高田馬場「レッドロック」の絶品メニュー「ローストビーフ丼」に並ぶ【セクシーJ】

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とある文献に、『我、あえて行列に並ぶ。食の楽しみは、箸を持つ前から始まっている』

と言う句があります。

食文化の歴史の中で、本当の粋人が密やかに嗜んできた愉しみ、「行列道」という作法をご存じでしょうか?

お昼どき、飲食店の前に出来た長い行列をみて、興奮はするけれど実際に並ぶのは時間もかかるし苦手と思われる方は多いはず。

しかし、これは行列の楽しみ方をしらないからだと思うのです。

今回は、私、行列愛を掲げる行列道の伝道師・セクシーJが、粋人が楽しんだ行列に並ぶことの楽しさ、いや、この祭典に参加する事の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

 

 「この列の先に、間違いなく美味しいものがあるから」

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お話をいただき、やってきたのは高田馬場。昼どきということもあり、町中がめしっ気で溢れ返っている。 

 

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高田馬場……本当に危険な街。誘惑が牙をむく。

半端な気持ちであったら、一発でやられていただろう。 

 

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しかし忘れてはいけない。並んでこその行列道。心を鬼にして行列を探す。 

 

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お目当ての店を発見。

よし! ちゃんと行列ができている!!

私は料理ももちろんのこと、行列そのものも楽しみに来ている。

列の長さは味の礎、並ぶ時間は感動の呼び水。

この列の先に、間違いなく美味しいものがある。

 

さっそく行列道古典芸・「行列の喜びの舞」を奉納。

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 興奮のあまり、体に行列愛の文字が浮かび上がる。

 

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待ち時間そのものが、感動になるのご存じだろうか? まずは時間をチェック。

 

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この長さの列ともなれば、まずやるべきことは一つ。 

 

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空丼……英語でいうところの「エア・どんぶり」である。

かつて食の粋人たちは、着列するとまず空の丼ぶりを想像で満たし、かきこむふりをしてその店への敬意を払った。

科学的にも、空腹を煽ることにより、脳内ホルモンの活性化、美肌効果などが認められている。

 

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ひと息入れるため、水を飲む。

 

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もちろん、空水(エア・ウォーター)である。

いちど列に着いたら、けっして飲み食いはしない。

店主への敬意と、のちに訪れる感動への布石である。

 

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空腹を感じ、空腹と対話する。

かつてのモノの無い時代と違い、忙しい現代人では、なかなか出来ない体験である。

 

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もちろん行列中は、軽い運動もお勧めしたい。

空腹の時ほど脂肪が燃えることは、スポーツ科学でも立証されている。

名付けて、「行列・スクワット」である。 

 

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列が順調に進みだす。

いや……これではダメだ……順調すぎる……進みが早すぎるのだ。 

 

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そう感じた私は、 

 

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行列の順番を後ろの若者にゆずり…… 

 

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f:id:Meshi2_IB:20150605185055j:plainもういちど最後尾に着きなおした。

 

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これぞ行列道奥義・「ダブル行列」という技である。

何故か?

私がまだ“ゾーン”に入りきれていなかったからだ。

まだ、行列よりも自己が勝っていたのである。

後悔が半端ではないが、早く食べられるのと、後悔なく食べられるのとは別。

つらいところである。

(※「ダブル行列」は、熟練者でないと大変危険なだけでなく、お肌のトラブルの原因にもなります。絶対にマネしないでください)

 

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自己とはなにか。ローストビーフ丼とはなにか。

炎天下の下、自問を繰り返す。

 

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1時間経過。 

 

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喉が渇き、雨水を欲するも、晴天が続く。

 

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なぜ皆ならんでいるのか?

なぜ自分がここにいるのか?

だんだん解らなくなってくる。

“ゾーン”に突入したのだ。

頭の中が真っ白になり、すべてのことが面白くなる時間帯。

それが“ゾーン”だ。

 

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しかし、列は確実に進んでいる。

 

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小さな一歩ずつが、私をゴールへ導いていく……。

 

……思い起こせば、

 

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昨日の昼食からの断食。 

 

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厳しいトレーニング。

 

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すべては 

 

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この目的のため

 

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紡いできた物語が

 

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いまここに!!!! 

 

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実現されるのだ!!!!

 

行列という荒行を乗り越えた者だけが到達できる境地

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キミたちは感じたことがあるだろうか?

店内のシートの心地よさ、行列を乗り越えた同志たちの歓喜の声、一杯の水の麗しさを。

 

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目の前のメニューシートが、優しく微笑みかける。

(さあ、どれにするの?) 

「ローストビーフ丼、“大”(税別995円)でお願いします」  

 

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そう、行列道の神髄。

それは、余計なものをそぎ落とし、小さな当たり前に感謝すること。 

 

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最高の興奮は、 

 

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こうして訪れるのである!!!!

 

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いただけ!!!!

 

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肉、肉うまい!!

あふれ出る脳内物質!! 

 

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本能が歓喜の声を上げる!!!

「このローストビーフがうまいのだ!!」と!!!

 

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ただうまいだけじゃない!!

人生に刻まれる美味しさだと!!!

 

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肉の触感、舌触り、味、ボリューム、全てを極限までたのしんだ。

提供してくれたものを、全力で味わった。

「レッドロック」さん、ありがとうございます。

 

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本当にありがとう。

そして、一緒に並んでいた人達にも。

あ・り・が・と・う。

 

なぜなら、人はひとりでは、行列になれないから。

マイ・ライフ・イズ・GYOURETSU。

そう、これが、行列道である。

 

お店情報

レッドロック 

住所:東京都豊島区高田3-11-14
電話:03-6380-3917

www.redrock-kobebeef.com

www.hotpepper.jp

 

書いた人:セクシーJ

セクシーJ

オフィス北野所属。お笑い芸人。実家はプール付きの大邸宅、小学校から高校まで学習院という育ちでありながら、その後に造園業を学び、日本橋三越の屋上庭園の管理を任され園芸職人の世界で「頭(かしら)」となるなど異色の経歴の持ち主。

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