アンダーグラウンドなお店が大好きな、メシ通レポーターの裸電球です。
北海道のフードファイターたちが「最強」と支持するお店があります。札幌市から電車でおよそ1時間30分。滝川市の郊外にお店を構える「喫茶マリン」です。
席数の限られた地元の喫茶店にも関わらず、1日に50キロ以上のご飯を炊くこともあるとか。大盛りやメガ盛りブームで注目を集めたものの、お店で食事をする大半が近所の常連さんというから驚きです。
今回は、これまでの胃袋の限界を越える覚悟で挑みたいと思います!
外観はド派手、店内はいたって普通の喫茶店
お昼時をめがけて滝川市に向かいました。なんとも平和な駅前で、これから大食いを控えている私にとっては、嵐の前の静けさに感じます。
観光客気分でルンルンしていますが、目的の「喫茶マリン」に行かなくてはなりません。道行く人に尋ねたところ、駅前から車で15分以上かかるそうなので、タクシーに乗ります。
おお! ここですか! マリン感がムンムンする、海をモチーフにした外観がお出迎え。タクシーに揺られているときは、どんどん田舎に向かっていくので不安になりましたが、まさかこんな郊外にド派手なお店があるとは驚きです。
店内はいたって普通の喫茶店という印象です。昼時ということで、店内は大混雑。お客さんが次々と入店してきます。
マリンの名にふさわしい大きな水槽がありました。熱帯魚が優雅に泳いでいます。お店のママに店名の由来を聞いてみると、ご主人がスキューバーダイビングをされていたそう。なるほど!
天丼タワーにダムカレー……
常連さんの注文に耳を傾けていると、
「ママ、カツカレーのライス少なめ」
「俺は牛とじ丼のライス半分!」
皆さん、なんとも控えめにオーダーしているではありませんか。ご飯の量が調整できるようです。一瞬、弱気になりましたが、ここは男らしく通常サイズの天丼をオーダーしました。
なにやらゆっくり慎重に運ぶ店員さん。
ん?でかい、というか高い! すごいのがきた!
ドドーンと登場した天丼の普通盛り。ご飯は2合近くあるのではないでしょうか。天ぷらも崩れ落ちそうなボリュームで、まさに「天丼タワー」がそびえ立っています。
顔と比べると大きさはこのとおり。でかいです。重いです。
しかし、この奇をてらっていない感じの大盛り具合がたまりません。無理をすればなんとかなりそうな微妙なラインを攻めてきます。さすが普通盛り。
天丼タワーを前に、せっかくですからドローンの気分で撮影してみました。上から見る東京タワーってきっとこんな感じ。
下から見るとこんな感じ。見上げます。
アップにするとこんな感じです。
水槽の熱帯魚からはこう見えています。また人間が頑張っているぞ、と笑われている気分です。
このままだとタワーが崩壊してしまうので、小皿に移して食べ進めます。量は多いのですが、大味ではなく、とても美味しい! 天ぷらはエビやホタテ、ナスにピーマンなど、なんと11種類ものっていました。
天ぷらはどれもサクサクの揚げたて。エビもこの大きさです。これで880円は安いと思いませんか?
好物は「最後にとっておく派」ですけど、今日はさっさと食べておきます。
それにしても丁寧に作られているのがわかる天丼です。聞くと、店主は夜10時過ぎまでお店で作業して、朝は5時から市場に買い出し、そのまま昼まで仕込んでいるそうです。
これは地元に愛される理由もわかります。
天ぷらを小皿によけると、さらにその下から出てきます。水槽の青いライトに照らされて、深海に沈んでいくような気分を味わえます。
試合開始から30分。天丼タワーの解体作業を進めますが、今日中には解体が終わらないかもしれません。ギブアップ寸前です。
その時、向かいのお客さんが注文した「ピラフカレー」が!
ダムではありませんか! 貯水ならぬ「貯カレー」です。
喫茶マリンは何を頼んでも大盛りのお店。噂以上の破壊力です。せっかくなので、ダムも……。
上空からドローンで撮影させていただきました。チャプチャプしています。
想像以上にカレーが流れ出ていました。このお店は客同士の距離感も近く、ご近所さんで励ましあいながら完食を目指します。
200円ほどプラスするだけで、大盛りでの注文も可能です。写真は見るからに食べそうな人が挑戦していたオムカレー。ご飯は3合以上あるそうです。
ちなみにお店の方に伺うと、1日にお米を50キロ以上使うそうです。
どおりで減らないわけです。見かねた店員さんが助け舟を出してくれました。
「容器代かかりますけど、持ち帰りますか?」
はい、もちろんです! だって入店した時は二重あごじゃなかったはずですもん。
これくらいのお弁当、普通にスーパーで売っています。ちなみに夜ご飯としていただきましたが、しっかり満腹になる量でした。
私を見て、ダムの人も「半ダム」を持ち帰ることに決めたようです。
さいごに
今回の「喫茶マリン」は完敗に終わりました。
それにしても、チャレンジメニューではなく、あくまで普通盛りというところに脱帽です。お腹いっぱいで帰って欲しいというお店の愛に包まれて、お腹もまん丸になりました。どのお客さんも、よくあるレストランの2倍ちかくの大きさの料理を食べているので、自分が小さくなったような感覚です。
それにしても、この上に「大盛り」があるから驚きですよね。我こそはという猛者は是非挑戦してください。私は……常連の顔をして、堂々と「ライス半分」を頼もうと思います。
お店情報
喫茶マリン
住所:〒073-0042 北海道滝川市 泉町1丁目13-37
電話:0125-24-5948
営業時間:10:00~21:00(L.O.20:40)
定休日:日曜日