乳化と揮発で安い食材を美味しく「わさびしょうゆスパゲッティ」元イタリアン料理人のまかないレシピ【パパイズム】

こんにちは！　元イタリアン料理人、現役専業主夫料理人パパイズムです。

長年イタリア料理に携わってきた経験を活かして、身近な材料で、家で作れる美味しいパスタレシピを日々研究している私。今回は、大好きすぎて現役時代にお店のまかないで作りまくっていたわさび風味の和風パスタをご紹介します。

お安い豚こま切れ肉とえのき茸を使ったソースに、チューブ入りのねりわさびを溶かして仕上げる香り高い、コスパもいい一品。わさびの辛みは揮発性が高いので、調理する過程で辛みは飛び、いい香りだけが残りますよ。わさびを入れるタイミングもわかりやすいと思います。

イタリアンにわさびを使うなんてちょっと意外かもしれませんが、わさびはオリーブオイル（今回は使いませんが）とも相性がよく、ピッツァにも使っていたのでお店に常備していました。それに経験上、日本の丼ものに使う具材はパスタにも大体合うんです。

なお、レシピは、作りやすい2人分になっています。1人分で作る場合は、スパゲッティを茹でる水と塩だけそのままで、あとは材料をすべて半量にして作ってください。半量でも工程は同じです！

パパイズムの「豚とえのきのわさびしょうゆスパゲッティ」

【材料】（2人分）

スパゲッティ　200g
水　1.6L
塩　10g（茹で用）＋適量
にんにく　1片
サラダ油　大さじ2
えのき茸　1/2パック（50g程度）
豚こま切れ肉　160g
バター　20g
料理酒（日本酒、白ワインでもOK）　大さじ2
ねりわさび　チューブ6cm程度
しょうゆ　小さじ1/2（ふた回し程度）
刻みねぎ、刻み海苔　適量

作り方

1. にんにくはかたい根元を落として皮をむき、みじん切りにします。えのき茸は根元を切り落とし、2～3cmの長さに切ってほぐしておきます。

今回は豚肉を使うパスタです。そこで、豚肉の強い香りに負けないよう、にんにくは香りが強く出るみじん切りにして、ソースににんにくの香りをしっかり移します。

2．スパゲッティを茹でます。鍋や大きめのフライパン（今回は26cmのフライパン使用）に水と塩を入れて沸かします。沸騰したらスパゲッティを入れ、パッケージに書いてある時間のマイナス1分茹でて、コシのあるアルデンテ食感に仕上げます。

パスタを茹でる際のお湯は少なく見えますが、このくらいの方がパスタに含まれるでんぷんが茹で汁に溶け出しやすく、ソースを作る際に乳化を促しやすくなります。ただし、お湯はこれ以上少ないとパスタが塩辛くなっちゃうので注意してください。

3．スパゲッティを茹でている隣で、ソースを作ります。フライパンにサラダ油、にんにくを入れて、中火にかけて炒めます。

わさびの風味を活かしたいので、オリーブオイルではなく、香りのないサラダ油を使います。このあとで入れる豚こま切れ肉からも多少油が出るので、油は入れすぎに注意しましょう。

4．3がフツフツとしてきたタイミングで、すぐに豚こま切れ肉を加えて炒めます。

5．豚こま切れ肉のピンク色の部分がなくなり、全体に白っぽくなったら、ほぐしたえのき茸も加え、えのき茸がしんなりするまで炒めます。

火加減は中火のままで大丈夫です。えのき茸は加熱が足りないと独特のきのこ臭さが出てしまうので、しっかり炒めてください。

6．5にバターを入れて強火に切り替え、バターを溶かします。

7．バターが溶けたら料理酒を加え、5秒ほど煮詰めてアルコールを飛ばします。中火に戻して、スパゲッティの茹で汁（170ml、カップに8分目強）を入れたら、かき混ぜながら15秒ほど煮込んで乳化させます。

ソースを乳化させ、さらにえのき茸を煮込むことでもソースにとろみがつき、ソースとスパゲッティが絡みやすくなります。

8．塩で味を調えたら火を止めて、ねりわさびを入れて溶かし、スパゲッティが茹で上がるのを待ちます。

わさびの風味がしっかり残るよう、わさびは火を止めてから入れます。

9．スパゲッティが茹で上がる直前に、8のソースを中火で温め直し、フツフツとしてきたら火を止めます。スパゲッティが茹で上がったら、トングなどでつかんでソースの入ったフライパンに移します。

わさびの辛みはここで飛ばしますが、沸かしすぎるとソースが煮詰まったり、味が濃くなったりして風味が混ざり、わさびの風味が損なわれるので注意しましょう。

10．9にしょうゆを回し入れ、手早く混ぜ合わせたら完成。器に盛りつけ、仕上げに刻みねぎと刻み海苔を散らします。

先にスパゲッティだけ移し、そこに具をのせるとより美味しそうに盛り付けられますよ。

なお、ソースの完成からスパゲッティが茹で上がるまで時間が空いてしまうと、わさびがソースを吸って水分量が少なくなることがあります。スパゲッティを盛り付けたときにフライパンにソースがほとんど残っていないようなら、フライパンにまだ熱い茹で汁を足し、具材と絡めてからかけてください。必要な塩分は入れているので、再度の味付けは不要です。