こんにちは。シェフ社畜です(ノ∀`)。私、『社畜のはりきり朝ごはん』というブログをやっているのですが、なんという運命のいたずらか同名の本まで出版してしまいました。そして今回、なんという運命のいたずらか「メシ通」さんよりお声がかかりまして、「頼んでもいないのにあの話題のメニューを勝手に作ってみる企画」にトライすることになりました。運命のいたずらって怖いですよね! 嬉しい!
内容はひとことでいうなら、みんなが好きな有名店の評判メニューを自宅で再現してみるというもの。記念すべき初メニューに選ばれたのは恵比寿に本店を構える「キムカツ」さんです。あのトンカツ界に革命を巻き起こした、お肉を重ねて一世を風靡したミルフィーユカツをコピー&テイストしてみようじゃないかという、斬新かつ意欲的、それでいて大変失礼な感じの企画が、今、始まる……! ₍₍ ◝( ´ω´ )◟ ⁾⁾
と、いうわけでまずは本家を知るべくキムカツ恵比寿本店へ。
こちらがキムカツさんの看板メニュー、ミルフィーユカツです!
特注で極薄にしているお肉がなんと26枚も重なっているそう。
では早速食べてみます。まあでも、いうてもカツなんでね、これまでにも何度も食べとるし、大体味の予想はついて
はい絶品!(ノ∀`) アチャー
正直申し上げまして、この企画の無謀さを全身で感じました。なんていうんでしょう。何層にも重ねられた肉が口の中で弾けて肉汁が溢れています。お口の中で豚が大名行列。さらにご飯も粒が立ってて最高!
しかし! そこはこちらも素人サラリーマン料理研究家の名を欲しいままにしているシェフ社畜。このミルフィーユカツを必ずや自宅で再現して、キムカツさんをぎゃふん! と言わせてみせましょう!
そう、この炊飯器でな!
炊飯器て(∪ ´ω` ) ギャフン
そう、何を隠そう、シェフ社畜はなんでも炊飯器で作ってしまうのが得意だったのです。
さて、炊飯器で揚げ物だなんてうまくいくのでしょうか? レッツ・ミラクル! ( ´ ▽ ` )ノ
今回はミルフィーユということで薄切り豚肉をバラ、ロースとたくさん買ってきました。何はともあれ、まずはそれを薄く重ねてみたいと思います。
おー、なんかとってもいい感じです。ではではそのまま26枚重ねれば本家の味に近づいていくんじゃないかな?
全然無理やったわ!(ノ∀`) アチャー
びっくりするくらい無理でした! のちに判明するのですが、キムカツの肉は専用の技術で極薄に切っているそうで、普通のスーパーで手に入るカツだと8枚でこの厚さになりました。まあ、ちょっと考えればわかる結果でしたけど、今日のところはこれくらいで勘弁してやりましょう。
次に、小麦粉と卵、パン粉を肉に絡めます。
普段揚げ物をしないシェフ社畜にもここまでは意外と簡単でした。いける!
で、ここでまさかの、油をフライパンではなくて
炊飯器に入れたった!(ノ∀`)
これ、お料理を普段しない人はびっくりしてしまうかもしれませんね。でもそんなにおかしな話ではないんです。揚げ物のコツはなんといっても温度。そしてキムカツのカツは低温でじっくり揚げているそう。そして昨今の炊飯器は強火でふっくらと炊き上げますから、100度を超える温度でお釜を加熱します。
と、いうことは! 炊飯器の全力で揚げ物の低温が出せれば揚げられちゃうじゃないですか! 一人暮らしに揚げ物は本当に大変ですから、もし炊飯器で揚げ物ができたらこれは大発明です。
そして翌朝、満を持してオープンザドアー!
▲油でできた湖
あかんやんけ! (ノ∀`)
▲クッキングシートがべっとべと
見てください。表面に少しだけきつね色が見えますが、後は油の湖に白っぽい衣が浮いてるばかり。あかんやんけオブザイヤー受賞おめでとうございます! (*´∀`*) アリガトウゴザイマス
これを見たみなさんはくれぐれも炊飯器で揚げ物をしようとかチャレンジしないようにしてくださいね! 約束だよ! (^-^)/
しかし、これで諦めるシェフ社畜ではありません! なぜかって、炊飯器の真横に注目。
▲こんなに汚いオーヴンが我が家のものでネットに載るなんて信じられないシェフ社畜
とんでもない機械に目が止まったのであった。ああ、そうか。この機械はこの瞬間のために生まれてきたのだ。
・
・
・
▲出来立ての揚げ物を携えて、キムカツ本社ビルへやってきた!
そして約2時間後、すべての調理を終えてたどり着いたのは、東京ミッドタウン近くのキムカツ本社ビル。出来たての揚げ物を携えシェフ社畜が舞い降りる。忙しい中、勇気ある挑戦者を笑顔で迎えてくださったのは、キムカツPR部の尾崎崇さん。とんかつ業界の人なのに、めっちゃさわやかな笑顔である。余裕の表れでしょうか?
くっくっく、この後めくるめくミルフィーユカツの世界へ誘われるとも知らずにな……!(∪ `ω´ )
▼この後とんでもない揚げ物を食べさせられることとは夢にも思わない尾崎さん。とても優しくノリの良い方で心が痛む。
そしてシェフ社畜は、自信満々でお家からクッキングペーパーにお皿のまま手で持ってきたカツを取り出した! どうだ! これがはりきりすぎた揚げ物の数々よ!
いけるやん。意外と見た目いけるやん
勝負のルールは簡単! シェフ社畜が作った料理を
- キムカツのミルフィーユカツに近いか
- 普通に食べておいしいか
の2項目で、それぞれ100点満点で審査してもらいます!
さあさあそれでは! キムカツ広報部のエースをぎゃふんと言わせることはできるのか! まずはこいつからだ!
じゃじゃん!
トマト in the ミルフィーユカツ!
すごい! 鮮やか! おいしそう!
説明しよう。これは豚バラスライスを重ねるときにこっそりトマトを包み込むように入れておき、
小麦粉卵パン粉をつけて
なんと!オーブンで!
表裏10分ずつチンした代物だ!
いやや! あたい、揚げ物は不安やからイヤや! と悩んだ末に、なんと油を一滴も使わない揚げ物にたどり着いたのである!
ミルフィーユカツの重ね技を利用して生み出されたキムカツインスパイア、さてお味の方はどうなのか!?
いざ実食!
うん……?
うん、
うん!
うんうん!
これは!
尾崎氏「これはキムカツではないですね」
これはキムカツではないですね、いただきましたー!(ノ∀`) アチャー
尾崎氏「でも、普通にけっこうおいしいです。お弁当に入ってたら嬉しいかも」
気になる点数の方はキムカツ度20点! おいしい度70点!
おいしい度高けぇ! ちょっともうミルフィーユカツではなくなってしまったんですが、思いのほか好評価でした。なんでもやってみるもんですね。オーブンなので火加減がいらなくて楽チンでした。
意外と好意的に評価してもらって調子に乗ったシェフ社畜の、次なるカツはこちら。
オクラ meets ミルフィーユカツ! どやあ!!(o'∀`o)-☆
尾崎氏「野菜の歯ごたえがいいですね。火が通ってるか心配でしたけど、おいしいです。キムカツとはまた違った食べ物です」
だよね! (^^)えへへ
採点はキムカツ度20点! おいしい度75点! おいしい度上がってる…?
そしてさらに……
アボカド feat. ミルフィーユカツ!
尾崎氏「あ、これもおいしいですね。お弁当に入ってたら嬉しいです。でもやっぱりキムカツではないです」
やっぱりキムカツじゃないって! (^-^)/ キムカツ度20点、おいしい度は80点! 上がった! おいしい度上がったよ! でも、まだまだあるよ!(o'∀`o)-☆
じゃじゃん! 付け合わせにレモン絞るんなら最初から入れちゃえばいいじゃん starring ミルフィーユカツだ!!
尾崎氏「レモンの風味が意外なくらい消え失せててびっくりしました。キムカツとは無関係におもしろいです。そんなにおいしくはないです」
正直過ぎる! (ノ∀`) キムカツ度20点に対し、おいしい度65点。意外にきちんとシビアに点数つけてもらってます。
そして最後にシェフ社畜の切り札がうなる……!
これはキムカツの長い歴史、いや、カツの長い歴史において今まで一度も無かったのではないか、そしてこれからも無いのではないか、それがこちら。
うなぎ in the ミルフィーユカツ……!!
なんということでしょう。うなぎがタイムセールだったのをいいことにミルフィーユカツに挟んでしまうというウルトラCが炸裂してしまったのです。深夜に作ってやたらハイテンションだからこんなミラクルが起きるんですね。朝起きたら後悔するやつです。
こんなアイデアようやりましたねという感じが全身から出ている、キムカツPR担当尾崎さん
さてお味の方は……
尾崎氏「え……これはうまい! キムカツの再現とかそういうのではまったくなくなってますけど、驚きのおいしさです。ご飯ほしくなります。味的にはキムカツからいちばん遠いですけど、いちばん美味しいかもしれない」
いままででいちばんのリアクション! 点数の方は……キムカツ度0点! おいしい度90点です! やったー! ついに0点取れたぞー! (^-^)/
予想外のチャレンジを楽しんでくれている尾崎さん。すんごいいい人
いかがだったでしょうか。キムカツのミルフィーユカツを自宅で再現する、という当初の企画からは大きく脱線した先に何か大事なものを見つけられたような気がしてなりません。
正直な話、この頃にはお弁当に入ってて嬉しいのはどのカツだろう、という雰囲気で楽しい試食会という感じになっていました。やっぱりおいしいものを食べてもらうってすごく楽しいですよね。
キムカツの尾崎さん、ありがとうございましたー!
・
・
・
で、終わると思ったら大間違いやでえ (∪ `ω´ )
シェフ社畜はあの、大切な何かを忘れてはいなかったのだ!
なんかちっちゃくなってて不思議
そう、ミルフィーユカツ in the 炊飯器の存在であった。尾崎さんの前で取り出した頃には、クッキングペーパーに油を吸い取られ、あたかもべちょべちょのポークナゲット、と言えばそんな気がしないでもない感じを、そこはかとなく醸し出すくらいには威厳が備わっていた。
なお、尾崎さんによれば、キムカツは160度〜180度でじっくり揚げているとのこと、対して炊飯器はせいぜい120度くらいでしょう、と本職の方の意見をいただく。全然足りんやんけ(ノ∀`) アチャー
尾崎氏「これも食べないとダメですか? お腹壊したりしないですよね?」
奇遇ね。私も同じことを考えていたわ。第1回目にして食あたりで盛り上がる結果だけは避けたいシェフ社畜。食あたりになりたくないPR部尾崎さん。無残な結果を見たくない「メシ通」スタッフ……!
僕らの思いがひとつになっていた。やだ、なにこれ。なにこの熱い展開……! これまでにない緊張感。お箸で肉をつまみ上げる尾崎さん。全員が固唾を飲んで見守る中、おそるおそる口へ放り込む!
初めての炊飯器カツを食べれることに喜びを隠しきれていない尾崎さん
実食!
うん…?
うん、
うん!
うんうん!
これは!
尾崎氏「火が……通ってる」
なんてこった! お腹を! 壊さなくてすむ! (つд⊂)ゴシゴシ
うっしゃー! 火が通ってたぞー!(^-^)/
おいしいとかおいしくないとか、そんな話を超えた感動を味わっている尾崎さん
本当に良かった。今日、人類の歴史に「炊飯器でトンカツを作ろうとすると油まみれのポークナゲットができてお腹を壊さない」という偉大な発見が刻まれました。
※全部おいしくいただきました。
みなさんも炊飯器オーブンを使ったカツはとってもヘルシーで楽チンなのでぜひ試してみてくださいね。
快くご協力いただきましたキムカツの尾崎さん、本当に有難うございました。
揚げ物って、ハピネス!
次回はいったい何の料理でお腹を壊しそうになるのかな? おい! 誰が食あたりマイスターや!
再現して欲しい話題のメニューがあったら是非送ってくださいね。あるか! いや、でも送ってくださいね! 終わるよ! でないと、この企画終わるよ!₍₍ ◝( ´ω´ )◟ ⁾⁾
以上、「社畜のなりきりマネごはん」でした! ( ´ ▽ ` )ノまたね