
ドドドドドドドドドド

ドドドドドドドドドド

ドドドドドドドドドド

ドン!!!

あああああああああああああああ!!!

世の中に存在する無数の食材たち。
焼いたり、煮たり、揚げたりと、その調理方法はすでに出尽くされているようにも思える。
しかし、本当にそうだろうか。
それぞれの食材が持つポテンシャルを、それらの調理法は最大まで引き出すことができているだろうか。
否!
人々はもうひとつ、大切な調理方法を忘れている。
そう、それが……

画像引用:NASA/GSFC/SDO(http://free-images.gatag.net/tag/solar-flare)
「炙り」である。
火という人類の英知を使って表面のみを加熱し、素材のままの味と火を通した味の二律背反を、ひとつの口に放り込む調理法。
それが「炙り」だ。
目に付くグルメを片っぱしから食してきた我が人生。

これはグルメ。

これはグルメじゃない。

これは……。

グルメ。

しかし、食の道、未だ極まらず!
これは、男・炙燃太郎が食の可能性を追求するため、まだ世の中に知られていない、炙って美味い食材を探し出す物語である。


ということではじまりました。こんにちは、炙燃太郎です。
このキャラクター、みなさんお気づきの通り出オチ感が否めないのですが、柔道着が予想以上に高かったので(9,000円)とことん使い倒していきたいと思います。ちなみに黒帯はAmazonプライムで、注文の翌日に届きました。黒帯ってこんなに簡単に手に入るものなんですね。
ではさっそく炙っていこうと思うのですが、事前に僕が炙りに使用する、とっておきの道具をご紹介しておきましょう。

こちらです。

おわりいただけましたか。ガチのヤツです。
これ、ただのガスバーナーではありません。最高で1,000℃の炎を噴出し、金やプラチナのような金属まで溶接できてしまうプロ仕様のもの。
食を追求するに当たっては、一切の妥協を許しません。この業務用のガスバーナーで、さまざまな食材を炙ってまいります。

燃太郎は特殊な訓練を積んでおり、換気を怠らず、燃えるものは遠ざけ、火事はもちろんSNSでの炎上にも常に気を配っています。読者の方は絶対に真似をしないでください。
アイスモナカ

まず最初に炙るのは、みんな大好きアイスモナカ。そのままで十分美味しく、手を加える余地がないようにも思えます。

メーカーの立派な社員さんたちが日夜試行錯誤をして辿り着いたこのアイスモナカ。ここからはバトンタッチして燃太郎の出番というわけです。さて、炙ることでどのような変化があるのでしょうか。

モナカ部分が焦げやすいので、少し離れた場所から大きな火を当てて行きます。

お味はいかがでしょうか。

はむ。

あら。
これ、ふつうに美味しい。モナカ部分を炙ることでサクサクとした食感が強まり、香ばしくなります。

熱でアイスがちょっと溶け出しており、非常にクリーミー。

不覚の燃太郎。

いなり寿司

次に炙るのはいなり寿司。もともと寿司には炙りの文化がありますが、異端ないなり寿司はどうでしょう。

「炙りいなり」って、なんだかビジネスチャンスを感じさせるネーミングです。字面で売れそう。

火を当てると揚げ物みたいにパチパチといい音がします。そういや、いなりって油揚げだもんな。う〜ん、香ばしい香りもしてきたぞ。

これはうまくないわけがない!

……あれ。

なんだか酸っぱい。
酸っぱさが前に出てしまい、香ばしさが取って付けたような感じです。その香ばしさも口に入れた瞬間は存在感MAXなのですが、その後すぐに消え去りあとは酸っぱさが取り残されて行く感じ……。いなり寿司のポテンシャルを引っ張り上げることもしないまま炙り要素は帰っていきます。
大学時代に突然部屋に来て、ただ騒いで散らかして帰っていくヤツのようなイメージでしょうか。あいつ、何だったんだろう。

カニカマ

これは期待ができそうです、カニカマ。だってほら、焼きガニって美味しいじゃないですか。しかもこのカニカマ、ちょっとクオリティの高いヤツです。

もしこのカニカマが焼きガニになったらうれしいじゃないですか。違いますか奥さん、ねえ。

カニカマは水分量が多い食材なので、表面に火が通るまで多少の時間がかかります。次第に串焼き屋台のような匂いが!

完全に焼きガニった。

ここはやはりカニ酢でいただきます。

おお! やはりうまい! ……うまいけど。

これアレだ。笹かまのうまさだ。
炙ることで練り物としてのキャラクターが強調され、ただのかまぼこに戻ってしまっています。一度アイドル(カニ)としてデビューした女の子が、とあるスキャンダルをきっかけに開き直り「やっぱ素の自分でいきます」みたいな路線変更をするあのパターンです。それはそれで魅力的なのですが……。
おそらく、カニの風味も火によって飛んでしまったのではないでしょうか。これは炙らないほうがいいかな。

生ハム

みんな大好き生ハム。生ハムは美味くないはずがないチョイスでしょう。だってもともとは肉だし。
それにしてもこの行為は、「生」であるというアイデンティティーの剥奪です。「……って、結局焼くんかい!」という生ハムたちのツッコミが聞こえてきそう。

火を入れると端っこの脂身の部分がカリカリに。なんだかBBQみたいな気分になってきました。

チャーシュー感はんぱない。

お味は……。

しょっぱい……。
生ハムの旨味は凝縮されているのですが、いかんせんしょっぱく、ややモソモソします。まあ、生ハムはそもそも保存食ですもんね。塩がたくさん使用されているのだと思います。
しかしこの炙り生ハム、味と食感が何かにそっくりだなあと思っていたのですが、これはアレです。
塩鮭。おにぎりに入ってたらうまそう。

チー鱈

最後はこちらのチー鱈です。正直、僕は好きでも嫌いでもないおつまみです。

まあ、あれば食べますけど。

炙ると周囲にピザのようなチーズが焦げるいい匂いがして食欲をそそります。

これは炙り甲斐のある食材だ……!

ほどよい焼き目が付きました!

ぴろーんと伸びるチーズ。なんというフォトジェニックさ。これはひょっとして、もしかして!

これいちばんすきです。

店で出せる!!
ちょっと魚っぽさが強くなりますが、チーズフォンデュのような立派な料理になった印象です。
炙ることで食材のポテンシャルを引き出し、炙りならではの付加価値を提供していますね。

これこそが炙りメシだ!

まとめ
炙りとはイノベーションである - 炙燃太郎(1986~)
今回ご紹介した炙りメシの数々、いかがでしたでしょうか。個人的には、チー鱈の炙りがいちばんお気に入りでした。
想像をジャンプしてくる味と食感を楽しめるのは、炙りという調理方法ならではの経験だと思います。
先人たちもこうして、とりあえずいろんな食材を炙ってみたんじゃないでしょうか。そのような挑戦から得られた知識が、現代の食文化に受け継がれているのでしょう。
おれたちの戦いはこれからだ!

はじめて柔道着を着ました。
※撮影に使用した食材は、スタッフと燃太郎がすべて美味しくいただきました。
※しつこいようですが、絶対に真似をしないようにしてくださいね(編集部)
※本記事は2015年5月の情報です。



