
「おかん、最近グルメ系の取材ないの」。とある夜、連絡が入った。連絡をくれたのは「yonayona」店主の野村くんだ。
「yonayona」は、京都の繁華街の玄関口、阪急の河原町駅からほど近いところにあるバル。繁華街ながら裏道のなかにあり、少し隠れ家っぽくもある。
決して夜は人通りが多いという訳ではないエリアながら、野村くんのキャラクターやらアテの味やら雰囲気のよさやら、まあ、いろんなものがからまって毎夜ギッチギチに人が入っているのだ。
「街の飲ん兵衛たちから愛される酒場」を地でいく「yonayona」。この魅力は『メシ通』読者のみなさんにもお伝えしておきたい。野村くんには二つ返事で「撮影行きますわ」と返事をしておいた。
乗車率200%超え? 大評判バル

連絡を受けてから数日後、お店に足を運んだ。看板が見える10歩先くらいから既に賑やかな声が聞こえてくる。
見ればやっぱり、外にまであふれる人の姿。あー、これは今日もギッチギチに入ってる……。
意を決して人の肩口に顔を突っ込み、店内へと侵入した。

▲狭い店内を埋めるお客さん。カウンターの向こうにいるのもお客さんだ
6席程度のカウンター席はもちろん全て埋まり、席の間に立ち飲みのお客さんがピッタリ余白を埋めている。

▲カリフォルニアの子どもみたいな風貌の店主野村くん
スタイリッシュビール注ぎスタイルでキメッキメの角度をありがとうございます。
「人ヤバいやん」とのわたしが言えば「撮れ高めっちゃあるやろ?」と強気の返事。はい、めいっぱい撮らせていただくことに。

残されたわずかなポジションを確保し、ビールを注文する。途端にはじまる乾杯ラッシュ!
常連さんもはじめての人もこの狭さゆえかあっという間に仲良くなる。ああ、このグルーブ感。おわかりいただけるだろうか。

▲お客さんがおろしたシャンパンをみんなで乾杯する
カウンターの内側に回ってパチリ。そもそもお客さんが増えるとカウンターの内側にも入れちゃうくらいの豪気っぷりもあるが、「yonayona」のカウンターはコンパクト。
ゆえにカウンターの向こうとこちらの距離感がとても近い。このあたりも常に人がやってくる評判の秘訣なのかも。

▲カウンターに並ぶビール、シャンパン、日本酒その他もろもろ
すっかりいい雰囲気なのだが、盛り上がりすぎて料理を撮るスペースがない。
この日は飲みに徹することにして、後日メシの撮影に再度うかがうという算段で、わたしは早くもカメラのスイッチを切った。

▲ベロベロに酔っぱらいました
なんてったって魚がおいしい

▲数日後にリベンジを仕掛けに突撃。今日も笑顔がステキだ
混む前の時間帯を狙って、早めの時間に再挑戦。
バス停まで走って急いで来たから喉がカラッカラだ、ビールをくれい!

▲ブラウマイスター 650円
ここの生はブラウマイスターだ。キレッキレにドライなビールもいいけど、コクがあってまろやかなビールもいい。魚に合うんだなこれが。

▲入り口すぐの黒板には飲み物のメニューが
書いてあるメニューは黒板のドリンクのみ、食べ物は野村くんに何がオススメか聞くスタイル。

▲つきだしの枝豆といかなごの釘煮
腹ぺこだったので、おまかせで何品か作ってもらうことにした。

▲鰆(さわら)のあんかけ 850円
まずは鰆のあんかけ。とろみの強すぎない餡はあたたかく、胃袋にやさし〜く染み込んでいく。ホロホロと柔らかな鰆は咬めば旨みがじゅわり。
きのこやお揚げさんなど、具沢山なのがうれしい。関西風のうどんだしにも似た、昆布のきいた餡は最後の一口までペロリと飲み干せる。

▲お造り盛り合わせ 1,300円〜
続いてやってきたのはお造りの盛り合わせ! キタキタキター。これですよ、やはり。見た目は小洒落たバルなのに、しっかり新鮮なお造りがいただけるってんで。
しっかりと歯ごたえのある鯛(たい)、脂のうまみが舌にガンガンくる鰤(ぶり)、貝の甘みが濃厚なサザエなど、皿にたっぷりと乗っている。
いやぁ、これを1人で食べるなんて、グフフッ。
また、甲殻類好きとして「これは……!」と感激したのがサザエの肝! 皿左奥のぐるぐるです。まったく臭みがなく、濃厚な肝の風味が凝縮されていた。

▲キャピることもできる有能な店主
というのも野村くん、じつは元漁師なのだ。
22歳まで広島の海にもまれていたんだそうで、その経験から鍛えられた魚の目利き、調理は素晴らしい腕前。仕入れる魚も仲買を経由せず、直接港から買いつけるため、新鮮な魚を提供することができるのだそう。

▲カウンターの奥にはピチピチの魚が

▲鶏と茄子の炊いたん 450円
でも、アテは魚だけではない。こちらは京都のおばんざい然とした一品。鶏肉と、鶏のダシが染みた茄子との相性が抜群。
一品系で好評の品としてポテトサラダなんかもあるが、あいにくこの日は先にきたお客さんがこぞって頼んだそうで早くも売り切れに。
てんこ盛りのビジュアルも評判の秘密、ぜひ行って実際に食べてみて欲しい。

▲季節のジントニック 800円
あとおすすめなのが季節のジントニック! シーズンごとの果物などをジンに漬け込んだドリンクだ。この日はレモン。爽やかな風味のなかにアルコールがしっかり効いていて、たまらん!
つい先日は赤じそのジントニックだったそうで、これも飲みたかったな。

▲アジの干物 850円
ダメ押しに干物まで食べちゃった。ホックホクの身がぎっしり詰まっている。干されることで魚の味が濃くなり、こんがりした皮の焼き目と一緒に海の香りが鼻腔に抜けていく。
日本酒でもいいかなと思ったが、干物の風味が濃いためここは濃いもん合わせで芋焼酎をチョイス。

▲芋焼酎 700円〜
デザートが干物に芋焼酎とはなんともアレでだが、おいしいからいい。むしろわたしはコレでいい。最高! ウフフ。

ちなみに「yonayona」には二階席がありまして。

エレベーターで注文した品を運んでくれる仕掛けがついている。
2階席は4人、多くても6人くらいが限界かと。野村くんひとりでお店に立っているため、混雑しているときは少し時間がかかってしまうけれど、のんびり一杯やりながら隣の人と仲良くしてみて。
きっと楽しい夜になりますよ!
お店情報
yonayona
住所:京都府京都市中京区中之町新京極通578-3
電話番号:080-1940-4196
営業時間:17:00〜翌2:00
定休日:日曜日
※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。



