みなさん、すっぽんは好きですか?
え、すっぽんを食べたことがないから好きか嫌いかもわからない?
それが日本人の大半の意見だと思いますし、実際にそうでしょう。
かくいう私も、すっぽんは食べたことがありません。
でもなぜかすっぽんにとても惹かれてしまう自分がいるのです。
今回は、実際にとてつもなく美味しい(であろう)すっぽん料理を紹介しようと思っています。いや、すっぽん料理というよりも、
「すっぽんらーめん」の紹介です!
聞くだけで美味しい響きのするすっぽんと、日本の国民食らーめんの融合。
妄想が膨らみまくるらーめんを提供しているのが「利しり」というお店。
日本一有名な歓楽街、東京は新宿にある歌舞伎町のど真ん中にあります。
営業時間は18:30からなんと5:00まで。
期待を胸に、さっそくネオン輝く街に迷い込んでみます。
いざ歌舞伎町へ。
等身大ゴジラの頭部を再現したことで話題を呼んだシネコン、TOHOシネマズ新宿を通り過ぎ……。
名店「味七」を通り過ぎ(筆者が行った時にはまだ営業開始していませんでした)ると……。
歌舞伎町の最深部までやってきました。
本当にこんなところにラーメン屋さんがあるのでしょうか……。
っと、ありました、「オロチョンラーメン」と書かれた赤提灯。
なんとも魅力的です。
魅力に抗わずに吸い込まれてみましょう。
さっそく入店。
店内の中央に置かれた、オープンキッチン状の広い厨房。
店員さんのテキパキとした動きを目で味わうことができます。
赤提灯にデカデカと書かれているので、もちろん「オロチョンらーめん」を注文しようと思ったら、メニューに、ベーシックならーめんだと思われる「利しりらーめん」の文字が。
店員さんに聞くと、「辛さを自由に調節できる『オロチョンらーめん』が一番出ます。『利しりらーめん』もうまいよ」とのこと。
迷います。迷って迷って、たまには筆者のメタボ腹を気にせずに、欲望の赴くがままに食べてみてもいいだろう。
ということで、両方注文しました。
驚いたことに、メニューには、普通のらーめん屋さんでは絶対ありえない一文がかかれていました。
「麺の代わりにごはんに変更できます。」
……酒を飲んだ後だったらとても素敵な殺し文句。でも冷静になって、らーめんで行きます。
店内の張り紙いわく「赤城のすっぽんを出汁にしている」とのこと。すっぽんは古くは甲だけでなく、頭、肉、脂、血も薬用として用いられ、現在でもその肉や血、またエキスは“補薬”として用いられてきた食材。利しりのラーメンは、全品に高級すっぽんコラーゲンを使用しているとのこと。
むむう、期待で胸が高まります。
まずはイチオシ「オロチョンらーめん」が着丼です。
丼がデカ過ぎ。
これを2杯って、頼み過ぎたかもと既に後悔している自分。
山盛りのネギが、スープの辛さをなんとなく予感させてくれます。
辛さはノーマルですが、見た目からして辛そう。
スープの底に赤みが沈殿しています。
特徴的だなと思ったのは、山盛りのピーマン。
辛さは一番レベルが低いものを選んだのですが、やはり結構辛いです。
やはりピーマンが特徴的で、他店のいわゆる「オロチョンらーめん」よりも、言葉は悪いかもしれませんが、一気に「家庭的」な雰囲気が前面に押し出されています。
基本となる味は「利しりらーめん」で味わうことにして、ごった煮感のある雰囲気を楽しみます。
麺は少々縮れ気味の中太麺。
スープですが、奥の方に、ぬめっとした旨味を感じることができます。
これがすっぽんの味わいなのでしょうか。
結構食べました。
でも全然量が減っていきません。
一息ついてタバコのBOXと比べてみたのですが、見てください。
デカいです。
何も言っていないのに特盛りレベルの丼が出てきてしまいました。
サイズは大きいですが大味ではなく、前述の独特なぬめり・旨みを楽しんでいるうちに、麺と具は完食。
筆者はスープを残さない主義なのですが、同じく巨大な丼がもう一杯やってくることは間違いないので、飲むのを控えました。
スープの表面に浮かぶネギの量が凄いです。
こんな感じで結構残ってしまいました。
矢継ぎ早に今度は「利しりらーめん」が運ばれてきました。
こちらはネギ控えめ。
肩ロースのチャーシューがどんどんどんと三枚乗せられています。
脂身が多く、かつ肉の歯ごたえを感じさせる、堂々とした存在感があります。
単に「昔ながら」というだけではありません。
先ほどの「オロチョンらーめん」よりも、何とも筆舌に尽くしがたいぬめり気が強いです。
これがすっぽんならではの味で間違いないようです。
醤油の甘辛さとのバランスも絶妙。
結構しょっぱく感じるのは、すっぽんの「癖」に合わせてのことなのでしょう。
美味しい。
美味しいのですが、二杯はさすがに頼みすぎました。
もう一度タバコのBOXと比べてみたのですが……このボリューム感、伝わりますかね。
メンマもでかいです。
こちらも完食しました。
おなかいっぱいです。
何度も言いますが、筆者はスープを残さない主義なのですが、流石にダメです。
欲望の赴くままに、巨大な丼を二杯も食してしまいました。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、このお店を出ると、右を向けばスナック街、左を向けばホテル街が目に入ってきます。
2杯も食べれば精力増進効果は抜群のはず。
さてと、どちらに向かおうか。
久々に自分の中の男を感じる一夜です。
……しかし食べすぎました流石に。年をとってからの暴食はいけませんね。
夜の街は今度また、というわけで家路についたのでした。
年をとってもときめいていたい。
無駄な精力がなくなっても、色気のある大人でいたい。
大人の遊び方を知っている、これから知ってみたい皆さんへ捧げる一店です。
お店情報
利しり(りしり)
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-27-7 柳ビル
電話:03-3200-2951
営業時間:18:30~翌5:00
定休日:日曜、祝日
書いた人:
山岡二郎
早稲田の名店『やまぐち』に出会ってしまい、人生折り返し地点で突如ラーメンが大好きになってしまった中年サラリーマン。都内で評判のラーメン店はほぼチェック済み。最近好きなラーメンは鶏白湯系。「あらゆることににわかでいたい」がモットー。