白いごはんに合うおかずといえば、鶏の唐揚げ、豚肉のしょうが焼き、ハンバーグ……。
なかでも、鶏の唐揚げレストランや豚肉のしょうが焼きレストランはあまり見かけないけれど、ハンバーグレストランはよく見かけることから、ハンバーグはその代表的な存在であるのではないかと思います。
ハンバーグレストランは個人店から大型店まで数多くありますが、1984年からチェーン展開を始め、現在は群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉県に計60店舗以上ある郊外型レストラン「フライングガーデン」をご存知でしょうか。
こちらの看板メニューは、社長自らが考案した名前を当初は社員全員が反対したというストーリーをもつ「爆弾ハンバーグ」です。
が、この看板メニューよりもお客さんが圧倒的に注文し、隠れた大ヒットメニューといわれているものがあります。
なんだと思いますか?
「ライス」です。
▲「ライス」270円(おかわり自由) ※ 写真のライスは特別に大盛りに
「フライングガーデン」の「ライス」は、お米の粒がそろっていて、つやつや、ふっくら。炊きたてのよい香りがして、歯応えがあり、もちもち。かめばかむほどお米のうま味が感じられて、ほんのりと甘く、ついおかわりをしてしまいます。
なぜこんなにおいしいのでしょうか?
埼玉県ふじみ野市にある「上福岡店」にお邪魔して、フライングガーデン本社広報担当の鳥飼英俊さんにお話をうかがってきました。
あつあつで肉汁が跳びはねる「爆弾ハンバーグ」
まず、「弾ハンバーグ」についてご紹介します。
こちらはしっかりとしたかみ応えのある食感で、口の中にお肉の風味が広がるように工夫されたレシピを3年かけて開発。
世界一安全といわれるオーストラリア産とニュージーランド産の牛肉を100%使用し、自社工場の完全クリーンルームで加工。ひとつずつ包装されてレストランに届きます。
▲「爆弾ハンバーグ」クイーン200g 970円〜、ランチタイムはライス・スープセットで1,078円〜
注文を受けたら、300℃に熱した網で表面をカリッと焼き上げ、同じように熱した南部鉄器の鉄板へ。そのあつあつをテーブルのお客さんの目の前でスタッフが半分にカットし、ミディアムに仕上げます。
サイズは「クイーン」200g、「キング」250g、「ダブル」200g×2で、おすすめは「キング」。もっとも絶妙な焼き加減に仕上がり、お値段もお得です。
ソースをかけると、バチバチと音をたてて肉汁が跳びはねます。その様子がまるで爆弾のようだから、というのがネーミングの理由です。
「爆弾ハンバーグ」は焼き方で味わいが変わるため、網で焼き上げるスタッフ、テーブルで仕上げるスタッフは「マイスター認定試験」に合格した人のみ。
胸にマイスターの「M」や「匠」と書かれたバッチをつけているので、訪問の際はご確認ください。
「フライングガーデン」には、お肉の生産から流通、調理までの幅広い知識を持ち、「全国食肉検定委員会」から認定された「お肉博士」がいます。
また、お米の産地や銘柄の特徴、おいしく炊き上げる科学的知識や実技能力を持ち、「日本米飯管理士協会」から認定された「米飯管理技能士」もいます。
それでは、話をハンバーグから白いごはんに移しましょう。
「ライス」のおいしさの決めてはスピード洗米
「フライングガーデン」では、「ライス」のおかわりが自由ということもあると思いますが、お客さんがハンバーグといっしょに注文する「ライス」とパンの比率は9:1。食べる量は一人平均1.8皿で、ほとんどの人がおかわりしている計算です。
日本人一人の年間米消費量が約60kgといわれているのに対して、一店舗が週末の一営業日に炊くお米の量が約35kgということからも、その評判のほどがわかるでしょう。
「ライス」のお米は毎年、気象条件によって味が変わるため、新米が出た時期に新潟、福島、栃木産のものを独自に組み合わせ、約20種類のブレンド米を考案。それらを食べ比べ、その年に使用するものを決定。
精米したお米は、1週間以内に使い切ります。
もっとも大切にしているのは洗米。とくに最初にお米を水につけるとき、表面についていたぬかが流れ出た水をお米が吸い込み、ぬか臭くならないように30秒以内に水を捨てます。
実際に上福岡店の店長に洗米の様子を見せていただくと、洗い桶に水をためる時間も短縮するため、あらかじめ水をためておいて、一気にお米を投入。
お米をささっと軽くかきまぜると、30秒もたたないうちに水をざざーっと捨て、今度は同時進行でためていた水を洗い桶に一気に入れる、手早く捨てるを繰り返すこと5回。ものすごいスピード感で、あせりました。
その後、水を切って、表面に残っているぬかを取り除くためにとぎます。お米が割れないように手のひらでやさしく、体重をかけながらもほどよい力加減で、そしてすすぎを手早く。これを3回繰り返します。
このように洗米するだけでも、お米の味がぐっとおいしくなるとのこと。後日まねしてやってみたら、お米が何やらいきいきと輝いて、うま味が新鮮! 試す価値大です。
さて、あとは水を十分に吸い込ませて、「爆弾ハンバーグ」と同じようにしっかりとした歯応えと、かんだときにお米のうま味を感じられるように少し固めに炊きます。
炊き上がってからは、3時間以内で提供し終わるように、毎日時間刻みでお客さんの数を予測。それに合わせてお米を炊くタイミングを店長が管理しています。
その結果、残りが出ることはほとんどありませんが、体育会系のお客さんが団体で現れたときは、厨房に「ライス点火!」の声が飛び交うそうです。
さらに「ライス」をおいしくいただくには
▲「ガーリックライス」322円。セット注文の場合は+63円でライスから変更可
また、「ライス」をよりおいしく食べてもらおうと開発した「ガーリックライス」も好評メニューです。鉄板に盛って醤油だれをかけ、にんにくを散らしてバターをのせたもので、こちらも「爆弾ハンバーグ」と相性ばつぐん。香ばしいおこげも楽しめます。
「爆弾ハンバーグ」のソースは、和風、にんにく、極うまチーズ、山わさびクリームの4種類。もちろんどれも「ライス」と合うようにつくられていますが、もっとも「ライス」が進むのはやっぱり醤油ベースの和風ソース。
スタッフによると、この和風ソースににんにくソースを追加注文するのが、おすすめの食べ方。さらにおいしさが爆発する! のだそうです。
というわけで、
「爆弾ハンバーグ」をかみしめると「ライス」が欲しくなり、「ライス」をかみ締めると「爆弾ハンバーグ」が欲しくなる。
「爆弾ハンバーグ」あっての「ライス」、「ライス」あっての「爆弾ハンバーグ」。お腹がはちきれるまで、この無限ループを味わってみてはいかがでしょう。
お店情報
フライングガーデン 上福岡店
住所:埼玉県ふじみ野市中福岡270-1
電話番号:049-256-5122
営業時間:10:30〜24:00(ランチタイム 月曜日〜土10:30〜16:00)
定休日:無休
ウェブサイト:http://www.fgarden.co.jp
※この記事は2017年1月の情報です。
※金額はすべて税込みです。