栃木県のマイナーご当地グルメ「にらそば」が画期的なうまさだった【誠や9号店】

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栃木県・鹿沼市民限定のソウルフード「にらそば」を知っていますか

こんにちは! 東京ソバット団のソバット本橋です。

ところでみなさん、「にらそば」って知っていますか? もりそばにゆでたにらをのせた栃木県鹿沼市のご当地グルメなんですが、にらの甘みと香りがそばに合って、めちゃめちゃうまいんですよ。

ただ、どうもメジャーになりきれなくてですね、鹿沼以外ではなかなか知られていない「マイナーご当地グルメ」だったりするのが現状なのです。

しかし、そんなレアな「にらそば」が食べられるお店が、人形町にあるんですよ。

 

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そのお店は「誠や9号店」。

手打ちそばを手軽な値段で食べられる素晴らしいお店なんですが、ここの「にらそば」(もり500円+にら100円)が絶品なんです。

まずはその美しいビジュアルをご覧ください。

 

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にらの緑がきれいですね~。このにらをそばに絡めていただくわけなんですが、「誠や9号店」のにらそばが素晴らしいのは、このそばにあります。

 

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にらは香りが強いので、繊細なそばだと、どうしてもにらに負けちゃうんですよ。

その点、こちらのそばは香りが強めの、「粗挽き田舎そば」。

にらをしっかりと受け止めて、素晴らしい風味を味わえるんです。

 

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田舎そばは麺がごわつきがちなんですが、こちらは幅広タイプでのどごしも良し。

ズルズルッといけちゃいますよ。

 

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そしてここで秘密兵器を投入。

生たまご(50円)をもり汁に入れて、すき焼きのようにそばに絡めて食べてみましょう。

 

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こ~れ~が~、うまいんですよ! 

 

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「にらそば」にたまごのコクが加わってうま味がブーストアップ。ひょっとして、これが「にらそば」の正しい食べ方なんじゃないかと思うぐらいうまいです。

 

画期的なメニュー「丼もりそば」

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ここ「誠や9号店」には、「にらそば」以外にも画期的なメニューがありまして、それがこの丼もりそば(600円)。

冷たいそばをせいろではなく丼に盛り、その上にかき揚げと温玉がのるという、なんとも豪快な一杯なのです。ちなみにのりは、無料でトッピングが可能。

 

この丼もりそば、もりと言っているだけにもり汁が別につきまして、まずはそばをつけて楽しむと。

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じっくりそばを堪能したら、次にもり汁を豪快にかけちゃいます!

 

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こうすることで、もりそばもぶっかけも同時に楽しめちゃうわけです。

これ、なかなかのアイデアじゃないですか?

さてさて、「にらそば」に「丼もりそば」と、大衆そば好きの心をくすぐりまくる「誠や9号店」ですが、実は店主の福田さんは、もともとせいろ1枚が800円ぐらいする本格そばのお店を営んでいたのです。

そんな福田さんが、なぜ現在のような大衆路線のお店を始めたのでしょうか?

 

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福田さんはもともと栃木県の出身で、栃木にある松屋製粉株式会社という、そばを主に扱う製粉会社で働いていました。その後、自分でお店をやりたくて退職し、見習いに入ったのが、世田谷にあったある本格そばのお店。

 

f:id:Meshi2_IB:20181031154823p:plain福田さん:そこは十割の細打ちを出す、いわゆる高級店です。近くに住むタレントさんもよく来ていましたね。そこでしばらく働いていたんですが、主人がお店をやめると言うので、自分が後を継いで経営することになったんですよ。

お客さんがついていたこともあって、継いだ後の経営は順調。しかし、お店を続けるうち、福田さんは違和感を覚えるようになったと言います。

 

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f:id:Meshi2_IB:20181031154823p:plain福田さん:お店のコンセプトが、自分の趣味じゃなかったんですよ。もともと栃木の田舎っぺだし、そばは気取って食べるもんじゃないって感覚があったんですね。なんか、自分のお店なのに居心地が悪くって。

 

そこで福田さんは、実験として週に1日だけ、天ぷらをのせたそばを750円というサービス価格で出してみました。すると、ふだんはまったく来ないお客さんがやってきたのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20181031154823p:plain福田さん:ちゃんとしたそばを、気取らず、安く食べられるお店をやりたいと考えて、試しにやってみたんです。そうしたら学生さんが来てくれて、聞いてみたらいつも気になっていたんだけど、高そうで入れなかったと言うんです。すごくうれしそうに食べてくれて、そのときにこれならいけるって確信しましたね。

 

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しかし、ここで問題が一つ。

そばを安く出すなら、数を多く出す薄利多売でないと商売にならない。

しかし手打ちのそばは1日で作れる数がどうしても限られるし、そば打ち職人を雇うとその人件費がそばの価格にのって安くはできない。

そこで福田さんが考えたのが、そば打ちが趣味の人に、そば打ちだけを手伝ってもらうというやり方。世の中には本格的なそばを打てるのに、趣味でとどまっている人がたくさんいる。

そういう人に協力してもらおうと考えたのです。

 

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f:id:Meshi2_IB:20181031154823p:plain福田さん:最初はネットで人を探したり、お店に来た人に頼んだり。今は私ともう1人でそばを打っています。そば打ちが趣味の人はあちこちにいますし、わりと順調にまわっていますね。できればこの仕組みを全国に広げたいとも思っています。

 

高級店からの再出発で「誠や9号店」がスタートしたのが9年前。老舗飲食店が居並ぶ人形町だけに最初は苦戦したようですが、安くて本格的なそばが食べられることで評判を呼び、今ではそば好きに知られる名店になりました。

 

f:id:Meshi2_IB:20181031154823p:plain福田さん:昼だけでなく夜営業にも力を入れたんですよ。このへんは早い時間から飲むお客さんが多いんで、地酒を500円で飲めるハッピーアワーは、すごく喜んでもらえました。

 

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17時から19時まで、こちらの看板の地酒が500円! 日本酒好きなら、ラインアップを見れば、この価格がどれだけお得かわかってくれると思います。

 

十割のせいろそばもコスパ抜群

ちなみに昼は気取らず食べられるそばが売りの「誠や9号店」ですが、夜になると本格的な十割のせいろそば(750円)が楽しめるんですよ。

せっかくですから、そちらもいただきましょう。

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美しい……。取材したときはタイミングよく新そばになっていたんですが、この濃厚かつ洗練された香りは、田舎そばにはない味わいです。

 

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それにしても昼の大衆的なそばから夜の本格そばまで、幅広いニーズにしっかりと応えてくれる「誠や9号店」。そば好きならどのタイミングで行っても必ず満足できるはずなんで、ぜひ一度、行ってみてください。

おっと、「誠や9号店」では、月イチでアコースティックのフリーライブも開催されています。音楽好きの方もぜひどうぞ。詳しくはお店までお問い合わせを。

 

お店情報

誠や9号店

住所:東京都中央区日本橋人形町3-1-9 小島ビル1F
電話番号:03-5649-9995
営業時間:月曜日~金曜日11:00~15:00 17:00~22:00 、第2~第5日曜日11:30~14:30 17:00~20:00
定休日:土曜日・第1日曜日・3連休の日曜日・祝日

www.hotpepper.jp

 

書いた人:本橋隆司

本橋隆司

フリーランスの編集、ライターとしてウェブや雑誌などで仕事中。立ち食いそば好きが高じて2013年に『立ち食いそば図鑑 東京編』を、2014年に『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を制作。そばであればだいたい好き。


撮った人:安藤青太

安藤青太

カメラマン、書籍制作。グラビア系から食べ物系まで何でも撮るカメラマン。本橋とは『立ち食いそば図鑑 東京編』『立ち食いそば図鑑 ディープ東京編』を制作。その他『檀蜜DVD色情遊戯2』『DK 男子高校生萌え』『書店男子』など。好きな立ち食いそばは「コロッケそば」。

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