皿に残った最後のひとつどうする? 飲み会で「遠慮の塊」を遠慮なくいただく方法

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大皿にひとつだけぽつんと残された料理。飲み会の席の終盤、この光景を見かける方も多いのではないでしょうか。
みんなが遠慮して食べないため、これは「遠慮の塊」と呼ばれています。今回は、このラストワンである遠慮の塊について検証しようと思います。 

 

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今夜の飲み会は、こちらのお寿司屋さんで開催されます。
廻らない寿司屋は、私のような若造にとっては高尚な食事であり、なかなか訪れない大変貴重な機会でもあります。

 

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「おー毎川くん、来たね!」

「久しぶり!」

今回は、僕よりいくつも年上の、人生の先輩方とご一緒します。こうして飲み会に呼んでいただけるとはいえ、そう簡単に最後のひとつをパクっといただいていい方々ではありません。

 

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「注文してもよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ」

 「イカとマグロと、コハダと…」

 

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「こちらイカとマグロ、コハダに、アナゴになります」

「お待ちしておりました!ありがとうございます!」

 

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「ここ置いて。」

「はいーー!」

「どうもどうも。そんでうちの犬がね…」

 

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やはり、年上の先輩方との飲み会はなにかと気を遣います。このように、見えないところで下っ端は頑張っているのです。 

 

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ならばせめて!貴重な最後のひとつである遠慮の塊だけでも味わって帰りたい…!場の雰囲気を壊すことなく、できれば盛り上げながらいただきたい!!

そんな願いを叶える方法はないかと、私は知恵を絞りました。

 

遠慮の塊を食べず、寿司だけを食う

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「やっぱりね、仕事ができる人には特徴があってね。俺が思うにさ…」

「そうですよね。うんうん」 

 

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「勢いっていうか、『爆発力』っていうのがすごく大事でね…」

「『爆発力』…ですか…」

 

先輩の手の動きとともに、意識が上に!これは千載一遇のチャンス!

 

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最後のひとつだから食べにくいのです。しかし、ここは寿司屋。寿司であれば分割して食べることができるのです。

しかも「食べているな」と気付いても、皿の上にそれっぽいものが残っているので「あと一つあったのか」と、まわりからも遠慮の塊を食べたとは思われにくいのです。

 

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こうして遠慮の塊は皿の上に残したまま、遠慮すべきものを食べたという罪悪感で味を濁されることもなく、いただけました!

 

二重マジック

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「あのー、最近マジックにハマってまして、見ていただけませんか?」

「おー、いいよ。やりなさい、やりなさい。」

 

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「ここのイカが邪魔なので、ちょっとどけますね。」


そう、ここ!ここが肝心なのです。イカの姿をした遠慮の塊を、違和感なく視界から外すことに成功しました。

 

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「ここに10円玉がありますね」

「うん、10円玉だね」

 

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カシィン! 

 

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「よく見てください!10円玉が増えました!いくらになりましたか!?」

「おお!ほんとだ増えてる!」

「50円になった!」

 

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「これどうなってるんでしょうかね?」

「裏に重ねて持ってただけでしょ。」

「はひ!そうでふ!正解でふ!!」

 

はい、実は10円の手品自体はどうでもいいのです。
こうして、視線を集めることでイカの遠慮の塊が消えるというマジックが成立しました。 

 

寿司が命を救う

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キンキの煮つけをいただいています。
ほんのり脂がのり、ほろほろと柔らかく、「絶品」意外の言葉がありません。
この絶品煮魚のアレを活用し、遠慮の塊をいただきます。

 

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「う…痛い!骨が喉に刺さったみたいです…」

「おいおい、大丈夫か?」

喉に骨が刺さってしまうという緊急事態が発生しました。先輩方には申し訳ないのですが、これはもちろん嘘です。

 

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「この寿司いただいちゃいますね!」

緊急事態に陥った人間は、どんな行動にもためらいがありません。とにかく喉の奥に骨を流し込たい!その一心で、寿司を口に運んだのです。

 

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「寿司じゃなくて水のほうがいいんじゃない?」

「…うぐぐ…」

 

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「あー…大丈夫です。心配させてしまって申し訳ありません。」

またしても、遠慮の塊を遠慮なく食べることはできました。しかし、心のなかで何かを失ってしまった気がします。もしこれが寿司を食べるための芝居だったとバレてしまったら…遠慮の塊もなにもなく、もう飲み会に呼んでもらえなくなる気がしました。

これは、メンタルが強く、演技力のある人にのみおすすめの方法です。

 

遠慮を背負う、新たな寿司の登場

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「むっ」

誰もが食べたいマグロ。なので、遠慮の塊としてマグロは相当食べずらい部類に入ります。
ここで下手をするとこの飲み会どころか今後の関係にも影響をおよぼしかねません。
それを避けるため、事前に大規模な仕掛けを用意しておきました。

 

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皿のうえにあったのは確かに最後のひとつ。それを取ったにもかかわらず、なぜか皿にマグロ。
そう、こいつは通販で買った「マグロそっくりマグネット」です。

 

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「え?あれ??」

「今最後のひとつ、食べたよね!?」

 

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「なんだこりゃあ!!あははは!!!」

「すごくよくできた偽物だ!」

 

想像以上にウケた!!

しかも最後のマグロがなくなったことを記憶から抹消することができました。
ただ…このマグロそっくりマグネットは「大トロ中トロ赤身」の3点セットで約2,000円。
やや盛りあがり、こっそり寿司を食べられるだけの対価としては、正直なところ微妙な金額です。

 

宴の終わり

こうして4種類の遠慮の塊を食べることに成功しました。「こいつなに最後のひとつ全部食ってんだよ…」みたいな雰囲気もありません。すべて成功です。 

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「あなごが残ってるよ。毎川君食べちゃいなさい」

これがホントの遠慮の塊。飲み会の最後の最後まで遠慮され続けた寿司です。 

 

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「いただきます」

 

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「ご馳走様です」

 

シャリが空気に触れ続け、ご飯の水気がネタにうつり、やはり最初に食べたおいしさを感じることができませんでした。これが遠慮の塊の味か…!

皿に残ってしまった最後のひとつは確かに食べにくいです。とはいえ、時間が経つとおいしさは失われます。遠慮し続けてもしょうがない。料理はおいしいうちに食べるべきなのです。

今回の検証を参考に、飲み会を盛り上げつつ、美味しい「遠慮の塊」を食べてみてください!

 

お店情報

三千石寿司
住所:東京都大田区池上6-34-6
電話番号:03-3751-8998
営業時間:12:00~14:00、17:00~23:00
定休日:月曜日(祝祭日の場合、翌火曜日)

※本記事は2015年7月の情報です。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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