これは穴場!西武園競輪場で「昼間っからヒョイ飲み」の愉悦 〜本格ピザとハイボールでクイッと一杯〜

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安田理央の「ヒョイと一杯のつもりで飲んで」 西武園競輪場で焼きたて本格ピザとハイボール!

僕自身はギャンブルは全然やらないんですが、競馬場や競輪場にはそれぞれ名物メニューがあって、評判なんて話はよく聞いていて気になっていました。 

しかも、あの場なら昼から飲んでても、少しも後ろめたくなさそうだし。

 

そんなわけで、やって来ました西武園競輪場。1950年開設(当時は村山競輪場)というから、66年もの由緒ある競輪場なんですね。田中誠先生の漫画『ギャンブルレーサー』の舞台になってた競輪場なんですが、あの漫画だとヤジとかすごくて、かなりガラが悪そうな場所として描かれてたなぁ。ちょっとドキドキしますね。

 

西武線で、新宿からも池袋からも40分チョイ。意外に近いですね。しかし、行きの電車のお客さんは、おじちゃんと若い女の子ばかりという不思議な構成なんですが、駅前のコースで、おじちゃんは競輪場、女の子は遊園地とはっきりと分かれます(笑)。僕も立派なおじちゃんなので、競輪場へ……。

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競輪場へ向かう人は、みんな競輪新聞を読みながら歩いてます。真剣です。
しかし、気になったのは、この看板。

 

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「イヌ・ネコ・サルなどペット類の持ち込みは、ご遠慮ください」
イヌ、ネコはわかるんですが、サルとは……。きっと過去に連れ込んだ人がいたんだろうなぁ(後で聞いたら、本当にサルを同行させた人がいたそうです)。

 

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そしてお願いコーナーには、数々の注意書きが。そうなんです。場内は写真撮影禁止なんです。なので、今回はちゃんと取材の許可を得て撮影しております。

 

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入場ゲートに直に入場料100円を投入するシステムです。
いやー、いい天気です。競輪場は一周400メートルなので、競馬場に比べるとだいぶコンパクトですね。特に西武園競輪場は直線が短いので、よけいにそう見えます。

 

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レースも始まっておりますが、とりあえず僕らの目的は、競輪場で酒を飲むこと。競輪のこと、全然わかんないですしね。同行の『メシ通』スタッフM君は競馬は好きみたいなんですが、「いや、競馬と競輪は全然違うんですよ」とのことです。

 

ま、とりあえず場内で飲食できるところをチェックしておきましょう。いわゆる売店が3ヶ所、レストランが2ヶ所あるようです。

 

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こっちが1Fにあるレストラン「むさしの」。大きな窓からコースも見えるし、もちろんテレビも完備なので、ゆっくり食べながら観戦できるわけですね。

 

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面白かったのは、メニューに調理時間のランクが書かれていたこと。例えば広東風五目焼きそば800円は「調理時間A2」、所沢ラーメン500円は「S1」、カレーライス550円は「SS」。SSが一番早く、S1、S2、A1、A2と続きます。つまり急いで食べたい時はカレーライス、余裕がある時なら五目焼きそばがオススメというわけですね。

 

気になるアルコールは、生ビール500円、チューハイが350円、日本酒が400円、ハイボールが400円というところですか。ここも落ち着いて飲み食い出来そうですが、せっかくの晴れた好天候の日ですから、やっぱり外で飲みたいですね。

 

売店の方に行ってみましょう。売店はスタンド席の方に一軒、1Fに二軒あります。販売しているものが微妙に違うようです。

 

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とりあえず一軒で焼きそば400円と、チキンカツ300円、それとレモンハイ350円を購入。


焼きそばは、まぁ、スタンダードな焼きそばですが、チキンカツは骨付きの大ぶりな物でボリュームがあります。ソースをたっぷりかけます。

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串もつはこっちの店にもあるんですが、もう一軒の方だと「赤・白」と二種類あったのが気になります。確か、白は普通のホルモン(腸)で、赤は肺(フワ)じゃなかったかな。


どちらも180円ですか。

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「すいませーん、赤白一本ずつ下さい」

「ごめんね、赤、終わっちゃったんですよ」

ガーン。まぁ、しょうがないですね。とりあえず白ホルモンをもらいます。

 

さて、どこで食べようかな。当たり前のことですが、みなさん競輪目的なわけで、レースを映し出すモニターが設置されてない場所にはお客さんは全然いないんですね。なので、もう貸し切り状態みたいなところがいっぱいあるんですよ。

 

んで、いいところを見つけました。以前、自動販売機コーナーだったらしき場所。自販機は撤去されて、屋根だけ残っています。天気が良すぎて太陽が眩しいので、屋根があるのは嬉しいですね。

 

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よし、ここで始めちゃいますか。焼きそば、チキンカツ、串もつにレモンハイという素晴らしいラインナップを並べます。

 

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ではいただきます。まずは串モツいってみましょうか。大ぶりで美味しそう。

 

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むむ……。意外に柔らかいぞ。

それでいてしっかりと歯ごたえもある。美味いね、これ。

 

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焼きそばは、ん、見た目通りに、ん、普通の屋台の焼きそばですね。でも、これは、レモンハイには、合うんだよね。グビリ。

そして、チキンカツ。ソースたっぷりかけて来ました。うん、うん、これこれ。食べごたえもあって、いけます。

 

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チキンカツというか、フライドチキンですね。こんなのビールとかチューハイに合わないわけないじゃないですか。

 

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あー、天気のいい日に昼間から外で飲み食いするの最高だなー。

 

「安田さん、せっかく競輪場来てるんだから、レース見ながら飲みましょうよ」

 

M君に言われました。おれ、全然ギャンブルには興味ないんだけど、まぁ、確かにそうですね。せめて見るだけでもね。

 

焼きそばやレモンハイのカップを持って、そのままスタンド席へ。日曜昼間なんですけど、スタンドは空いてますね。競輪場としてはよくないんでしょうけど、こっちとしてはゆったりと席が取れて嬉しい限りですよ。

うん、こういうスタンドで飲む方が美味しいかも。

 

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「安田さん、次のレースはガールズケイリン、つまり女性選手なんですよ」

へー。女性! なるほど自転車までカラフルだもんね。でも、これだけ遠いと男性だか女性だかわかんないですねぇ。

 

「せっかくなんですから、車券買ってみませんか?

 

あ、M君、競馬好きだから、競輪にも興味あるのね。買いたかったのね。でも、おれ、全然わかんないよ。

 

「じゃあ、とりあえず名前で選んだらどうですか?」

 

なるほど。というわけで出走表を見て、完全に名前と年齢だけで選んでみました。成績とか得点とかギヤ倍数とか見ても、さっぱりわかんないですからね。

 

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「じゃあ、おれ、茉利名ちゃん27歳と、レナちゃん20歳でいいや」

「5−7ですね。じゃあ、買ってきます」

M君、なんか嬉しそうに車券売り場へ飛んでいきました。

 

そしてレーススタート。漫画『ギャンブルレーサー』で見たみたいな怖いヤジが飛びかうこともなく、レースは進みます。競輪というのは、出身地によるラインとか、そういうのが色々あるらしく、人間関係まで読んで予想するのが面白いそうなんですが、まぁ、僕は全然わからないので(車券の種類すらわかってない)、ボーッと眺めていました。

 

えーと、茉利名ちゃんが黄色で、レナちゃんがオレンジね。

 

なんかよくわからないうちに、レース終了。茉利名ちゃんもレナちゃんもダメでした。そして、M君は当たったらしいんですが、なぜか大赤字だったそうです。車券の買い方が悪かったとか何とか。

 

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まぁ、僕はそういうのはよくわからないので、気持ちよくチューハイを飲んでおりました。レースがわからなくても、いい天気の日に、こうやってスタンドでお酒を飲むのはいいもんですよ。

 

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「そういや、もうひとつレストランがあるんだっけ」

「ああ、なんでもそっちは最近、新しいシェフが入って、本格的なピザが食べられるそうなんですよ」

ほう、本格的なピザですか。

 

競輪場でピザってのは、珍しい。珍しいというか、ミスマッチ。面白いから行ってみましょう。

 

実はこのレストランは特別観覧席の中にあるんですね。特別観覧席とは、1,000円で入れる特別エリア。バンク側が全面ガラス張りになっていて、なかなか快適な指定席なのです。そして、こっちはお客さんがいっぱいでした。そうか、スタンドにいないと思ったら、みんなこっちにいたのか。

 

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ギャンブルやる人って、指定席にお金払うくらいなら、その分、車券を買いたいのかと思ったら、意外に快適さを優先するもんなんですね。

 

そして、この特別観覧席の中のレストラン。さっきのレストランと値段はだいたい同じですが、お、これですか、「おまかせピザ」600円。本格的というけれど、ずいぶんリーズナブルな値段じゃないですか。

 

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ピザならワインといきたいところですが、残念ながらないので、ハイボール400円でいきましょう。

 

ウエイトレスの方に食券を渡すと

ピザは15分くらいお時間かかりますけど、いいですか?」

とのこと。なんでもシェフこだわりのピザなので焼きあがるまでに時間がかかるとのこと。冷凍のものじゃなくて、本格的な手作りピザなんだそうな。

 

はいはい、もちろん待ちますよ。ちびちび飲んでますから。
先にやってきたハイボールは業務用と書かれた缶入りでした。

 

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特別観覧席はドーンと大きなガラス窓なので、レストランのカウンター席からも、レース場がよく見えます。なるほど、これは快適。よくわからないなりに、レースを見ながらチビチビとハイボールを飲みます。

 

こりゃなかなか優雅な気分ですな。
さて、待つこと15分チョイ。やって来ましたよ、おまかせピザ。ほほう、縁のところが盛り上がって厚みのあるタイプですね。

 

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おお、生地はサクサクと香ばしく、チーズはとろーりアツアツ。

これは確かに本格的。競輪場で食べられるピザと言って想像するレベルじゃないですね。

 

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実は、本当は冷凍をチンしたようなものじゃないの、なんて思ってたんですよ。だって600円だし。ところがこれは間違いなくちゃんと焼き上げたものですよ。時間かかるのもしょうがないわー。

その価値あるわー。

 

やっぱりワイン欲しくなりましたね。入れて欲しいなー、ワイン。

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特別観覧席だと、無料の飲み物サービスもあるのでした。ホットコーヒーに紅茶、オレンジジュース。6〜9月はアイスコーヒーもあるんですが、今の季節は梅こぶ茶が用意されてます。いいじゃないですか。

 

この快適さ、1,000円払う価値あるかもしれないな。

 

ちなみに、他の競輪場で開催するのを中継で見る「場外開催日」は300円ということなので、単に飲食目的だったら、その日に来るのもいいかもしれないですね。

 

ところで、実はこの特別観覧席よりも、さらにゴージャスな観覧席があるのですよ。それがロイヤルルーム。なんと5,000円! 取材ということで、ちょっと中を見せてもらいました。

 

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これは、確かに落ち着いたムード。というか、すごく静かで、無神経に喋ってると怒られてしまいそう。本当にここは競輪場なのか、と思うほどです。

 

ちなみにこちらはドリンクだけではなく、こんなお菓子も付いてきます。

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そして、係員のお姉さんも、すごく美人だったことを付け加えておきます。写真は断られちゃったけど(笑)。

 

いやー、正直、そんなに期待してなかったんだけど、

いい酒だったなー、西武園競輪場。

ギャンブル場ならではの高揚したムードと、まったりしたムードが共存してて。


 天気のいい日にダラダラとここで酒飲むのって、結構楽しいかもしれない。

「今度、ちゃんと(競輪を)勉強してから来たいですね」

 あ、M君は別のところに興味があるみたいですね。

「そういえば、ここと秋との無料バスが出てるんですよ」

「秋と言えば、飲み屋の聖地じゃないの」

「そう。車券で当てて、秋で豪遊。どうですか、このプラン」

「ああ、いいねぇ。おれ、やらないで横で見てるけど、M君が当てたら、おごってね。ダメだったら、串もつおごってあげるから」

「せめてピザを……」

 

お店情報

西武園競輪場

住所:埼玉所沢市荒幡1215
ウェブサイト:http://www.keirin-saitama.jp/seibuen/
※レース開催日などはウェブサイトをご確認ください。

 

書いた人:安田理央

安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

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