味の幸福買いませんか?炭鉱社員に愛された老舗ラーメン店 特盛もやし&オレンジ色に輝くスープ!

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「味の幸福を売る店」というキャッチコピーが目をひくお店が、北海道岩見沢市にあります。この界隈は昔、炭鉱で栄えたマチ。

鉱山で汗を流し、命がけで働く人たちはいつも腹ペコだったといいます。

 

「もっと量を多くして」

 

そんな要望に応えていくうちに、サービス精神旺盛の1杯が誕生しました!
山盛りのもやしに、麺は2玉以上、スープはオレンジ色に輝いています。
分厚いチャーシューはなんと3枚!

しかもお財布に優しい価格帯と、まさに「味の幸福」です。

市民に愛され続けて半世紀。らい久のラーメンをご紹介します。

 

向かったのは岩見沢市

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「もっと量を多くして」が口癖になりそうな、メシ通レポーターの裸電球です。札幌から電車で40 分、やってきました岩見沢!

 

北海道の中でも豪雪地帯として知られるエリアです。

目的のお店、「味の幸福を売る店 らい久」は駅から徒歩10 分ほどのところにあります。

 

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駅前に設置された銅像です。強烈に吹雪いています。

腰まで雪に埋まっているのではなく、やっと腰まで雪が溶けたのです。

取材をしたのは3月。これからの季節を北海道民は待ちわびて過ごしてきました。

長い冬がようやく終わろうとしています。

 

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アーケードになっている商店街を進むと「らい久」があります。
成人男性でも四苦八苦する量と聞いていたので、
昨晩からしっかりとコンディションを整えてきました。

どんなラーメンが登場するのか楽しみです。

 

 

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着きました! 渋い外観ですね、歴史を感じます。
看板には例のキャッチコピーが。

これから私は、どれだけハッピーになれるのでしょう。

 

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カウンターが数席あるものの、ここは常連さんの椅子取りゲーム状態。
基本的には6 人が座れるテーブルに相席です。

 

「奥の席いいですか?」

「あ、こっち詰めますよ」などお客さんの距離も近いです。

 

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みそ、塩、正油と定番のラインナップが並びます。
熱狂的ファンが多いという、「バターみそラーメン 700 円」を注文しました。

 

ついに登場! らい久の山盛りラーメン

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きました、これが噂のラーメンです。
見た目からして、すでに「幸福感」が漂っているではありませんか。

オレンジ色のスープを海に見立てると、中央にはモヤシ岳。

浮島のようにバターやチャーシューが浮かんでいます。
それにしてもすごい量ですね。

 

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山盛りで麺が全く見えません。
モヤシ岳が観光名所のようにそびえ立っているので、思わず記念撮影をしたくなります。

高さは10 センチほどあるでしょうか。

 

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バターも大きいです。
沈んでいるのでわかりづらいかもしれませんが、クッキーが作れちゃいそうな量です。

 

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具材を押しのけ、やっと麺を引き出すことができました。
「サッポロ麺」と呼ばれる黄色い縮れ麺です。

それにしてもたくさん入っています。
壁には「2 玉、200 グラム入り」という表記も。

すごい量ですねと店員さんに話しかけると、
今はだんだん多くなって、
200 グラム以上入っているのではないかということです。

 

 

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バターみそラーメンには、蜂蜜やゴマ油がたっぷり使われているそうですが、
どちらも旨みだけをガツンと残して、派手な主張はしてきません。

このバランスが非常に難しいそうです。

 

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半世紀に渡ってラーメンを作り続けるご主人の戸島さん(81歳)です。

岩見沢の近郊は炭鉱で栄えたマチで、昔は多くの炭鉱会社社員がラーメンを食べに来たそうです。

よく食べる炭鉱社員からの「もっと多く」に応えているうちに、現在のような大盛りのラーメンになったそうです。

さらに炭鉱で働く人たちは毎日が命がけ。

「明日に悔いを残すな」を合言葉のように誘い合わせ、仕事が終わったあとはご馳走をお腹いっぱい食べたといいます。

 

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当時より今の方が多いかもな〜と笑う戸島さん。
届いたばかりの麺をほぐしています。

製麺所に頼めば「熟成麺」も簡単にできるようになりましたが、自分でタイミングを見極めたいという理由から、毎日の仕事だといいます。

ちなみに私が食べたのは、「特大」と呼ばれるこの店ではノーマルにあたる2玉。
さらに上には「特製」という3玉入ったラーメンもあります。

 

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もやしの山をやっつけて、麺を1玉、チャーシューを1枚食べて、これです。
今、まさに運ばれてきたかのような量が残っています。恐るべし、らい久!

その時です。

入店してきたお客さんにご主人が一言。

「なんだい、また来たのか!」

 

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やってきたのは、休日は必ずここのラーメンを食べるという、常連の佐々木さん。

なんと本日2度目の来店だそうです!

ご主人も驚くという、レアなタイミングに居合わすことができるとは!
さっそく取材交渉し、インタビューさせていただきました。

 

私「本日、2回目って本当ですか」

佐々木さん「ええ、10時に朝昼兼用でね、特製チャーシュー食べたよ」

私「それって麺3玉に分厚いチャーシューたっぷりのやつですよね」

佐々木さん「そうそう、美味しかったよ〜」

私「今、15時ですよ」

佐々木さん「うん、5時間経ったら食べたくなっちゃってさ」

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しかも、また3玉入りの特製じゃないですか!
チャーシューもただ売り切れていただけで、抜いたわけではありません。

佐々木さん、この日だけで6玉も!
味の幸福を売られまくっているじゃないですか!

ちなみにこの特製ラーメンは、これまでに50 万食以上出ているそうです。
1 人で600 食は食べている人もいるのだとか。

 

人々を魅了する幸せの味

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命がけで働く炭鉱社員の胃袋を満たした、歴史ある一軒、らい久。

地元・岩見沢市民の胃袋をつかんで離しません。

 

帰り道もホッコリとした幸せな時間が続きました。

またすぐに食べたくなる栄養満点のラーメンです。

 

是非、岩見沢市のらい久に足を運んでみませんか。

 

※本記事は、2016年3月に取材しています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

 

お店情報

味の幸福を売る店 らい久 本店

住所:北海道岩見沢市5 条西2 丁目
電話番号:0126-22-2864
営業時間:10:30~15:30(無くなり次第、終了)
定休日:無休

www.hotpepper.jp

 

書いた人:裸電球

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。

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