人の営みの中で一番身近な楽しみと言えば、何といっても「メシ」でしょう。日々の食生活や食にまつわる歴史を聞くことで、その人となりをより深く知ることだってあるかもしれません。
そこで、今回話をうかがったのは、今大注目のアイドルグループ、わーすたの三品瑠香さん。わーすたはavexのアイドル専門レーベル「iDOL STREET」第4弾グループとして、2015年に結成された5人組。
SNSを使った活動と猫耳をトレードマークにしたステージパフォーマンスで、世界にKAWAIIジャパンアイドルカルチャーを発信する、デジタルネイティブ世代のアイドルです。
三品さんは、わーすた最年少でありながらメインボーカルを担当し、また、モデルとしても活躍するなど多方面で才能を発揮している17歳。今回、そんな三品さんに「メシ」の話を通して、メンバー・家族との関係や、アイドル活動とわーすたにかける熱い思いに迫ってみました。
三品瑠香がツアーで楽しみにしているメシは◯◯!
── 三品さんは、「メシ」にはこだわりがある方ですか?
三品:こだわりはそんなに無いですけど、結構たくさん食べますね。楽屋にお菓子が置いてあったりすると、大体私が食べちゃうんですよ。楽屋に入ったらとりあえず食べちゃう(笑)。夏バテで食べられないとかもなくて、全然いつでも食べられます。
── わーすたは全国ツアーもやっているので、地方のおいしいご当地グルメを食べる機会も多いと思います。今までに食べた中で、オススメしたい地方の食べ物は何ですか?
三品:広島にある「むさし」っていうお店の、おにぎりと唐揚げがめっちゃおいしいお弁当が好きです! 去年のツアーで食べて好きになって、今年も食べられてうれしかったです。
── 「むさしの若鶏むすび」っていうお弁当ですね。おにぎりと唐揚げってシンプルでよくある組み合わせのような気がしますけど、他のものと何が違うんですかね?
三品:何だろう……? でも、とにかくおいしいんですよ! 私、好きな食べ物は唐揚げだって言ってるんですけど、その唐揚げがおいしくて。良い塩加減に良い揚げ具合で、おっきい唐揚げが3つくらい入ってる、かなりボリューミーなお弁当なんです。広島の駅とかにも置いてあるんで、ぜひ食べてもらいたいですね。
── ツアー先で食べたおいしいものは、他に何かありますか?
三品:仙台のライヴが終わった後に、会場のすぐ近くにある「ICHIRYU」っていうお店でご飯食べたんですけど、そこの食べ物はみんなおいしかったです。
── 仙台と言えば、やっぱり牛タンですか?
三品:牛タンもそうだし、あとこんにゃくもおいしかった! 辛めの味付けで山盛りで出てくるんですけど、私一人でたくさん食べちゃいました。
── 辛いのは得意なんですか?
三品:得意ってわけじゃないんですけど、好きではありますね。辛いけど食べたいから、頑張って食べる(笑)。調子にのって食べ過ぎちゃって、後から舌が痛くなっちゃうこととか、よくあります。
── 辛いもの得意じゃない人には、あるあるですね(笑)。
三品:はい(笑)。あとは、そこで食べたカツもおいしかったです。
── 仙台味噌カツっていう食べ物ですかね。味噌カツと言えば名古屋のイメージが強いですけど、仙台でも実はご当地グルメとして有名みたいですね。でも、こうやって話を聞いてると、けっこう揚げ物がお好きなんですね。
三品:そうなんですよー。私、揚げ物とかジャンクフードとか、脂っこくて味の濃い食べ物が好きで。いつも胃に悪そうなものばっか食べてます。
── そんなに細いのに、意外ですねぇ。ダイエットとか体重管理とかは特に意識してないんですか?
三品:今日は食べ過ぎたなぁって思ったら、次の日まったく食べないとかで調整してます。
── なるほど、一日単位で帳尻合わせてるんですね。唐揚げの他にも、ラーメンがお好きだということですが、他のメンバーとラーメン食べに行ったりはするんですか?
三品:行きます行きます! リハ終わりで「一蘭」に行ったりとか。何人かで行って、仕切りがあるところで何も話さずに、一人ひとり黙って食べるだけ、みたいな(笑)。
── 他に、今ハマってる食べ物はありますか?
三品:これは曲があるからとかじゃないんですけど、タピオカミルクティーにはハマってます!
── いい宣伝、ありがとうございます(笑)
わーすた / タピオカミルクティー MUSIC VIDEO (Wasuta / Tapioca Milk Tea)
三品:本当にそういうんじゃなくて、よく飲んでるんです(笑)。私、もともとミルクティー飲めなかったんですけど、「THE ALLEY」のタピオカミルクティーをいただいて飲んでから、おいしくて飲めるようになったんです。今ではタピオカなしのミルクティーも飲むくらい、大好きになりました!
▲THE ALLEYのタピオカミルクティーを楽しむ三品さん
── メンバーの松田美里さんも好きな食べ物にタピオカミルクティーって書いてますね。
三品:そうなんですよ。私が最初にTHE ALLEYにハマって、みりを連れて行ったらあの子がドハマりしちゃって(笑)。本当にすごくて、あの子は毎日のように飲んでますね。
── あとはアイスも好きなんですよね。
三品:アイス大好きです! 特にバニラのアイスが好きで、一番はスーパーカップ。私、スーパーカップにめちゃくちゃ貢献してると思います(笑)。本当に主食レベルで食べちゃうんですよ。夜ご飯アイスだけ、みたいな。
── メンバーの小玉梨々華さんも、プロフィールに「好きな食べ物はアイス」って書いてるので、気が合いそうですね。
三品:りりかは、それこそずっとアイスを食べてるんですよ。コンビニに一緒に行っても、アイス選んでたら「これおいしいよ」「これもおいしいよ」とかって、最近発売されたばっかりのやつでも「もう食べた」って(笑)。
── 小玉さんはいろいろ試したいタイプなんですね。
三品:私はけっこう冒険しないタイプなんですよ。基本パルムとスーパーカップ(笑)。
私もお兄ちゃんの誕生日にスニーカーをプレゼントしたりとか
── 先ほど唐揚げが一番好きっておっしゃってましたけど、唐揚げは小さい頃から大好きなんですか?
三品:大好きですねー。お母さんが作る唐揚げが一番好きです。肉が大きいとかじゃなくて、肉に衣がギュっとしてる感じの唐揚げで、カリカリなんですよ。
── お母さんは料理上手なんですか?
三品:上手だと思います。唐揚げの他にも、卵焼きとかも好きでした。甘めの味付けのやつ。
── では、小さい頃から好き嫌いはあんまりなかった?
三品:あんまりないですね。でも、ニンジンだけは今でも好んでは食べないです。ゆでたり焼いたりしてあればまだ食べられますけど、生のニンジンはけっこう苦手です。
── 生のニンジン、ちょっとクセがありますよね(笑)。“ニンジンだけは”ということは、昔から好き嫌いなくよく食べるタイプだったんですね。
三品:そうですね。私、二つ年上のお兄ちゃんがいるんですけど、お兄ちゃんもよく食べる人なんです。だから、お兄ちゃんと一緒によく食べて育ってきました(笑)。
── お兄さんとは似てるんですか?
三品:自分ではよく分からないですけど、周りからはよく似てるって言われます。
── じゃあお兄さんも超イケメンじゃないですか!
三品:どうですかねぇ(笑)。私、幼稚園の年中くらいの頃からダンスを習ってたんですけど、それもお兄ちゃんがやってた影響なんです。昔からけっこう仲良い方だとは思いますね。
── お兄さんとは今でも頻繁に連絡取ったりするんですか?
三品:そうですね。お兄ちゃんは今実家にいるんで離れてるんですけど、いきなりウチに遊びに来たりもします。
── 普段はどういうやり取りしてるんですか?
三品:アニメをすすめられたりとか。お兄ちゃんにすすめられて、『ソードアート・オンライン』は全部見ました。あとは「スニーカー買った」とかいって、新しく買ったものの写真が送られてきたりします。私もお兄ちゃんの誕生日にスニーカーをプレゼントしたりとか。
── それはうらやましい! お兄さんからしても、自慢の妹なんでしょうね。
三品:いやぁ、どうなんですかね(笑)。たまに私が実家帰ったりしても結構素っ気ない感じなんですけど。でも、普通に仲良いとは思いますね。
── 実家を離れて上京してきたのは、いつ頃ですか?
三品:高校一年生になるタイミングですね。今はお母さんと一緒に住んでます。
── 上京するときは寂しかったですか?
三品:そうですね、寂しかったです。でも、しっかりと「今から上京します」って感じでこっちに来たわけじゃなくて、私がイベントやってる間に引っ越しが終わってた、みたいな感じなんですよ。わーすたになってからの一年間、中学3年の間は仕事で長期滞在することが頻繁にあって、大荷物で東京のホテルに泊まってたりしたんで、その流れで来ました。
── お兄さんもそうですけど、お父さんもきっと寂しがってますよ。
三品:お父さんから直接聞くことはないんですけど、お母さんからはよく「寂しがってるよ」って話を聞きます(笑)。
── お父さん……。ご家族みんな仲良いんですね。
三品:そうですね。昔はよく家族で出かけたりしてました。友達の家族と一緒に、浜名湖に行ってましたね。夏の恒例行事で、浜名湖にあるパルパルっていう遊園地で遊ぶっていう(笑)。
「何や、アイドルって?」って感じでした
── お兄さんの影響で始めたダンスは、ずっとやってたんですよね。
三品:幼稚園からアイドルになる直前の小6まで、ほぼ毎日のように行ってました。友達と遊んだりもしてたんですけど、そういう思い出よりはずっとダンスでしたね。
── 途中でイヤになったりはしなかったですか?
三品:全然なかったです。自分がやりたいことをやってるって感じでした。
── その当時はアイドルにはあまり興味なかったんですよね。
三品:そうですね。ヒップホップダンスをやってたんで、聴いてる音楽もレッスンで先生が流してた、クリス・ブラウンとかニーヨとかで。邦楽は全然聴かなかったから、アイドルのオーディションを受けることになって、「誰を歌えばいいんだろう?」みたいな(笑)。
Chris Brown - Yeah 3x
Ne-Yo - Because Of You
── アイドルの方向に行くきっかけは何だったんですか?
三品:スクールのスタッフさんに「受けてみない?」って言われて、あんまり知らないまま受けたら受かっちゃった、みたいな感じでしたね。
── オーディションでは何を歌われたんですか?
三品:E-girlsさんの「好きですか?」っていう曲ですね。E-girlsさんは結構見てたので。それが中一の4月とかでした。
E-Girls / 好きですか?
── それでiDOL Streetに入ったわけですが、最初は戸惑いも大きかったんじゃないですか?
三品:全然違うなぁとは思いましたね。先生にも、踊り方からヒップホップが抜けないってよく言われてましたし、歌も全然歌えなくて。当時は本当に歌ヘタでした。
── 周りの子はやっぱりアイドル志望の子が多かったんですか?
三品:そうだと思います。私はとにかくかわいく振る舞うことができなかったんで、「何や、アイドルって?」って感じでした。
── それが、今では猫耳つけて立派にアイドルやってるんですもんね。最初に猫耳つけるって聞いた時はどう思いました?
三品:「いやぁ、マジか……?」って(笑)。結成当初から、猫耳するって話はあったんですよ。でも、まだイメージできないんで、メンバーみんな「猫耳って何だ……?」って感じでしたね。
わーすた / いぬねこ。青春真っ盛り MUSIC VIDEO Short Ver. (The World Standard / Dogs & Cats, In the Bloom of Youth)
── そこから、アイドルとして踏ん切りをつけて頑張ろうと思うようになったきっかけは何かあったんですか?
三品:最初のステージに立って、やっとアイドルの文化を身をもって知るわけじゃないですか。私たちの最初のライヴはアイドル横丁だったんですけど、そのステージが本当に楽しくて、それからは好きになりましたね。
── それまでは、本当にアイドル文化について詳しく分かってなかったんですね。
三品:曲中のコールとか、そういうものも最初のライヴまでは全然分かってなかったです。でも、名前を呼んでくれる人がいたりして、すごく楽しかったのは今でも鮮明に覚えてます。
── なるほど。でも、いまだに素の三品瑠香はアイドルっぽくないわけですよね?
三品:そうですね。私は普段からあんまり自分を作らないタイプなので。ステージでもそうですし、握手会とかでもこんな感じです。フレンドリー過ぎてちょっと怖いって言われちゃうんですけど(笑)。
わーすたのメンバーが発表された時も「やりやすいなー」って思いました
── わーすたのメンバーは全員地方出身ですけど、結成前からお互いに知ってはいたんですか?
三品:そうですね。Street生の時は、みんな出身がバラバラなんでチームが違うんですよ。私は名古屋だったんで名古屋のチームで。でも、Street生全員で出演するようなイベントもよくあったので、そういう時には普通に仲良いメンバーではあったんです。特にりりか(小玉梨々華)と、みり(松田美里)は前から仲良くて。
── 小玉さんとは同い年ですもんね。
三品:それもあって、りりかは元から札幌のStreet生の中でも一番仲が良かったんです。だから、わーすたのメンバーが発表された時も「やりやすいなー」って思いました。
── 一緒にわーすたとして活動してみて、印象が変わったメンバーはいましたか?
三品:ななせ(廣川奈々聖)はStreet生の同期なんですよ。ななせは真面目そうで、しっかりしてそうっていうイメージがあって、昔は軽い気持ちで絡みに行けない感じはありました。Street生の時もそんなに話はしてなかったと思うんですけど、わーすたになって「こんなにしゃべる子だったんだ!」って思いました。真面目は真面目だけど、話してみると、けっこう抜けてるところもあるんですよ。ななせも、自分で最初は人と壁を作るタイプって言ってるんですけど、実は面白い子なんです。
── みんな地方出身だと、食べ物や食べ方でギャップを感じることもあるんじゃないですか?
三品:私は愛知出身なので、おでんに味噌がついてこないのは衝撃的でしたね。愛知は日常的に味噌使うんです。
── 「つけてみそかけてみそ」は東海地方では有名ですもんね!
三品:「つけてみ~そ♪ かけてみそ♪」ってかわいいCMのやつ、みんな歌えますよね! 私もめっちゃ使いますよ。実家に戻った時に大量に買って、こっちに戻って来るっていう。あと、愛知では冷やし中華にマヨネーズかけるんですよ。お好み焼きくらいのテンションでかけるのが普通だと思ってたんですけど、最初に東京のコンビニで冷やし中華買ったときにマヨネーズついてなくて、別でわざわざマヨネーズ買いました(笑)。
── そのことについて、他のメンバーには何か言われました?
三品:「なんでマヨネーズ買ってんの?」って言われました(笑)。でも、みりがおいしいって言ってくれて、それからマヨネーズかけるようになったみたいです。
── 方言とかは出たりしないんですか?
三品:けっこう出ますね。名古屋と札幌は、そんなに特徴的な言葉はないんですけど、イントネーションが違うんです。でも、全員地方出身だから、本当の正解が分からない(笑)。私も「だもんで」とか普通に使いますね。
── 今年はiDOL STREETで先輩だったCheeky ParadeさんとGEMさんが解散されてしまいましたが、やはり寂しいものですか?
三品:すごい寂しいですね……。私はiDOL STREETに入ってからアイドルに興味を持ったんですけど、ライヴも曲も本当に好きで、先輩としても優しくしてくれたので。解散を聞いた時は、すごく寂しかったです。
── 特に印象に残っている先輩との思い出は何ですか?
三品:私がStreet生になってすぐに、ちょうどGEMさんの結成があったんです。GEMさんに入るメンバーと入れ替わりだったので、私が名古屋に入るとき武田舞彩ちゃんのポジションになったんですよ。全然歌ができないのに舞彩ちゃんのパートを歌うことになって、舞彩ちゃんは本当に歌が上手だったので、最初はすごく嫌だったんですけど(苦笑)。すごいカッコ良くって、あんな風になりたいと思っていたので、iDOL STREETの中では私の一番の憧れでした。
── 解散の話を聞いて、連絡を取ったりはしましたか?
三品:ありましたけど、私自身があまりコミュニケーション上手ではないので、先輩とすごく仲良くしてもらうとかは出来なくて。でも、本当に優しくしてくれて、私が好きっていう話も分かってくれていたので……。本当に寂しいです。
── では最後に。わーすたの今後の活動について、三品さんの意気込みを聞かせてください!
三品:わーすたは今年で結成4周年で、「わんだふるYEAR」を掲げているので、まずは一年頑張っていこうと思っています。先輩達がいてくれたおかげで私たちがあるという気持ちが今は強いんですけど、だからこそ今わーすたが頑張らないといけない。アイドルになって、わーすたになって、今はわーすたに全てをかけてやっているので、もっと大きい場所を目指してやっていきたいと思っています。将来的には、本気でワールド・ツアーをやりたいですね!
撮影:山口真由子
書いた人:青山晃大
1983年三重県生まれ、音楽ライター。2006年からフリーランスで活動。現在は〈ザ・サイン・マガジン・ドットコム〉〈Qetic〉〈CROSSBEAT〉〈Real Sound〉他で執筆しています。