【検証】フルーツ入りの料理をどう捉えているのか?「りんご冷麺」発祥の山形県朝日町の場合

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突然ですが、山形ってどこにあるか知っていますか? 日本地図を思い浮かべると、はい。赤い部分ですね。

 

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「昔は日本で一番暑かったんだよ~」という友人の一言で、山形ってどんなところなんだっけ? と気になったので調べてみると、「あさひまち りんご冷麺」なるものを発見。

 

よく調べてみると、麺にりんご果汁が練りこまれている世にも珍しい冷麺らしい。どうやら、2年前に町をあげて開発されたB級グルメのようです。

 

フルーツをミックスさせた料理に抵抗はないのか?

これはいわゆるフルーツミックス系の料理。世の中的には賛否が分かれそうなやつですね。

 

「日本一うまい」りんごの特産地として評判の山形県朝日町では、どんな評価を得ているのか確かめに現地に行ってきました。

 

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「りんご冷麺」は朝日町のいくつかの店舗で食べられるようですが、今回は「道の駅あさひまち りんごの森」にお邪魔しました。

 

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施設内に入って右側にあるイートインスペース。こちらで、りんご冷麺(800円)が食べられるようです。

 

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メニュー表の一番左上にドドーンとありました。「冷たいラーメンはじめました」の貼り紙にも心ひかれますが、今日はりんご冷麺です。

 

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食券制なので、りんご冷麺の食券を購入し、厨房の方に手渡します。

 

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この日はオープン直後に行ったので一番乗りでした。半券をもって席について、番号で呼ばれるのを待ちます。

 

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待つこと約10分……。

 

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りんご冷麺登場!

 

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ちなみに、日によってはサービス品も提供されます。

 

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見た目は普通の冷麺とあまり差はありません。ほのかにりんごの香りがするな~という程度。

 

トッピングには、りんご、ゆでたまご、チャーシュー、白菜キムチ、キュウリ、ネギ。一般的な冷麺ですね。

 

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まずはスープを一口。ピリッとした辛味が効いています。岩手県の名物・盛岡冷麺も辛味が効いていますが、なんとなくそれと似た感じです。

 

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そして……いよいよ、りんごが練りこまれているという麺。つるっとした食感はいつもみなさんが食べている麺と変わりませんが、やはり甘い!

 

これは今までに味わったことのない麺ですね。しっかりとした弾力があり、かめばかむほど、りんごの甘みを感じます。

 

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ギュッと凝縮されたチャーシューと食べると、肉の脂でちょっとコッテリ。

 

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薄切りにされたりんごと食べると、相乗効果でりんご感がアップ。ただ正直、トッピングのりんごより麺のほうが甘いんじゃないかと感じました。

 

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そしてあっという間に完食!

 

トッピングもたくさん入っているのですが、麺の弾力がしっかりとあって思ったよりボリューミーでした。かむほどに甘みが増すって、こうも食欲をかきたてるのかと実感いたしました。

 

しかしながら、周りのお客さんはりんご冷麺ではなく、定食や冷やしラーメンの方を食べている様子。こんなにおいしいのに、地元の人はあんまり食べないの? どうなの?

 

そこで、まずは道の駅で駅長を務める加藤さんにお話をうかがいました。(道の駅のえらい人のことを駅長さんって呼ぶんですね。知りませんでした……)

 

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――加藤さんは山形市から来ているということですが、朝日町でりんご冷麺をはじめて見た時の印象は?

 

加藤さん:朝日町がりんごなのは有名だけど、こんなのがあるのか。すげぇ……って思いました。

 

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――りんご冷麺の「ここがいい!」と思うポイントは?

 

加藤さん:食べていて楽しいところですね。どこにりんごの風味があるのかなって探しながら食べると、味の革命がおきて楽しい。りんご冷麺は香りを楽しむ。香りを探す!

 

これ、なんとなくわかる気がします。確かにりんご冷麺を食べていると、夢中になっちゃうんですよ。自然とおいしさを探してしまう魅力があるというか。

 

朝日町に住んでいる従業員の鈴木さんにもお尋ねしました。

 

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――ズバリ、りんご冷麺は山形の新たな名物に推せますか?

 

鈴木さん:山形というと冷やしラーメンのほうが有名ですけど、さっぱり食べられる麺として十分推せます!

 

――料理にフルーツをミックスさせるという概念は、世間的に賛否が分かれるところです。朝日町にお住まいの鈴木さんとしては、その辺りどう感じていますか?

 

鈴木さん:特に気になりません。さっぱりしていいと思います。僕はりんごを先に食べちゃいますね。

 

――麺と一緒ではなく、りんごだけで味わうタイプなんですね。

 

鈴木さん:そのほうが麺の味をしっかり味わってもらえると思います。ぜひ試してみてください。

 

よくよくお話をうかがうと、鈴木さんはラーメン好きなのだとか。それでも、地元の特産品であるりんごが入っている麺には好感を持っているようで、りんご冷麺は「肯定派」だと強調していました。

 

りんご冷麺の誕生秘話も聞いてみた

せっかくなので、実際にりんご冷麺をつくっていらっしゃる方にも話を聞いてみました。道の駅でりんご冷麺を提供している「ふくろう村」の店主、和田さんです。

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――朝日町をあげて開発されたというりんご冷麺ですが、どんな経緯で生まれたものなんでしょう?

 

和田さん:もともとは、あっぷるニュー豚という朝日町の豚を使ったしゃぶしゃぶのシメになるようなものがないか、という話でした。

 

――それは初耳でした。当初はシメの料理と考えていたのに目玉商品にのし上がったんですね。

 

和田さん:誰かが、麺に特産品のりんごを入れたらどうかと言ったんですよね。それで面白いんじゃないかということで、開発が進んだようです。ちなみに、麺には朝日町産ふじの果汁が100%練りこまれています。

 

――他のお店で提供しているものとの違いは?

 

和田さん:トッピングやスープが違います。ちなみに、朝日町でりんご冷麺と名乗るには、「りんご冷麺のためにつくられた麺」を使う、トッピングに朝日町のりんごを極力のせるという規定があるんですよ。

 

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――なぜ、りんごのトッピングは「極力」なんですか?

 

和田さん:りんごは冬が旬なので、りんご冷麺が食べたくなる今の時期は、りんごが不足してしまうんですよね。なのでトッピングは極力、なんです。しょうがないというか。それでも地元をあげてつくったものなので、なるべくのせたいという気持ちはあります。

 

――りんご冷麺を作る先に、何か気をつけていることはありますか?

 

和田さん:りんご冷麺の麺は、ゆでたてだと大変いい香りがするんですが、冷水でシメてしまうと香りが飛んでしまうんです。だから、食べる人の期待に応えられるように、スープにもひと手間加えているんですよ。

 

和田さん曰く、道の駅内ということもあって、「ふくろう村」のりんご冷麺は、県外からドライブやツーリングで訪れた方たちがその名前にひかれて注文することが多いとのこと。暑い日が続く今の時期は、売り上げの3分の1がりんご冷麺で占められるんだとか。

 

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▲りんご冷麺が食べられる店舗は、道の駅内の観光案内所でいただけるパンフレットに記載されています

 

まとめ

「りんご冷麺は、おいしい!」。これは間違いありません。そして……、フルーツと料理を組み合わせたこのご当地グルメへの反応について、道の駅とお店の方々の反応をざっとまとめるとこんな感じでした。

  • りんご冷麺は「あり」との回答が多かったものの、中には果物を入れた料理が苦手という方も存在した
  • 麺のおいしさは万人共通! 香りがよくて飲み込むように食べられるという声が大多数
  • 地元の方々にとって、特産品が使われている麺に対する気持ちは大きい

 

今回は一部の人たちの声しか聞けませんでしたが、少なからず賛否はある模様。それでも、りんご冷麺への愛情、地元の誇りは感じ取れました。

 

そもそも特産品を使った料理開発なんて、地元愛がないとできません。朝日町の愛情がこもったりんご冷麺を山形の新名物として推したいと思います。

 

お店情報

道の駅あさひまち りんごの森

住所:山形県西村山郡朝日町大字和合2724
電話番号:0237-85-0623
営業時間:9:00~18:00(12月~3月 9:00~17:00)
定休日:1月1日~1月3日
ウェブサイト:http://saikunsya.tumblr.com/

 

ふくろう村 りんごの森店

住所:山形県西村山郡朝日町大字和合2724
電話番号:0237-85-0623
営業時間:10:00~15:30
定休日:1月1日~1月3日

 

書いた人:いしたに

いしたに

「全国にともだちをつくることが目標です」と言うと「ホテルがわりやんけ」と言われました。全国に個人ホテルをつくることが目標の、兵庫県尼崎市出身のフリーエディター・ライターいしたにです。

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