どうも! ミステリーグルメが大好きなリポーターのハシモトです!
今回ご紹介するミステリーグルメは、珍しいウナギを見ながらウナギを味わえるという謎のお店です。本当にそんなお店は存在するのでしょうか?
さっそく噂のお店へ向かいました!
日本最大規模のウナギ水族館「雑魚寝館(ざこねかん)」
というわけで、大阪・堺市にある「雑魚寝館」へ。
▲南海高野線・浅香山駅から徒歩1分という好立地な場所にあるお店
外観はオシャレなカフェという雰囲気ですが……。
ふと、駐車場を示す看板に目を向けてみると気になる記述が……。
淡水魚ミュージアム?
よ〜くお店をみると、入り口横に水槽のようなものがチラホラ。
まさかここは、夏バテを解消してくれるおいしいウナギ料理(目指すはうな重!)を提供するお店ではなく、ウナギを代表する淡水魚を目で楽しむ水族館なのでしょうか?
高鳴るミステリーな鼓動を抑えつつ、お店へ潜入してみました!
「ハシモトさんですか? どうも、こんにちは。館長の亀井です」
そう声をかけてくださったのが、こちらのお店で“館長”を務めておられる、亀井哲夫さんです。(写真手前のメガネの男性です)
挨拶もそこそこに、看板にあった「淡水魚ミュージアム」についてたずねてみました。
「1995年に淡水魚を見学できる“私立”の水族館としてオープンしました。それから10年ぐらい経ったときに、私がウナギにハマりまして全国各地に生息しているウナギを集めだしたんです。それから、ここは淡水魚ではなく“ウナギ”の水族館になりました。淡水魚の頃からカフェのようなこともやっていたのですが、せっかくだからウナギに関するメニューを出すようになったんですよ」
もともと高校の社会科教師をしていたという亀井さん。まずは淡水魚。そして、岡山県児島湾で捕れる「青ウナギ」に興味をもって以来、ウナギの魅力にハマってしまったそうです。それから全国各地のウナギを集めるだけには飽き足らず、過去の文献をひも解いてウナギの歴史を調べるまでに。
しかも、こちらには世界19種のうち、11種ものウナギを飼育していると言います。
「大きな声では言えませんが、全国的に見てもこれだけ豊富な種類のウナギを見られる水族館はほかにないと思います。しかも、私立ですから」
こちらが飲食スペース横にある、ウナギ水族館。
▲たくさんの水槽が置かれ、中には珍しいウナギが。解説付きなのがうれしい
正直、素人目には種類によってどこがどうちがうのか見当がつきません。ちなみに、こちらがインドネシアのウナギです。
インドネシアっぽく見えるという方はプロの目を持っている方だと思います。
店内もウナギ尽くし!
店内にもウナギの水槽が……。そして、ちゃんと見回してみると、いたるところにウナギの姿があったのです!
例えばこちら。ウナギの置物。
世の中にこれほどウナギに関する置物があることに驚きです。
そして、もっともインパクトがあったものと言えば、「ウナギ釣りゲーム」。
ルールは見ての通り。釣竿を使って穴から顔を出しているウナギを釣り上げて(釣り糸の先端が磁石になっていて、ウナギの口あたりが鉄)横にあるカゴに入れる。ウナギの種類によって得点が異なっており、その得点を競い合うゲームだそうです。
まさしく、ウナギ愛にあふれる人にしか思いつかない究極の「ウナギゲーム」です。
こちらのお店に集まるお客さんもウナギ好きが多いそうで、楽しくゲームに興じておられますね!
ではでは、肝心のウナギ料理はというと……。メニューがこちら。
基本はカフェということで、コーヒーや紅茶メニューがメイン。好評なのは、なんといっても「特製うなぎカレー」1,500円。厳選したうウナギを使用し、ウナギの身がぜいたくに入っているカレーということですが、この日は、品切れということで味わうことはできませんでした。
ということで、出していただいたのが「土用の丑の日」の特別メニュー!
▲「うづくし料理」 1,000円
「土用の丑の日とえいば、みなさんウナギだけと思っていらっしゃいますが、そうではないんです。“ウ”がつく名前の料理も含まれるんです」
さすが、ウナギの研究家! 深い見識がうかがい知れます。こちらは“ウ”がつく料理のフルコース。「卯の花」「うりの塩漬け」、そしてウナギの頭である「半助」を使った「白黒2彩のうなぎそうめん」ほか数品。
通常、「半助」は捨てられる部分ですが、亀井さんによると、ウナギの頭こそ食べるべき部位とのこと。
「ウナギの歴史をひも解くと、虚空菩薩のお使いといわれています。だからその頭、半助には菩薩の知恵とパワーがつまっているのです。だからそれをおいしく味わうために、2014年に『株式会社うなぎ百珍』という会社を立ち上げました」
ウナギを愛し、ウナギの頭をおいしく食べるために、会社を立ち上げたという亀井さん。その情熱には、おそろしさすら感じます。
「半助」は、亀井さんに協力する、料理研究家、和食の料理人などの力を結集させてつくっているそうです。それが、こちら。
正直、骨だらけで食べられないのでは? と思っていたところ、お箸で割れるほど身はやわらか。口に入れると、骨のサクサク感が心地よく、味付けも絶妙な醤油ベースの甘辛系。ご飯のご飯にもってこいの味付けでした。
そして、そんなおいしい「半助」を刻んでつくるという「鰻チャーハン」。
▲「鰻チャーハン」 600円
「半助」のほか、玉ねぎ、人参、卵とオーソドックスな食材で仕上げたもの。甘辛いチャーハンは新しいおいしさ!
白ご飯のお供にはもちろんですが、「半助」にはしっかりとウナギの味わいが残っているので手軽にウナギのおいしさを味わえる「ウナギの調味料」としてもグッドです!
そんな感想を亀井さんにお伝えすると、
「だから、『半助』のおいしさをもっと広めたいという思いで、いろいろな商品を開発したんです」
という返事が。そう言って亀井さんが持ってきてくれたのがこちら。
ちょっと「半助」の見た目が……。という方にピッタリな瓶詰め「半助煮」(写真は、「山椒煮」と「蒲焼煮」です)。まだ販売準備中ということで購入はできませんが、近日中に販売予定。(気になる方は直接、「雑魚寝館」の方にお問い合わせください)
「ウナギは身しか食べられないと思っている方が多いと思います。でも本当は、工夫次第でぜんぶ食べられるんです。このウナギ愛をガソリンにして、もっともっとウナギの魅力を発信したい。そのために、ウナギに関する商品をどんどん販売していきますよ!」
この情熱は本物で、ウナギの骨を粉末にしたものが入った「うなぎ塩パン」300円。
そして、同じく骨の粉末を使ったクセになる味「うなぎ丸」(販売予定)。
など、さまざまなウナギメニューを計画中とのこと。ウナギ愛好者のみならず、ここまで斬新なメニューを提供されると、つぎはどんなメニューが登場するのか、大喜利的な魅力を感じずにいられません!
しかしこの熱すぎる情熱はどこから来るのでしょうか? 亀井さん本人は、「好きなんでしょう」ということですが、実際はウナギに理由があるはずです。なんといっても、ウナギは精がつくことで有名。それに囲まれ、(おそらく)毎日のようにウナギを食べている亀井さんがパワフルじゃないわけがない! だから今後も、周囲を驚かせるようなメニューを生み出していくことでしょう!
お店情報
雑魚寝館
住所:大阪府堺市堺区香ヶ丘町1-10-8
電話番号:072-233-8831
営業時間:毎週金曜15:00〜21:00
定休日:月曜日〜木曜日、土曜日、日曜日
※この記事は2017年8月の情報です。
※金額はすべて税込みです。