向け、オペレーションをデジタルツールに置き換えました。結果として、ある店舗では客単価が導入前に比べて500~800円向上するなどの成果も得られています。

モデレーターの竹田からは、お二人の話を総括して「デジタルツールを導入することで、より限られた人的リソースの有効活用が実現できる。一方で、既存オペレーションの全てをデジタルツールで置き換える前提ではなく、店舗ごとの“人にしか提供できない価値”を見定めたうえで、“部分的に”置き換えるという考え方も大事だ。」とのコメントがありました。また、業界の抱える人材難にも触れ、外食産業のHRM(ヒューマンリソースマネジメント)変革は顧客価値、従業員価値の両面において重要課題であるともコメントしました。 そして最後は、今後業界が取り組むべきテーマとして「テクノロジー活用にあたっては、人の業務の代替だけでなく人+テクノロジーによる価値向上・生産性向上の課題設定を重視すること」「多様な人々が生き生きと活躍できる“新たな産業モデル”を目指すこと」などを挙げて締めくくりました。