採れたてピカピカの新米で「塩おむすび」を作ったら、とんでもないうまさだった

秋といえば、稲刈りの季節。実家の稲田で収穫した新米をいちばんおいしく食べる方法を模索していたところ、それならやっぱりおむすびだろう、という結論に。さっそくシンプルな「究極のおむすび作り」に挑戦してみました。

実家の秋田の新米でおむすびを作ってみたんです

秋。

新米が出回り始める季節です。

 

どう炊いてもおいしくなるのが新米なので、炊き方はヨソのサイトにおまかせします。炊飯器でも土鍋でも飯盒でも、なんでもよござんす。

ただし、昨年の米と今年の新米の差をちゃんと感じたいなら、「普段炊いてる方法」が最もわかりやすいと思います。

 

さて、私が今回食べた新米は、実家周辺で収穫された「あきたこまち」です。

 

このへんのエリアには、平成の大嘗祭における斎田があります。東西に2つ作られる斎田をそれぞれ「悠紀(ゆき)」「主基(すき)」と言いますが、ここは東日本なので「悠紀」に当たります。そういうやんごとなきエリア、尊い田園地帯で採れた新米だと思うと、一層ありがたみが増します。

 

今回は新米のおいしさをいちばんダイレクトに感じる方法として、おむすびをチョイス。新米を楽しむための究極のおむすびを探求しました。

 

まずピカピカの新米を炊飯器で炊きます。いわゆる「マザーウォーター(※地元の水)」で炊いたんですが、正直、水の違いはわからんかったです。

 

塩、具入り、焼きの食べ比べ

新米で作ったおむすび3種類の食べ比べです。

  • 塩むすび プレーン代表
  • 具入りおむすび 「一般的なおむすび」代表
  • 焼きおむすび(醤油) 筆者の好物

 

新米の特徴は、その水分量と新鮮さに由来するモチモチ感とわかりやすい香りだと思っております。おむすびのバージョン違いによってどのような差を感じられるでしょうか。

 

塩むすび

「スイカに塩」の原理っていうか、とにかく米の甘みが際立つのが「ご飯+塩」。

そして鼻に抜けてくる、輪郭の太い米の香り。ああ、米の香りの安心感。「オレは今、米を食ってる、しかも尋常じゃないやつだ」という実感は、塩むすびが最も強いのではないでしょうか。

 

具入りおむすび

具入りおむすびはやっぱり具の味が主役でした。

この撮影のために市場で買ってきた魚屋おすすめの筋子がうますぎたし、魚卵のしょっぱみと白米の甘みとの組み合わせがマリアージュすぎてベストマッチでした。

新米ゆえのおいしさを感じてる場合じゃなく、ただひたすらおいしいおむすびでした。

今回は筋子(筆者の好物)にしましたが、みなさんが新米おむすびを楽しむ際には好きな具を握ってください。梅干しや塩鮭、昆布やツナマヨ、ランチョンミートもいいと思います。

 

焼きおむすび(醤油)

実家の辺りでは、焼きおむすびといえば醤油です。大好物ではあるのですが、「焦げた醤油がおいしい」が先に立って、新米のうまさが隠れてしまいました。まあそうだよな。

ただし、モチモチ感はこれが最も強く感じました。焼入れをしてることと水分量がなにか関係あるのかもしれません。

ちなみにこのおむすびは母親に作ってもらったものですが、上手なんだよなあ。この照り。醤油をけっこう塗ってるのに型崩れしない安定性。香ばしい焼き加減。しょっぱすぎない完成度。いまだにマネできません。

 

食べ比べ結果

おむすびとしておいしいのは具入りや焼きおむすびですが、「新米のおむすび」として価値があり、おいしさになんかワケわかんねえ迫力があるのは、塩。塩むすびだと思います。

新米をおいしく食べるなら、まず塩むすびを試してほしいです。

 

「究極の塩むすび」を求めて

さてこうなると、もっと新米おむすびの完成度を上げたくなります。

塩むすびの助っ人に海苔を起用。シンプルゆえにパワフルな海苔巻き塩むすびでいきます。

 

秋田で採れたあきたこまちには秋田の塩を使いたいので、男鹿工房「男鹿半島おむすび塩」を使うことにしました。

 

地元の男鹿半島沖の海水を平釜で煮詰めて作られた塩とのこと。海水100%の塩ならではの複雑な味わいがバランス良く、ラフカットな結晶です。

 

ogakoubo.com

 

手で握る、すぐ食べる

手水で濡らした手に塩をつけてパパっと握るやつ。アレをやってみたいんです。もちろん「すぐに食べる」のが前提です。

衛生面で問題あるので、みなさんはラップ越しに握ってください。絶対にマネしないでください。

 

海苔

海苔は炙るとおいしいと聞きましたので、炙ります。

炙った海苔は「色が鮮やかな緑に変わる」「香りが立つ」らしいです。楽しみです。

 

海苔の炙り方

ガスの直火で炙るのは難しい(燃える、焦げる)ので、モチ焼き網を使いました。海苔には表・裏があり、ツルツルしてる方が表になります。

炙るのは裏面。ザラッとしている方です。

モチ焼き網をガスの弱火で加熱して、海苔の裏面に火がまんべんなく当たるように網を持ってグルグル動かします。

 

海苔の色が鮮やかな緑色、グリーーーーンになり始めたらすぐに火から外します。焦げ始めたら早いので5秒以内で終わらせたいです。

 

おむすびを握るぞ

握ってすぐ食べるのが目標です。全ての材料を用意してから、おむすび作りをスタートさせましょう。

炊きたての新米。

適量の塩。

手水。

炙った海苔。

 

ヨーイドンです。

あらかじめ茶碗に適量もったご飯を。

 

手水で濡らした手に塩をつけて。

 

すばやく握る。

 

海苔を巻く。

 

すぐ食べる。

 

うまい、すごい、新米

うまい、すごい、新米。

炙った海苔は磯の香りもクワッときたんですが、食感も変わるんですね。

抵抗なく噛み切れるので、ご飯馴染みが良くなるんです。なにより海苔の香りと塩気の効いたご飯がちょうどいいバランスで食べられる。そして塩のしょっぱさが引き立てる新米の甘さ。わかりやすく甘い。

この新米の香りと海苔の香りが合わさった時のパワーと迫力。これは、うまいです。

 

この季節にしかできないから、急いで炊いて食え

新米が新米であるがゆえの迫力あるおいしさ。これをダイレクトに感じるには塩むすびがベターだと思いました。

今この季節にしかできないことなので、ぜひ、急いで炊いて食うといいと思います。

まずは、塩むすび。

その後で、炙った海苔で巻いた塩むすび。

この2つはマストでお願いします。

 

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。

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