こんにちは! 料理・食文化研究家の庭乃桃です。今回ご紹介するのは、夏の定番・そうめんを使ったエスニックなあえめん。良質なタンパク質を多く含むヘルシーな鶏ささみと、とろける蒸しなす、そしてたっぷりの野菜が一緒にいただけるうれしいひと皿です。
そうめんは手軽なランチとして活躍してくれますが、9月に差し掛かるとめんつゆで食べるのもさすがに飽きてきた頃。そこで今回は、ちょっとプラスするだけで一気にエスニック感の高まる食材や調味料を合わせながら、食欲をかき立てる、いつもとひと味違った味わいのあえめんに仕上げていこうと思います。
味付けの決め手となるのは、こちらのナンプラーをベースにしたたれと、ごま油、桜えび。ナンプラーはもちろん、乾燥した桜えびを揚げ焼きにして使うことで、エスニック料理ならではの魚介のうま味を手軽に引き出すことができるんです。
それでは、実際に作っていきましょう。具材は電子レンジで下ごしらえができるものが多いので、意外と簡単に作れますよ。
桜えびの香ばしさがたまらない、エスニックそうめん
材料(1人分)
- そうめん……2束(100g)
- 鶏ささみ……1本
- なす……1本
- もやし……1/2袋(100g)
- ミニトマト……1個
- ニラ……1~2本
- その他お好みで、紫玉ねぎ(普通の玉ねぎでも可)、パクチー(大葉でも可)、レモンなど……各適宜
【鶏ささみの下味】
- 酒……小さじ1/2
- 塩……少々
【ナンプラーだれ】
- ナンプラー……小さじ1と1/2
- レモン汁……小さじ1と1/2
- 砂糖……小さじ1/2
- にんにく(みじん切り)……小さじ1/2
- 赤唐辛子(小口切り)……少々
- 鶏ささみの蒸し汁……小さじ2
【えび油】
- ごま油……大さじ1と1/2
- 桜えび(乾燥)……大さじ1
作り方 具材とたれの準備
まずは、具材の下準備をしていきます。
①鶏ささみに下味の塩と酒をまぶし、耐熱皿にのせてラップをし電子レンジ600Wに30秒かけます。鶏ささみを裏返し、ラップをしてさらに30秒加熱したら、粗熱が取れるまで置いておきます(※ここで出た蒸し汁は後でナンプラーだれに使うので取っておいてくださいね)。
余熱で中まで火を通すことで鶏ささみがパサつきにくく、しっとりジューシーに仕上がります。手で触れる温度になったら、食べやすいサイズに縦に裂いておきましょう。
②なすは、ヘタを切り落としてピーラーなどで皮をむき、ラップに包んで耐熱皿にのせ電子レンジ600Wに1分ほどかけます。菜箸などで押してみて、やわらかくなっていたら取り出し、ラップごと水(分量外)につけて冷まします(硬さがある場合は、追加で電子レンジにかけましょう)。
手で触れるくらいまで冷めたら、ラップをはずして食べやすいサイズで縦に裂き、熱が完全に取れるまで置いておきます。この時、キッチンペーパーで丁寧に水気を取っておくと、ナンプラーだれが薄まらずおいしくいただけます。
③もやしは、ひげ根が気になる場合は取ってください。耐熱保存容器に入れてラップをし、電子レンジ600Wに1分30秒ほどかけた後、キッチンペーパーに広げて水気を取っておきます。
④ミニトマトはヘタを取り、半分に切っておきましょう。
⑤トッピングとなるニラは、生のまま5mmほどのざく切りに。生で大丈夫? と思われるかもしれませんが、切ってめんとあえると香りも食感もよくなります。
その他のトッピングは、お好みで。パクチーはエスニック感がグンと増すため、お好きな方はぜひ(苦手な方は大葉でもOK)。食べやすいサイズに切っておいてください。
薄切りにした紫玉ねぎは、なくてもよいですが、あると風味と食感のアクセントになります(普通の玉ねぎの場合は、薄切りにした後、水にさらすと辛みがまろやかに)。
レモンをたっぷりかけるのがお好きな方は、後かけ用に、ナンプラーだれに使うものとは別でご用意くださいね。
⑥続いて、味の決め手となるナンプラーだれを作っていきます。材料を混ぜ合わせるだけですが、ここでのポイントは①で取っておいた鶏ささみの蒸し汁を加えること。
こうすることで、うま味が増すだけでなくナンプラーだれが適度にまろやかになります。
⑦仕上げにかけるえび油は、エスニックそうめんを抜群においしくしてくれる必須アイテム。フライパンにごま油を入れて中火で熱し、温まったら桜えびを加えてカリッとなるまで揚げ焼きするだけ。とっても簡単にできます!
はい、できました! 油にも桜えびのうま味と香りが移っているので、多めに作ってチャーハンやラーメンなど、他の料理に使うのもよいですね。
具材とたれの準備ができました。あとはそうめんをゆでて、あえるだけです!
作り方 そうめんをゆでる
今回は、そうめんつゆにつける一般的な食べ方ではなく「あえめん」のため、そうめんのゆで方にもちょっとしたポイントが。それは、硬めにゆでて水気をしっかり取る、です!
⑧大きめの鍋にたっぷりの湯(分量外)を沸かし、そうめんを広げながら放ちます。くっつかないように菜箸で軽くほぐしたら、あとはいじらずに、吹きこぼれないくらいの火加減で袋に書かれたゆで時間より30秒ほど短めにゆでます。
※通常1分30秒~2分ほどと書かれていることが多いですが、今回は1分ほどが目安となります(ゆで上がりは、1本食べてみて粉っぽくない程度)。
⑨そうめんをボウルに重ねたざるに上げて何度か水(分量外)を替えながら、流水でもみ洗いして、熱を取りつつ、余分な塩分やぬめりを落としてコシを引き出します。
⑩できれば、ここで一度氷水(分量外)に入れて締めておきましょう(氷がなければ、割愛しても問題ありません)。
⑪最後は、ざるの編み目に押しつけるようにしながらしっかりと水気を切ります。こうしておくことで、後でナンプラーだれや具材をあえても味が薄まりにくくなりますよ。
作り方 仕上げ
さあ、全ての準備が整ったら、あとは手早く仕上げていきましょう!
⑫まずは、ゆでたそうめんをボウルに入れ、ナンプラーだれであえます。
⑬器に盛ったら、鶏ささみ、なす、もやし、ミニトマト、ニラなどの具材をのせます。
⑭さらにお好みで、パクチーや紫玉ねぎをのせ、レモンを添えます。
⑮最後に、味の決め手となるえび油をかけます。
できました! それでは早速いただいてみましょう。
ナンプラーだれであえたそうめんと、鶏ささみ、野菜、えび油をよく絡めながらいただきます。
もともと薄く塩味のついているそうめんですが、それがナンプラーだれを絡めたことによって、うま味、甘み、酸味、にんにくのコクが香るエスニック風になり、なんとも食欲をそそる味わいになっています。
そこにさらに、ガツンとパンチのあるえび油の香りとうま味! 揚げ焼きにしたカリカリ食感の桜えびが香ばしく、めんや具材に絡んでたまらないおいしさです。
硬めにゆであげたつるつるシコシコのそうめんと、しっとりとした鶏ささみ、とろけるようななす、シャキシャキの野菜たちが絡み合い、食感の楽しさ、風味の豊かさなどを楽しみながらついつい箸がすすみます。
ちょっとしたごちそう感すらあるエスニックそうめん、いかがでしたか?
いつも同じめんつゆ味では飽きてしまうし、買い置きのそうめんの使い道がない、なんていう時にもぴったりなエスニックそうめん。重たくないのに食べ応えがあるので、ぜひ作ってみてください。
書いた人:庭乃桃
料理・食文化研究家、女子栄養大学 食生活指導士。「おいしい」を取り巻くさまざまな食卓の風景に目を向けながら、企業向けレシピの開発や、執筆、講演など多方面で活動中。著書『おいしく世界史』(柏書房、2017年)。