寄席って行ったことあります?
あたしゃ初めて行ってみたんですよ!
一見、シロートには敷居が高く感じられるかもしれないんだけど、行ってみりゃ全然そんなこたぁないんだ。
おうっ落語調が止まらねえや!
落語とほぼ縁のない世界に生きてたあっしでやんすが、聞いてみたら実に面白かったんですよ。
噺家さんっていうのは要するに、脈々と受け継がれてきた日本の“すべらない話”の達人なわけですから。
同じ内容の話だって、語る人によってずいぶん印象が違ったり、知ってる話だっていうのに思わず笑わされたりするってんだから、ホント不思議ですよ、奥が深いですよ師匠~!
で。
その落語を、毎日毎日何時間もやってるのが寄席です。演芸場です。
今回は、150年の歴史を持つ上野・鈴本演芸場にお邪魔しました。
何しろここ、お弁当やお酒を楽しみながら落語が聞けるんだもの!
テケテンテンテンテン、入り口~。
これは落語好きの友人、あっちゃん(写真と取材協力ありがとうよ!)。
この日の昼の部12:30~16:30の出演者はこちら。
こーーーんな、いろんな噺家さんや芸人さんを楽しめて、4時間で2,800円ってんだからお安いよねえ~。
途中入場も途中退席も自由だから、時には「仕事中に一休みしてますね、おとうさん!」って方もいるとかいないとか。
ちなみに夜の部は17:30~20:40の3時間10分となっておりやす。
さささ、入ってみましょうね~。
切符を買って、もぎりを通ってプログラムを受け取ると、ながっぽそいエスカレーターに乗って3階まで上がったらそこが寄席の会場。
おっ、売店が。
笑顔が素敵そしてフレンドリーなお姉さんがいます。
ここでお弁当やらお茶やらお菓子やら買って、落語を聞きながら食べていいんですよ。
うほほほ、お弁当購入~!ひとつ700円なり
ちなみにビールは自販機にて↓
「うっひひひひ……昼からしめしめだぜ」
会場はこんな感じ。
きれいずら。285席もあるんだよ。
そして特筆すべきは座席についたテーブル!
チョーン!
た、たたたた食べやすい!! 膝の上でおっとっとってやんなくていいシステム!
始まる前だけど、もう、わし我慢でけーん!
創業100年を超える老舗、神田志乃多寿司ののり巻きお詰め合わせなんよ~。
これが、ん・も~絶品!
甘辛いジューシーお揚げさんの中には、味のしゅんだ酢飯が。
刻んだ蓮根も入っており、シャキシャキとした歯ごたえがたまらな~い!
かんぴょうののり巻きも、さすが多くのファンを唸らせる逸品。
ただののり巻きであってただののり巻きではない……!
あと、ガリが酸っぱくってうまい。
周りの席のお客さん方も、寿司をつまんだり、デパ地下弁当を開いたり、と思い思いにモノを腹に収めておる。
そう、鈴本演芸場は持ち込みだっていくらでも可なのだ。
懐がでっけえなー!!
とにかく、お客さまに楽しんでほしいんですよ。寄席は大人の遊び場なので、飲んでもそう迷惑をかけるような人もいませんし。年に数回だけ、飲みすぎて救急車騒ぎになる方もいるんですけどね……(鈴本さん)
あらま!
でもわかる。この雰囲気、お酒が美味しすぎて進んじゃうかも~!
とか言っているうちに、まだ初々しい感じの前座さんが出てきて「まんじゅうこわい」を一席。
前座と言っても立派なものですね~。
まんじゅうこわいって、こんな話から始まるんだ。ほうほう。
して、最初の噺家は、若手の柳家花ん謝さん。
「お弁当でも食べながら、おかず・おかず・ごはん・舞台、くらいの割合で見てください」なんつって、気軽に聞ける雰囲気がすごい。
元力士の三遊亭歌武蔵さん。
電車の中で佐藤ちえっていう女性と間違われたんだって。
佐藤ちえさんに会ってみたいって言ってたけど、同感。
「色物」と呼ばれる落語以外の芸もいろいろ見られる。
マジックに、なんかおもろい歌。漫才にはロケット団が来た。
そんでこちらは日本の伝統芸
太神楽曲芸の翁家社中。
おおお、とにかくめでたい気持ちになるう~。
なんとも正月的というか「いいもの見た」感がすごい。
お見事っ!
合間合間にお弁当を咀嚼し、ビールを摂取する俺。
笑って食べて飲んで、とにかくしゃーわせ。
あごが高速回転……しているわけではなく、あごの下は向こうの座席の色だっ!
春風亭一之輔さん。
蜘蛛駕籠のオチが賑やかダンシングバージョン!
あーおもろ。
すべらんなあ~っ。
さらには動物鳴きまねの先駆者、江戸家猫八師匠!
ほーーーーーーーーーーっ!!!
トリは、柳家さん生さん。
噺は「試し酒」。
面白いのはむろんのこと、聞いていると完全に酒が飲みたくなる、その表現力よ。
今日っつうのは
- 柳亭燕路さんの「初天神」 団子の餡をなめる様子が忘れられない。
- 柳家さん喬さんの「そば清」 死ぬほどそばをすする様子が忘れられない。
- 柳亭左龍さんの「長短」 まんじゅうをいつまでも噛んでる様子が忘れられない。
ということで、すごいメシ通な内容であった。
ちなみにデザートにはアイス最中を食べました。
素朴でおいちい……。
稲荷もビールも最高だったし……ここは大人のパラダイスや。
大人と言っても、シニア層が多いながら中には大学生くらいの若者や、うら若きぴっちぴちの女性ひとり客が見受けられたりもしましたからね諸君。
敷居、全然高くない。
絶対、また来る!
※会場内での撮影は許可を得て行っています。普段は禁止です。
会場情報
鈴本演芸場
住所:東京都台東区上野2-7-12
電話:03(3834)5906(午前11:30~)
番組案内:03(3834)0311
ファックス:03(3834)5909
<時間>
【昼の部】12時開場 12時30分開演 16時30分終演予定
【夜の部】17時開場 17時30分開演 20時40分終演予定
<料金(通常興行)>
・一般:2,800円
・学生:2,500円(中学生~24才・学生証提示)
・小人:1,500円(小学生以上)
※本記事は2015年9月の情報です。
書いた人:矢島史
食うこと飲むことでメンタルをやりくりしているライター。収納やライフスタイルなど暮らし系の書籍の執筆協力、広告・クリエイティブ系の方々のインタビューなど。4コママンガも描くんだけど、今はPTAの仕事が大変でお休み中。脳みそがあっちこっちに飛んで落ち着きのない四十路。
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