【閉店】食の港・横浜の穴場! ロシア料理店「ミーフバー」で味わう、超カラフルなミルフィーユサラダ&激レアなウォッカ

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1859年の開港以降、新しい食のトレンドが生まれてきた街、横浜。明治時代には肉料理が解禁になった後に牛肉料理が食べ始められ、洋食の街としても全国に知られることになりました。現在も、中華街をはじめ、さまざまな国の料理店が軒を連ねています。

今回は、そんな食の港にあって異彩を放つロシア料理店へ足を運んでみることに。

 

スパイシーで食事にも合うウォッカ「ジュエル・オブ・ロシア」

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訪れたお店は、JR関内駅からほど近い長者町の一角にたたずむ「ミーフバー」。

 

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「ミーフ」とは、ロシア語で「神話」という意味だそう。なんだか小洒落た喫茶店のようですね。

早速、店内へおじゃましてみました。
お迎えいただいたのは、エレナさんとガリーナさんの美女2人。

「ズ、ズ、ズドラストヴィーチェ」(ロシア語でこんにちは)
「お越しいただいてありがとうございます」
ロシア語ネイティブのお二人ですが、日本語がとても上手で助かりました。
お店は2階造りで、1階はバーカウンターでお酒を楽しむお客さん用のスペース。2階は夕方の開店から、朝まで食事とお酒を楽しむ方のためのスペースなんだとか。

 

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表からはわかりにくいですが、2階はなかなか広々とした造りです。

 

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店内には民族衣装など様々な展示品もあったりして、独特の雰囲気。

 

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ここでエレナさんが、ランチメニューの案内をしてくれました。
スープ(ボルシチ)とメインディッシュ(ストロガノフ)に、お茶がついて1,000円(平日のみ)。本格料理店にしてはお手頃でしょう。

 

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さて、こういったお店では、まずは飲み物をオーダーするのがマナーというもの。
バーというだけあってアルコール類はさすがに豊富。というか、かなりレアなアイテムまであるじゃないですか。

 

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定番のウオッカをいただこうと思ったのですが、こちらも種類がとにかく豊富。

 

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どれにしようか迷っていると、エレナさんが「ウォッカだと、おすすめはジュエル・オブ・ロシアですね」とアドバイスしてくれました。むろん断る理由はナシ!

ジュエル・オブ・ロシアはウオッカにわずかなコショウの風味をつけてあって、食事にも合うのだとか。さっそく、おすすめ料理と一緒に出していただくことに。

 

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▲ジュエル・オブ・ロシア(600円、ワンショットグラス)


こうしたウオッカの類いは、ちびちび舐めるように飲みながら食事を楽しむのがベター。なるほどアルコールが強いので、ぐびぐび飲むお酒ではありませんが、コショウの風味が効いていて食事には合いそうです。

 

ニシン+ニンジン+ポテト+ビーツを重ねてミルフィーユ状サラダに

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さっそく、おすすめの料理を出していただくことにしました。出てきたのは、こんなラインナップです。

 

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まずは、おすすめの一品目。定番のピロシキ(1個250円)。

 

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肉を詰めたものとキノコを詰めたものの2種類を手作りしているのだそうです。お土産として持ち帰り可能。

肉を詰めたものもキノコを詰めたものも、どちらも意外に薄味で食べやすいですね。日本で食べるピロシキは、肉まんのような感じの味が多いですけど、これが正当派の味なんだとか。このお値段で楽しめるのはお得。

 

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次は、ガルブツイ(1,000円)。トマトで煮込むロールキャベツとは違って、酸味のきつさがなくてまろやかな風味です。また、中に詰めたお肉も臭みや脂のくどさがなくて、やわらかいキャベツとよく合いますね。ただ、トマトと牛肉を使っているのは分かるけど、どうやったら酸味や牛肉特有のクセを消してここまでまろやかにできるのか、最後まで分からなかったです。もっとも、そんなことを考えるのが野暮に感じるくらいすいすい食べられてしまう感じでしたよ。

 

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お次はこれ。セーリディ・ポッドゥ・シュヴォイ(1,200円)。いいですか、ケーキじゃないんですよ! 酢漬けにしたニシン、細かく刻んだニンジン、ポテト、ビーツを重ねてミルフィーユ状に成形したサラダです。まさに、ナイフを入れるのがもったいない美しさ。肝心の味は、酸味がきいたニシンのすっきりした風味の中に、まろやかなニンジンとビーツの風味が重なってきて、ついつい食べ進めてしまう美味しさです。

 

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出ました、ボルシチ(1,000円)。ロシアといえばこれでしょう。

真っ赤な色をしていますが、これはトマトではなくて、ビーツという野菜を使っているため。そこへスメタナというサワークリームを乗せるのが本場の味です。

余談ですが、ちょっと前まではビーツを手に入れるのが難しくて、トマトで代用するお店が多かったようです。横浜は貿易港ということもあって、ビーツが品薄の時は、旧ソ連時代からロシアとコネクションがある団体から仕入れて出していたのだとか。なるほど、原価がかかるのでこのお値段は妥当でしょうね。

 

いただくと、クセがない大根のようなビーツ特有の風味が口の中に広がります。それでいて、出汁に使った肉類がしっかり主張してきます。夏場は冷やして食べるそうですが、これからの時期は冷やしたボルシチにもトライしてみるのもアリかも。

すっかりいい気分になって、グラスが空いたところで、ガリーナさん超オススメの激レアなウオッカがあるとのことなのでオーダー。その名はツァールスカヤ・ゴールド。どこかで聞いたことあるなぁと思ったら……。

「小泉元首相に贈られたウオッカは、これと同じ銘柄ですよ」とガリーナさん。

 

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▲ツァールスカヤ・ゴールド(900円、ワンショット)

 

ツァールスカヤは、もともと毎年限定で製造されるウオッカのため、輸出量が少ないお酒。サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)の市政300年の際に、プーチン大統領主催のパーティで小泉元首相ほか40カ国の要人に振る舞われたという稀少なウオッカです。ロシア国内では、年間1,300以上のウオッカの銘柄が醸造されていますが、その中から選ばれた1本ということで、かなりレアなわけです。冷やしたショットグラスに注いでもらってチビチビいただきましたが、強いアルコールなのにほんのり甘味を感じる上品な味でした。

珍しくも美味しい料理にレアなウォッカ、そして美女……。横浜の懐の深さを感じさせられるひとときでありました!

 

お店情報

【閉店】ミーフバー

住所:神奈川横浜市中区長者町7-114
電話: 045-242-1115
営業時間:月~木18:00~翌5:00
金土18:00~翌6:00 日曜17:00~翌1:00

※このお店は現在閉店しています。
飲食店の掲載情報について。

 

書いた人:松沢直樹

松沢直樹

1968 年福岡県北九州市生まれ。SE、航空会社職員などを経て、1994年よりフリーランスの編集者・ライターとして活動。主に扱うジャンルは、食全般、医療、 農業、安全保障、社会保障など。マグロ解体ショーの実演、割烹の臨時板前などとして、メシを作ることも。近著に「うちの職場は隠れブラックかも(三五 館)」。

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