「独創的すぎるB級グルメレシピ発明家」がつくる、意外だけどムッチャおいしいオリジナルレシピとは

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話題のB級グルメレシピ本の著者に、アレンジレシピ創作の極意を聞いてきた

皆さんは、今いろいろなメディアで取り上げられている『世界一美味しいどん二郎の作り方』(宝島社・刊)というレシピ本をご存じでしょうか?

世界一美味しい「どん二郎」の作り方 誰も思いつかなかった激ウマ! B級フードレシピ

世界一美味しい「どん二郎」の作り方 誰も思いつかなかった激ウマ! B級フードレシピ

  • 作者: 野島慎一郎
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2018/01/12
  • メディア: 単行本
 

この本は、カップラーメンにいろいろな食べ物を加えてみたり、本来ならばそのまま食べるものを焼いたり揚げたりするなど、食材にB級なカスタムを加えたレシピが60ネタも掲載されたレシピ本です。

本の著者である野島慎一郎さんは独創的なアレンジB級フードを数々発明しており、ネットを中心に話題になっています。

野島さんはいったい、どのようにして数多の創作レシピを生み出しているのでしょうか? ご本人に直撃インタビューを決行しました。

 

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野島慎一郎さんは、インターネットニュースサイトを中心にさまざまなメディアで執筆を行っているフリーライター。

2005年には漫画家としてデビューも果たしており、文章だけでなくイラストやマンガ制作も精力的に行っています。

ちなみにこの記事のトップのイラストも、野島さんのもの。

 

ちなみに、過去の『メシ通』でもこの記事や

www.hotpepper.jp

 

この記事でも……

www.hotpepper.jp

で、「ライターの野木島さん」として登場している男性なのです。

 

── 野島さんが生み出しているアレンジB級フードは、もともとどのような経緯で作られ始めたのでしょう?

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainインターネットニュースサイトでの連載企画がきっかけです。とはいってもグルメ記事というわけではなく、「なんでもいいから面白いことをやる」という自由な企画のなかのひとつとして書いていたものでした。

 

── なるほど。純粋に「グルメ」という観点でつくられたものではなかったのですね。

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plain記事の反響がほかのものと比べて大きかったので、数を増やしていくうちに「どん二郎」を始めとしたネットでバズったレシピも生まれてきて、その結果として本の出版にまで行き着いてしまった感じですね。

 

── こういったレシピはどんな時に考え付くものなのですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainぶっちゃけ、締め切り前です。

 

── 身もふたもない(笑)。そんなギリギリにならないと出てこないものなんですか?

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plain普段から常に考えながら生活しているんですが、実際に作ってみたり形にしてみるのは追い詰められないとできないタイプなんですよ 。その方が集中力が研ぎ澄まされて良いような気もしますし……。

 

── しかし、3年も連載していたら、そろそろ食材のネタも尽きてくるのでは……。

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainカップ麺なんかは常に新商品が出てくるので、ネタに困ることはないんですよ。でも本を出すときは新作を30ネタほど一気に考えたので大変でした。

 

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── 味についてはどうなのでしょうか。決してグルメを追求していないからには、「味に保証はできない」と言い切ってしまえる立場でもあるのでは?

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plain正直な話、予想どおりになることもあれば、まったく予想外の味になることもありますよ。ただ、基本的にはもともとおいしいものをアレンジしているので「すさまじくマズい」なんてことはほとんどありません。

 

── ということは、本に載っているレシピの料理は、どれもおいしいと言わせる自信がある、と?

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainたぶん……大丈夫なんじゃないですかね。ウマいマズいは人によるから、なんとも言えないし保証もできませんが……。

 

いやいや、そこはハッキリと「YES」と言ってくださいよ!

インタビューをしたおかげで多少の不安が残ってしまいましたが、ここはぜひ野島レシピ=おいしいをぜひ実証していただきたいところ。

まずは、『世界一美味しいどん二郎の作り方』に掲載されているレシピのなかから気になるものを2つピックアップさせていただきました。

 

「インスタント黒ビール」

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自宅にあるインスタントコーヒーを炭酸水で割るだけで、黒ビールそっくりの飲み物ができるといいます。

にわかには信じがたい話なのですが、野島さんは自信満々にこのレシピを推奨。

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plain酔えない日にノンアルコールビールを買って飲むよりも、こっちのほうが確実に経済的ですし。

 

まあ、確かにそうかもしれませんが……。

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まずは少量の熱湯でインスタントコーヒーを溶かし……

 

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コーヒーをよく溶かしたら、冷たいグラスに移し替えます。

この時、溶かしたコーヒー自体も冷蔵庫で事前に冷やしておくとなおよしとか。

 

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そして、キンキンに冷やした炭酸水をコーヒーに少しずつ注いでいけば完成!

 

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はい、こちらが「インスタント黒ビール」です。

とてつもなく簡単! そして確かに見た目は黒ビールに近いかもしれません。

しかし、問題は味です。

 

おそるおそるひと口、ゴクリと飲んでみたところ……

驚きました。

これは、まさしく黒ビールです。

ノンアルコールのはずですが、思い込みで酔いがまわるレベルで同じ味がします。

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainコーヒーの苦みって、黒ビールのそれとすごく近いんですよ。ポイントはすべてをしっかり冷やしておくこと。常温でつくると完全に気の抜けた黒ビールになるので、注意してください。

 

いくら飲んでも酔わないノンアルコールの黒ビール。

これはビール業界に一石を投じる発明(?)かもしれません。

 

「やきそば生地のお好み焼き」

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続いては、近所のコンビニで買ったお総菜の焼きそばを使ったレシピ。

焼きそばが入ったお好み焼きといえば、広島焼きというとてもおいしいグルメがありますが、まさか焼きそばを生地にしてお好み焼きを作ってしまうなんて!?

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainお好み焼きっていちから作ると、意外と材料が必要じゃないですか。でも、どうせ生地は小麦粉なんだから、同じ小麦粉で作られた焼きそばで作っても構わないでしょ。

 

あんまり理屈がよくわからないけど、作ってみましょうか。

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買ってきた焼きそばを1パックボウルに入れ、その上に卵を1つ落とします。

 

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これを、ハンバーグのひき肉をこねる要領で、混ぜる混ぜる混ぜる!

思いきりグニグニと握りつぶして、焼きそばをできるだけ細かくしておきましょう。

 

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油を熱したフライパンで両面をしっかり焼いたら出来上がり。

その上にソース・マヨネーズ・かつお節などをお好みでトッピングしてください。

 

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これが「やきそば生地のお好み焼き」!

見た目は完全にお好み焼きです。

食べてみると、ちょっとビックリ。あら、これは素敵な食感です。

味はほぼお好み焼きと思ってもらってOKですが、食べた時に焼きそばが焦げてカリッとした部分がしっかり残っていて、これがクセになるのです。

かた焼きそばやモダン焼きがお好きな方にはたまらない一品かもしれません。

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plain焼きそばはもともと調理されているので、混ぜて焼くだけでもキャベツやニンジンなどの野菜もしっかり取れます。とにかく混ぜて焼くだけなので、一人暮らしでコンビニ飯に飽きている方はぜひ試してもらいたいですね。

 

はっきり言って、これはお店にメニューとして出してもいいレベル。

私も今後、自宅でお好み焼きをイチから作ることはなくなってしまいそうです……。

 

『メシ通』だけのオリジナルレシピ!「あんまん饅頭」

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なんと、野島さんが『メシ通』のためにオリジナルレシピを作ってくれました!

その名も「あんまん饅頭」。

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainこれは本にも載せた、ピザまんをつぶして焼いた「ピザまんピザ」のあんまんバージョンです。最高のデザートになるはずですよ!

 

あんまんをつぶして焼くだけって、それは果たしてレシピと言えるのか?

思わずツッコミたくなってしまいましたが、これまでの成功例に免じて進めます。

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まず、手のひらであんまんを中身が出ないギリギリのところまでつぶします。

 

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熱したフライパンでバターをたっぷり溶かして、つぶしたあんまんを焼いていきます。

バターを絡ませつつ、焦げないように焼いていくのがポイントです。

 

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これで出来上がり。

これまでのレシピの中でもダントツに簡単でしたが、味の方はというと……。

外はパリッと、中はアツアツ。バターの風味がふわ~っと口の中に……。

これ、反則じゃないの? ってくらいにおいしいです!

 

f:id:Meshi2_IB:20180402023941p:plainあんまんは中華まんの中でも、いわばもっともシンプルな素材ですが、その分だけアレンジのしがいがあるんですよ。バターで焼いただけでも、ここまで変化するのはなかなか面白いですよね。

 

いやいや、お見それしました。

さすがとしか言いようがありません。

もう、毎日これがオヤツでもいいくらいです。

冬を過ぎてもスーパーで自宅で蒸すタイプの中華まんは売っているので、シーズンオフの時はそちらをご活用ください。

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いかがでしたか? 野島慎一郎さんによるB級アレンジレシピ集。

調理工程が極端に少ないので、料理が苦手な方でも気軽にチャレンジできるはず。

ぜひ、皆さんも作ってみてください。

 

書いた人:西たまお

西たまお

大学在学中より映像ディレクターを志したものの2年で挫折。その後は映像制作会社で宣伝を務めた後に、広告代理店に社内ライターとして勤務。2016年より独立し、フリーとなった。主にWEBサイトで健康や食に関するさまざまな記事を執筆中。ちなみに現在は、プロフィール写真から30キロくらい太っている。

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