たこ焼き店なのにワインリスト?四条大宮の鉄板焼き屋さんがハイレベルすぎる【京都】

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はじめまして。メシ通レポーターのナガオヨウコです。 このたび、ひょんなことからレポーターに抜擢いただきまして。

 

これから、京都のびっくりするほど美味しいもんから、「何でこういうことになったんや」っていう不思議なもんまで、めいいっぱいご紹介していきたいと思います。 どうか、生ぬるい目で見守っていただけると幸いです。

 

わたくし第一回目のレポは、ワインが飲める、屋台風のたこ焼き店です。 場所は、京都市・四条大宮の交差点から徒歩2分。 四条大宮は目立った商業施設がなく、わざわざ訪ねるようなエリアではありません。ですが、阪急電車や嵐電、市バスの乗り継ぎとして利用している人が多く、下町らしいお店が集まっています。 

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NGワードは「おまかせ」と「おすすめは何ですか」

四条大宮の交差点から、大宮通りを北方向へ。 大宮通沿いの東側に、ビニールカーテンに覆われたお店があります。

 

その名も「鉄板28号」。 

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平成元年に創業した、たこ焼きと鉄板焼きとワインのお店。 昭和からのお店ではないですが、昭和のたこ焼き店の雰囲気そのものです。

 

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ビニールカーテンを開けるとこんな感じ。 カウンター席のみで10席。

 

鉄板がありますが、 「ウチは鉄板もあるけど、基本はたこ焼き店や」 と、ご主人の杉原安紀さん。

 

「あの、初めてなので、お店のおすすめなどはありますか?」 とお聞きしたら……、

 

「『おまかせ』は、ありません、『おすすめ』は、全部です」

 

と。

 

よくよくお聞きすると 「メニューには、僕が美味しいと思ったもんだけを置いているで。でも、食べ物の好みなんて人によって全然ちゃうやんか。お客さんが昼に何食べてきたとか、どんな気分で食べたいんかは、僕は分からへんやん。とりあえずメニュー見て食べてみて美味しかったらそれでええし、何か違うなって思ったら伝えてほしい。こういうもんを食べてみたい、これどんな味ですかって聞いてくれたらちゃんとこっちも答えるで」 とのこと。

 

要は、自分が好きな食べ物くらいは、自分の舌で探って見つけてほしいということ。 私たちは、①お店の情報を探して、②お店で食べ物を選んで、③おすすめの食べ方で食べて、④美味しかったらそれで良しとして、⑤もし好みではなかったら、そのことをお店の人には伝えない……という、一連の流れが身に染みついているのではないでしょうか。

 

「自分が食べたいものが分からへんっていうことを、疑問に感じないのはおかしいんちゃうか」と、ご主人は語ります。

 

今、本当に食べたいのはどういうものなのか。 神経をとぎすませて考えてみます。 昼食は、アジア料理店でトマトソースのスパゲティー、コーラ2杯とホットコーヒー。その後、他の取材で昼は激辛カレー、夕方は家庭的なカレーを食べました。アップルケーキとアイスコーヒー2杯もいただきました(食べ過ぎや)。

 

さあ、私、何が食べたいんだ!? むむむぅ…… いま、私の力が試されている……。 しかし、わたくしはメシ通レポーター。そしてここはたこ焼き店。

 

全世界のメシ通読者に伝えるべきは、看板メニューのたこ焼き!

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たこ焼きはお持ち帰りもできますよ。

 

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年季の入ったたこたこ焼き価格表。1個25円、安っ!

 

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▲たこ焼き(8個) 200円

 

サイズは1個約30mmと、小ぶりです。 たこ焼きは、ダシが多め、素のまま!! っていうシンプルな味。 外側はカリカリ過ぎず、中はふわふわ過ぎず。

 

ワインは約200種。飲みたいものを感覚で指定すべし

ドリンクは焼酎も日本酒もありません。生ビールとソフトドリンク、あとワインのみになります。たこ焼き屋にワイン? と不思議に思うのですが、このお店、 ワインはなんと赤・白合わせて約200銘柄を揃えているそうです。

 

コンパクトな店内に、ワインセラーもあるんですって(席からは見えませんでしたが)。どんだけ本気なんだ!

 

ちなみに、ワインリストはありません。 「ミディアムでフルーティなのが飲みたい」、 「重めだけど、タンニンが強すぎないものを」 と、飲みたい味を指定します。 もちろん、食べている料理に合わせて選んでもらうこともできます。これ、ワイン初心者にはなかなか難しいです。 わたくし、ワインは大好きですが、ワインってよく分からないのですよ。

 

ご主人は、こんなヒントをくれました。 「日本人は食べ合わせに疎いねん。ビールは食べ物の味や脂をリセットさせる酒。ギョウザにビールが合うのは、ギョウザの脂を流してくれるからやで。対して、ワインは料理とのマリアージュを楽しむ酒」

 

「ワインを選ぶのは難しいと思う人もおるかもしれへんけど、アルコール度数と塩分濃度を合わせること、食材の色とワインの色を合わせることから考えてみたらええんやで。ウナギやマグロには赤ワイン、豚や鶏は火を通したら白くなるから白ワインを、って具合にな。 ウチはワインを200種置いているけれど、こういうお店やからカリテプリは重視してるで。あ、カリテプリはフランス語、コストパフォーマンスって意味やで」

 

ちょっぴりコワモテのご主人の口から、マリアージュとかカリテプリという横文字がすらすら出てくるのが不思議です。

 

ということで、ミディアムでスタンダードな赤ワインをオーダー。 こちらのたこ焼きはソースや青のりの主張が激しくないので赤ワインと合うんです。不思議、不思議だーー。

 

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▲コップワイン 300~500円、グラスワイン 500~900円、フルボトル 2,000円台~

 

選んでいただいたワインが美味しくて、これが食事とのマリアージュか! と感心しながら飲んでたら、銘柄を教えてくれました。

 

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その名も「NOMAD」=ノマド=遊牧民。

 

ルーマニアのワインでした。 ノマド的な働き方をしている、フリーライターのわたくしにぴったりの名前ではないですか! 狙って出してくれたのか、はたまた偶然なのかは、ご主人にはぐらかされましたけれども。

 

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「変態的なワインもあるで」ってご主人が言ってたので、 変わったタイプの白ワインをオーダー。

 

出てきた白ワインは、澄んだ蜂蜜のようなオレンジ色でした。 

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まったりした渋みがあって、白ワインって言われなければまったく別の飲み物。 好きかどうかというと、よく分からない。 また飲みたいかというと、飲むかもしれない、むしろこの味、好きかもしれない……そんな複雑な味のワインでした。

 

それにしても、上質なワインと背景のごちゃっと感……。「かしこまった空間で飲むと、緊張してワインの味が分からなくなることないか? ウチやったら先入観にとらわれず、ワインの味だけを判断できるやろ」ってことなので、このごちゃっと感は計算のうちなのかもしれません。

 

ワイン注文者だけが閲覧可能なメニューがある

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ビールを飲んでいる人には、たこ焼きやネギ焼きが書いてあるスタンダードメニューが渡されます。 しかしワインをオーダーすると、「鉄板28号」の真骨頂的な別メニューを見せてもらえます。

 

ただし、ほぼすべてが限定メニューです。 仔羊のタリアータ、イワシクジラのカルパッチョ アンチョビソース、炙り〆鯖と春菊とパクチーどっさり盛り、トムヤム和え麺……などなど。和洋中エスニック、ジャンル問わずのラインナップ。全部気になりすぎる! 

 

1人につきワイン2杯以上を飲むと、このメニュー表の料理は2割引になるという嬉しいサービスがあります。

 

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悩んだ末、ワイン用メニューの定番であるブルーチーズのねぎ焼きをオーダーしました。 ぺたんこの生地に、ブルーチーズや九条ネギ、卵を乗せるタイプです。

 

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▲ブルーチーズのねぎ焼き(レギュラー) 1,120円 ※1人につきワイン2杯以上飲むと900円

 

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直径は約20cm。いつも持ち歩いているメジャーです。

 

九条ネギは京野菜の一種で、青い部分を食べるネギ。辛みだけでなく甘みもあり、内部にぬめりがあるのが特徴です。そして、それなりに高価です。九条ネギは品種名になっているため、どこで育てても九条ネギなんですが、 「鉄板28号」は、京都市南区、最高級の九条ネギ産地・吉祥院の親戚農家さんから仕入れているそうなので、まさに本場もんの味が楽しめるのですよ!

 

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断面図。ブルーチーズの香りと塩っけ、九条ネギの辛味と甘み、卵の優しさがあいまって、本当に絶品です。ワインがすすむわあ!

 

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▲クミンまみれの仔羊とセロリの炒め物 1,100円 ※1人につきワイン2杯以上飲むと880円

 

なにぶん期間限定メニューです。このレポをお届けしているころ、メニューからなくなっているかもしれません。ご了承ください。

 

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仔羊の野生味と、セロリの香りと、クミンの異国情緒が一皿に。

 

うまあああああああ!! ワインも料理も初めて口にするものばっかりで、どれもこれも素敵。 期間限定メニューが多いから何度も通いたくなるし、きっと何度も通えば自分好みのワインも見つかると思います。 また来る、また来るよ!

 

たこ焼き店というカテゴリーを超えて、絶品のワインと創作料理を提供してくれる「鉄板28号」。美味しい新発見がたくさんあった夜でした!

 

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店舗情報

鉄板28号

住所:京都京都市中京区壬生坊城町4
電話番号:075-822-1688
営業時間:18:00~翌1:00(日曜日・祝日は~22:00)
※23時以降はワインがメインの営業になり、フードメニューが変わります。

※たこ焼きの持ち帰りは16:00~22:45
定休日:第1・2・3日曜日

※本記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて消費税込です。

 

書いた人:ナガオヨウコ

ナガオヨウコ

ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。

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